暗殺教室 目覚めし魂   作:タツガン

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読んでくださった方々には申し訳ございません。またしても一部設定を変更し分割だったのを一本化しました。

お詫び申し上げます。その代わり2025年7月6日12時30分に第2話を投稿させていただきます。よろしくお願いいたします


第1話 暗殺と覚醒の時間 

 

 

 

 彼の朝は早い。いつも早朝5時に起床し、顔を洗い、菜園の手入れをし、6時頃には椚ヶ丘中学校の制服を着て、台所に行き、最低3人分の弁当と4人分の朝食を作る。最早、主夫なのでは? と思う位だがこれが彼の朝のルーティンである。

 

 7時には三杉家に住む人たちが続々と起きて、リビングに来る。

「あ、おはようございます!! 先生!!」

 

「おはよう、翔一君」

 

一番乗りはこの家の大黒柱の三杉 義彦であった。

 

「今日はサンドイッチとサラダか。シンプルでいいじゃないか。ではいただきます」

 

「はい。どうぞ~召し上がれ」

 義彦が食事して、間もなく次に起きてやって来たのは義彦の姪で高校生の風夜 真魚であった。今日も学校があり制服を着ている。

 

「おはよう。叔父さん、翔一君」

 

「おはよう。真魚ちゃん」

 

「おお、おはよう真魚」

 

「うわ~今日も美味しそう。 いただきます。」

そう言うとサンドイッチを食べる。何故、翔一が年上の真魚をちゃん付けで呼んでいるのは真魚本人がどうもさん付けは馴れないらしいので翔一も呼び捨ては抵抗はあったのでちゃん付けで呼ぶこととなった。

 

「みんな、おはよう」

「「「おはよう。太一」」」

 最後に来たのは義彦の一人息子で小学5年生の三杉 太一だった。翔一の事を呼び捨てにして、生意気な態度を取り父親の義彦に怒られてはいるが決して悪ガキではなく翔一の菜園を手伝ってくれてるし翔一本人もそこまで気にしてはない様子だ。

 

「翔一。俺のは卵とトマトは入ってないよね」

 

「はいはい、分かってますよ」

 

「こらこら、太一。またお前は好き嫌いして。翔一君。次からは普通にトマトや卵を使っても構わないから」

 

「叔父さんの言う通りだよ。太一」

 

「え~だって嫌いなもん嫌いだし…」

 

太一の偏食に何色を示す慶彦と真魚にそれに文句を言う太一。

 

朝から一触触発の雰囲気に翔一は

 

「まぁまぁみんな落ち着いて。でも太一。二人の言う通り、次からはトマトも卵もいれるからね。大丈夫!! きっと、太一の舌を唸らす料理を作るからさ」

 

「ちぇ~」

 

とその場をなんとか収めた。

 

「あ!! もう時間だ!!」

そう言いながら翔一はエプロンを取り自身が作った弁当をバッグにしまうを。そして…。

 

「それじゃ、お先に行ってきます!! 後、食べ終えた食器はシンクの方に置いて水に浸けておいて下さい!! 」

 

「「「は~い。いってらっしゃ~い」」」

 

同居人達に頼み事と挨拶を交わし翔一はバッグを持ち、自身が通う中学校…椚ヶ丘中学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 長身で茶髪が目立つ少年…津上 翔一は記憶喪失であり、身元もわからない状態であり現在は居候先の心理学者でもある三杉 義彦の家の世話となっている。彼の年齢上、中学校に入らなきゃいけなかったので今年の4月から椚ヶ丘中学校に通うこととなったが、編入試験でギリギリ合格だったため彼はE組に入る事となった。

 

椚ヶ丘中学校…中高一貫の名門進学校なのだが、成績の悪化した者や校則違反者は「特別強化クラス」のE組に送られる。そして、E組の生徒は山奥にある木造の旧校舎に通わされ、学食なし、部活動の禁止、E組生徒は椚ヶ丘高校への内部進学が許されていないなど、学校主導での低待遇を強いられ、教師・生徒達からも冷ややかな目を向けられる。3年E組は通称エンドのE組と呼ばれている。

 

 翔一はそんなことは関係なく学校に通えればそれで良いと考えており、本校舎より旧校舎のほうが良いと感じている。

 

 山奥に入り旧校舎に向かう翔一。だが…。

 

「クッ…ウゥゥゥ!!」

その道中突然歩くのを辞めて、うめき声を上げて、頭を両手で押さえて苦しむ翔一。まるで何かが頭に直接響いて来る感じの頭痛と耳鳴りだった。そこに…。

 

「…み…く。…がみく…ん。津上君!!」

先程の頭痛は無くなり自分を呼ぶ声に翔一は気が付く。

そこには先程翔一を呼びかけた同じE組のクラスメイトであるポニーテールが特徴の女子生徒…矢田 桃花(やだ とうか)がいた。

 

「津上君!! 大丈夫!? さっきまで頭を押さえてて苦しそうだったよ…。」

 

矢田は心配そうに翔一を見ながら聞いて来た。

 

「君は、たしか…矢田さんだったね。大丈夫!! ちょっと頭痛と目眩がしただけど治ったから平気だよ!!」

 

「そう…あまり無理しちゃ駄目だよ。」

 

「大丈夫大丈夫。心配かけてごめん。それよりもほら、急がないとHR(ホームルーム)が始まるよ! 行こう!!」

 

「あ、ちょっと!!待ってよ!!」

 

走り出した翔一を後を追いかける形で矢田も走り、旧校舎へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 翔一が頭痛に襲われた同時刻に、都内某所において木に埋め込まれた男性の死体が発見された。

 

尚、3日前には同様の事件が発生しており、2つの事件の被害者は血縁関係があり親子であった。

 

また同時に城北大学の水泳部において、練習中に体が溺れ掛けた選手がおりその選手は病院に搬送され、意識不明となった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧校舎のにおいてHRが始まろうとしていた。

 

「HRを始めます。日直の人は号令を!」

 

「…き、起立!!」

 

教室の教壇には球状の顔と体には無数の触手が生えており、タコのような超生物である先生の一言で一見、女子にも見えてしまう一人の男子生徒…潮田 渚(しおた なぎさ)が今日の日直だった。

 

 彼の起立の合図でクラス全員が先生に銃を構えた。銃にはハンドガンを持つ生徒やマシンガンを持つ生徒、生徒達が様々な銃を持って先生に銃口を向けている。

 

「気をつけ!!」

 

クラス全体に緊張が走る。そして…。

 

「礼!!」

 

その瞬間、クラス全員が先生に向けて銃を撃った。だが超生物である先生は凄まじい速さで弾を避ける。

 

「おはようございます。発砲したままで結構ですので出席を取ります。磯貝君」

 

「…!!」

 

「すみませんが銃声の中なのでもっと大きな声で」

 

「…は、はい!!」

 

クラス全員で銃を撃っていてるので、相当な銃声が教室に響いてしまって返事が聞こえなかったのでこのクラスの委員長でもある男子生徒、磯貝 悠馬(いそがい ゆうま)は2回目の返事は大きい声で返事をした。それ以降の生徒も大きい声で返事をし、翔一の名前が呼ばれる。

