透き通る世界を照らす赫き星   作:お茶犬大家族

5 / 26
この間まで発売されていたブルアカのウエハース、皆様はお買い上げになりましたでしょうか? 私は近所のコンビニで見かけたので試しに何度か買ってみました。

 成果
 ・アロナ×2 ・コハル×2 ・ハスミ
 ・ヒナタ ・アツコ ・サオリ
 ・マシロ×2 ・ハナエ ・ハルナ
 ・シスターフッド ・補修授業部×2

 因みにあのラインナップの中での最推しはミネだんちょです。悔しいです(血涙)

 話が逸れましたね、本編をどうぞ……


原住民との遭遇?

 

 

 結論だけ、言う。

 

 

 

「失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した私は失敗した失敗……」

 

 

 

 何を失敗したかって? ふっ、良い質問をするじゃないか。

 ついさっきまで私がこの世界の情報収集、兼探検をしようと考え付いて飛び立った所までは分かっているだろう? まあ最初の数分間はなんとか上手く飛べていたのだが、ついつい調子に乗って速度を上げ続けている事に気付かないでいた。その上あまりにも肉体の造形が変わり過ぎているためか、以前の身体の要領でずっとやっていたら次第にコントロールがし辛くなってしまい……。

 

 その結果、見事に勢いよく不時着してしまった訳だ。それも頭から突っ込み、ヘソの辺りまで埋まって。

 

 

「古の龍たるこの私がなんてザマだ、くそ……」

 

 

 流石は私! なんてほざいた矢先にこんな醜態を晒すだなんて、屈辱の極みでしかない。ただ幸いなことに周囲は静寂に包まれているため、誰にも見られていないのだろうと思えるのがせめてもの救いか……。

 それにしても姿形は大分変わってしまったが、持ち前の頑丈さは失われていなかったようで何よりだ。墜落寸前まで減速を試みていたとはいえ、人間に限らず大抵の生物は高所から落下しようものなら即死。そこまで行かずとも致命傷はまず免れないだろうからな。ここがもし死後の世界でないのなら、降り立ってから僅か数時間で再度お陀仏の可能性もあったなど、そんなの笑いたくても笑えんよ。

 

 ……いや待て、何度も高所から飛び降りているハンター達はどうしてほぼ無傷で済んでいたんだ? なんだ、狩人になると身体が極限まで頑丈になる加護でも受けるというのか?

 しかしその一方、帝征龍という者の手下によって奈落に放り投げられた際には、割とあっさりくたばるなんて話もあるらしい。どういう理屈なんだろうか、やはり人間というのはよく分からない生き物だ……。

 

 とにかくいつまでもこうしている場合ではないと、埋まっていた上半身を地中から引っ張り出す。掘り起こした頭で辺りを見渡すと、周囲には焦げつき大きく凹んだ地面。その最深部に私はいた。十中八九これは自分の仕業なのだろうが、こうやって形として見せられると心に来るものがある。

 その深い窪みから抜け出すと、歪な形状に崩れた木材や金属の板があちこちに散らばっていた。最初はこれが何なのか分からなかったが、奥のほうまで目を配るとその正体も大方推測できた。目線の先には壁を隔て、屋根を組んだ大きな長方形の小屋が並んで建っている。そう、まさしく人間の住処と言えるような物体が。

 どうやら先程までいた場所から結構離れ、知らぬ間に奴らの集落に侵入してしまったようだ。恐らくあれと同じ様な物が私の周りにもあったが、着弾時の衝撃波によって崩壊してしまったと言ったところか。

 

 

 ……うん?

 

 

「もしかしなくてもこの状況。かなりまずいのでは?」

 

 

 冒頭でも言ったが、かなり勢いをつけて不時着したのだぞ。無論その際の衝撃音はとてつもないだろう。実際に現場はこんな有り様だ。もしこんな光景を人間達に見られでもしたら――

 

 

 

「なあ、ここら辺でスゴい爆発がしたってマジなんだろうな?」

 

「ええ! 確かにこの辺りでした!」

 

「それってもしかして、メラメラヘルメット団の奴らの仕業だったりするんじゃ……」

 

「あいつら、とうとうウチらの縄張りを狙ってきやがったのか!? ふざけやがって!」

 

「奴らだろうが誰だろうが、人のシマで好き勝手暴れる輩は叩きのめす! 行くぞお前ら!!」

 

「「「へい! リーダー!!」」」

 

