トリニティとソレスタルビーイングの接触が近づいている。
トリニティ母艦側がプトレマイオスをカメラではっきりと確認できているということは、プトレマイオス側もトリニティ母艦を確認できているということだ。そのことを証明するように、ハロの報告が艦内に響く。
「ノゾカレテッゾ!ノゾカレテッゾ!イーノカヨ!イーノカヨ!」
それに対しヨハンは、何も対応は必要ないと答えた。
「こちらを警戒しているんだろう。好きにやらせるさ。」
そして、ミハエル、クロード、ネーナは席を立ち、プトレマイオスに乗り込む準備へ向かう。
「さぁーって、行こうぜ。」
「先輩方には丁寧な挨拶を心掛けろよ。ネーナ。」
「はぁーい、りょーかいっ!」
続いてヨハンもスローネアインへ向かっていった。
そこで、クロードはネーナに声をかける。
「ネーナ!アインのコックピットに4人は狭すぎる。俺と一緒に乗っていこう。」
「わかったわ!クロにぃ。」
「おい!クロード!ネーナを独り占めするつもりかぁ!?」
「そんなんじゃないって。今言ったようにアインに4人は狭いだろってゆーことだけだって……。」
「ケッ!ネーナ!ツヴァイに一緒に乗ろうぜ!」
「あまり相手を威圧してはいけない。2機が限度だろう。ネーナ!クロードに乗せてもらうといい。」
「はぁーい♪ヨハンにぃ♪」
「そんなのってねぇぜ!兄貴ィ……。」
ソレスタルビーイングとの顔合わせを前にしても、トリニティの普段の様子は変わっていないようだった。
だが、クロードの心中は、兄妹とのにこやかな会話の裏で波立っていた。黒いパイロットスーツを着ながら、クロードは考える。
(スメラギさんに如何に計画の在り様を匂わせ、俺達トリニティのいずれ訪れる破滅に気付いてもらうかが、きっとこれから兄妹達をソレスタルビーイングに回収してもらい、生き延びさせられるかに繋がるはずだ。俺の態度、一言一句が、これからの俺たちの運命を決める……。気を引き締めないとな。)
そんなことを真剣に考えていたからか、クロードの顔は少々険しくなっている。そのことにネーナが気付かないわけがない。
「クロにぃ、どうしたの?キンチョーしてる?」
「いや、うん、そうだね。俺はミハにぃとは違って、ソレスタルビーイングにリスペクトを持っているし、希望を持っているからね。」
「へー、クロにぃは彼らのファンなのね!」
「まぁね、それに、彼らは良くも悪くも甘い。俺たちがピンチに陥った時、助けてくれるのはきっと彼らくらいだけだよ。」
「ガンダムがあるのに、私達がピンチになることなんてなくない?」
「このまえのソレスタルビーイングみたいになる可能性だってゼロじゃないさ。それに……。」
「それに?」
クロードは人差し指を立て唇にあてがい、ネーナの瞳を正面から見据える。
「ネーナ、これは内緒の話だ。特にヨハンにぃにはな。俺は計画を少しだけだが察知している。この前ソレスタルビーイングがあれほどにやられていたのは、計画上ソレスタルビーイングの仕事は果たされたからだ。彼らは用済みだったんだよ。」
「だから私たちが介入を開始するんでしょ?」
「それはそうだけど、俺達の介入とソレスタルビーイングの存続を望むものと、最初の計画は違う意図のもと動いているってことが重要だよ。そして、俺たちの介入を指示したものも、自分たちの計画が進めばきっと俺達がいらなくなる。そのとき、この前のソレスタルビーイングのように切り捨てられたくはないのさ。」
「ふ~ん、クロにぃはいろいろ考えてるのね。」
あまり要領を掴めていないのか、それともそんなフリをしているのかわからないと思いながら、クロードはネーナの頭を撫でた。
「ちょっとクロにぃ!髪の毛が崩れちゃうじゃない!」
「ははは!とりあえず行こう!ネーナ!さあ、フィアーに乗ろう。」
クロードは母艦の下部についているコンテナの扉を開け、スローネフィアーのコックピットへと入る。半身をコックピットから出し、ネーナへ手を伸ばす。
