蒼竜騎鎧 トーリュウジャ   作:めたるくらすた

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pixivとかにもあげたやつ
その他作品出来ないうちの暇潰しにでも読んでやってください


第一話 青とか竜とか鉄仮面

 

「行くぞ、アカ!」

「ああ…!」

 

眼前の巨大な闇、そして相対する二つの鎧。

 

傍目から見れば無謀とも言える様相。

しかし彼らはその歩みを止めなかった。

 

「息吹を…!」

「一つにッ!!」

 

拳を突き合わせる。

 

その瞬間。

 

「ハァァァァァァァァァァァッ!!」

「ヌゥァァァァァァァァァァッ!!」

 

2人を起点に閃光が走る。

 

その一瞬の閃光はやがて極光と化し、巨悪を喰らい尽くす。

 

 

そして辺りは光に呑まれ、暗い闇は消え去った。

 

二つの鎧と共に。

 

 

 

 

 

 

「……はっ」

 

夢か

 

なんだ今の夢

 

「……うーん…うーん…?」

頭を悩ませながら周囲を見回す。

 

目に入るのは時計。

表示は

 

「ぜろ…なな…よんご…07:45!?」

やべえ

やべえ

登校時間に間に合わねえ

最早飯食う時間すらねえ

 

「んおおおおおおおおおお」

 

そそくさと準備を整え、家を飛び出す。

 

 

走れ

走れ

確実にホームルームは間に合わんが、まだ授業なら間に合う。

 

 

脇目も振らず走り抜ける。

しかしその刹那、横目に何かが入る。

「ん?」

 

普段感じない違和感。

「なんだろ…祠?」

 

普段からあったろうか、こんな祠。

いや、あったとしてもこれまで全く気にして来なかったというのに。

 

「…石、かな。」

青く光る石のようなものが安置されている。

 

 

青い石、何があったろうか。

サファイア、ラピスラズリ、ブルートルマリン…色々考えるが、こんなところに供える程のもんではなかろう。

 

「うーむ…」

考える、しかし答えは出ない。

 

「…まあいいか。それより学校…!」

向き直り、学校に足を向ける。

 

 

「ぐおっ」

 

背後から強い衝撃。

勢いで前にズッコケる。

 

「いっつつつ…何だ…?」

当たりを見渡すが、その衝撃の正体は分からない。

 

「こわ…」

 

 

 

色々あったが、どうにか学校に到着。

普通に遅刻だった。

 

 

 

「次の授業なんだっけ?」

「体育だな…晴れてるし長距離走だなこれ。」

「ええ〜…死んだわ…」

 

そもそも私は体育が嫌いなのだ。

ただでさえ体力がないと言うのに、長距離走とか足遅も晒しあげることになってしまう。

恥。

 

「君は良いよなぁ、体力あって。」

「七文字君さぁ…普段運動してないのが悪い。愚か。」

「そこまで言わんでも」

 

 

 

「位置について」

 

ああ

始まってしまう

恐怖の時が

 

「よーい」

 

ピストルが鳴るまでの瞬間

無限にすら思える

一生始まらないでくれ

 

パーンッ!

 

ああ、無情

一斉に走り出す男たち

 

いつも通りできるだけ楽に走ろう。

 

などと考えていたが

 

「ん…?」

「なんか今日鷹人速くね?」

 

周囲からは困惑の声

無論自分もだ。

普段ならダラダラと走り続け、他の走者から周回遅れで走り終わると言うのに。

 

凄い楽に走ってるつもりなのに、全員追い抜かしてる。

何故?