 

 

 言った側からやってきてしまった。くそ、ダラダラと地中で語っていないでさっさと退散するべきだった。ちょっとばかしドジを踏んだだけで傷心し、こんな事態を招くことになろうとは……一生の不覚だ。

 だが今更反省しても遅い、奴らの足音はもうそこまで迫っている。しかもあの口ぶりから察するに、対話での解決はとても不可能だろう。

 

 

「いざとなれば、迎撃する他ないか」

 

 

 今すぐに飛び立とうにも、この距離ならどの道かなり目立つ。以前の身体ならともかく、慣れ切っていない肉体の状況で飛ぼうものなら再び不時着する危険性だってある。追跡されても逃げ(おお)せるならまだいいが、無様に墜落した挙句捕まるなんて事をしようものなら古龍の恥さらしもいいとこだ。

 

 まあなんだ、これも試練の一つとして考えよう。遅かれ早かれ、何者かと交戦する可能性もあったかもしれないのだ。この肉体でどれだけやれるのか、一度試してみるのも悪くないな。

 

 

「おいテメェ!」

 

 

 そう覚悟を決めたと丁度、やっこさんのお出ましのようだ。この体、この世界の者との初めての戦闘。とても心が躍る。

 

 

 

 精々私を楽しませてくれよ? 人間。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「なあ、あとどんくらいだ?」

 

「もうそろそろかと! 次の角を曲がった所が例の場所っす!」

 

「オーケーオーケー。んじゃさっさと殺るか」

 

 

 隣を走っている手下に声を掛けると、目的の場所までもうすぐだということを知る。コイツの話によると、10分程前に私らバリバリヘルメット団の縄張りでどデカい爆発音がしたらしい。そのためリーダーである私が一目散に合流し、後から駆けつけた二人の団員を連れて下手人の粛正に向かっている最中だ。

 大方私らと鎬を削っているメラメラヘルメット団の仕業か、あるいはゲヘナ風紀委員会の奴らが攻め込んできたかのどっちかだろう。なるべく後者はご勘弁願うが……まあなんでもいい、日頃から溜まった鬱憤をぶつけるいい機会だ。うちのシマで暴れたことをとことん後悔させてやるよ。

 そうしてトタン屋根の街を走ること十数秒後、ようやく分岐の地点に差し掛かった。前を行く二人が右折し、シマ荒らしに啖呵を切る。

 

 

「おいテメェ! 人様のシマで何をやってやが、る……?」

 

「どうした? 何が、あっ!?」

 

 

 だが二人は途中で言葉を詰まらせ、人形のように固まった。なんだ、何を見たんだ? 凍ったままのソイツらに近づき、そっと声を掛ける。

 

 

「おい、何固まってんだよお前ら」

 

「リ、リーダー……あ、あれ……」

 

 

 その内の片割れが震えながら指差した方向を見ると、二人が絶句していた理由に私らも納得がいった。

 なぜなら――

 

 

 

「テ、テメェッ! なんでマッパなんだよ!?!?」

 

 

 一人の女が、全裸で巨大なクレーターの(ふち)に突っ立っていたのだ! キヴォトスでは銃を持ってない奴は全裸の人間よりマヌケなんて風潮はあるけども、それは決して真っ裸なヤツがマトモな人間の部類に入るわけじゃない。人様の事は言えねえと思うが、こんなの不審者通り越して変質者じゃねぇか!!

 

 そんな状況かつ、無駄に整った顔とのギャップを見せつけられちゃ固まっちまうも無理はないだろう。でも落ち着け私、リーダーが狼狽えていたらチーム全体に悪影響を及ぼしちまう。

 

 

(平常心だ私、落ち着いて息をするんだ……)

 

 

 冷静に息を整えながら、目の前の人物を再確認する。そいつはシルバーグレーの髪に、背面からはゴツゴツとした翼と尻尾が生えていてタッパも結構ある。胸は……小さめか。

 ヘイローはかなり特殊で、立体感のある銀色の輪に、炎のようなゆらめきのある棘が所々外面に生えている。輪の内側には黒色の珠がリングに沿って複数並び、最内には細長い赤色の輪が浮いていた。二つの輪に挟まれた無数の珠という構図は、まるでベアリング構造を彷彿とさせるヘイローだった。

 つーかよく見たらコイツ、ここら辺で見たことないぞ。多分この辺りの学生じゃないな、制服を着てねぇから尚のこと分からん。

 