「気を付けて、スローネの体はとげとげしてるからね。」
「アハハ もう、私だってもうガンダムマイスターなのよ?」
ネーナはその手を取り、微笑みながらスローネフィアーのコックピットへと入った。
OSを起動し、GNドライブも回し始める。スローネフィアーのモニターの横の方に、スローネアインに乗るヨハンとミハエルが映った。
「コンテナハッチを開けるぞ。クロード。」
「了解。」
「ケッ!クロードばっかネーナに甘えられてよォ~。」
「だってクロにぃはウザくないもの。」
話していると、トリニティ母艦の上下のコンテナが開く。赤いGN粒子をコンテナから溢れさせるスローネアイン、フィアーが、プトレマイオスへ向けてコンテナから離陸した。そして、スローネフィアーはスローネアインのすぐ後ろをつくように位置をとる。そして、スローネアインにプトレマイオスへの着艦許可を光通信で送ってもらった。返答は早く、
「着艦許可が出た。プトレマイオスへ着艦する。」
「ヨハンにぃ、ちゃんとフィアーの分も頼んでくれたか?」
「勿論だ。着艦の準備をしろ、クロード、ネーナ。」
「「了解!」」
プトレマイオスの脇にスローネアインとフィアーを置き、トリニティ一行はハッチからプトレマイオスへと入っていった。
気密ハッチを抜けると、彼らの前にはスメラギ・李・ノリエガ、ロックオン・ストラトス、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・アーデが立ち、待っていた。
歩んでその近くにトリニティが寄ると、ヨハンが口を開きながらヘルメットを外す。
「着艦許可をいただき、ありがとうございます。スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティです。」
続いて、ミハエルがヘルメットを乱雑に外す。
「フン!スローネツヴァイのガンダムマイスター、ミハエル・トリニティだ。」
そして、クロードが両手でヘルメットを外し、内心ソレスタルビーイングの面々のプレッシャーに少し圧されながらも挨拶をする。
「どうも、スローネフィアーのガンダムマイスター、クロード・トリニティです。」
そして、ネーナが可憐に動き回りながらヘルメットを外した。そして、ピースを作りながら挨拶をした。
「スローネドライのガンダムマイスター、ネーナ・トリニティよ♪」
クロード達トリニティ一行をみて、スメラギさんがすこしの困惑とともに言葉を返す。
「みんな……若いのね……それに、名前が……。」
それにはヨハンにぃが返答する。
「血がつながっています。私達は実の兄弟です。」
すると、突然ネーナが動く。
「ねぇ、エクシアのパイロットって誰?あなた?」
ネーナの視点はティエリアへ向かう。クロードがネーナを抑えるため体の前へ手を伸ばそうとすると、ティエリアが答える。
「いいや、違う。」
「俺だ。」
すると、廊下の奥から刹那がパイロットスーツを着たまま飛んできた。
「エクシアのガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ。」
「君ね!無茶ばかりするマイスターは!」
今にも飛んでいこうとするネーナをクロードが抑えた。
「ちょっとクロにぃ!」
「失礼をしちゃいけないって言ったろ?」
止められたネーナは、しぶしぶ刹那へ投げキッスを飛ばした。すると、廊下の奥から黄色いハロが飛んできた。
「ニーサン!ニーサン!ニーサン!ニーサン!」
「兄さんだぁ?」
それにロックオンが驚いたような反応をする。そして、黄色いハロはトリニティの紫色のハロに話しかける。
「アイタカッタ!アイタカッタ!ニーサン!ニーサン!」
「ダレダテメェ!ダレダテメェ!」
「ハロ!ハロ!」
「シンネーヨ!シンネーヨ!」