 

「津上君」

 

「はい!!」

 

翔一は拳銃で先生を撃ちながらも元気な声で返事をした。

 

そして、出席を取り終わり銃声が止んだ。結果として先生には一発も弾が当たらなかった。

 

「遅刻なし…と素晴らしい! 先生とても嬉しいです」

 

先生は顔を明るい朱色に変わり、赤丸を浮かべて嬉しそうに言った。

 

だが、クラス全員は内心では速すぎる!!やクラス全員の一斉射撃でも駄目なのかよ!!と思う生徒はチラホラいた。

 

「残念ですねぇ。 今日も命中弾ゼロです」

その一言に先生はこう指摘した。

 

「数に頼る戦術は個々の思考を疎かにする。 目線、銃口の向き、指の動き、一人一人が単純すぎます」

 

そして一つの助言を生徒たちに言った。

 

「もっと工夫をしましょうでないと…最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ」

 

「本当に全部避けてんのかよ先生!! どう見てもこれただのBB弾だろ?」

 

 一人の男子生徒…前原 陽斗(まえはら ひろと)が怪訝そうに聞いて来た。

 

「当たってんのにガマンしてるだけなんじゃねーの!?」

 

その一言でクラスの中でそうだそうだ!! とブーイングの嵐が起きてる。

 

「…」

 

少し考えたのか先生はこう言う。

 

「では、弾を込めて渡しなさい」

 

先生がそう言うと座席的に近かった女子生徒…岡野(おかの) ひなたは自身の拳銃にBB弾を込めて先生に渡した。

 

 すると先生は触手で上手く拳銃を持ち説明する。

「言ったでしょう。この弾は君達にとっては無害ですが…」

 

その瞬間先生は銃爪を引いて自身触手を撃った。すると

撃たれた触手はもがれてクラス全員が驚愕する。

 

「国が開発した対先生特殊弾です。先生の細胞を豆腐のように破壊できる。 ああもちろん数秒あれば再生できますが」

 

そう説明しながら破壊された触手が再生される。

 

「だが君達も目に入ると危ない。 先生を殺す以外の目的で室内での発砲はしないように」

 

クラス全員にそう注意すると顔に緑のしましま浮かべ余裕そうな笑みでクラス全員にこう言った。

 

「殺せるといいですねぇ。 卒業までに」

 

そして始業のベルが鳴り響く。

 

「銃と弾を片付けましょう。 授業を始めます」

 

先生の一言でクラス全員で銃と弾を片付け始めた。

そう…この教室の生徒達は殺し屋。そしてターゲットは先生。この暗殺教室の始業のベルは今日も鳴る…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜」

1時間目が終わって翔一はため息をつく。

「どうかしましたか? 津上君」

 

 翔一の前の座席に座るのは眼鏡が特徴の女子生徒…奥田 愛美(おくだ まなみ)はため息の理由を聞いてきた。

 

「いや~さっきのHRでのクラス全員の一斉射撃でも先生にかすりもしないとはなぁって割とショックで…」

 

「仕方ありませんよ。相手はマッハ20の超生物なんですから」

 

「それは分かってるけど、でもやっぱり俺は銃は似合わないな」

右手で拳銃をクルクル回しながら翔一は言う。

 

「では、津上君はナイフを使った接近戦で先生を?」 

 

「いや~接近戦まではいいんだけどナイフも柄じゃないんだよね」

 

拳銃をしまい今度は右手で対先生用ナイフを回す翔一。

 

「大丈夫ですよ。まだ暗殺は始まったばかりですからきっと津上君に合う武器も見つかりますよ。」

 

「そうだよね~ありがとう、奥田さん」

 

「津上君」

するとクラス委員長である磯貝ともう一人のクラス委員長の女子生徒…片岡(かたおか) メグ が翔一の方にやって来た。

 

「あ、磯貝君と片岡さんだ。俺に何かご用で?」

クラス委員長の二人が来たので何か重要なことでもあるのかと思い聞く翔一。

 

「ううん。津上君が学校に馴れたのか聞きたかったのと記憶について何か思い出したのかなって」

 

「ちょ、記憶については触れないで~。居候先の人にも毎日の様に聞かれるしプレッシャーを感じてるからさぁ~」

 

そう言いながら机にうなだれる翔一。

 

「あ、ごめん」

 

「まぁまぁ、ところで津上、どうだ?クラスは馴れたか?」

 

「うん!! もう馴れたよ。正直あんな生物が担任だなんて思いもよらなかったけど…」

 

そう思いながら先生と初めてあった日を思いだした。

 

 

 

 

 数日前にE組にやって来た翔一は、教室で先生と出会った。先生はスーツを着た3人と一緒で一人は拳銃を構え、その銃口は先生に向けられている。

 

そして先生は教室にいるクラス全員に自分が月を爆破させた犯人と告げて、次は地球を爆破すると宣言しE組の担任をやると聞いた途端に翔一は一瞬、ツッコミを忘れて脳内は宇宙猫になって数秒は止まった。

 

 そこに一人のスーツを着た男性が話す。

「防衛省の烏間という者だ。まずはここから先の話は国家機密だと理解頂きたい。」

 

烏間と名乗った男が話した途端、翔一は我に返り烏間はクラス全員にこう頼んだ。

 

「単刀直入に言う。この怪物を君達に殺して欲しい!!」

 

すると一人の生徒…キノコ型の髪型が特徴な三村 航輝(みむら こうき)が質問する。

 

「…え 何スか? そいつ攻めてきた宇宙人か何かスか?」

 

「失礼な! 生まれも育ちも地球ですよ。」

 

三村の質問に先生は怒りっぽく言った。

 

(でも古い新聞とかでみた未確認生命体のような感じではない見た目だよなぁ。まぁ未確認生命体(あっち)よりも先生(こっち)の方がビジュアル面では好感は持てるけど試しに聞いてみるか。)

 

「じゃああなたは未確認生命体みたいな存在ですか?」

 

翔一の質問に先生はまた怒りっぽく言った。

 

「違いますよ!!未確認生命体(あんなの)と一緒にしないで下さい!!」

 

「すみません」

 

 その質問の後に烏間は話しを続け、翔一は一度情報を整理する。

 

 烏間さんは詳しいことは教えてはくれないがこの先生が言ったことは真実らしい。月を壊したのも事実らしいし、来年の3月に地球を破壊すると言う。

 

このことを知ってるのは各国首脳だけであり、世界がパニックになる前に先生を殺す努力をしていると言う事だ。

 その時、烏間さんは先生にナイフで切ろうとするが全く当たらず逆に先生は烏間さんの眉毛を丁寧に手入れをしている。どうやら、満月を三日月に変えるほどのパワーを持ち、最高速度はマッハ20だそうだ。つまり先生が本気に逃げれば俺達、人類は破滅まで手も足も出ない。

 

そこで先生は、国に対して椚ヶ丘中学校の3年E組の担任をやってもいいと提案した。先生の狙いはなんなのか分からないらしいが、政府は俺達、生徒に対して絶対に危害を加えないことを条件に承諾したようだ。

