暗殺教室 目覚めし魂   作:タツガン

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毎回長文で申し訳ございません。それとまだ翔一君自身は変身とは言ってないからセーフです。それと今回と次回は暗殺教室側のキャラの出番は少ないです。
ユルシテ…ユルシテ…。


第4話 変身の時間

 

 

 

―――何で? 何で彼女がここにいる? 確かに戦ってる最中に人がいるのは感じた……。つけれられた? どこまで見ていた? 駄目だ……。考えるだけで頭ん中、真っ白になっちまう……。

 

 クラスメイトの一人に自分が怪物に近い存在になった事…………そして、怪物と戦ったところを見られた事にショックと動揺を受ける。

 沈黙が数秒あったがそれを破り捨てるかの様に翔一は矢田に背を向けて何も言わず走り去る。

 

「ちょ、待って!!」

 

 彼女の呼びかけには答えずそのまま地面を駆ける翔一。まるで、今日あったことをすべて忘れ去ろうとする行為で矢田はそれを見送ることしかできなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこの君? ちょっといいかな?」

 

 矢田は公園を後にしようとした時、突然背広着た男性が話しかける。

 

「な、何ですか? 突然?」

 

「すみません」

 

 男性は謝罪すると警察手帳を見せた。手帳の名前は氷川真と書いてある。

 

「刑事さん……ですか?」

 

「はい。実は、この辺りに怪物が現れたと聞いたのですが……何か見ていませんか?」

 

「!?」

 

矢田はこの刑事……氷川が聞いてきたのは先程の翔一が変身して怪物と戦ったことを聞いてきたのだ。矢田は数秒考え込み……

 

(ごめん、津上君!)

 

「さっきその怪物は2本角の怪物と戦って……2本角の方が怪物を倒すところ見ました。それで2本角はそのまま歩き去りました」

 

彼女は翔一を怪物扱いしたことに内心謝罪して氷川に答えた。

 

「!? それは本当ですか!? 他に何か変わったことは!?」

 

「わ、わかりません……私はただ見てただけで何です……」

 

「すみません……」

 

氷川は彼女の返答に2本角……アギトを見たと聞いた途端、目の色変えて詰め寄り矢田は困惑してしまう。

 氷川は冷静になり、彼女に謝罪する。

 

「あの…もう行っていいですか?」

 

「あ、最後に一つだけ…。君はアギ……いや、2本角についてどう思いましたか?」

 

 氷川の質問に再び考え込み、彼女はアギトについてこう評した。

 

「……よく分からないですが多分、2本角は戦いに巻き込まれた私を助けてくれたんだと思います」

 

「そうですか……。ありがとうございました。夜道に気をつけて」

 

「はい、失礼します」

 

そう言い矢田は氷川の元から歩き去った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ………はぁ………」

 

 矢田が氷川から事情聴取を受けてたと同時に翔一は走るのを止め、息を整えてから電話である人物に連絡を取っていた。

 

『もしもし』

 

「あ、殺せんせー…。少しお願いがあって……」

 

翔一が連絡を取った相手は殺せんせーだった。E組に来た時に連絡先を交換していたのだ。翔一本人は嫌々だったが……。

翔一は先程アギトになってアンノウンと戦ったことを伏せつつ、矢田がいる公園の場所を教えるのと彼女を自宅まで送り届けてほしいと頼み込む。

 

『……怪物同士の戦いに巻き込まれた……って君等は大丈夫何ですか!?』

 

「ええ……俺は遠目で見ていたんで、ただ……彼女は近くにいたから……」

 

『何でもっと早く連絡を……』

 

「すみません…。俺も突然のことだから頭がパニックになって……逃げ出して……」

 

 すぐに連絡を入れなかったことを聞かれて適当に作った言い訳をしつつ謝罪する翔一。

 

『………わかりました。矢田さんの事は任せて下さい。津上君の方は大丈夫ですか?』

 