 まあコイツが何者でも関係ねえ。私らのシマで暴れた張本人であることはほぼ間違いないだろうからな。いっぺんシメとくか。

 

 

「やあ、そこのお嬢ちゃん。もしかしてこれは君がやったのかな?」

 

「この巨大な窪みのことを聞いているのなら、恐らく私だろうな。しかし誤解しないでくれ、決して己の意志でやったわけではないんだ」

 

「へぇそうかい。でもそんなの私らには関係ないんだよ。お前はウチの縄張りを荒らしたって事実がある、それだけで粛正対象になっちまうのさ」

 

 

 右腕を上げ、手下にハンドサインを送る。それを受け取った三人は配置に付き、相手に向けて獲物を構える。私が平静を装っていたお陰か全員スムーズに動いてくれた。

 

 

「てなわけで……ちょっと痛い目に遭ってもらおうか」

 

 

 そうして掲げていた右手をぐっと握ると

 

 

「悪いな、だが恨むんなら自分の不幸にぶつけとけっ!」

 

 

 奴の一番近くにいた手下が、標的目掛けて思いっきり発砲。そうして飛んで行った弾がぶち当たったのは、女の眉間だった! こいつはかなり効いただろう。なにせブラックマーケットでは中々出回らない一級品だから、結構高くついたんだぜソレ。不良の私らには大きな痛手だったが、値段相応の性能は十分あるから今んとこ後悔はしてねえよ。

 そんな凶弾に急所を撃ち抜かれた奴は頭を後ろに大きく動かし、そのまま体も仰向けにぶった倒れる――

 

 

「……なんだ今のは。こんな(なまくら)で私を下せると思うたか?」

 

 

 なんてことは無かった。奴は何も起きなかったかのように平然と顔を前に戻し、私達を睨みつけたのだ。もっと言えば、首から下はピクリとも動いていなかった!

 ていうかナマクラって! いくらキヴォトス人は外の人間より頑丈と言っても、ドタマに銃弾をぶち込まれたら少なからずダメージは受けるぞ!?

 なのにコイツは、頭がちょっとのけ反っただけでピンピンしているじゃないか!

 

 

「それと」

 

「ッ!? 消え……」

 

 

 その言葉と共に女は大きく踏み込み、消えたと錯覚するほどの速度で自身を撃った人間に接近。続けて銃を持っていたそいつの左腕を力強く握る。

 

 

「私を撃った悪い腕はこれか」

 

「くそっ! 離せよ!」

 

 

 あいつも必死に払おうとするが、万力のような力でガッチリと押さえられているため振り解ける気配が一切見えない。だからより一心不乱に暴れるが――

 

 

「人様に向かって発砲してはいけないぞ」

 

「ガッ!?」

 

 

 そんな隙を奴が見逃す筈がなく、手下の顔面に向かって高速の鉄拳を叩き込んだ! ヘルメットを被っているのなんてお構いなしに左ストレートを放ち、それが顔を捉えた瞬間、自動車事故が起きたかのような衝撃音が辺りに響いた。

 常人離れした剛拳を受けたそいつは大きく吹き飛ばされ、私の足元へと転がってくる。

 

 

「マ、マジかよ……」

 

 

 被っていたヘルメットは大きくヒビ割れており、衝撃の凄まじさを物語っていた。幸いにも命には届いていないだろうが、それでも普通強固なフルフェイスはこんな風にならない。現にこいつも当たり前と言わんばかりに、意識を刈り取られちまってる!

 

 この僅かな間だけで分かった……あの女、私達が到底敵うような相手じゃないっ!!

 

 

「あ、あぁ……」

 

「ひっ……ぃぃ」

 

 

 一連の流れを目の当たりにした他の二人は震え上がり、かく言う私も既に戦意を失っている。そりゃそうだ、こんな芸当をするバケモンなんてこのキヴォトスでも滅多にいやしないんだから。

 一瞬で懐に潜り込む俊敏さ、ヘルメットにヒビを入れるほどの怪力、撃たれても微動だにしないタフな体と精神力。どれをとっても自分達を凌駕している。

 メラメラだとか風紀委員会だとか、そんなチャチなモンじゃねぇ……。私ら、もっとやべぇのに出会っちまったんじゃないのかっ!?

