「先生何ですかこの領収書、塩だけで7000円以上って。」
とある資料をもったユウカの声が響く
「最近小麦粉10kg買っていたの知ってますからね。」
その声は容赦なく畳み掛ける
「ごめん、一応13種類に絞ったのだけど。」
反省していないような言い回しの落ち着いた小さな声がした。これが先生だ。まるで立場が逆転したように感じるがこれが日常である。
「まあこれからお昼だしこの2つ使って料理してきたお弁当を作ってあるから食べよう。」
そう言い先生は立ち上がり冷蔵庫から2つの弁当箱を取り出した。その後ろではまだ話があるという顔したユウカがいる。
「まったく生徒の模範となる立場の先生なんですからお金の管理ぐらい自分でできるようになってください。それにしても料理の腕前はすごいんですよね。」
納得いかないような顔で弁当箱いっぱいにつまったサンドイッチを眺める
「これにあの領収書に書いてあった塩の内7種類の塩をつかっていてね。」
お弁当の中には7種のサンドイッチ。
「取り敢えず今回は許しますけど次回はないですからね。」
それからは玉子、ハム、スモークサーモン、トマト、グラタン風、オリーブ、フルーツのサンドイッチを平らげて仕事に戻った。
「先生なぜか私の前回請け負った仕事全部終わって・・・えっ昨日までで全部終わらせた?嘘ですよねあれだけの量をこの短期間であの先生が」
「私をなんだと思っているんだい。そのくらい軽い1~2時間の残業でこなせる量だよ」
そう言い先生は再び机に向かった。
「もう半年以上経つんだ。この程度こなせて当然だよ。」
そう先生は自慢げな声を言ったのだ。その先生とは生徒の悩みに駆けつけ解決しこの仕事をこなしなおかつ自炊など家事全般を自分でするハードワーカーであった。
「先生その手に持っているコーヒーカップや机の上の青と白の空き缶やハーブティーのパッケージは何ですか。リラックス効果など使っても体に負荷をかけるのに違いないです。休んでください」
「大丈夫だよ。元気だし、ちゃんと8時間睡眠も3日に1回は必ずとってるし。短くても5時間は寝てるよ。休みもあるし、この後ろの棚みれば分かるように趣味も充実してる。」
「後ろの棚ってそれ調味料棚じゃないですか。その下は何が入ってるんですか。」
そう言われしぶしぶ開けると、
「先生謀反でも起こすんですか。この銃は何ですか。」
「この前はシャーレが乗っ取られたり先日は正体不明の爆発に巻き込まれたんだ。銃の一二丁くらい持たせてほしいな。」
納得しや様子だったが別の質問が飛んできた。
「しかしなぜこんなに古いタイプのものなんでしょうか。」
迷わずこう答える
「やっぱりロマンでしょ。それよりは食後のお茶で何か飲むかい。」
「先生と同じので大丈夫です。」
先生はコーヒーを入れる。
豆を挽く音が二人の談笑の合間に聞こえてくる。お湯が沸きコーヒーを蒸らし注ぐ
「いつもと作り方変えてみたけど感想を頼めるかな。先週はフレンチプレスで入れたコーヒー、先々週のがレンメルコーヒー、今週のは一般家庭がよく使うドリップコーヒーだよ。来週はサイフォンコーヒーさ。」
ユウカは悩み
「先週のものより苦みがしつこくない、すっきりした味わいですね。先々週のものははっきり覚えていないですが少し苦みが強かったように感じます。でもコーヒーの風味がつよく落ち着くようなかんじでした。」
先生は驚いて
「そうだね、正解だよ。ただ豆の煎り方や皮の削り方を調節して中高生にのみやすいように酸味が少ない豆を浅煎りして、皮をしっかり削ってる。そうすると深みやコクが少なくなってしまう。眠気覚ましにちょうどいいカスタムかな」