 

「おっほほほほ…こりゃいいやッ!」

どうせならと全力ダッシュ。

思ったより速い。

多分自転車超えてる。

 

突然宿った超走力を楽しんでる内、全て置き去りにして堂々のゴール。

 

「…お前どうした?全然息切れてねーし…」

「分かんね…なんだろ、遂に"覚醒"したかね」

「なんじゃそりゃ、あほらし…まあいいや。記録書いてき。」

「あいよー。」

 

 

その後も色々あったが、総じて『身体能力が爆上がりした』という謎現象で片付けられる。

そんなに運動とかしてないのになぁ

 

んで数時間後

「……すっかり暗いな…」

現在時刻22:45

友人と遊び歩いてたらすっかり夜に。

 

「うーむ、飯どうすっかな…」

コンビニ行くか、それともテキトーな所で食うか…

 

「ま、いいか。歩きながら考えよ。」

割と涼し目な時間帯故、歩く足を早める。

 

「ゴォォォォォォ…!」

「ん?」

 

なんか声が聞こえた気がするが…

「まあ車とかだろどーせ。」

 

 

 

 

 

「ふー…食った食った。」

某バーガーショップで腹いっぱい食った。

そろそろ同じやつ食うの飽きてきたな…

 

「ゴォォォォォォ…!」

 

「む」

またか

さっきからなんなんだやかましい

 

「室外機みてーな音しよってからに…どれどれ?」

 

音のした方向、恐らくそこら辺の草むらだろうか。

適当にガサゴソと漁ってみる。

が、そこにあるのは雑草だけ。あと小石も少々。

 

「…なんも無いやんけ。なんだったんだ…?」

まあ考えてみれば、なんか機械音っぽい何かが聞こえただけ。

別にそんなに気にすることでもなかろう。

 

そう思い向き直る。

 

 

 

「ゴォォォォォォ…!」

 

 

「え…?」

 

目線を上げた先、そこに居たのは

 

「……化け物…」

 

異形の怪物。

生物的というよりどこか機械的だ。

先程から散々聞こえていた謎の音も目の前の怪物から発されている。

 

「ッ…!!」

 

ある程度思考が纏まった瞬間、何も考えず走り出す。

見たのは姿だけだが、それだけでも理解出来る。

アレは人類に相手できるものでは無い。

 

 

 

 

 

「はっ…!はっ…!」

全力で走っても背後の気配が消えない。

昼間のスピードと同等の速度を出しているというのに。

 

「コイツッ…!どんだけ…のわっ!?」

足元を気にせず全力ダッシュしていたせいか、何かにつまづく。

 

つまづいたものを確認すると

 

「…コレは…」

 

赤く光る石。

今朝の青い石と同じ"何か"を感じる。

 

「ゴォォォォォォ…!!」

「なっ」

もうこんな近くに!?

 

「ゴォォッ!!!」

「ぐおっ」

 

思い切りぶん殴られ、反対側の壁にぶち当たる。

 

「………っつ…」

だが何故か生きている。

これも超走力と同じ何かだろうか。

 

しかし、手に少々の違和感。

あの赤い石が無くなっている。

 

「…アイツか」

怪物を見ると、赤い石を持っている。

最初からアレが狙いか?

 

『蝗槫庶螳御コ』

「え?」

なんか初めて意味のある言葉を発しているような

それでもこちらには何も聞き取れないが。

 

『蠑輔″邯壹″縲碁區縲阪b蝗槫庶縺吶k』

 

うーん、相変わらず何言ってるかはわからんが

 

「危機は去ってなさそうだな…」

 

怪物の腕にジワジワと光が宿る。

やばい

絶対やばい

さっきのはなんとか生きてたけど、次も食らって生きてるとは限らない。

三十六計逃げるに如かず。

速攻踵を返す。

 

「ッ…!?」

 

「ゴォォォォォ…」

「アァァァァァ…!!」

 

知らぬ間に後ろにもいっぱいいる

 

いつの間に?