しかし、トリニティのハロは黄色いハロに体当たりし吹き飛ばした。
「ニーサン!キオクガ!ニーサン!キオクガ!」
そこで、スメラギさんが場を仕切りなおすように咳ばらいを一つし、提案した。
「とにかく!ここじゃなんだから、部屋で話しましょ?」
「わかりました。」
ヨハンを先頭に、スメラギさんの後ろに続くトリニティ。ミハエルは刹那とすれ違う様、刹那に顔を向け舌打ちをし、クロードは呆れた表情をし、ネーナはウインクをしながら刹那にピースした。
廊下に最後まで残ったのは刹那とティエリアである。
(あいつらが、新しいガンダムマイスター)
「初めて意見が合ったな。」
「……?何がだ?」
「口にしなくてもわかる。」
プトレマイオスの管制室で、フェルトは溢す。
「こんなガンダム、パパやママに聞かされてなかった……。」
場所は変わり、プトレマイオスのブリーフィングルームに案内されたトリニティは、改めてスメラギさんとソレスタルビーイングのガンダムマイスター達と向き合っていた。
「何故あなたたちがガンダムを所有しているの?」
「ヴェーダのデータバンクにあの機体がないのはなぜだ。」
スメラギさんとティエリアから質問が飛ぶ。
「答えられません。私たちにも、守秘義務がありますから。」
それにヨハンが答えるが、そのヨハンの横にクロードが位置取り、重ねて答え始める。
「俺達が動く計画がある。それはヴェーダに俺たちのデータがないことも含めて。計画の実行者はソレスタルビーイングだけではないということです。今言えるのはここまでです。」
「ハァ~、残念。」
ミハエルの言葉がティエリアをひくつかせる。
真剣な眼差しで、ロックオンが尋ねる。
「太陽炉、いや、GNドライブをどこで調達した?」
「申し訳ないが、答えられない。」
「先ほどの返答と同様です。」
「またまた残念。」
ミハエルのあまりの態度に、怒気を隠しもせずティエリアが尋ねる。
「なら君たちは、何をしにここまで来たんだ。」
「旧世代のMSにまんまとしてやられた、無様なマイスターのツラを拝みに来たんだよ。」
「なんだとっ!!」
「なぁんつってな!なぁんつってな!」
ハロの物まねをしながら、ティエリアを煽るミハエル。そして、それを止めないヨハンやため息を一つ溢すクロード、つまらなさそうなネーナと、あまりトリニティの態度は良くない。このあまりに悪い空気に、クロードはミハエルを抑え込めなかった己の無力を恥じた。
「クッ!気分が合わない。退席させてもらいます。後でヴェーダに報告書を。」
「わかったわ。」
出ていくティエリアに対して、クロードは声をかけた。
「ミハにぃが済まない、ティエリア・アーデ。」
「フン。」
しかし、ティエリアはそれを無視して出て行った。直後、ミハエルがまた口を開く。
「惜っしいねぇ、女だったらほっとかねぇのによ。」
「ミハエル/ミハにぃ。」
「へいへい。」
今度はネーナが退屈に耐えられなくなったようだ。ここでネーナがトリニティにヴェーダリンクをもたらす。本格的な計画参入に必要な行動であるとともに、自分たちを殺すもの、それがヴェーダである。クロードはここで、虎穴に入る選択をすると決めていた。ヴェーダリンクは計画者たちに最も信頼されている。ならば、それを利用して、裏をかくことにしたのだ。よって、
「ヨハンにぃ、私つまんない。艦の中、探検するね!」
「よろしいですか?」
「え、えぇ……。」
クロードはネーナの
「一緒に行く?」
「……。」
「!! 行く??」
無視を続ける刹那にネーナは近寄る。
「私を怒らせたら、ダメよ……。」
一言告げ、ネーナは部屋から出て行った。
クロードは着実に悪くなっていくソレスタルビーイングとの関係を前に、これまでに築き上げられていた兄妹達への好印象が少しずつ破壊されていった。クロードが助けを求めるようにスメラギさんへ視線を飛ばし、目が合うと、スメラギさんは場を仕切りなおした。