 政府が承諾した理由が二つあり、一つは教師として毎日教室に来れば監視になること。もう一つは30人ほどの人間が至近距離で先生を殺すチャンスを得るからだ。

 

 正直なんで俺達が?と思ったがそのこと吹っ飛ばすほどの一言は烏間さんは言った。

 

「成功報酬は百億円!!」

 流石にここまで来ても驚くことはあったが百億と言う魅力的な一言で何もかも吹っ飛んだ。

 

 確かに先生を殺せば地球は救われるし、百億を簡単に出せる政府も豪気なものだと感じた。まあ地球を天秤に賭けてるのだ。当然の対価だ。

 だがこのことは国家機密であり俺達E組だけの秘密だ。家族に話すのも駄目だ。だから俺も三杉先生たちには喋っていない。そして烏間さんたちは俺達に先生用の暗殺用のナイフと弾を支給してくれた。

そして…

「さぁ皆さん、残された1年を有意義に過ごしましょう!」

先生の一言で俺の学生生活と暗殺教室はスタートした。

 

 

 

 

 

そして現在…。

 

「ところでさっき武器がどうとかって言ってたけどどうかしたのか?」

磯貝の質問に翔一は答える。

「いや~俺ってナイフと拳銃がどうにもあわなくてさぁ~どうしようなって悩んでた」

 

「だけど、ナイフと拳銃は暗殺の基本だからねぇ…。何か使いたい武器とか無いの?」

 

今度は片岡の質問に答える翔一。

「それを考えてるだよね~」

悩む翔一に磯貝は助け舟を出す。

「そしたらさ、今度烏間さんが来るからその時まで考えとけば良いんじゃないか? あの人なら何か用意してくれるとは思うぞ」

 

「うん。そうするよ」

 

 翔一達の会話が終わると次の授業のチャイムが鳴り、磯貝と片岡は翔一達に挨拶をし自分の席に戻った。そして翔一は授業を受けるのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一が椚ヶ丘中学校3年E組に来た頃、過去に日本全国を震撼させた未確認生命体関連の事件再発に備え、警視庁は未確認生命体対策班S.A.U.L.を設立。同時に未確認生命体対策としての装備…Gシリーズを開発、そして前の装備のG1とG2の反省を踏まえたシステムである、G3システムの完成が近づいていた。

 

G3とは正式名称では第3世代型強化外骨格および強化外筋システム(GENERATION-3)と呼ばれており、このG3システムから対策班にアドバイザーとして参加した才女…小澤 純子(おざわ すみこ)がシステムの開発に携わるようになり、彼女の提案による「特殊強化装甲服」といい、従来よりも現実的な案が採用されたことで、Gシリーズは3世代目にしてようやく完成に漕ぎ着けることとなった。こうして未確認生命体対策班はG3を運用するチーム…G3ユニットを編成させた。

 

 そして今回未確認生命体対策班のG3演習ルームにおいて最終調整が行われる。演習ルーム内ではG3が専用銃…GM-01 スコーピオンを装備し発射装置の前に立っていた。そして小澤は演習ルームが覗ける部屋にいてそこには彼女をサポートする男…小室 孝宏(おむろ たかひろ)とG3の演習に視察に来た、未確認生命体対策班の上層部の3人いた。

 

『用意はいい? 氷川君?』

 

「はい!」

氷川と呼ばれたG3の装着員は答えた。

『G3マヌーバ開始!!』

 

 その一言でブザーが鳴り、発射装置から鉄球が5発発射され、G3に向かった。G3は1発、2発、3発は最小限の動きで回避し、4発目は左腕で弾いた。鉄球は壁にぶつかり、そのままのめり込んだ。最後の5発目は両手で受け止めた。

 

 次にG3は右手にGM-01 スコーピオンを構えた。再び発射装置から鉄球が発射されるがG3はこれをGM-01を撃つ。撃った弾は鉄球を破壊し、続けざまに鉄球は飛んでくるがG3が撃ったGM-01の弾によって破壊される。

 その光景を見て上層部の3人は満足する。

 

『うーん! 良い、良い! いい感じよ氷川君!』

小澤自信も、嬉しそう言った。

 

 最後の鉄球も発射されて破壊される。

『OK! 氷川君。以上で今日のマヌーバは終了よ!』

「はい」

 

 終了と言う言葉を聞きG3はマスクを外した。マスクを外すとG3の装着員である…氷川 真(ひかわ まこと)は満足そうな笑みを浮かべてマスクとGM-01を演習ルームに置いてから退出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話を遡ること月が爆破した同時期に沖縄県与那国島海岸に数m四方の銀色の輝く巨大なオブジェに表面にはいくつかのダイヤルが並んだ謎の人工物…オーパーツが発見された。

 だがこのことは月が爆破されたニュースに持ちきりだったため、マスコミに報道はされなかった。このオーパーツは未確認生命体のものだと思われ、警視庁未確認生命体対策班に回収されてオーパーツ研究局を設置しオーパーツの研究をしている。

 

そのオーパーツ研究局の女性主任である美雲 咲子(みくも さきこ)は今日も研究者達と共にオーパーツを調べている。そこにG3の演習を終えて、背広姿の氷川がいた。それに気付いた美雲は同僚に「ちょっと待ってて」と言い、氷川を手招きし案内する。

オーパーツはダイヤル部分に機械の線を経由して、コンピューターに繋がれていた。

 

「信じられないな。本当に古代に出来たものなんですか? これが?」

 

オーパーツを見て驚く氷川に美雲は説明する。

 

「様々なテストの結果…ほぼ同じ年代をさしてるわ。そう…古代って言う表現じゃ足りないくらいの年代ね」

 

 すると美雲は職員の一人に「始めて」と指示を出す。その時オーパーツのダイヤルが動き出した。

 

「動いた?」

 

 ダイヤルが動いたことに氷川の驚きに美雲は説明を続ける。

 

「超古代のパズルって言ったところね…。ダイヤル状の可動部の数から計算すると、天文的な組み合わせが可能だけどそれをコンピューターで計算して効率よくパズルを解いていくの」

 

「一体誰がこれをなんのために作ったんでしょう?」

 

 氷川の疑問について美雲は答えた。

 

「さぁ、私も知りたい位だわ。それ」

 

その返答の中ダイヤルは動き続ける。

だがこの時はオーパーツのせいで月が爆破された時以上の危機が来るのは誰も予想していなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

E組の午前の授業が終わり昼休みに入り、翔一は外に出て今朝自分が作った弁当を食べていた。

 

所謂、ぼっち飯だが今日は天気も良いからと言う理由で決めてたらしい。そこで翔一はクラスのこと考えてた。

 

(それにしてもクラスの雰囲気は暗いよな。やっぱり落ちこぼれクラスであってみんな自信をなくしてる…。記憶喪失の()()の俺はここでは異物のようなものか)

 

翔一は自信が憑依、転生した人間だと自覚しているが前世の記憶…………主に仮面ライダーアギトという作品関係の部分は徐々に忘れていた。

 

(多分朝の頭痛はアンノウンが人間を襲ったのを察知してのものだろう。前の頭痛とは違い何かを感じ取ったもので多分襲われた人はもう…。助けられなくてごめんなさい)