数にして大体10ぐらい

しかし足音すらしなかった

 

いや、前方の奴に意識を集中しすぎたか

 

 

「……」

 

前方には先程からの怪物、後方には増援

 

最早逃げ道は無い。

 

選択肢は一つ、できるだけ楽に死ねるように祈るぐらい。

 

 

 

 

「ガァァァァッ!!!」

来た

 

ごちゃごちゃ考えていた脳味噌を放棄し、目の前に迫る終わりを待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来ない。

 

いくら待っても衝撃は来ない。

ゆっくりと目を開ける。

 

「……え?」

目に飛び込んできたのは、青く輝く光の障壁。

正にあの時の石と同じ輝き。

 

そしてその光の1部は収束し、二つの塊として目の前に出現する。

 

1つは棒状の何か。

牙のようなパーツと青い宝石、翼を模したパーツを持つ。

 

もう1つは小型の円盤。メダルと言った方が早いだろうか。

中央の青い宝石を、石のようなものが覆う。

宝石の中には竜の爪を模した様なレリーフが掘られている。

 

「コレは…うっ…!?」

 

二つの塊を手にした瞬間、脳内に映し出されるイメージ。

 

このアイテムの使い方だろうか、そのイメージと共に、自らの肉体を動かす。

 

棒状アイテムの牙にメダルをセット、牙を閉じ

 

CLAW!

 

端のパーツを掌に突き刺す。

 

INJECTION!

 

更に映し出される、青い鎧の姿。

 

成程、全て理解した。

これが全ての正体。

 

そして

 

「俺の…力…!」

 

 

障壁は自らの肉体に収束し、その光が身体を変えていく。

 

人を超えてより強く、より柔軟に。

 

変えるだけでなく、塊が更に肉体を覆う。

 

変化した肉体の力を損なわず、より強固かつ強力に。

 

その姿、形容するならば青い竜。

 

燃え盛る炎を内に宿した、強靱な竜戦士。

 

 

SLASHING CLAW SOLDIER!

 

 

「……これが、俺か。」

姿はすっかり変わってしまった。

奴らと同じく、人を逸脱した姿。

 

 

 

『驚いているようだね、鷹人。』

「そりゃあ……え?」

 

今どっから声聞こえた?

というか何で俺の名前?

 

辺りを見回すが、居るのは大量の怪物だけ。

アイツらが…?

 

『見渡しても私はいないよ。私は君の鎧の中にいる。』

「鎧の…?」

『正確に言えば、この中に精神だけを移している。今のこの状況も、言ってみれば脳内に直接話しかけている状態だ。』

 

こいつ、直接脳内に…!

 

「はぁ…んで、アンタは?」

『私の情報は後で話そう。今は君に、その鎧の使い方を教える為に話しかけている。』

「…それはいいんだけど、アイツら襲ってきたりしないの?」

 

律儀に待ってくれるほどお行儀のいい奴らには見えないが…

 

『安心してくれ、私の力で君の思考速度を極限まで高めている。今は力の把握に集中してくれ。』

「成程、了解。」

 

『まずこの鎧。君は今日だけで少なくとも二度、超越的な力を体感したと思う。』

「…まあそうだな。」

昼間の超スピードと先程の障壁。

普通に生きてりゃあんなこと体験するわけがない。

 

『障壁はあくまで変身までの時間稼ぎだったが、身体能力に関しては君が体験したもの以上の力が今の君に宿っている。』

「あれ以上って…とんでもねーな。」

 

車より速かったりするのかな

 

『いや、下手をすればそれ以上だ。しかしこの力の真髄はそこじゃない。』

「というと?」

『この力では、君のイメージが肝要だ。』

「イメージ…」

 

なんかいきなり抽象的になったな…

 

『君は今朝のあの時、青い石の力を手にした。その中に宿っているのは"炎"の力だ。この鎧はその力を全身に広げたもの、君がイメージすれば、その炎を自由自在に扱える。例えば拳を覆うようにイメージすれば、この鎧はソレに応えてくれる。』

「なるほど…」

 

イメージか…あまり得意なことでは無いが…

 

『ッ…! 私の力もそう長くは続かない。今教えたことを実践し、どうにか勝利してくれ…!』

「なんかよく分かんねーけど…分かった!」

 

会話を終えると、辺りの景色に動きが帰ってくる。

 

「オォァァァァァァ…!!」

「イメージ…イメージ…」

 