「と、とにかく!これだけは教えてくれない?あなたたちは、あのガンダムで何をするのか。」
「勿論、戦争根絶です。」
「本当に?」
「俺から補足させてもらうと、要は世界の統一です。世界の武力の。」
クロードの発言に、一瞬訝しげな顔をするスメラギさん。続いて、ヨハンが言葉を足す。
「あなたたちがそうであるように、私たちもまたガンダムマイスターなのです。」
「するとやっぱり、俺たちと組むってゆうのか?」
「バァーk「俺たちとソレスタルビーイングの行動と理念は同じです。しかし、違うところはあります。もしかすると、我々もまた前回のあなた方のミッションのように、追い込まれることがあると思います。その時は手助けをお願いするかもしれません。」
クロードは全力でソレスタルビーイングを馬鹿にする態勢をとったミハエルに言葉を被せた。
「おい。クロードォ……テメェどういうつもりだ?」
「言ったでしょ、先達にはリスペクトを持てって。」
「おべんちゃらつかうのがリスペクトってやつならする気はないね!それも不完全な改造人間や甘ったるいクソ共によォ!!」
不完全な改造人間という言葉を突然投げかけられたアレルヤは反応せざるを得ない。
「なっ!?」
「おっ!?やっかァッ!?」
ミハエルの標的はクロードから突然アレルヤに代わる。今にも殴り掛かりそうなミハエルをヨハンが止めた。
「騒がしくしてしまい申し訳ない。弟たちの無礼を謝罪します。しかし、私たちに命令を下した存在は、あなた方の武力介入のやり方に、疑問を感じているのではないでしょうか。」
今度はヨハンが火種を燃やす。
「私たちはお払い箱?」
「今まで通りに作戦行動を続けてください。私たちは、独自の判断で武力介入を行っていきます。」
「あなたたちは、イオリア・シュヘンベルグの計画に必要な存在なのかしら。」
「どうでしょう。それは、私たちのこれからの行動によって、示されるものだと思います。それでは、妹を探そうと思います。ご一緒いただいても?」
「ヨハンにぃ、俺はここでもう少しスメラギさんと話していくよ。」
「ガンダムマイスターとして、守秘義務は徹底するんだぞ。」
「わかってるって。」
ヨハンとスメラギさんの会話はそれで終わり、ヨハンとミハエルはネーナを探しに出ていく。そして、その監視に刹那、アレルヤが出ていった。クロードは、改めてスメラギさんとロックオンに体を向ける。
「妹さんを一緒に探さなくてよかったの?」
「ええ、それより、あなたに話したいことがあったので。」
「それは……何かしら。」
「この前のミッション、あなたの戦術予報では、ソレスタルビーイングは壊滅し、すべてのガンダムは鹵獲されていたのではないでしょうか?」
「「!!??」」
このクロードの発言にまず驚いたのはスメラギさん、そして、スメラギさんの様子を確認したロックオンの順で驚いた。
「スメラギさん……あんたそれ、本当なのか?」
「……!ええ……本当です……。でも、なぜそれを?」
「それが、イオリア・シュヘンベルグの計画だと私が考えるからです。あの作戦では、各経済圏に一つずつあなた方の持つオリジナルのGNドライブが渡るように、あなた方は計画のもと敗れた。各経済圏は、大規模な合同軍事演習の実現、その果てにガンダムを各経済圏が手に入れることができた。これは、民衆や世界を一つにまとめるための大きな一歩となったでしょう。」
「あなたは……もしかしてイオリア・シュヘンベルグの計画の全貌を察知しているの!?」
「全貌は……どうでしょうか、私があなた方のミッションから推測しただけの、俺の考えです。そして、今、俺達トリニティはあなた方と同じ、
クロードは、話しながらだんだんと熱を持ち、最後には目尻を濡らしながら、スメラギさんとロックオンにその思いを伝えた。