 

内心、翔一は救えなかった人間に対して謝罪をする。

 

(()()()()()()()()も自分が憑依したせいで、その人格が出てこないけどやっぱり俺が…)

 

自分が憑依した人間の本当の名前すら忘れ、同時に自分の所為で他人の人生を奪ってしまったと罪悪感を感じる翔一。

 

(でも驚いたのは14、15歳に瀬戸内海の沖合に漂着したのだったなぁ。確かアギトの原作だと翔一君が発見されたのはだいたい20歳くらいだったはずだが…。それにアギトが最初のアンノウン…名前は思い出せないけど確か豹のような奴と戦い、()()()()()()()()()を助けるところまではわかるけどその先が思い出せない。細かい設定部分の方も少し影響が出てきたからおそらく忘れるだろう…)

 

 先のことさえ分かればどう対処すればか分かるし大きなアドバンテージを得ることができると思った翔一だったがそれを得られないのはハンデのようなものだと思い仕方がないと割り切る。

 

(それに…先生の姿どっかで見たことはあるけど、取りあえず学校では控えめで原作の翔一君っぽいムーブをかましつつ、当面の目標は暗殺と学業、そしてアンノウンとの戦いをどうするか…だな。そんで身体の持ち主の人格が目覚めたら身体は返す)

 

 翔一は先生と当面の目標、そしてこれから起こり得る戦いのことを考えるのと同時に弁当を食べ終えて教室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一が教室に向かった頃、校庭には今日の日直だった男子生徒…潮田 渚とガキ大将のような大柄の男子生徒…寺坂 竜馬(てらさか りょうま)と彼の取り巻きである二人の男子生徒…出っ歯とにやけた表情が特徴の村松 拓哉(むらまつ たくや)とドレッドヘアーが特徴の吉田 大成(よしだ たいせい)の4人がいた。彼らは暗殺の相談をしていた。

 

「作戦がある。あいつが()()()()()()()()()の時だ。お前が刺しに行け」

 

「…僕が? で、でも…」

戸惑う渚に、寺坂は渚に近づきこう言い放った。

 

「いい子ぶってんじゃねーよ。俺等はE組だぜ?」

 

さらに寺坂は続ける。

 

進学校(ここ)勉強(レベル)ついていけなくなった脱落組。通称()()()()E()()。毎日山の上の隔離校舎まで通わされて、あらゆる面でカスみたいに差別される」

 

 寺坂は渚の肩を掴みを話を進める。

 

「落ちこぼれの俺等が百億円稼ぐチャンスなんて…社会に出たってこの先一生回って来ねぇぞ」

 

そして寺坂はズボンのポケットから巾着袋を出しながら言う。

 

「抜け出すんだよ。こんなクソみたいな状況から。例え…どんな手を使ってもな」

 

その巾着袋を渚に渡し「しくじんなよ渚く〜ん」と言い、寺坂達は教室に戻って行った。

 

 そこで渚は自分がE組に落ちたことを思い出した。

 

自分がE組に落とされてそれを知った元クラスメイト、そして元担任からも失望されて冷やかな視線で見られることとなった。そんな嫌な記憶を思い出す中、一人近づいてるのを気づく渚。近づいて来たのは翔一だった。

「あれ? 渚君じゃん」

 

「津上君。どうしてここに?」

 

「いや~今日天気が良いから外で弁当を食べてたんだ。渚君は?」

 

「僕は…」

 

渚はさっきの寺坂達の会話を聞かれたのと思い動揺するが、そんな事は知らない翔一はなにやら気まずいと感じ取ったのかなんとか会話を進めようとする。

 

「あ、わかった。もしかして渚君も外でご飯食べてた?」

 

「え、あ…うん…」

 

「そっか。今日、いい天気だもんね」

 

「うん…。ところで津上君はどう? 何か思い出した?」

 

渚に記憶の事を聞かれた翔一。翔一はやれやれまたかと言う思いを隠し、返す。

 

「ううん全然。いや~記憶について触れるのやめてくれるかな? 毎日、記憶のこと聞かれるとプレッシャー感じちゃってさ。今日も午前中に磯貝君達も同じような内容を質問されて、今日は渚君で2回目だよ」

 

「そ、そう…。ごめん。」

 

自身の記憶についてまるで他人事のような翔一の返答に渚は若干引いてた。

 

そんな時、先生がミサイルを持って戻って来た。

 

「「わっ!!」」と驚く二人。

 

先生はどうやら昼休みに麻婆豆腐を食う為、麻婆豆腐の本場の中国の四川省まで行ってたらしい。マッハ20で動く彼にはここから四川省までは大体10分の感覚なのだろう。

 

「…おかえり先生。どうしたの? そのミサイル?」

 

渚の質問に先生は答える。

 

「お土産です。日本海で自衛隊に待ち伏せされて。」

 

(いや、ミサイルが土産なんて聞いたことないんだが!?)

 

 先生の返答に翔一は内心、ツッコんだ。

 

「…大変ですね。標的(ターゲット)だと」

 

「いえいえ。皆から狙われるのは…力持つ者の証ですから」

 

「!」

 

 翔一は先生との会話の中で何かに気づく。

 

(力持つ者の証…か。)

 

翔一は思った。確かアンノウンはアギトやアギトになりうる者…超能力者や人で無い者の存在を襲ってたような…。それにあるアギトの世界では奴らは未確認と戦ってたような気もする。つまり超生物である先生も襲われる対象なのでは? と考える。

 

「さぁ二人とも。教室に戻りましょう。5時間目を始めますよ」

 

「……」

 

「…はい」

 

「津上君?」

 

「……ハッ! すみません。すぐ行きます」

 

先生の呼びかけに我に返る翔一は二人の後を追い教室に戻った。

 

 

 

 

 5時間目の国語の授業にてお題に沿って短歌を作る内容だ。だが少し条件が特殊で最後の七文字を「触手なりけり」で締めることが条件だ。翔一は少し考え込む。短歌や俳句はあまり得意ではないため苦戦すると思ったが先生が

 

「出来た者は今日は帰ってよし!」

 

 その一言に翔一は俄然やる気を出して課題に取り組む。すると一人の生徒が先生に質問する。

 

「先生。しつも~ん」

 

質問したのは緑髪でツーサイドアップの髪型が特徴の女子生徒…茅野(かやの)カエデだった。

 

「? …なんですか、茅野さん」

 

「今更なんだけどさぁ、先生の名前なんて言うの? 他の先生と区別する時不便だよ」

 

 (確かに。先生って色々いるけど俺の場合は三杉先生や國枝先生がいるからなぁ。区別は必要だ。)

 

 翔一は茅野の発言に内心、同意する。

 

 「名前…ですか。名乗るような名前はありませんねぇ。何なら皆さんでつけて下さい。今は課題に集中ですよ」

 

 「はーい」

 

 茅野とのやり取りを終えた先生の顔が薄いピンク色に代わり椅子に座る。

 

 (触手なりけりで締めるか…。う~ん。最後が決まってるけど始まりをどうするか…うん?)

