IS学園で普通にすごすため   作:ロカトール

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性懲りもなく二話目書いてしまいました。

一話目は短かったので今回は長めに書いてみました。


とりあえず本編どぞ!



第2話

「翔汰!」

「…んあ?なんだよ静寐、もう放課後?」

 

 聞きなれた声に起こされた俺は眠い目を擦りながら何時ものように、帰宅の準備を始める。

 

「違うわよ。ていうか、放課後まで寝るつもりだったの?」

「え?いや別にそんなのいつも通りじゃんか」

「中学とは違うんだから授業中まで寝てたらすぐに勉強追い付かなくなるよ?」

 

 静寐との会話で寝ぼけていた頭がやっと動き出した。

 

「ああ、そっかここIS学園だったな…。静寐に起こされるのがいつも通りすぎて忘れてたわ……ん?じゃあ何で静寐がここに居るんだ?」

「私がIS学園合格したの知ってるはずでしょ?お祝いだってクラスの子達が開いてくれたパーティーにも来てたじゃん」

「あー、うん、そんなのもあったな。女子が多すぎてずっと隅っこでぼーっとしてたから忘れてたわ。なあなあ、ここに居るってことは静寐って俺と同じクラスなのか?」

「え?ホントに気づいてなかったの?私翔汰の後ろの席に座ってたのに…」

 

 俺は半目で文句を言ってくる静寐から目を逸らしつつ、

 

「いや、ほら周り意識しないようにしてたからさ」

「分かるけどさ……気付いて欲しかったな」

 

 小さな声だったが俺は耳はいい方なので普通に聞こえてしまう。

 

「まあ、次からは気を付けるよ」

「えっ?あ…うん」

 

 何この雰囲気…静寐も恥ずかしそうに俯いてるし…はたから見ればイチャついてるように見えるのだろうか。

 このやりとりの直前、俺の方を見ていた織斑がポニーテールの女の子に連れられて教室を出ていき、そちらにほとんどの視線が向いていたので、今の状態を誰かに見られる、ということはなかったが。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「ほ、ほら、予鈴なったし席着こうぜ?」

「う、うん…」

 

 心なしか静寐の顔が赤い気がするが気のせいだろう、いや気のせいだ。とりあえず先程の雰囲気は気にしない事にしよう。

 

 

 

 

 

 ―――一時間目―――

 

 教室に先生達が入ってきても席に着かずにボーっとしていた織斑が織斑先生に叩かれた以外は特に何事もなく授業は進んでいた。ちなみに今教壇に立っているのは山田先生だ。

 

「織斑くん、何か分からないところがありますか?」

 

 その山田先生が挙動不審な織斑に声を掛けていた。

 教科書と先生を交互に見る織斑に何か言うとえっへんとその大きな胸を張っていた。

 

(教師ですから!とか言ってんだろうな…)

 

 あの人は教師として頼られることが何よりも嬉しいんだそうだ。

 …と俺がそんな事を考えていると、

 

「ほとんど全部分かりません」

 

 織斑が訳の分からない事を言い出した。全部って何が?もしかして今の内容がか?アイツは俺より前からISに関わっているはずなのに?

 

「え…ぜ、全部、ですか…?」

 

 流石の山田先生も困っちゃってるじゃないか。

 

「えっと…他に今の段階で分からないって人はいますか?」

 

 いや、流石に居ないだろ。ここに居る女子たちは中学、早いやつは小学生の時からISについて学んでるんだから。静寐もIS専門の塾みたいなとこに通ってたし。

 案の定誰も手を挙げず、シーンとした空気になる。

 

「か、神納くんは大丈夫ですよね…?」

「はい、大丈夫ですよ。おかげさまで」

 

 俺はできるだけ優しい表情で答える。あの人普段はめちゃめちゃ気が弱いからな。

 

 ちなみに俺は要人保護ナントカとやらもあり、少し前からIS学園の寮に入っている。その際、入学式まであまり期間がなく、独学では授業までに用語などを覚えきれないだろう。という事で先生方…主に山田先生…にISについて教わっていた。

 先程までの山田先生を知っているような口ぶりはこういう理由なんだよ。断じて俺が犯罪的な行為をしていたわけではない。誤解しないでほしい…俺は誰に言い訳してるんだ…

 話は変わるが、織斑が俺を見て驚いた表情をしている。今現在一番おかしいのはお前なんだがな。

 

「…織斑、入学前に渡された参考書は読んだか?」

 

 ああ、あのでっかく必読って書いてあるやつか。山田先生の解説付きだったからすこぶる分かり易かったな。

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

パアンッ!