「俺は大丈夫です……すみません。今日、触手を破壊した癖に、女子を助けずに逃げた臆病な人間の頼みを聞いて貰って…」

 

『いえ、生徒を守るのは先生ですから。それと津上君。君は臆病な人間ではありませんよ。ですが、次からはもっと早く連絡をお願いしますよ』

 

「はい、それじゃ」

 

 翔一は電話を切り、帰路についた。しかし、翔一は三杉家に戻っても家事もせず自室に籠るだけだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 矢田は氷川の事情聴取を終えて公園から出た後、彼女がよく知る人物と会った。

 

「あ、殺せんせー」

 

「矢田さん、怪我はありませんか? 事情は津上君から聞きました。家まで送って上げましょう」

 

「…………ありがとうございます」

 

彼女の前に現れたのは殺せんせー。翔一の頼みで彼女を自宅まで送る為にやって来たのだ。帰路につきながら殺せんせーは彼女に怪物関係のことに聞いてきた。

 

「…………なるほど、では矢田さんは2本角の方が自分を助けてくれたと……」

 

「…はい」

 

「そうですか……私も是非、会って礼を言ってみたいものですね」

 

二人が歩きながら会話しているうちに彼女の自宅近くまで着いた。

 

「ここでいいよ。殺せんせー、送ってくれてありがとう」

 

「いえ、生徒を守るのが先生ですから。では、また学校で」

 

「はい、さようなら」

 

殺せんせーに挨拶をしつつ矢田は自分の家に入っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、三杉家では珍しい光景があった。

 

「おい! 翔一! もう朝だぞ!! 休みだからって何時まで寝てるんだよ! 飯作ってくれよ!」

 

「……………」

 

太一が翔一の部屋の扉を開けて翔一を起こしにやって来たのだ。

翔一の部屋は普通の男子中学生の部屋にしては整理されており、本棚には学校で使う教科書や家庭菜園の手入れの本くらいしかなく、当の本人はベッドの上で布団の中にうずくまっており、太一の声に翔一は全く反応しない。

そんな時、真魚も翔一の部屋の前にやって来た。

 

「熱でもあんのかな? 翔一が休みなのに朝寝坊するなんて初めてじゃない? 一昨日の夜くらいから様子がおかしいよ。昨日も夕飯作らなかったし」

 

「…………うん、そうだね」

 

 

 

 真魚も翔一の様子がおかしいのは分かっていた。しかし、その理由は真魚や太一にも分からない。二人は布団にうずくまってる翔一を心配する。

 

 二人の心配をよそに翔一は起きていたが動かずにいた。

まるで今ある現実から逃げるように………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「涼の奴がいなくなった?」

 

 病院にて両野は教え子の涼がいなくなったのを看護師から聞かされた。

 

 

「ええ、昨日の夜の回診にはもう……」

 

「アイツ……勝手なことを…」

 

 涼が勝手に病院を抜け出したこと憤る両野。涼が何を考えて病院を出たのか…両野は理解出来なかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 病院を抜け出した涼は階段のあるトンネルをふらつきながら歩いていて階段を登っていた。しかし一瞬バランスを崩したが壁に右腕にもたれかかるように身体を支えて一度止まり呼吸を整える。

 そして、もう一度歩き出した。彼は一体何処へ向かっているのだろうか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何ですって!? アギトがアンノウンから人間を助けたって!?」

 

「はい、先日のアギトとアンノウンの戦闘に巻き込まれた中学生に聞いたのですがアギトが助けてくれたと……」

 

Gトレーナー内でG3ユニットメンバーが集まっていた。

氷川は昨日、アギトがアンノウンから人間を助けた事を話し、小澤と小室は驚いた。

 

「待ってください! そしたら何でG3を攻撃したんですか?」

 

小室の疑問はもっともなものだ。G3を攻撃して機能停止まで追い詰めたのだ。それが何故人間を助けたのか……。

その疑問に小澤は少し考えて話し出した。

 