 

 課題に悪戦苦闘しながら取り組む翔一は一人の生徒が先生に近づくのを気付いた。

 

「お、もうできましたか。渚君」

 

 渚だった。短冊を持ち先生に近づくがその短冊には対先生用ナイフを隠し持っていた。

 

(渚君…。殺る気だ。ど、どうする? この距離でアシストは無理だし…少し様子見かな)

 

 渚が先生を暗殺することを翔一を含めこの場にいる生徒達は気付き、様子を見守る…。

 

先生の前まで来た渚。そして、隠し持ってた対先生用ナイフを左手に持ち先生に向けて突き刺した。

 

 だが、先生はナイフに触れずに左手のみ触手で受け止めた。

 

「…言ったでしょう。もっと工夫をしま…!」

 

 

 

 先生の助言を言い切る前のほんの一瞬だった。渚はふわりと浮かび、自然な動作で先生に笑顔で抱きつく。渚の首には紐付けにした手榴弾があった。

その瞬間、手榴弾の閃光と同時に爆発、そして爆発の勢いで大量のBB弾が飛び散る。まさに自爆テロに近しかった。

 

 「ッしゃあ! やったぜ‼ 」

 

その最中、寺坂が先生を殺れたと思い歓喜を上げて立ち上り、吉田、村松と共に爆心地駆け出す。

その時茅野は寺坂に問いただす。

  

「ちょっと! 渚に何持たせたのよ!」

 

「あ? 玩具の手榴弾だよ。ただし火薬を使って威力を上げてる。三百発の対先生弾がすげぇ速さで飛び散るようにな。」

 

 

「なっ…‼」 

 

「人間が死ぬ威力じゃねーよ。俺の百億で治療費ぐらい払ってやらぁ。」

 

(なんて馬鹿なことを。仲間(クラスメイト)を犠牲にするなんて、そんなやり方はないだろう。渚君どうしてこんな事に手を貸したんだ…)

 

 寺坂の発言に翔一は内心、彼の発言に軽蔑すると同時に渚の安否を案じる。寺坂が先生の遺体を確認するが…。

 

「無傷…?」

 

そこには無傷の渚だけしかいなく、膜のようなものに包まれていた。困惑する寺坂。そのとき、天井からの声が聞こえた。

 

「実は先生、月に一度ほど脱皮します。脱いだ皮を爆弾に被せ威力を殺した。つまり、月一で使える奥の手です」

 

天井からは先生がはりついていた。だが普段の黄色い顔とは違い、どす黒い顔で血管のようなものが浮き彫りになっておりまるで怒りに満ちており、寺坂達はその姿に怯えた。

 

「寺坂、吉田、村松、首謀者は君らだな?」

 

「い、いや…な、渚が勝手に」

 

 先生の怒りを含んだ質問に怯えた寺坂の返答を待つ前にマッハ20で風圧と共に教室から姿を消すが、一瞬の内に教室から戻ってきた。腕には多くの表札を抱えていた。表札の中には翔一の居候先の三杉家の表札もあった。途端に3つの表札が落ちる。落ちた表札は「寺坂」 「吉田」 「村松」と書かれていた。それを見た寺坂達は尻餅を着く。更に先生はドスの効いた声でこう言い放った。

 

「政府との契約ですから先生は決して()()()危害は加えないが、次また今のような方法で暗殺に来たら、()()()()の人間には何をするのかわかりませんよ。家族や友人…いや君達以外を地球ごとけしますかねぇ」

 

(本気だ…。この先生を殺らなきゃ、地球は爆破されるし、真魚ちゃん達の為にも…。だが仮にアギトの力で先生を殺せるだろうか? 攻撃を避ける分当てるのは難しいし攻撃も当てても効くかも分からない…。多分アンノウンよりも手強いかもしれない…。けど、アギトの力は人でない先生に対しては使ってはいけないような気がする…)

 翔一を含んだクラス全員は5秒で悟った。この“この地球の裏側に行っても逃げられない”と。どうしてもにげたければ… “この先生を殺すしかない‼"と…。

だが、同時に翔一は自身のあるであろう力について先生に対して使って良いのか迷う。

 

「なっ…何なんだよテメェ! 迷惑なんだよォ‼ いきなり地球爆破とかあんさつしろとか…迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよォ‼」

 

 

尻餅を着いたまま寺坂は緊張と恐怖を漏らしながら涙目で抗議する。

だが先生の返答は意外なものだった。

 

「迷惑? とんでもない。君達のアイデア自体は凄く良かった」

先生の顔には丸が浮かんだ。そして次に右手の触手を渚の頭におき渚に対して顔が二重丸が浮かび、こう褒めた。

 

「特に渚君。君の肉薄までの自然な体運びは百点です。先生は見事に隙を突かれました。」

 

「……‼」

 

だが次の瞬間、顔を紫色に変わり続いてバツ印が浮かんで指摘すると同時に助言をクラス全員に言った。

 

「寺坂君達は渚君を、渚君はじぶんを大切にしなかった。そんな生徒に暗殺する資格はありません! 人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たち全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者(アサシン)だ。暗殺対象(ターゲット)である先生からのアドバイスです」

 

この状況で渚は異常な教育が普通に嬉しかった。マッハ20で怒られて、うねる触手で褒められる。この超生物の先生は僕らの事を正面から見てくれたことに…。

 

先生はふと、教卓に少し煙が上がっていたのに気付く。そして彼自身の過去を少し思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこか分からない壊れた建物の瓦礫にて一つの異形の存在と一人の女性がいた。女性のほうは倒れており最早その命は尽きようとしていた。異形の存在は彼女抱えており彼女はその異形の存在にこう頼みこむ。

 

「あなたの時間をくれるなら…あの子達に教えてあげて。…それと()を探して…。親友の忘れ形見の()を…。…なんて素敵な触手…‼この手なら…きっとあなたは…。素敵な教師に…」

 

それが彼女が異形の存在に対して最後の言葉であった。

 

 

 

 

 

 

現在…先生は教卓に上がった煙を触手で抑え込んで煙を消して、同時に渚に問題を出した。

「…さて問題です。渚君。先生は殺される気などみじんも無い。皆さんと3月までエンジョイしてから地球を爆破です。それが嫌なら君達はどうしますか?」

 

「…その前に先生を殺します」

口元をニヤリとした渚の返答に先生は顔を緑色のしましまに変えて先生も嬉しそうに返した。

「ならば今殺ってみなさい。殺せた者から今日は帰ってよし!!」

そう言うと先生は椅子に座って持ってきた表札の手入れを始める。すると茅野は先生の名前について思いつく。

 

「殺せない…先生…あ、名前は“殺せんせー”は?」

 

こうしてこの超生物の教師は茅野が名付けた殺せんせーと呼ばれる事となった。

 

(いや多分クラス全員の心の中で今やれても表札と一緒に手入れされて無理だって言ってるよ…。とにかく今は課題に集中だ。仮に今アギトになれたにしても殺れるかは分からないのと皆が驚いちゃうのと怖がらせちゃうし、アギトになるのは3月まで見て、危機的状況だと判断したら使おう。まぁアギトについては先生…じゃなかった殺せんせーはまだ知らないはずだし伏せておこう。殺せんせーに対しての万が一の切り札にもなるし手の内は晒したくないから…)