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」

 

 ふざけたことをぬかした織斑が叩かれた、アイツは一日で何回叩かれれば気が済むんだ。というか、どうやったら電話帳なんかと間違えられるんだ、目がいかれているんじゃないか?

 織斑先生が一週間で覚えろとか言ってるけど流石に無理だろ。山田先生に教えてもらいながらでも二週間以上かかったし。

 

「…織斑、貴様、自分は望んでここにいるわけではない、と思っているな」

 

 ああ、なんかそんな事俺も言われたな、もっと柔らかい言い方だった気がするけど。

 要約すると集団行動できないなら人間やめろって事らしい。仮面かぶらないとダメなのか、いやISの質問にYESで答えると薬物注入される線が濃厚か。

 ゴメンナサイ、スイマセン、くだらない事考えないので睨まないで下さい織斑先生。

 でもですよ?織斑は自分からISに触れたらしいですけど俺なんて強制ですからね?俺もう高校の合格通知来てたのに。そりゃ現実逃避だってしたくなりますよ。

 

「え、えっと、織斑くん。分からないとこは放課後教えてあげますから、ね?」

「はい。じゃあ、放課後にお願いします」

 

 俺が睨まれている間に放課後の補修が決定した織斑は席に着いた。山田先生から補修を受けるなら織斑もすぐ授業に追い付けるだろう、と思い山田先生を見ると、先生は俺の方をチラチラと見ながら

 

「ほ…放課後に二人っきり…。あっ!ダメですよ、で、でも織斑先生の弟さんなら…ああっ、でも私には神納くんが…」

「んんっ!山田先生、授業の続きを」

「は、はいっ!」

 

 流石に距離が空いてるので何を言ってるのかは分からないが、また何か妄想でもしていたんだろう。あの状態から帰ってきてからしばらくは俺の顔を見ると頬染めるから気まずいんだよな…でも何でだろうな、今後ろを振り返ったらダメな気がする…具体的には命の危険を感じるレベル

 

 と、とりあえず山田先生も授業再開するみたいだし気にしないでおこ…あ、こけた。

 色々な意味でとても不安だがとりあえず今は授業に集中する事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 ―――二時限目終了後―――

 

 織斑がこちらに向かって歩いてくる…それに合わせて周りの視線が俺にも集まってくるので止めてほしい、真剣に。

 

「なあ。お「ちょっと、よろしくて?」へ?」

 

 織斑が俺に声を掛けようとするのを遮られ、素っ頓狂な声をあげた。

 鮮やかな金髪を昔の少女マンガのように縦ロールにした、貴族の令嬢のような女がこちらを睨んでいた。

 ああ、このいかにも女尊男卑かぶれのチョココルネってイギリスの代表候補生か。織斑先生に各国の代表やその候補生の動きを見ておくといい、って見せられた映像に映ってたな。あの髪ファサッてやった時に見えた耳についてるのがファンネルもどきのついた専用機か。

 

「なんですの?そのお返事。私に話しかけられるだけでも幸運なんですのよ?それ相応の態度というモノがあるんではないかしら?そちらの方は訊いてらっしゃいますの?」

「いや、俺、君が誰だか知らないし」

「聞いていますよ、オルコット候補生。何か我々にご用でしょうか?」

 

 織斑がまた訳の分からない事を言っている。こいつは自己紹介すら聞いていなかったのか?イギリスがどうとか学年主席がどうとか言っていただろう。

 こういうのは適当にへりくだっておけば穏便に済みやすいんだから適当にあしらえばいいのに。

 

「あら、其方の方は少しは立場を弁えていらっしゃるようですわね。それに比べて此方のお馬鹿さんは私の事を知らないですって?イギリス代表候補生にして学園への首席合格者である、このセシリア・オルコットを?」

 

 ああ、そうそう、こんな感じだったな。織斑とオルコットが何か喋ってるが俺は関係なさそうだったのでボーっとしていると…

 