《拳…炎…燃えるイメージ…!》

 

「っし…!ハァァァァァァッ!!」

目の前の怪物に全速力で拳を突き出す。

 

その拳は青い炎に包まれ

 

「ガァァァァッ!?」

怪物の身体を一撃でブチ抜く。

 

「っしゃあッ!こいつならッ…!」

 

全力の跳躍

あの声の言葉は嘘じゃなかった。

 

「お前ら相手にしてもッ!」

 

あの時のスピードなど序の口だった。

 

本当の力はここから。

 

「問題ねぇよなぁッ!!!」

「「「グガァァァァァッ!?」」」

 

拳に炎を宿し、急転直下の一撃。

 

その青い光は弾け、辺り一帯の異形を燃やし尽くす。

 

「…っと。おぉ〜、すっげ…」

『鷹人、戦いはまだ終わっていない。』

再びの声

 

「つっても、辺りのバケモンは全部…」

『奴らは"蟻の形質"を取り込んだ"アント・バグズ"。一体一体を倒すのは容易だが、問題はその物量だ。』

「え?何?形質?バグズ?」

急に専門用語いっぱい出てきた

 

『要は蟻の力を持った怪物という事だ。今の奴らだけじゃない。下手をすればこの街を埋め尽くされるぞ…!』

 

声が苦しげに警告する。

 

「まずいなそりゃ…さっさと行くか…!」

 

ひとまず周囲の状況確認。

一跳びで建物の屋根に飛び乗り、街を見渡す。

 

「うーわ、なんじゃありゃ…」

比較的開けた場所を中心に、先程まで戦っていたものと同型の怪物がウヨウヨしている。

早く向かった方が良さそうだが…

 

「幾ら身体能力高いったってなぁ…」

走って行ったんじゃ間に合わなそう

 

『言っただろう、イメージと。現代の飛行機は何で飛ぶ?』

「……なるほど。」

 

《炎…背部…推力!》

 

「こういう…ことかッ!!」

解放させると同時に炎の翼が発現。

超速で空中にぶっ飛ぶ。

 

「なんか思ってたのと違うけど…カッコイイからまあいいかァ!!」

 

怪物の塊に狙いを定め、全速力で突撃。

 

十字路にギッチギチに詰まった怪物共

いちいち相手してたんじゃ埒が明かない。

 

なら全部一撃でかっ飛ばす!

 

「最後はやっぱこれだろォ!!」

 

《脚部…炎…十字…!》

 

イメージの通り脚部に炎を湛え、最高速で異形に突き出す。

 

GRAN INJECTION!

 

「おんどりゃァァァァァァァッ!!!」

「「「「ガァァァァァァァァァッ!!!!」」」」

 

インパクトの瞬間、その衝撃は十字路だけを走り、正確に全ての異形を焼き払った。

 

 

「……終わりかな、これ。」

《color:#008aff》『ああ、どうやら殲滅できたようだ。お疲れ様。』

「いんや、アンタのお陰だよ。助かった。」

『…そうか、役に立てて良かった。今は疲れているだろうし、諸々の詳細は後日話そう。ゆっくり休んでくれ。』

「分かった。ありがとな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「アントの大群が一度に消え去った…と。」

黒い仮面を付けた男が、跪く緑の仮面の男に聞く。

 

「はい…生き残った者も居らず、原因も特定出来ておりません…。」

 

「…いや、原因は分かる。何となくだがな。」

「ほう…では何と?」

ビクビクしている緑の仮面を後目に、その背後で会話する白の仮面と紫の仮面。

 

「多分だが、奴が復活したんだろうと考えてる。」

「奴…なるほど。それなら説明はつくな。」

 

「…まあ諸々の調査は後でいいだろう。目的の物の1つは手に入った。」

黒い仮面の声に少し抑揚がつく。

その手の中には、赤い石が握られている。

 

「もし奴だとしたら、面白いことになりそうだ…!」




なんかもうよくわからん
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