 

 翔一は先生の先程の発言に内心ツッコむと同時に殺せんせーに対してアギトの力についての今後の方針を固めるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わりある病院にて、今朝城北大学の水泳選手が朝練の最中に溺れかけて意識不明となり、ここ運ばれていた。その患者のいる病室の前に患者の名前の札があった。その名前は芦原 涼(あしはら りょう)と書かれていた。病室には彼の担当医と城北大学水泳部のコーチ…両野 光一(りょうの こういち)がおり、両野は涼の容体を担当医に聞いた。

 

「それで…どうなんですか? 涼の容体は?」

 

「検査の結果が出ないと、詳しいことは解りません……。ただ、全身の筋肉が発熱し、微かに痙攣を起こしています。何か激しいトレーニングでもしてませんか?」

 両野は困惑した。確かに半年前にバイク事故のせいで一時は再起不能とまで言われたが厳しいリハビリで選手として復帰した。それに練習時間が過ぎても数十分程で終わらせてたはずだし自身の教え子が大会前に無茶なトレーニングなんてするはずないと…。なので両野は担当医の質問にこう答えた。

 

「いえ、彼は一流の水泳選手です。大会前に影響を及ぼすようなトレーニングをする筈がありません」

 

 彼らの会話中にベッドに寝ている涼の体は微かに震えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、学校が終わった翔一は帰路についてた。

(今日も疲れた〜。でも渚君が無事で良かったよ)

翔一は今日学校での出来事を思い出してると自身を呼ぶ声がした。その声は良く聞き慣れた声だった。

「翔一君!」

そう同じ三杉家に住んでいる真魚だった。真魚もまた学校帰りだ。

 

「真魚ちゃん!」

 

「翔一君も学校帰り?」

 

「うん。それと夕飯の買い出し。」

 

「学校はどう? 楽しい?」

 

「まぁ普通かな」

 

「ふーん。そっか」

 

 真魚は翔一が学校に行く事になって、翔一自身あまり学校での事を言って来ないことに心配してたが翔一自身も殺せんせーの事もあって迂闊に言えない状況だった。

 真魚は今度は翔一の記憶について聞いてみた。

 

「ところでどう? 何か思い出した?」

 

「それ、やめてくれないかなぁ……。毎日そんな風に聞かれると、結構プレッシャー感じちゃってさぁ。今日なんてクラスの子達に2回も同じ事聞いてきて、真魚ちゃんで3回目だよ」

 

「やっぱりクラスの子達にも聞かれるんだ」

 

「うん」

 

「でも、それってクラスの子達も翔一君の為に思って言ってるんじゃない? それに気持ち悪くないの? 記憶喪失のまま、生きていくなんて」

 

真魚は翔一に対して翔一自身の記憶の事ついて記憶が戻る事に乗り気がないことに不思議そうに感じていた。

 翔一は真魚に質問を返した。

 

「別に今のところ不都合もないしね。それにほら、もし過去を思い出して俺がとんでもない不良とかだったらどうよ?」

 

 翔一があり得ない事を言うと真魚は逆にこう返す。

 

「意外と大金持ちのお坊ちゃまだったりして? そしたら、結婚したげる! 先に帰ってるね!」

 

 そう言いながら真魚は陽気で走り去った。

 

「…やっぱり、思い出させない方がいいかも…」

 

 彼女の発言にため息をつきながら翔一は夕飯の買い出しに赴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間は進み夜。警視庁のG3ユニットの移動指揮車であるGトレーラーの中で氷川、小澤、小室の3人がいた。Gトレーラーはドイツ・メルセデス・ベンツ製のアクトロスをベースにG3の運用を想定し改造した大型トラックである。ここで行われたのは前回のG3マヌーバにおいてG3のライトアームの反応が想定値より下回っており、今回はその調整でありそれが終わる頃だった。

 

「ごめんね~何度もつき合せちゃって。でもこれが終われば完成だから」

 

「いえ、これも仕事なので気にしないで下さい」

 

 小室が今回の調整の報告書を纏めてる最中に小澤との会話中に氷川はG3の装甲服を脱ぎG3インナージャケットを着たまま椅子に座って何かを考える。

 

「ふーん……氷川君、何考えてるのか当ててあげましょうか? 例のオーパーツのことでしょ」

 

小澤は氷川が考えてることは与那国島において発見されたオーパーツのことを考えていたので聞いてみたが氷川の返答は別の事だった。

 

「オーパーツの事もそうですが、今日の事件で殺された被害者の事を考えてたんです」

 

「それって木の中に男性の死体が埋め込まれたっていう? そう言えば同じ様な事件がこの前もあったわよね?」

 

 部署は違うが小澤自身もそのことを知っていたらしい。だが氷川の表情はどこか腑に落ちない顔だった。

 

「ええ。それが気になっていて…普通ならあんな殺され方はあり得ない」

 氷川は今回の事件の現場検証の事を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 約十時間前…現場検証及び事情聴取が開始された。現場は被害者の自宅近くの公園で殺されたのは冴木 邦夫(さえき くにお)。会社員だ。出社中に何ものかに襲われその死体は木の中に埋め込まれたようだ。また彼の家族には妻と一人息子の中学生の冴木 伸彦(さえき のぶひこ)がいたが、既に亡くなっており、邦夫と同様の殺され方だった。

 

殺人現場において今回の事件について警視庁のベテラン刑事の河野 幸次(こうの こうじ)と同じく警視庁の若手エリートの北條 徹(ほうじょう とおる)が赴き、今回の事件の概要を北條は河野から聞かされる。

 

「じゃあ、この前発見された中学生の遺体は……?」

 

「ああ。あの家の一人息子だ。どうなってやがんだかなぁ……親子してこんな殺され方されるなんて」

 

一方氷川もまた今回の事件を捜査していた。そして今被害者の自宅において第一発見者で邦夫の妻である冴木 泰江(さえき やすえ)に事情を聞いていたが泰江本人も茫然自失の状態であった。

 

「何でもいいんです。ご主人と息子さんについて、生前何か変ったことはありませんでしたか? 佐伯さん!?」

 

氷川は彼女から事情を聴こうと思ったが突然泰江は泣き崩れる。

 

「すみません……!」

 愛する家族の二人が失ったのだ。無理もない。話を聞けそうにないと感じた氷川だがメモ帳に自身の携帯電話の番号を書き記し、そのページを切り取り、机の上に置く。

 

「すみません……何か思い出しましたら、連絡を下さい」

 

その一言の後に氷川彼女に一礼する。

 

そこに北條も冴木家の自宅に入ってきた。

 

「何をしているんです? 貴方は“対策班”の人間だ……まさかこの事件が、“未確認”の仕業だとでも?」

 

北條はまるで未確認生命体対策班の氷川がこの場に不服そうだった。

 

「はい、それは……」

 

「関係ありませんよ。確かに奇怪な事件だが、何らかのトリックが使われているに過ぎないんだ」

 