「そして一つ頼みがあります。独立したガンダムとプトレマイオスのネットワークを構築しておいてください。ヴェーダのもとにイオリアの計画も、俺達に指示を出している連中も物事を進めようとします。ヴェーダを信用しないでください。」
「不思議ね、私と同じ考えを持ってくれている人がいるなんて……。」
「どういうことだ……?スメラギさん。」
「ヴェーダから独立したシステムの構築は進めてあるの。これは……ティエリアとかには絶対内緒だけどね。」
「ハァ~……おたくらがいなけりゃ俺や刹那、ガンダムマイスターが全滅してたとか、ヴェーダを信じるなとか、とんでもない話のオンパレードだな……。」
「スメラギさん、ここでの話は内密に。」
「ええ、ヴェーダには報告しないわ。」
「ありがとうございます。」
クロードは、ソレスタルビーイングに伝えたかったことを無事伝えられて、一つ、心の重荷が減ったように感じた。そして同時に、スメラギさんの仕事の速さ、直観に感心した。
「それで、あなた達は……いえ、あなたはこれからどう動くのかしら?」
「俺達トリニティは、これから本格的な計画参入をします。おそらく今、妹のネーナがプトレマイオスにあるヴェーダのターミナルへ侵入し、トリニティとヴェーダのリンクを確立しているはずです。」
「「え!?/ハァ!?」」
「俺は……当分計画に沿い忠実にガンダムマイスターとしての働きをこなそうと思います。兄たちはあのような性格ですし、きっとこれから俺達が行う武力介入は苛烈で、非情なものになっていくと思います。」
「そ……そう……。ん゛ん゛!とにかく!あなたは面従腹背を維持して、どこかで計画から離反するのね。で!そのためにはヴェーダが今は必要ということね。」
「そういうことです。」
「そういうことなら、わかったわ。仲間からの協力もまだ得られていない私達だけど、生き残るため、協力し合いましょう。」
「本当にありがとう。これは、俺のガンダムスローネフィアーの機体データです。きっとソレスタルビーイングに俺のガンダムを整備してもらうときが来ます。その時まで隠し持っていてください。」
「ありがたいプレゼントね。」
クロードはスメラギさんとのやり取りが落ち着くと、ロックオンに話しかける。
「きっとこれから迷惑をかけることになる。今日だけでも兄妹達が散々かけたけど……。」
「ハァ~~……本当だぜ……でもあんたの話が一番きつかったよ……。ま、家族なんだ、失いたくない気持ちは痛いほどわかるよ……。」
クロードはロックオンがそう返した時の、寂しげで、悲しげで、どこか強がっている笑顔に、強く胸が締め付けられた。家族を愛し、理不尽に奪われたその悲哀をじかに感じてしまったのだ。そうして涙を堪えるように、俯いてしまったクロードにロックオンは声をかける。
「まぁ、家族が大事なのは立派だが、俺達はガンダムマイスターなんだ。戦争根絶の意志もないのにガンダムに乗ってるんじゃあないよな?」
「勿論だ。俺は、テロを許すことができない。人と人を傷つけ合わさせる歪みを許すことはできない。だから……討つ!俺の……ガンダムによって!!」
「兄妹といるときは冷めたヤツだと思ってたんだが、意外だったな、根っこが一番暑苦しいヤツだったとはな!」
クロードは楽しかった。ロックオンと話せたことが、そして、彼に一人の人間として認めてもらえたことが、嬉しかった。
すると、ヨハンからの通信がクロードに届く。
「クロード、ネーナと合流した。お前も出る準備をしろ。」
「了解、ヨハンにぃ。」
そして、クロードはスメラギさんとロックオンに一礼すると、ロッカールームへ向かうため飛び出していった。
「彼は、不思議な子だったわね。」
「食えなさそうなヤツだとは思ったが、まさか一杯食わされるとはな。」
「彼は本気だったわ。それに、誠意もあった。それに応えてあげないとね。」
「多分俺達のこういうとこが、アイツの兄貴の言う甘さなんだろうな。」