「…………もしかしたら、アギトは人間は守るが人間以外の存在とは戦うのかもね。G3を攻撃したのは人間じゃないと認識したから…………これはあくまでも私の憶測だけどね。とにかく、次にアギトが現れたならまず接触が第一ね」

 

「小澤さん……こないだと言ってること違くないですか? 前は氷川さんにアギトもアンノウンも貴方が八つ裂きにすればいいって」

 

「あのねぇ、今回はアギトが人間を守った……つまりは私たちとは戦う理由がないのよ。G3を破壊したのは少し根には持っているけど」

 

彼女の発言はこの間とはまったく別物でアギトを味方と捉えており、小室は困惑するが氷川はアギトを味方だと信じたいと思った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーパーツ研究局では例のパズルの解析が予想よりも早く進んでいた。その為土曜日でありながら美雲を中心に作業する研究員たちは今日も来ていた。その解析を早めた存在がいるとも知らずに…………。ダイヤルは中央部3つを除きすべて中に埋まった。そして、中央部左側のダイヤルも中に埋まり研究員の一人が報告する。

 

「解読率90%」

 

「もうすぐ答えが出るわね。……古代人たちはこのパズルの中に何を封印したのか……」

 

美雲はそのパズルの中身が気になっていた。それは科学者が持つ好奇心そのものだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都内某所…………とある縄文時代の地層の発掘現場にて作業員の一人が何かを発見する。それを掘り起こすがその正体は人間の手そのものだった…………。

 

「う、うわぁぁ!?」

 

見つけた作業員の悲鳴に他の作業員たちも集まる。

 

作業員たちが集まると同時に現場の地面が不気味に動き地中から何かが出てきたが作業員たちはそれに気付くことはなかった。

 

「ハァ………」

 

地中から出たのは銀色の体色でウミガメに似た超越生命体…………トータスロードの“テストゥード・オケアヌス”だ。しかし、まるで標的を仕留めたかの確認するために頭部しか出してなかった。オケアヌスは不気味に息を吐きながらまた地中に潜っていった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数時間後に警察が発掘現場に来ており、氷川は河野から今回の事件について教えて貰っていた。

 

「死体が発見されたのは縄文時代の地層からだ。しかも掘って死体を埋めた形跡はない。こいつも人間ができる殺し方じゃないな」

 

「ええ、犯人がアンノウンだとすれば次にまた被害者の親族が狙われる可能性があります」

 

「それがよ、今回も身寄りがいないみたいなんだよ。3年前に両親を事故で亡くして……いまはアパートで一人暮らしだったそうだ」

 

親族が存在しなければ、アンノウンは次に誰を襲うのか見当がつかない。氷川は河野にあることを聞いてみた。

 

「河野さん、前回の被害者と今回の被害者の住所って教えてもらいませんか?」

 

「別に構わないが……何を調べるんだ?」

 

「アンノウンが無作為に人を殺してるとはどうしても思えないんです。被害者たちの間に何か共通点があるのであれば…………未然に被害を防ぐことができるかもしれません」

 

氷川はアンノウンに襲われた被害者に何か共通点があるかもしれないと思い河野から被害者たちの住所を聞きその住所に向かった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(――――なんで転生しちゃったんだろう…………。もっと普通の人間の人生を生きたかったのに…………。こんな力を何で持っているのかもわからないし……また暴走するなんて嫌だ……)

 

 三杉家の菜園にて翔一は自分が育てた野菜を見てずっとしゃがみ込み考えこんでいた。その時、真魚がやって来て翔一に話しかける。

 

「ようやく目が覚めた? って本当は全然眠れてないんじゃない?」

 

「…………」

 

翔一は答えないが真魚は話し続ける。

 

「わかってるんだから。ねぇ昨日と一昨日何があったの?翔一君の過去と何か関係あるの? もしかして、何か思い出した?」

 

 真魚が色々と尋ねてみて翔一はようやく反応した。

 

「全然、なにも……」

 