氷川を言い切る前に北條はそれを遮りこれは未確認生命体の仕業ではないと感じたのだ。

 

だが氷川は逆に未確認生命体の仕業だと感じており、逆に氷川は北條に問う。

 

「……どんなトリックですか!?」

 

「それを調べるのが我々の仕事です」

 

どうやら北條もまだ犯人像は掴めていないようだ。だが氷川は食い下がらなかった。

 

「僕も対策班の人間であると同時に、現職の警察官です。管轄内の事件を調査しても、問題はないと思いますが!?」

 

「……ま、邪魔にならないようにお願いしますよ」

北條は氷川に対して冷淡な態度をとった。

 

 結局今回の事件の犯人はつかめないままであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

現在…氷川はこのことを小澤達に話して、背広に着替えて彼女らに挨拶をしてGトレーラーを後にした。そんな時氷川の持ってるスマートフォンが鳴り響く。電話の番号は氷川自身、覚えがない番号だが電話に出る。

 

「はい。氷川ですが」

 

『冴木です。』

 

電話の主は今回の事件の被害者遺族の冴木泰江その人であった。

 

『実は……お見せしたい物があるんです。主人と息子が殺されたことと、関係があるかどうかはわからないんですが……。』

 

「分かりました。場所と時間は?」

 

氷川は泰江から待ち合わせ場所と時間を聞き、直ぐにその場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 泰江は氷川との待ち合わせ場所を自宅近くの公園に時間は21時と指定した。氷川より先に着いた泰江。彼女の持ち物はよくある女物のバッグを持っており彼女は左手首にまかれた腕時計で時間を確認すると時計の針は20時55分と指していた。

 

だが彼女は気付かなかった。自身が背後から何かに狙われてるのを…。

 

 彼女を狙っていたのは黄金の豹の姿をし腰のバックル部分はアンモナイトのような紋章が施されており赤いマフラーと羽のような装飾品を身にまとった怪人でありその後ろ姿は背中に小さな羽の様に突き出ていた。その怪人の頭上に光の輪が出現し、左手で右手の甲を()()の文字の形に辿るという、サインを切るような仕草をみせる。そして背後から泰江を襲い掛かった。怪人の両手で顔抑え込まれる泰江、彼女は抵抗したがその抵抗虚しく「ゴキッ‼」と鈍い音がした瞬間、泰江は絶命してしまう。

 

 

 

 

 

 

泰江が怪人が襲われる数分前、翔一は自室で勉強していた。丁度ひと息入れるその瞬間だった。

 

「クッ…ウゥゥゥ!!」

 

突如、今日の朝と同様の頭痛と耳鳴りに襲われる翔一。そして翔一は三杉家から出た。まるでこの頭痛と耳鳴りの元凶の下に向かう様に…。

 

 

 

 

同じ様に涼がいる病室にて異変が起こる。意識を失っていた涼の目かカッと開かれ、異様な痙攣に苦しみ始める。

そして心電図もまるで狂ったように大きな波を描き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 21時、氷川は泰江との待ち合わせ場所の公園にやって来た。だが、彼女の姿が見当たらない。そこで氷川はあるもののを捉えた。それは泰江が持っていた女物のバックであり氷川はそれを拾い中身を調べる。

 

 中身は1枚の写真があり、沼をバックにした少年…亡くなった冴木家の長男の冴木伸彦の姿があった。だが写真の伸彦の右肩には心霊写真の如く、あるはずのない“手”が乗っている。

 

 周囲を見回す氷川。そして氷川は一本の立ち木に目に入る。その立ち木の中からだらりとぶら下がる腕……腕の持ち主は氷川が会う予定だった冴木泰江であり、彼女は木の中に埋め込まれていた。

 

「冴木さん⁉」

 

駆け寄る氷川だが、何かを感じて拳銃を構えて、周囲を警戒する。すると草むらから何か動いた。草むらに向かう氷川。その瞬間、草むらから何かが飛び出す。

 

「グルルルゥ!」

 

先程泰江を襲った豹の怪人、いや正確には豹に似た超越生命体…ジャガーロードのパンテラス・ルテウスが唸り声を上げて現れる。

 

「き、貴様の仕業かぁ!?」

 

 ルテウスの泰江を殺害したときと同様、頭上に光の輪が出現し氷川の首を掴み何かを品定めるしぐさをとる。必死に抵抗する氷川。だが数秒後、頭上の光の輪は消えて氷川を投げ飛ばし彼を殺さずその場から歩き去ろうとする。

 

 投げ飛ばされた氷川はかろうじて公園にあったゴミ袋がクッション代わりとなり大した怪我はしなかった。氷川はスマホを取り小澤に連絡する。

 

 

 

 

警視庁、Gトレーラー内の小沢に通信が届く。

 

「氷川君、どした?」

 

『現在、謎の生物に遭遇! G3システムの出動をお願いします!』

 

彼のG3システムの出動の要請に彼女は歓喜する。

 

「来た来た来た来た! いよいよ出番だ!」

 

「で、でも上の許可とらないと!?」

 

「愚鈍なこと言ってる場合? 行くよ!」

 

「は、はい!」

 

小室は上の許可を取らないとと進言するが小澤の勢いに負けて彼女の指示に従う。

 

「Gトレーラー出動します!」

 

Gトレーラーはサイレンを鳴らして警視庁から発進。現場に急行する。

 

 

 

氷川は歩き去るルテウスに対して拳銃を発砲する。だがルテウスは弾丸効いていない。するとルテウスは発砲されたと気づき氷川の方に振り向く。氷川はもう一度2発拳銃を発砲する。しかし、弾丸はルテウスの目前に静止し、砕け散ってしまう。

「何……!?」

 拳銃が効かないと驚愕する氷川。ルテウスはその場から走り去る。それを追跡する氷川。そこにサイレンの音と共にGトレーラーが来て氷川は乗り込み、発進しそのままルテウスを追跡する。

 

Gトレーラー内、最初に氷川はG3インナージャケットを着こみそこから小澤と小室の手により、氷川に強化装甲服を装着する。最初に胸部ユニットを着けて、次に右腕、左腕、右足、左足と装甲を装着。腰部にGバックル装着。これはバックルの赤いゲージによってG3のバッテリー残量を示す。最後にメットを装着し完了する。

 

「装着完了」

 

 小室がモニター映し出されたG3のカメラの状態を確認し、小澤はG3を装着した氷川にG3専用バイクのガードチェイサーの起動キーと同時に電磁警棒である「ガードアクセラー」を渡してG3はガードチェイサーに跨り、に差し込む。ガードアクセラーはガードチェイサーの右ハンドルとなる。

 トレーラー内のコンソールを操作する小澤。すると後部ハッチが開く。

 

「21:23、G3システム戦闘オペレーション開始」

 

「ガードチェイサー離脱します!」

 

 小室はGトレーラー内にあるレバーを下ろす。するとガードチェイサーに繋がった安全装置が解除されガードチェイサーはG3を乗せたままゆっくりと後部ハッチから降りた瞬間サイレンを鳴らして発進するとG3はアクセルを入れ、夜道を駆ける。ものの数分後にルテウスを視認する。

 

