転生悪役貴族、なぜか秘密結社の危険な美少女達に懐かれる~最凶美少女達のせいで誰も見た事の無い超展開に突入していくけど、頑張って最高のハッピーエンドを目指します~   作:火水希星

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第15話 初陣「南マーク街道の盗賊団の壊滅」

 気づけば、ロセット師匠が屋敷を初めて訪れてから2か月が経過していた。

 

「そろそろ実戦に移ります」

 

 ついにこの時が来たか、と俺は気分が高まるのを感じる。

 

 あれから俺はロセット師匠と地獄の訓練を重ね、戦属性の熟練度はLv4にまで上昇していた。

 おそらく冒険者学校でLv4まで到達している入学者は片手の指で数えられるだろう。

 

 新たに戦属性Lv4で覚えられる戦技〈インパルス〉を覚え、戦闘の幅も広がっていた。

 

 これは武器から衝撃波を飛ばす技で、距離が離れた戦闘で飛び道具として使ったり、近距離戦で地面に向かって撃って目くらましに使ったりと、多様な用途がある技である。

 

「……ま、とりあえず盗賊団でも壊滅させましょうか」

 

「……え?」

 

 それから、冒険者ギルドでGランク冒険者としての冒険者登録を済ませた俺は、A級冒険者ロセット・ジェリの受けたクエストの助っ人という形で、本来であれば受けられないDランク依頼「南マーク街道の盗賊団の壊滅」を引き受ける。

 

 この依頼、以前はFランク依頼だったらしいのだが、討伐に向かったEランク冒険者たちが全員行方不明になったらしく、依頼ランクがDに跳ね上がったらしい。非常にありがたくない情報である。

 

 さて、このEランク冒険者たちの調査報告から、盗賊団のアジトの位置は分かっているらしく、今も移動していなければ、南マーク街道の途中にある川沿いを進んだ先にある古き城跡を拠点としているらしい。

 

 移動は魔導バスで川沿いまで行ってから、徒歩である。

 

「ゲート」

 

 バスを降りたところで、師匠が逃走用に空属性魔法『ゲート』でワープする先の登録を行っていた。

 

 その後、そのままロセット師匠と一緒に川沿いの山道を歩いていく。

 

 結構傾斜のある道だが、地獄の訓練の成果か、まったく疲労は感じず、すいすいと足が進んでいく。

 

「集団戦闘では、囲まれない事が大事です。狭い地形で戦うでもいいですし、壁を背にするでも移動し続けるでもいいです。最悪なのは、広い場所で足を止めてしまい、四方八方から攻撃を受ける事です」

 

 師匠から有難い講義を受けながら、山道を1時間ほど歩くと、その先に開けた平地があり、情報通りの城跡が姿を現す。

 

「これは……城跡というよりは、ちゃんと城ですね」 

 

 俺が思わず呟いてしまった通り、目の前にあるのは、城跡をあちこち修復し終えた、立派な城そのものだった。

 

 入口の前には堀が水をなみなみと湛えており、そこを渡る橋を盗賊団のメンバーとおぼしき人員が見張っている。

 

 俺と師匠は、遠目にそれを確認しながら、木の陰に隠れてそこで小声で作戦を練る事にした。

 

「作戦は簡単です。正面突破して、全員殺します」

 

 師匠の作戦はこれ以上ないほどにシンプルで暴力的であり、小心な俺は色々な意味で驚かされてしまう。

 

「サルヴァ、あなたは今や訓練を始めたばかりの雑魚とは違います。わたしを相手にしている感覚で盗賊を相手にすると、弱すぎて驚くと思います」

 

「で、でも……俺のレベルはせいぜいレベル4までですし、もっと高い熟練度の盗賊がいる可能性は全然あるというか――」

 

「大事なのは数字に表れない強さです。技の応用、素早い適切な反応、オーラなどの基礎技術の適切な使い方、基礎身体能力、直感の鋭さ――A級冒険者であるわたしが直々に2ヶ月も鍛えたんですから、少しは自信を持っていいですよ」

 

 俺は師匠の言葉に勇気づけられ、よっしゃ、やってやるか、という気分になる。

 

「まあ、どうしようもないくらい強い奴がいたらわたしが瞬殺するので、気負わず頑張ってください」

 

 確かに、A級冒険者についてもらって間違いが起こるというのも考えにくい話である。

 

 俺は師匠の言う通り、気負わず目の前の戦闘に集中する事にした。

 

「……見張りの交代の時間のようです。あの見張りが城の中に入ったら、戦闘を開始しましょう」

 

 見ると、城の中から現れた2人組が、今見張りをしている2人組と軽く何か言葉を交わしてから、新たに見張りの定位置についている。

 

 見張りをしていた2人組が城の中に入ったところで、俺は戦闘を開始した。

 

「――カオスカッター」

 

 遠距離から放たれた闇の風刃は、ちょうど盗賊二人を巻き込むように進み、盗賊2人は全く反応できないまま、その首を落とす。

 

 俺にとっては初めての殺人。だが不思議と感慨は薄かった。

 俺は思ったより、現代的倫理観の薄い人間なのかもしれない――

 

「わたしは後ろをついていくので、サルヴァが全員やってください」

 

「……押忍」

 

 俺は静かに走り、盗賊団のアジトの入り口の扉を開けた。

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