「代表候補生って、何?」

 

 衝撃的な台詞が聞こえてきた。見ろよお前クラスの皆が律儀にもコケてくれてるじゃないか、デジャブ。静寐もコケてる、意外だなー。

 説明とかはオルコットに任せて俺は空気に徹しよう。というか織斑の席でやれよ。

 オルコットが織斑との会話で呆れから、誇らしげ、苛立ち、呆然、怒りと見事な十面相を披露しているのを眺めていると…

 

キーンコーンカーンコーン

 

「また後で来ますわ!逃げない事ね!よくって!?其方の貴方もですわよ!」

「え、ああ、はい」

 

 何で俺巻き込まれたの?え?俺無関係だよね?え?

 

 

 

 

 

 

 ―――三時間目―――

 

 三時間目はIS実技だが、一年の最初はIS理論の延長のような授業だ。担当は織斑先生だが、授業を始めようという時にふと思い出したかのように、

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出場する代表者を決めないといけないな」

 

 要約すると、クラス委員長決めるから誰か自薦か他薦しろよ。って内容の言葉を聞いてクラス中がざわめき立つ。

 

「静寐やんねえの?中学ん時もやってたし」

「対抗戦に出るってなるとちょっと自信ないからさ」

「へー、まあ専用機持ちの代表候補生もいるしな」

 

 静寐とそんな話をしていると、

 

「はいっ。織斑くんを推薦します!」

「私もそれがいいと思います!」

 

 ああ、うん、ある意味予想通りだな。

 

「では候補は織斑一夏…他にはいないか?自他薦問わないぞ」

「お、俺!?」

 

 何か織斑が抗議してるが織斑先生に一蹴されている。

 

「だ、だったら俺は翔汰を推薦する」

 

 チッ…何でそこで俺を巻き込むかな…というか何でアイツは俺を名前で呼んでるんだよ…とりあえずクラス代表になる気なんて毛頭ないし、適当に断ろうか。

 

「…織斑先生」

「何だ神納、貴様も他の者を推薦するのか?」

「いえ、そうではないんですが、織斑が俺を推薦するのは少し違うんじゃないかな、と思いまして」

「ほう…では貴様は織斑から貴様への推薦を取り消せと言いたいのだな?」

「まあ、端的に言ってしまえばそうですね」

 

 俺の言葉を聞いた織斑先生はフッと笑うと

 

「いいだろう、私を納得させられるだけの理由があるのなら貴様の言い分を通してやろう」

「ありがとうございます」

 

 何とか第一関門クリアってとこだな。織斑が俺に視線を送ってくるがとりあえず無視しておこう。

 

「それで理由なんですが、一言で言えば、織斑が既に他薦されているから、ですね」

「ほう?」

「織斑は他の候補を立てることで自分が当選する確率を下げようとしました。例えばですが、先程織斑先生が仰ったように、自分が更に他の人を推薦するとしましょう。もし自分に推薦された方が更に他の人物を推薦する、という事になってしまえば、候補者が乱立されすぎてしまうのではないでしょうか。

それに!織斑は多数の方たちによって推薦されています。そんな人物がこれといった理由もなしに他者を推薦するというのは、織斑に期待して推薦した方たちの想いを無下にしているようじゃないですか!」

 

 後半の台詞にはできるだけ感情を込める。こうすれば…

 

「そうですよ織斑くん!皆さんの期待に応えてあげてください!」

 

 山田先生が釣れる。

 山田先生は独自の教師論を持っていて、思いやりとかそんな言葉に弱い。

 

「織斑先生!神納くんの言うとおりですよね!ね!?」

「あ、ああ…そうだな。神納、貴様はもう座っていいぞ」

 

 ついでに言うとこの状態の山田先生には流石の織斑先生も弱い。

 いやー、ずっと丁寧な口調で喋ってたから疲れたな…とりあえず俺はもう関係ないだろうと思い座ろうとすると、オルコットが肩を震わせているのが見えた。

 あれはそろそろ爆発するだろうな…最後に爆弾処理だけしておくか…

 