 

 

「怯えているのか、だが恥じる必要はない。自分の実力以上の存在を前にすれば、そんな反応にもなるだろうさ」

 

 

 降参状態とも言えるこちらの心境を感じ取ったのか、女は嘲るように言葉を吐いた。随分と舐め腐ってくれているが、図星であるため言い返す事ができない。圧倒的な実力差の前では弱者の反論など何の意味もないってことは、こんな私でも理解している。

 でもこっちも伊達にこいつらのリーダー張ってないんだよ、舐められっぱなしでたまるか!

 

 

「こ、コイツを見なァ!!」

 

「うん?」

 

 

 びくついている体を必死に抑えポケットから通信機を取り出し、奴に見せびらかすように突きつける。

 

 

「たった今コイツを使って私らの仲間を呼び寄せた。いずれここに大勢の人間が駆けつける。そうなりゃお前はおしまいだ!」

 

 

 分かっていると思うが、当然嘘だ。実際には通信なんてしておらず、仮に本当に呼び寄せていたとしてもきっとあの女には意味を為さないだろう。私らバリバリヘルメット団は総員約80人から構成される組織で、確かに連絡すりゃ皆速攻で駆けつけてくれるに違いない。だがコイツとの力量差を考えると、例え全員でかかっても勝ち目なんてゼロに等しい。

 

 

「ははっ、尻尾を巻いて逃げるなら今のうちだぜ?」

 

「……」

 

 

 だからこれは博打だ。この脅しで奴が参って退散する事に全力を賭ける。私達が助かる道はこれしかないのだから。

 さあ退け! どこかへ行っちまえ!!

 

 

「……少し試してみるか」

 

 

 すると女は何かをボソッと呟いた後、背中にある翼を大きく広げ、ジェット機のような爆音を鳴らすと豪快に飛び去っていった。

 ……とても変わった飛び方をしていたが、最早ツッコむ気力すら無い。

 

 それにしても、なんだ……思ったよりあっさりいったじゃないか……。絶大なプレッシャーから逃れられた開放感のあまり、思わず膝から崩れ落ちてしまった。

 

 

「ア……アタシら、助かった……のか?」

 

「こ、殺されるかと思った……」

 

「いっ、てて……あれ、あの女どこ行った?」

 

 

 手下の二人も同じように地面に手をつき、荒くなった呼吸を必死に直そうとしている。さっき伸されたアイツも意識を取り戻した、とりあえずは無事なようでなによりだ。

 

 

「はぁ……っ、なんとかっ、上手くやれたな……」

 

「「リ、リーダーァァ!!」」

 

 

 私はやり通した、やってみせた!!

 そんな達成感を噛み締めていると、落ち着きを取り戻した二人がこちらに駆け寄ってくる。

 

「一時はどうなるかと思ってたけど、リーダーのお陰で私ら生きてるんですよ! 本当に感謝してます!」

 

「アタシも同感ッス! 一生付いていきます!」

 

「へへっ、そんなに褒めても何も出ねえよ!」

 

 

 そいつらは私のことを礼賛し、目を覚ました団員は空のほうをジッと見上げている。あんな人外じみたパンチを受けたんだ、まだ意識がはっきりとしていないのだろう。後で介抱してやらんとな。

 

 

 

「流れ星? いやでも()()()()()()()()()()……?」

 

 

 

 当初の目的を果たせずビビり散らかし、私が出来ることはこの手しか無かったっていうのに、それでもコイツらはこんだけ慕ってくれるなんてな……。いい仲間に巡り会えてこっちも嬉しいよ。

 なら私も、その期待に応えなくちゃあな!

 

 

「この生天目(なばため)ジェシカ様がいる限り、バリバリヘルメット団は不滅なんだよ! 覚えとけ!」

 

 

 

 

「え? 今軌道が変わ……ん?」

 

 

 

 

 

「リーダーァァァ!! 後ろぉぉぉぉ!!」

 

 

 

「あ? 後ろ?」

 

 

 言われるがままに振り返る。

 

 

 

 すると視界いっぱいに広がったのは、目が潰れそうになるほどの眩い真っ赤な閃光。一体何が何だか分からないまま

 

 

 

 

 私の意識は闇へと沈んだ。

 




 今回は慣らしとして軽く戦闘描写を書きましたが、いずれそういう訳にもいかなくなりますよね……トホホ。分かりづらい点があれば申し訳ないです。

 ちなみにサブタイにはある縛り、もとい拘りを入れています。気付いてくださると嬉しいでございまする。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。