提督と大和の鎮守府日和~あるはずの無かった出逢い~ 作:最上天音
「あぁ・・やっと・・・終わった・・・」
上司に見られたら間違いなく叱責を喰らうようなほどにダラける。
「こ、こんなに時間まで、なる・・なんて・・」
あの大和でさえこの有様だ。
今の時刻は1030。ここから大本営に書類を送る時間も考えると、ギリギリセーフということか。
「何とか間に合ったよう・・だな・・」
「そのようですね・・」
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「さて、ここで一息つこうと思ったが一気にやることが無くなったな」
「小さいことは幾つか残ってますが、どれもこれもさっきまでの書類地獄と比べれば仕事ってものじゃありません・・」
「まあ、その、手伝ってくれてありがとな」
「い、いえ!そんなことないです・・」
そっと大和の頭を撫でると顔を赤らめて俯いた。と、
「ふあぁ・・・」
「あぁ、徹夜明けだもんな。仮眠と言うか、昼寝でもするか?」
「そ、そうですね・・さすがにこれ以上は・・・」
「そうだな。体に悪いし、じゃあ俺は寝室に行って・・もう寝ちゃったか」
まだ仮決めの状態だったが、提督室は私が、その隣を大和の部屋に、と、言うつもりだった。
私は、提督室と隣接している寝室に行こうとしたが、大和はテーブルに突っ伏したまま寝てしまっていた。
(いくらなんでもこのままにするのもアレだしな・・・)
軽く大和の頭を撫でる
(この感じ・・懐かしい・・?)
俺は大和とは今回が初対面のはずだ。
なのに、何故懐かしいなどと思ってしまうのだろうか。
(まあ、思い違いだろう・・・)
そういうことは後々、少しずつ考えていけばいいだろう。
「さて、と」
結局大和を自分の寝室に寝かせ、俺は提督室にあるソファで寝ることにした。
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ふと、目が覚める。
時刻は1700。もうすぐ日が沈む所。
「かなりの時間寝てしまっていたのですね・・・」
大和は、この鎮守府に来てからまだ1日も経っていない。
今日の午前まで続いた書類地獄に比べれば、大したことじゃないような仕事ばかりだがそれでも、食事に関すること、その他諸々家事の当番決めなど、まだまだやることがかなり残っている。
「それにしても・・・・・」
恐らく提督も思ってるであろうことを、大和も考えてみる。
(なぜ私はここに来たのでしょうか・・・・?)
考えてみれば考えるほど、わからなくなってくる。
通常、私『大和』は通常建造とは別の「大型艦建造」のみで作られることができ、その中でも滅多に出てこない艦娘。
なので中将、大将クラスの人達でも私”大和”を造る事にかなり苦労しているとか。
しかし、私は通常建造で、しかも燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトと全ての資材をたった300だけ使ったと聞きました。
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-私が造られた直後のこと-
ふと思ったこと、いや、この状態なら大体の艦娘は思うことであろうことを聞いてみた。
「ところで、他の艦娘は居ないのですか?」
「あぁ、そうだよ。」
「へっ?」
あまりにも予想外の返答につい間抜けな声を出してしまった。
「いや、だから、君が1番最初の娘だよ。」
「大型建造でも無いのに、何で私が・・・」
「私も、それについては全くわからない・・・」
2人の周りに少し重い空気がまとわりつく。
「まあ、そういうことはゆっくり考えれば良いんじゃないかな?・・それでなんだけど」
と、一瞬緩んだ顔を、また戻し
「さっきも言ったとおり、提督となったばかりの私には君に余計な負担や迷惑をかけてしまうかもしれない。」
「だから、ここが嫌というならもっと君にふさわしい場所に転属することも可能なんだが・・」
大和は考え込んだ
確かに、今のこの人には私では不釣り合いだろう。
資材面でも大問題。この状態なら恐らく3日に1回ぐらいしか出撃出来ないでしょう。
私がこれを承諾すれば、どこかの大艦隊に転属ということになるのでしょう。
--他の『私』なら真っ先にそうすると思います。
「いえ、ここでいいです。」
「いや、しかし------」
「ここで、じゃありませんね。 私はここが、いいです」
自然と笑みが溢れる。
何故この答えを出したのか、自分自身もわからない。
けど彼の傍に居たいと、支えてやりたいと、そう思った。
「そうか・・なら」
そう言うと提督はすっと身なりを整え、
「私は、あなたが来てくれたことを歓迎します。大和さん」
「さん、は付けなくていいですよ。これからはいつも一緒に居るのに、他人行儀なのは嫌ですから」
私は決めました。ここで彼について行くと。
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「・・って、いつまで思い出に浸っているんですか私。そろそろ起きないと」
そんな提督と私の最初の会話を思い返しながらゆっくりと身体を起こす。
と、布団から出たところでふと思った。
------布団で寝てましたっけ?