「本当のことを言ってよ。何聞いても驚かないからさ」

 

「本当だって…………別に何か思い出したわけじゃないよ……」

 

記憶が思い出したわけでもないと翔一本人は言ったがその声は元気がないものだった。

 

「じゃあ、何で落ち込んでるわけ?」

 

真魚の質問に翔一は落ち込んでる理由を話す。

 

「……過去の事じゃなくて、これからの事を考えていたんだ……。どうやって生きていけばいいのかわかんなくなっちゃってさ……ハァ…………学校、どうしようかなぁ………」

 

翔一はこれからのこと……未来についてため息を吐きながら考えていた。“これから自分がどうなるのか”とクラスメイトの一人に正体を見られて他の人間に何を言われるのかと言う未来に苛まれていた。

 

「なんか、翔一君らしくないな」

 

「何だよ! 俺らしくないってどうゆうこと? 俺だって自分のことがわかんないのに……真魚ちゃんに何がわかるって言うんだよ!」

 

「そりゃあそうだけど…………」

 

真魚の一言で少しきつめな口調で答えてしまう翔一。しかし、それには誰にも相談出来ない自身の力への葛藤やその力で自分がどうなっていくのかと不安や恐怖が隠すためのものであった。

 

「真魚、ちょっと」

 

そんな時、ベランダの窓から義彦が真魚を呼び真魚は一度家の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三杉家の中で翔一を除いたメンバーで家族会議が行われていた。内容は翔一のことについてだった。義彦は心理学者の見地からある結論に至った。

 

「家事ノイローゼ?」

 

「そうだ。大体の事情は太一から聞いた。これまで私たちは家のことを…………炊事、掃除、洗濯と翔一君に頼って来たからな。それに学校もあるし、ガタが来たのかもしれない」

 

義彦の分析によれば三杉家の家事は翔一に任せきりにしてしまい今の状態になったと考えに至った。

 

「それで、翔一君が落ち込んでるって?」

 

「うん……翔一君の症状は抑圧された人間が発症する典型的なものだ」

 

「それ、絶対違うと思うけど?」

 

義彦の分析に頷く太一だが真魚は多分違うと感じてた。

 

「……とにかく、しばらくの間は家事は私たちで分担しよう。真魚は洗濯、掃除は太一、料理は私がやろう」

 

「えーー!!」

 

「仕方ないでしょ! さっさとやっちゃうよ!」

 

家事を分担に太一は悶絶するが真魚が発破をかけ、三杉家総動員の家事が始まった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 氷川は今回のアンノウンに殺された被害者が住んでいたアパートに赴いた。ここに来る前は前回のスパイダーロードに殺された被害者の自宅からは特に目ぼしいものが見当たらなかった。その為、唯一の手掛かりは今回の被害者のアパートしかなかった。氷川はアパートの大家に頼み部屋の鍵開けてもらった。

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 部屋に入った氷川は何か変わったものがないか調べ始めた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三杉家には義彦は料理、洗濯は真魚、掃除は太一といった役割でそれぞれ作業していた。義彦はエプロンを付け、キッチンで料理をしている。やかんに水を入れて火にかけ、まな板の上にキャベツを置き包丁で切っていた。

 

真魚の方はリビングにアイロン台を立てて洗濯をアイロンがけをしていた。

 

 太一の方は真魚と同じくリビングにて紙パック式の掃除機を使って掃除している。

 

「いっちょ上がり~」

 

太一はそう言い()()()()()()()()()()()持ち手を上げてしまい…………。

 

「キャァーー⁉」

 

掃除機のヘッド部分が真魚の頭に当たり、真魚の髪の毛を吸引してしまう。真魚はパニックに陥り洗濯物の上に()()()()()()()()アイロンを置いてしまう。

 

「あ!? ごめん真魚姉‼」

 

「なんだ!? どうした!?」

 

