機動戦士ガンダム AWAY TO THE DESTINY 作:くまたいよう
「どうしたあっ!相変わらず良い勘をしているが、まだ子供の間合いじゃねえか!」
「くっ、舐めるな!」
地上戦の条件での戦い、シミュレーターで再現されたゼータとフルアーマーMK―IIの戦いは三戦目に突入している。
周りは刮目していた。カミーユの勘の良さを知る故に撃ち合いながら格闘戦にもつれ込み、片腕を吹き飛ばされながらも突撃してヴァースキが一勝目。
自機毎、海ヘビを巻き付けて虚を突いたビームキャノンの零距離射撃で二勝目。
三戦目でもお互いに飛び道具がほぼ無くなって引き付けつつゼータのライフルをロングビームサーベルモードにした横一門を見舞おうとしたカミーユは回避されると見たのか咄嗟に銃床部の突起でヴァースキ機のコックピットを突いて、思わぬ一撃にブレた相手にそのままロングビームサーベルを振り抜いて切り裂いた。
「何っ!」
「勝った・・・・三戦目で漸くですがね」
「やるなあ、そうでないといけねえぜ!おし、次はもっと違う場で勝負だ!」
「それなら・・・・」
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「カミーユ君は、良い汗を流してるとやらですな」
「そうだな、案外カミーユにはああった上官や年上が必要だったのかもしれん、クワトロ大尉は多忙だったから彼処まで訓練に付き合えないでいたしな」
ラシードの感想にブライトは少し寂しそうに頷いていたのをルーは複雑に見ていた。女性中心の部隊で同年代なカミーユと比較されていたが、目の当たりにするとアーガマでのカミーユはどこか浮いていた。大人達に恵まれているようでどこか違和感があったのだが、その中の一人なブライトにも・・・・その日以来、ヴァースキは馴染んできたが、時々にシンがジェラシーを向けていたのはご愛敬とした。
そして、来訪者も襲撃者も来ない日々が一週間に近付いてきたある日。
セツコとペッシェが対面していた。
身の上を少しずつ聞いて、セツコは自分の甘さを痛感した。シン達に話そうにも、不用意には駄目と予感している。そして、ペッシェも自分なりの答えを出して決断をした。
「これを・・・・」
「設計図・・・・ですか?」
「手書きで失礼です。やれるハズですよ・・・・カミーユ・ビダンはゼータ・ガンダムの設計を趣味と遊びでやってたと聞いたから、コックピットの新装を多少は・・・・それと、スミレ・ホンゴウがいるなら」
「ま、まだ聞きたい事はあります。それと、私に頼むのは遠回り過ぎでは?」
「それが安全と聞かされました。多分だけど私の予感でもあります」
要領を得ない、だが自分もティターンズに違い部隊にいたしカミーユ達の不可侵な域は感じたので何となくわかる。艦内の下働き程度はやらせてもらえるようになったので、シンに託す事に決めた。
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「はっ、そりゃやるべきだな」
「でも、ヴァースキさん。危険な物ならどうすんです?」
「相手が先に危険な物を取り入れるのをやったらどうすんだよ、お前と因縁ある【オーブ】なんか強すぎる力は争いを呼ぶとか言いながらこの世界じゃ最強のMSを用意してた割にはユニウス7の落下時に何やってたんだと言いてえ連中なんだろが」
大きめな部屋で語るのは、シンにヴァースキにカトルとルーだ。自分達とて何も感じてないワケではない故な構成。
「まだ問題あるぞ。例えばだぜ、一番甘かった時期と言うか、ジャブローの地下で核を爆発させた戦場を体験してるカミーユがフリーダムやジャスティスとかとお前じゃなくて自分が戦ったらどうする。地上で核を爆発させる事態を躊躇ってたらよ?」
尤もだ。シンがフリーダムを倒した時はどうだったか知らないが、核融合の機体とは違い、分裂炉や原子炉のMSが来て不用意に撃墜してはいけない。あの時はフリーダム原子炉がどう閉鎖されたのか知らないが、一歩間違えてたらと身震いした。
「それに対する抑止力・・・・になりますか」
「どっ、どうしたカトル・・・・お前にしては暗い顔だぞ?」
「いえ、わかりません。何故か・・・・より強い力の発想に関わったら・・・・取り返しのつかない過ちを犯してしまいそうで」
「はあ・・・・カトルなら例えば余程ひどい事にならないと危険なものは造らないと思うけど」
「危険・・・・かい、危険な事にならないようにもありだと思うぜ。肯定的な事を言うのは・・・・まあ、ワケありで。取り敢えず俺達はカミーユとフォウが耳にする前に、ブライト艦長とかあのスミレって小さな姉ちゃんに相談するかどうかだな」
「えぇ、この資料にある最後のものですか。スミレさんに造ってもらって、カミーユの機体に一部で良いから搭載をするのを視野に入れておく。名称は・・・・【サイコ・フレーム】」
シン達はまだ知らない、その新素材こそがカミーユ達のいた世界の運命を決した禁忌の力であったと。
カトルは一応はアレは造ってない段階。ペッシェはある経緯で核より怖いのを託されていた。