「目標発見、接近します」

 

「了解」

 

 ルテウスを追って、G3が工事資材置場へ辿り着く。

ガードチェイサーから降りてウェポンラックからGM-01を引き抜く。

 

『GM-01アクティブ、発砲を許可します。』

 

 G3は右手にGM-01を装備して周囲を見渡し、ゆっくりと歩きながら警戒する。同時にGトレーラーも現場近くに一度停車する。Gトレーラーの内部で小澤、小室の両名はレーダーに目を光らせた。

 

『氷川君、近いわよ。』

 

 小澤の通信から次の瞬間、G3はルテウスを発見。直ぐ様、ルテウスに向けてGM−01を発砲する。だが弾丸はルテウスに当たってるが無傷でありまるで意に介していない。

 

「効かない……そんなぁ!? グッ‼」

 

 G3が驚きの隙をルテウスは見逃さずG3の首を掴み襲い掛かる。そしてG3は持っていたGM-01を落としてしまう。

 

『GM-01ロストしました! ステータス、レッドに移行!』

 

小室が状況アナウンスが入りG3はルテウスに肉弾戦を挑む。だが、パンチやキックといった攻撃は躱されてしまう。

 

ルテウスは逆にG3のキックを躱す瞬間、一度背を向けて両脚から強烈なキックを放ちG3の胸部装甲に炸裂する。

 

「ぐわぁぁぁっ‼」

 

G3は勢い良く吹っ飛んでしまう。吹っ飛んだ先は停車してる一台の白い乗用車の上に落下した。

 

『バッテリーユニットに強度の衝撃、バッテリー出力80%にダウン!』

 

「くっ!」

 

小室のG3の現状報告が入るが上手く動けないG3。何とか乗用車から降りるがルテウスの執拗な攻撃は続く。G3が車から降りた瞬間、左脚からのキックを受けてしまい、その勢いでまた車にぶつかりその怪力で抑え込まれてしまう。

 

「フンッ‼ ハッ!」

 

だが、G3も必死に抵抗し、一度ルテウスの怪力から脱し、今度はG3のパンチがルテウスの腹部、そして顔面に当たるがまるで効いていない。

 

今度はG3がルテウスを抑え込むが一瞬で離されるが、G3も右脚のキックがルテウスの腹部に当たり吹っ飛される。

 

 しかしこれも効かず、受けたルテウスはもう一台、停車した黒い乗用車の上に上手く着地を取る。G3は追撃に入るがルテウスは乗用車から降りて逆にその乗用車を利用し片手で軽く押してG3に向けて吹き飛す。吹き飛ばした乗用車はG3に向かうがG3は反応が遅れ、もろに乗用車に追突し、G3自体火花が散ると同時に小室の状況報告があった。

 

『胸部ユニットにダメージ!』

 

そして、黒い乗用車は止まることなくG3が先程落下した白い乗用車と激闘。黒い乗用車のボンネット部分が爆発し炎が上がる。

 

 G3はその爆発に気を取られてしまい、その隙をルテウスに突かれるがG3の何とか抵抗したが返り討ちに合い、ルテウスから投げ飛ばされ、別の乗用車のボンネット部分まで飛ばさ激突する。

 

 

 

 その瞬間、Gトレーラー内にてブザー音が鳴り響く。モニターに映ったG3の状態は“CRITICAL DAMAGE”と表示された。

 

「姿勢制御ユニットに損傷! G3システム戦闘不能!!」

 

 小室の状況説明でG3はもう戦闘不能に陥っていた。だが、ルテウスはそんなことを構わず攻撃を続け、先程激突した乗用車のサイドミラーを利用し、G3の頭部にぶつける。無論サイドミラーは割れ、その衝撃でG3のカメラも破損しGトレーラーのモニターにてG3から送られた映像が見れなくなった。

 

「映像信号ロストしました!」

 

「オペレーション中止! 氷川君、離脱しなさい! 氷川君!!」

 

 小澤の声はG3…氷川は聞いてるのか分からないが、彼にはもう立ち上がる力すら残っていない。戦闘不能のG3にトドメを刺そうとするルテウス。

だがその時…ルテウスは何かの気配を感じ、振り向く。

 

 闇の中の彼方からゆっくりと歩いてくる異形の人影。

 

その正体は先程激突し爆発した2台の乗用車の白い乗用車の強烈な爆発と共に露わになった。

 

 黒い肢体。金色の筋組織。腰には光り輝くベルト。昆虫を思わせる赤い複眼と、一対の角。

 

その姿は、2年前に“未確認(グロンギ)”とたった1人で戦った戦士“4号(クウガ)”を髣髴させる。

 

「グルルルゥッ‼」

 

 ルテウスはG3に戦闘不能のG3に目もくれずに現れた戦士に狙いを定め襲い掛かった。その行為はまるでその戦士を恐れるかのように…。

 

 だが、戦士はルテウスの攻撃を軽くいなして、肘打ちやパンチでのカウンターでルテウスに確実にダメージを与えている。

 

『氷川君、聞こえる? 氷川君!』

 

 あれは…4号? いや違う…。似ているが全く別の存在だ…。だがまるで4号の再来だ…。

ボロボロのG3…氷川は小澤の通信に耳を貸さずその戦士を4号の再来と評し、戦いに目を向ける。

 

 そんな時、ルテウスと戦士の戦いも佳境に入る。

 

ルテウスは勢い良く突撃するが逆に戦士に勢いを利用されて投げ飛ばされる。投げ飛ばされたルテウスは立ち上がるその瞬間…。

 

 戦士の頭部の1対の角が、展開して6本の角となる。

さらに独自の構えをとると、地面に自身の顔を形とった角状の紋章のような光が発生、そして光が戦士の足へと吸い込まれる。

 

ルテウスはもう一度突撃しようとするが、戦士は体を高くジャンプし宙に舞いそして右脚から強烈なキックをルテウスに向けて放った。

 

「ハァッ‼」

 

 ルテウスは防御する暇もなくそのキックは凄まじい速さでルテウスの胸部に炸裂し数メートルほど地面に引きずられるように吹っ飛ぶ。

キックを放った後でも独自の構えを崩さない戦士。

ルテウスは立ち上がろうとするが頭上に光の輪が出現しもだえ苦しむ。そして…。

 

「グォォォォォ‼」

 

苦痛の声を上げたルテウスは凄まじい爆発音と共に爆散した。

 

 

 

 戦士は構えを解除し角を閉じる。自身が苦戦していた未知の敵だった生物を見事撃破した戦士の姿を見つめるG3。

だが…その戦いを物陰から見ていた存在がいた。体色は違うが先ほど倒されたルテウス同じ、豹に似た超越生命体の2体のジャガーロードで1体は黒色でもう1体は白色だった。黒色のジャガーロードはその戦士の名前を呟く。

 

 

「ア……ギ……ト……!!」

 

 

 

 ルテウスの撃破を確認した戦士…アギトはそのまま歩き去りまた闇の中へと消えていった。

 

 

「奴は……いったい…何者なんだ…?」

 

G3…いや氷川はアギトの存在を気にしつつそのまま意識を手放し倒れた。

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