パニックに気づいた義彦が真魚たちの方に向かおうとするが手がやかんの持ち手に当たり床に落ちてしまう。やかんの中には火にかけたままだった為、水は熱湯に変わっており落下の勢いで飛び散り、義彦の右足に直撃した。

 

「あっつ!? あちち‼」

 

謝りながら太一は掃除機の電源を落としてヘッド部分を下ろす。真魚も解放され、二人は義彦のいるキッチンに向かった。

 

「お父さん‼」

 

「叔父さん、大丈夫?」

 

「大丈夫だ、薬を……フーフー」

 

義彦は右足を押さえて、患部に向けて息を吹く。太一が慌てて救急箱を持ってきたが焦って箱を落としてしまい、中身が散らばる。だがそんなとき室内に煙が立ちこむ。その原因は真魚がアイロンを電源を入れたまま洗濯物の上に置いてしまった為、火が出ていた。

 

「あー‼ 叔父さん、水‼ 水‼」

 

「い、いかん‼」

 

二人は桶に水を入れ始めるが火が大きくなる一方だった。

 

「あー!!」

 

真魚が急いでアイロンの方に向かうが翔一が毛布をもって急いで部屋にやってきてアイロンごとそれを被せた。

真魚も水の入った桶を持った義彦も驚いた。元気がなかった翔一が咄嗟の判断が三杉家の窮地を救ったのだ。翔一は毛布を取り、アイロンを持つと…………。

 

「もういい、後は俺が引き継ぐよ!」

 

翔一はそう言い家事を始めた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 氷川は被害者のアパートの部屋を調べていて棚に置いてあった一つのガラス瓶に注目した。ガラス瓶に手を取り、中身を確認する。中身には百円玉が入っていたが氷川は疑問を感じた。何故なら瓶を上下に振るが中身の百円玉は取り出せなかった。口の直径に対して百円玉は大きく()()()()()()()()()()()からだ。まるでマジックのように…………。

 

「これは…………」

 

氷川はアンノウンに殺された被害者の手掛かりになるかもしれないと思い、その瓶を持って行った…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一はエプロンを付けてまず洗濯物にアイロンがけを始めた。その手慣れた作業に三杉家の人達は見とれる。翔一はどこか楽しそうに作業する。

 

 洗濯物を終えて次は掃除を始める。掃除も同様、翔一は楽しそうだった。

 

「♪~」

 

掃除を終わらせて口笛を吹きながら掃除機を片付ける。

 

 掃除機を片付けて、次は料理を始める。やはり料理は翔一にとっては取り柄の一つであるためかすごく生き生きとしている。

 

 全ての工程を終えて包丁を軽く回して包丁差しにしまう。

 

「「「おお!!」」」

 

 

真魚たちが慣れていない家事をやるがあわや大惨事になるところ翔一はすぐに事態を収束した。それを称賛する3人。

普通なら呆れてもおかしい状況にもかかわらず、翔一の表情には穏やかな笑みが戻っていた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 城北大学水泳部…………。そこで両野は部員の一人が報告して来た。

 

「何だってッ!! 涼の奴がここに来た⁉」

 

「はい、ついさっき…これをコーチに渡してくれと…」

 

部員から一通の封筒を受け取った両野。その封筒には退部届と書かれていた。

 

 

 

「アイツ……!!」

 

両野はプールから出て大学の校門前に行き、涼を探すが、見つからなかった。両野は一度校内に戻って行った。

 

 

 

しかし、涼はいた。大学から出た先の大木の陰に隠れていた。

 

「……ぐっ、く……ぅぅ……っ!」

 

 

突如腹部を押さえて苦しみだした涼は地面に倒れこんでしまう。

 

「ワン!! ワン!!」

 

すると野良犬がやってきて吠えてきた。何かを警戒している様子だった。

 

「……あ……ぐっ……」

 

苦しみだす涼の腹部は白い輝きと共に振動する。まるで()()()()()()()()()()()()()()()()……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三杉家の家庭菜園で翔一はいつも通りに作業する。そこに真魚がやって来た。