「美徳よ。仁ってやつね。」
予想外のやり取りと、若い必死さを受け止めた二人は、にこやかに、気を引き締めた。
クロードがロッカールームに入ると、ほぼパイロットスーツに着替え終えていたヨハンとミハエルがいた。
「クロード早く着替えるんだ。」
「悪いねヨハンにぃ。」
「なんだぁ?クロード、あんな年増がイイのかよ?」
「ハハッ、あの人だったら是非お願いしたいかもね。」
いつもに比べて非常に気分がよさそうなクロードに煽りを受け流されて、、ミハエルは「チェッ!」とこぼすだけで追加で馬鹿にするようなことはなかった。
クロードが着替え終わりロッカールームを出ると、兄妹3人は揃って待っていた。こういうところが、クロードが兄妹を守りたいと思う部分だった。
「さ、行くぞ、クロード。」
「クロにぃったら、おっそ~い。早くまたフィアーに乗せて?」
「うん、ごめんよ、ネーナ。」
プトレマイオスに入ってきたハッチへ向かい、スローネアインにヨハン、ミハエルが乗り込み、スローネフィアーにクロード、ネーナが乗り込む。両機ともコックピットハッチを閉めると、すぐにトリニティ母艦へ向けて飛び去って行った。
プトレマイオスの管制室で、スローネを収容し去っていくトリニティ母艦を眺めるソレスタルビーイング一行。クリスティナ・シエラがその背を見ながら言葉を漏らした。
「あ~あ、行っちゃった。」
それにラッセ・アイオンが言葉を重ねる。
「言いたいことだけ言って、帰りやがって。」
「でも、あのヨハンって人、中々よね。」
「え!?そうっすかあ??」
クリスティナが持った端末に映し出される、クリスティナとヨハンのツーショット。それをみてリヒテンダール・ツエーリは顔をしかめながら反応する。
「うぇ!?いつの間に撮ったんですかぁ!?」
「ちょっとね!」
「あはは……。」
ブリーフィングルームで話すスメラギさんとロックオンのもとに、おやっさんことイアン・ヴァスティが訪れる。
「お前らが話している間に、あのスローネって機体、調べておいたぜ~。」
「おお!流石おやっさん!」
「イアンさん、ソードを二本装備している機体については、より完璧なデータを入手できましたよ。」
「なんだと!?あのGNドライブが2基載ってるほうか!!」
「クロード君が協力してくれたのよ。こっそりとね。」
「そいつは楽しみだ!」
「報告書は、独立端末でお願いします。決してヴェーダには入力しないで。」
「?……! 了解した……!」
一方、トリニティの船内では。
「ネーナ、エクシアのパイロット、あんなんのどこがいいんだよ?」
「だって……カワイイじゃない♪ネーナ、一目惚れね♪」
「チクショウ……!今度会ったら撃ち落としてやる。」
「彼はちょっと神経質そうだ。付き合うにはゆっくり距離を詰めるようにするんだ、ネーナ。」
「初めてね!ネーナを一回でも拒否した男のコなんて!」
妹の恋バナが盛り上がっていた。が、それを割くようにハロが報告する。
「ミッションガキタゼ!ミッションガキタゼ!」
「もうかよ!人遣い荒ぇなぁ!!」
「世界に見せる必要があるのさ。ソレスタルビーイングの本気さをな。」
遂に、トリニティが動き始める。
そして世界に、混乱と統一、そして争いという血の光が降り注いでゆく。
新たな4機のガンダムの登場により、世界の混乱は激しさを増してゆく。その存在は赦されるのか。驕った天使達は地上を赤く染めてゆく。
――― 次回、スローネ強襲
命を守るため、命を奪う。
ヨハンにぃのあの短すぎるパンツ普通にダサすぎる。
クロード君は基本テーパードのきいた白いパンツに白にラインの入ったジャケットを羽織ってます。2nd seasonのソレスタルビーイングの制服をトリニティのぴちぴちの服のカラーにしたみたいなのです。クロード君もヨハンにぃにダサいと伝えたりもしましたが、パイロットスーツが着やすいの一点張りで負けてきました。