私の記憶が正しければ、確か書類整理が終わったあとに、緊張の糸でも切れたかのように強烈な眠気に襲われ・・その先は覚えていない。多分寝てしまったのでしょう。
そんな大和の疑問を解決する答えはすぐそこにあった。
私のすぐ右のソファで、寝ている提督の姿。
そこは私が寝てしまうまで居た所だった。
(提督が私を運んでくれたのですね・・・)
そっと彼の左側に寄り添う。
(あなたのことは、どんなことがあっても私が必ず守ります。絶対に・・)
これでもかというぐらいに、気持ちよさそうに眠っている提督。
「ふぁぁ・・・」
ど、どうやら提督の顔を見ていたら、また眠くなってきちゃいまし・・・・た・・・
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「ん・・・・っう・・」
どうやら寝てしまったようだ。
外を見ると日も落ちて、一眠りどころかガッツリ寝てしまった。
流石にそろそろ起きないと、夜寝れなくなってしまう。
(そろそろ食事にしないといけないし夜寝れなくなるのはマズイしな・・・ん?)
そう思い、食堂に行こうと身体を起こそうとすると大和が左側で私に寄り添いながら寝ている。
(初日から波乱続きで負担をかけっぱなしだったな・・・)
彼女を起こさないように、ゆっくりと頭を撫でる。
(これからもお前に頼りっぱなしになるかもしれないが・・よろしくな、大和)
口に出した訳じゃないのだが、それを思った直後にとても寝惚けた様子で彼女は起きた。
「んあ・・?あ、て、てぇとく?・・・・っ!?て、提督!?お、おはようございます!!」
「あぁ、おはよう。と言ってももう夜だからこんばんわ、かな?」
そう言いながら時計を見ると、時刻はもう1900。そろそろ食事の時間だ。
「こんな時間だし、食事でもするか・・」
「あ、なら、私が作りますよ。」
「あ、いや今回は君に結構頼りっぱなしというか、負担かけちゃったからな・・今回は私が作るよ」
「提督は得意なのですか?」
「正直な所、あんまり得意じゃない・・が、何とか頑張ってみるさ。君の歓迎会とかもまだやってないしな」
そう言うと、急に大和がにこにこし始め
「ふふ、なら今日のメニューは期待していいんですね?」
・・どうやら自分でハードルを上げてしまったようだ
「・・まあ、期待される以上頑張るしかないな。」
「そうと決まれば急いで食堂に行きましょう!提督!」
「あぁ・・そうだな」
そうして提督と大和は波乱の1日を終えるのでした。
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「肉じゃが作ってみたんだが・・どうだ?」
「それじゃあ、いただきます。」
大和は提督が作った肉じゃがを口に運ぶ。
「・・・何かやけにしょっぱくないですか?」
「ん?そんなはずは・・・・しょっぱい、というより辛いな」
「・・・提督、何入れたんですか」
「・・・・・ちゃんと手順通りにやったはずなんだが」
厨房の調味料置き場に行って確認してみると
「あっ」
塩と砂糖の部分を見たときに確信してしまった。
私はちょっとしためんどくさがり屋なので、調味料や自分の使ったものは逐一しまう、というようなことはしない。
故に、調理台に出ている物=使った物となる。
そして、調理台にあったのは「砂糖」ではなく「塩」。つまり・・・・
「すまん、大和・・砂糖と塩間違えた。」
「・・・・・・今度から私が教えましょうか?料理」
「すまん、教えてくれ」
ちょっと大きめのため息をついたものの終始嬉しそうだった大和であった。
ある程度書き溜めては置いたけど、すぐに無くなりそう・・と冷や汗かいてる最上です
頑張って2、3日更新で行こう。そうしよう・・
と、思いつつ今日も投稿に向けてpcを起動するのでした。