 

「随分元気そうじゃん」

 

「そう? 別に普通だけど」

 

「何が普通よ? さっきまであんなに落ち込んでいたのに」

 

「ああ、あれは忘れていいから」

 

「人に心配かけておいて、それはないんじゃない?」

 

「ごめんごめん」

 

真魚は疑問を感じていた。朝から落ち込んでいたのにまた楽しそうに作業する翔一が何故立ち直ったのか……少し呆れ気味だった。すると翔一は語りだした。

 

「なんか自信がついたっていうかさ…さっき、家事をやってて思ったんだよね。こう…()()()()()()()()()()()()()()()()()って」

 

「いるべき場所?」

 

「うん、俺だけじゃなくて………多分俺のクラスメイトやおじさんにも真魚ちゃんにも太一にもあるだろ? 自分の居場所がさ」

 

 自分の居場所について聞かれた真魚は少し俯くが翔一は作業しながら話を続ける。

 

「そういうのってさ、誰にでもあるんだよ、きっと………それで、皆自分の場所にいるのが一番幸せだと思うんだ。だから…………」

 

「…………だから?」

 

少し、間をおいてしまった翔一に問う真魚。そして、自分の意思をはっきりしたように言った。

 

「そういう皆の場所を、()()()()()()()()()って」

 

「バカじゃないの。くだらない」

 

 

真魚はそう告げてその場を後にした。翔一の返答が気に入らない様子だった。

 

「くだらないかな?……うっ!」

 

そう呟きながらまた頭痛が襲う。そして……。

 

『……こう…自分の……有るのって…良いな……』

 

翔一の頭の中にビジョンが映った。そのビジョンは自分に良く似た青年と真魚に似た少女が菜園でのやり取りで先程とよく似ている状況だった。頭痛が消えて翔一は何か思い出した。

 

(…………そう言えば皆の場所を守りたいって俺の知る津上翔一も言ってたような気がする………俺はあの人のようにはなれないけど…………今、自分がやるべき事が分かった気がする。確かにこの力やアイツらは怖い…………。でも、もしこの力が誰かを救う力になるならもう迷わない! 誰にも理解されなくたって良い。俺なりにそこから見えて来る価値観を抱いて戦えば良いんだ! きっとこの身体の持ち主だって迷わず選択するはずだ!)

 

 思い出したのは過去のことではなく自身が転生する前の世界で見てた仮面ライダーアギトの主人公のことだった。彼にとっては思い入れがある作品でもあり、一番好きな仮面ライダーだった…………。しかし、そのことは徐々に薄れていき、その作品の知識も忘れかけていた。

 

(忘れかける前に、うろ覚えだけど戦う理由が出来て良かったかも……後は上手く力をコントロール出来るか……それと矢田さんの事も…………ダメダメ‼ 弱気になってどうするんだ‼ とにかく、彼女には学校で会った時にこのことを黙ってて欲しいと頼み込むか……)

 

アギトと言う未知の力に対して葛藤しつつも前を向き、人々を守る為に使う…………。そのことを改めて決意する翔一であった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Gトレーラー内にてG3ユニットの面々が集まっていた……。氷川はアパートにて発見した瓶を二人に見せた。

 

「…………これがどうしたって言うんです?」

 

「ええ、被害者のアパートから見つけたんですけが…………」

 

小室は氷川から瓶を受け取り不思議そうに聞いてみた。

 

「ちょっと見せて」

 

今度は小室から小澤に瓶が渡される。そして、中身を確認する。

 

「………なるほど、言いたいことはわかるわ」

 

小澤は氷川が言いたいことを理解した。

 

「どういう事ですか?」

 

「見て、百円玉が入らないでしょ」

 

「あっ‼ ホントだ」

 

小室はまだ察せなかった為、小澤は自分の財布から百円玉を取り出し瓶の口に入れるが口径が合わず入らない小澤から百円玉と瓶を渡され、小室も試すが結局、入らない。

 