「織斑先生、最後にもう一つだけいいですか?」

「なんだ、言ってみろ」

「はい、えっとですね俺はオルコットさんをクラス代表に推薦します」

「先程と言っていることが違うぞ?神納」

「自分は理由もなく推薦する事を否定しただけですよ。オルコットは学年主席で専用機も持っているらしいですし、理由は十分にあると思いますよ。それに、本人も意欲がありそうですし」

「そうなのか、オルコット」

「勿論ですわ!大体、男が代表だなんて屈辱を一年間味わえと仰るのですか!?」

 

 何かヒートアップしてるけど俺にはもう関係ないしさわらぬ神に祟りなしってやつだな。とか考えてると後ろから

 

「ねえ翔汰…」

「ん?どうしたんだよ静寐」

 

 心なしか不機嫌な様子で静寐が話しかけてきた。

 

「何でオルコットさんのこと推薦したの」

「は?いや、さっき織斑先生に説明してただろ?」

「ホントにそれだけ?」

「え、ああ、うん。それに、何か今にも爆発しそうだったからさ」

「じゃあ、オルコットさんが気になるってわけじゃないんだね?…そーだよね、翔汰だもんね」

「ほとんどの女とは目も合わせられんからな」

 

 今、俺が目を合わせても平気なのは家族以外だと静寐、織斑先生、山田先生ぐらいだろう。この三人も長時間はキツイんだがな。

 

「何で山田先生と織斑先生も大丈夫なの?」

「あれ?俺大丈夫になったって話したっけ」

「してないけど、先生達とは目合わせてたから」

「ああ、そういうことね。あの二人はISについて教えてもらってるうちに自然にね」

 

 詳しく説明するのも面倒くさいので適当に返しておく

 まあ、山田先生に関してはほぼ言ったとおりだけど、最初は二人ともまともに会話すらできなくて大変だったな…後から聞いた話だが、あの人は今まで男と接する機会がほとんどなかったらしく、目を合わせるどころか、手が触れただけで飛び上がってたからな。

 織斑先生はあれだ…恐怖心が症状に勝ったんだよ…なんというか、訓練中とか目を逸らしたら殺されるんじゃないかってくらいの威圧感だった。あの人は多分人じゃなくて鬼か何かなんだ、だから症状が出な…あああ、スイマセンスイマセン、自分が悪かったですから睨まないで下さいお願いします

 

「決闘ですわ!」

 

 俺が誠心誠意の謝罪を心の中でしている途中で聞こえてきた言葉に俺は危うく吹き出しそうになる。

 決闘ってオルコットさん、アンタいつの時代の人間だよ…そんなん誰も受けねえだろ

 

「おう、いいぜ。四の五の言うより分かり易い」

 

 ゴメン。いたわ、決闘受けるやつ。しかもハンデとか言い出したぞコイツ。お前相手は代表候補生だって忘れてるのか?ギャラリーは男だ女だの見当違いな意見を言ってるが、そんなん抜きにして経験者と素人なんだから勝てるわけがないだろ。

 

「話はまとまったな。勝負は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑とオルコット…それと神納はそれぞれ用意をしておくように」

 

 ん?ちょっと待て。今、俺の名前が呼ばれたような…って、はあ!?

 

「ちょっと待ってください織斑先生!俺への推薦は取り消されたはずですよね!?」

「何を言っている。私は座っていいとは言ったが、推薦を取り消すとは一言も言ってないぞ。それに、代表候補生との模擬戦だ、貴様にもいい経験になるだろ」

 

 これはアレださっきのこと根にもってやがる…そんなんだから鬼とか言われるん…

 

「分かったな?」

「Yes,Ma'am.」

 

 

 こうして、圧倒的なプレッシャーに首を縦に振るしかなくなった俺も、クラス代表決定戦とやらに出なくてはならなくなった…。

 

 

 

 




鷹月さんには幼馴染になっていただきました。オリキャラを作るなんて難易度の高いことはできませんでした。

長さはどうだったでしょうか?一話と比べてどちらの長さの方がいいでしょうか?

機体に関しては主人公にはしばらく訓練機に乗ってもらうつもりなのですが、ラファールと打鉄のどちらがいいのでしょうか
どちらの機体が良いか、どんな武器を使ってほしいかなど意見くださると嬉しいです。


諸々について批評等々くださると嬉しいです。それではっ
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