 

「一体、どうやって被害者は百円玉を瓶の中に入れたのでしょう?」

 

「何かのマジックじゃないんですか?」

 

「じゃあ、これはどうです?」

 

氷川の疑問に種も仕掛けもあるマジックじゃないかと小室は答えたが次に氷川は先日殺された冴木泰江が持っていた不気味な写真を出して小澤に渡す。

 

「今では存在しない10年前の場所に、つい先日に殺された被害者が写っています……たしかに単なる合成写真の類かもしれない……でも、そうじゃないとしたら………()()()()()()()()()()()?」

 

「普通じゃあり得ませんね」

 

()()()()()()()()()()()()どうです? 被害者たちが」

 

「何が言いたいんです? …………まさか!」

 

「ええ」

 

氷川との会話でアンノウンに狙われた人間が普通ではない力を持った人間に気づいた小室。

 

「わかった! そっち方面の話に詳しい人がいるから紹介してあげる……大学時代にお世話になった先生なんだけど…………」

 

氷川にそう言い、小澤はスマートフォンを開いてある所に電話をかけた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プルルルル‼

 

三杉家の電話が部屋に鳴り響き義彦が受話器を取り対応する。

 

「はい、三杉ですが…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 噴水がある自然公園で地面に落ちている落ち葉に隠れながらオケアヌスが次なる獲物を品定めていた。そして、標的はキックボードで遊ぶ男性に狙いを定めた。男性は自分が狙われることに気づいていない。

 

「ハァァァ………」

 

オケアヌスは立ち上がりアンノウン特有の左手で右手の甲を何かの文字の形に辿るようにサインを切った。

 

男性はそのままキックボードごと移動するがその先にオケアヌスが現れる。

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁ‼」

 

「キャァーー‼」

 

男性は怪物に襲われる恐怖で悲鳴を上げてオケアヌスから逃げる。その悲鳴は偶然通りかかった子連れもそれに気づき、母親は我が子を抱えてその場から離れた。

 

 

「はぁ…………はぁ…………」

 

男性は木の茂みに隠れ、後ろを確認する。自分を狙った怪物をまいた…………そう思った瞬間…………。

 

ガシッ‼という足音と共に背後からオケアヌスが現れ、男性を引っ張叩く…………。

 

「うわぁぁっ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三杉家の菜園で翔一は作業していた。だが、次の瞬間…………。

 

カンッ‼ カンッ‼と言う音が翔一の頭に響いた。

 

「ハッ‼」

 

翔一は何かを感じたのか作業をやめ、エプロンを脱いで三杉家を出た。その瞬間を真魚は見ていた。

 

「翔一君‼」

 

真魚も翔一の後を追う…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 氷川は車で先程、小澤に紹介した心理学者の三杉教授の下に向かっていた。その時、警察の無線が届く…………。

 

『警視庁から各局‼ 不審な生物が出現したとの通報‼ 場所は椚ヶ丘市の…………』

 

同時に小澤からの連絡も入ってきた。

 

『氷川君、聞こえた?』

 

「はい‼ G3の修理の方は?」

 

『まだかかるみたいね』

 

「わかりました‼ とにかく、現場に向かいます‼」

 

氷川は車のサイレンを鳴らして現場に向かう…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翔一が向かった先は男性はオケアヌスに襲われた公園だった。公園に着いた翔一はキックボードに気付き、そこに向かおうとするが…………。

 

「うお⁉」

 

突如、足元からオケアヌスが現れ、翔一を投げる。態勢を崩された胸倉をつかまれまた、投げ飛ばされる。

 

「シャァァァァ‼」

 

「うおおぉぉ‼」

 

 翔一は落ちてた木の棒でオケアヌスを叩くがまったく効果がない…………。逆に今度はオケアヌスに殴られ、倒れてしまう翔一を踏みつけるオケアヌス…………。

 

 

 

 

 

 真魚も翔一の後に公園にやって来た。そこで翔一とオケアヌスが戦う所を目撃する。

 

「な、何よ⁉ アレ⁉」

 

真魚は自分が見たこともない怪物と翔一が戦うのに驚いた。

 

 

オケアヌスは倒れた翔一の首を右手で締め上げ、大木にぶつける。首を締め上げられたもがく翔一は窮地を脱するため左前方で両腕を交差したあと右腕を引くとオルタリングが腰部に出現しオケアヌスを思いっ切り蹴り上げて距離を取った。そして……。

 

「変身ッ‼」

 

自分自身が変わるその言葉と共に両端のスイッチを押す。その瞬間、翔一は光に包まれ、心臓の鼓動音のような音がベルトから発される。

 

「フンッ‼ ハァッ‼」

 

オケアヌスは構わず殴ろうとするが逆に翔一からカウンターのパンチを腹部に喰らう。また、殴りかかるオケアヌスだが今度は右足からの蹴りを喰らう。オケアヌスはひるまず攻撃を続けるが翔一は受け流すとカウンターの連続と共に姿が徐々に変わる。そして翔一がパンチが炸裂すると風が吹くような音と共に超人…………アギトとなった。

 

 

 

「翔一君‼」

 

真魚は翔一がアギトとなった事に驚愕しながらも戦いを観る。

 

 

「フッ‼ ハッ‼」

 

オケアヌスはアギトに殴ろうとするがまたしてもアギトに受け流されて逆にカウンターパンチをもらう。追撃に入ろうとするアギト。しかし…………。

 

「ぐわぁ⁉」

 

背後から新たなアンノウン…………同種のトータスロードだが今度はリクガメに似た超越生命体で名前は“テストゥード・テレストリス”が両腕でアギトを抑え込む。アギトは拘束から抜け出そうとするがテレストリスの怪力で上手く抜け出せない。その隙にオケアヌスが背部にある堅牢な甲羅での突進攻撃がアギトに炸裂する。

 

「がはッ‼」

 

もう一度甲羅で攻撃しアギトは追い詰められる。しかし、3度目の攻撃の瞬間、アギトはテレストリスの拘束から抜け出して高くジャンプする。オケアヌスの攻撃は逆に味方のテレストリスに直撃する。

 

 

 

2体のトータスロードがひるんだ瞬間にアギトはクロスホーンを展開しライダーキックの構えを取った。しかし、テレストリスがその隙に突撃する。アギトは止むを得ず、それを右手からの手刀でいなしてテレストリスの甲羅をジャンプ台代わりにしてオケアヌスに向けてライダーキックを放った。

 

「ハァァァーーッ‼」

 

オケアヌスは背を向けてライダーキックをその甲羅で受けて大きく吹っ飛ぶが倒れることはなかった。アギトも同時に着地しクロスホーンを閉じる。

 

「なっ⁉」

 

アギトはオケアヌスの方に視線を向くがオケアヌスはまだ生きており驚愕する。

 

「フンッ‼」

 

オケアヌスはアギトの攻撃を鼻で笑った。まるで()()()()()()()()()()()とでも言っている仕草だった。

 

「うわぁぁ!!」

 

アギトはその隙を突かれて今度はテレストリスに投げ飛ばされ、アギトは大木に叩きつけられる。戦闘は未だ続く…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーパーツ研究局ではパズルの最後のダイヤルが埋まり同時にピピッ‼とコンピューターの電子音室内に響いた。

 

「解読率100%」

 

 研究員の報告で美雲はオーパーツの方に視線を向けた次の瞬間……。

 

オーパーツの中が開き中身が徐々に現れた。美雲を含めた研究員たちが驚愕した。中から遺伝子モデルのような物体が出てきた。

 

 これは一体何を意味するものなのか………。




今週のガヴはshake it off流せとは思ったが展開的に流すかと言われたらうーんって感じでラスボスは結局、ランゴ兄さんでしたまる
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