寄稿・企画もの   作:匕囗

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2024.07.28 開催「旅人の手記3冊目」にて
サークル「集中豪雨」様発刊の
「富実装祭り記念本」に寄稿したお話です。

※2024.08.14現在、下記サイトで事後通販を展開されております。
 よければ覗いてみてね!
https://shchgu.booth.pm/


どんな道を選ぼうが

 澄んだ夜風が酒気を帯びた体に心地好い。周りに誰もいねえってのがまた静かでいい。

 下卑たジョークやバカデカい笑い声で賑わう酒場の雰囲気も嫌いじゃないが、時々こういう静寂の中に身を置きたくなる。世界がまるごと眠っちまったような中をひとりで歩くのは割と好きだ。

 まあ、ひとりだから魔物に出てこられるとちょいと厄介なんだが。とは言え街道沿いに出るヤツはザコだし、この辺りは狩人連中がマメに駆除してるから数も少ない。適当に蹴散らすとちょっかい出してくる魔物はいなくなった。襲う前にテメェが敵う相手かどうか見定めろっての。

 丘に近付くにつれ木々は疎らになり、傾斜が険しくなっていく。幾つも折り重なる坂を抜け、やっと落ち着いて酒を飲めるか――と思ったら、上りきった丘には見知った背中があった。

「…ティツィアーノか。珍しいな、お前がこの時間ここに来るなんて」

「俺だって静かに花を愛でたくなる時ぐらいあるぜ?」

「そうか。なら一足遅かったな」

 眼下に広がるシロブドウ畑は夜闇に沈み、花の一片すら見えやしない。盛りの時期なら零れた欠片が風に舞い上がり、月の光を返しながらひらひらと落ちて行く様が見れたんだが。どうやら俺が留守の間に花は散り切ったらしい。

 隣に腰を下ろすと、バルジェロは傍らに置いていた瓶を俺に見えるように揺らした。

「飲むか?」

「いいや。俺が持ってきてねえと思うのかよ?」

 そう言って掲げて見せたのはさっきまで店で飲んでた安酒だ。

 俺たちの会話はそこで途切れ、瓶を傾ける音だけが響く。

 だが俄かに風が吹き、月が陰ったのを機にバルジェロが口を開いた。

「…妙な感じだ。ここの花が咲く前、お前に仕事を任せた覚えはあるのに、何の件で、どこに向かわせたのか思い出せない。送り出した時のことすら、もう」

「………。」

「お前が帰ってきてから書類や資料を軽く浚ったが何も出てこなかった。まるで『何も起きてないことが正しい』と言われてるようで――」

「ムカつく、だろ?」

「ああ」

 こいつも俺と同じで、この違和感をどうにかしたくてここに来たんだろう。

 何も起きてないってことにしといた方がいいのは、なんとなく感じてる。だが――それじゃ、俺の中に残る“これ”は……。

「なあバルジェロ、俺はアイツらの手前『何も思い出せない』って言ったが……、実は憶えてることがある」

「なんだ」

「相棒と一緒に“何か”と戦ったこと。それと、その“何か”の所為で俺の姿が――いや、俺自身を変えられたことだ」

「お前自身を…? どういうことだ」

 あの時のことを思い出すと胸がざわつく。こいつには知られずにいたかったが…ここまで言ったんだ、後戻りはできねえ。

「あの時俺は、“お前と敵対することを選んだ俺”になっていた。この世から富とかいう最低なクソを消し去ってやろう、お前の本性を暴いてやろうって考えてた時の俺にな。あのドス黒い空ろな願望が滾る感覚には覚えがある。が…、俺が抱えてたやつはあそこまで強くなかった。たぶん増幅されたんだ」

 おそらくは指輪の力で。妙な全能感があったのもきっと指輪の力によるものだ。

 捨ててなかったら、向こうを選んでたら、俺はああなってたってことなんだろう。

「それでバカみてえに強い力を振るって(やっこ)さんを引ん剥いて…、ええと…相棒がトドメを刺したんだったか…? とりあえずヤツがいなくなると同時に、俺の姿も戻った。これが俺の憶えてる全部だ」

「…………。」

「そんな顔すんなって! 今はもう見ての通り、お前のよく知る切れ者のティツィアーノに戻ってんだからよ」

「そこはあまり気にしてない」

「…そうかよ」

 いや、気にしろよ。俺の緊張を返せ。

「だが…なるほど。何故俺たちの誰も憶えてないのか疑問だったが、お前の話を聞いて少し腑に落ちた」

「俺は落ちてねえんだけど。納得できるとこあったか?」

「お前が変わった時、相棒もいたんだろ。あいつの周りじゃ妙なことが起こるが、無駄なことは起きない。今回の件にあいつが絡んでてお前だけ憶えてるって言うんなら、きっとお前にだけ必要なことだったのさ」

「………。」

 あの夜のことが、俺に必要だった…?

 俺は捨てた未来に未練なんざねえし、行かなかった方の選択を羨むなんてクソダセェ真似、ジョークでもごめんだ。どんな道だろうが、その先に何があってどんな終わり方してようが、自分で選んだ道に後悔なんてしねえ。

 だが捨てたヤツの中に利用できるモンがあるんなら。

 今の俺に、あの夜のことが必要だってんなら。そのためにアイツになる必要があったんなら……。利用してやろうじゃねえか。

「納得したみたいだな」

「ま、そういうことにしといてやるかって感じだけどな。精々活かさせてもらうさ」

 テメェが信じなかった未来――見せてやるぜ。オスカ。

「だからよ、バルジェロ。お前に預けた俺の命、ちゃんと使えよ。簡単に欲に溺れやがったら承知しねえぞ?」

「ああ、わかってる」

 木々が揺れ雲が流れて行く。薄曇りだったシロブドウ畑に光が広がっていくのを見て、こっちの靄が晴れるのと同調してんのかね、なんて思うがそれはさすがにロマンチスト過ぎるか。

 もうすぐ酒も尽きるし、飲み終わったら帰るか。とぼんやり考えてると、視界にワインの瓶が入ってきた。

「お? くれるのか」

「違う」

「へへっ、ジョークだって。けど珍しいな、どうした?」

「さあな。気分だ」

「何だ酔ってんのかよ? 仕方ねえなあ」

 同じ高さに掲げられた酒が月の光を受けながら揺れる。

「お前の選択に」

「俺たちのヴァローレに!」

 瓶同士を打ち鳴らす軽やかな音が、二人だけの丘に響いた。




 こんにちは。匕囗です。
 『富実装祭り記念本』に「どんな道を選ぼうが」というお話を寄稿いたしました。
 自分の意思でイベントに参加する・お話を寄せる、というのは初めてなので、このお話は自分にとってイベント処女作になります。
 さらっと読めるかと思うので、このあとがき的な何かを読み終わったあとにでも、読み直してみて頂けると嬉しいです。もしかしたら初見時とは違う印象で彼らの会話を聞けるかも知れません。
 このあとがき、クソ長ぇので解釈の食あたりや胸焼けを起こさないようお気を付けください。

 さて、こちらは「こんな意図があるよ」とお話しするページになっています。後ろの方にはお話に込めた思いなんかも書いてます。
 お好きなペースで読み進めてくださいね。もういいかなと思ったら途中で切り上げても大丈夫。

 まず初めに。『「こんな意図があるよ」とお話しするページ』と上記しておりますが、書き手の解釈を読み手である皆様に押し付ける意図はなく、本当に、あくまで『書き手の意図をお知らせするため』に当ページは在ります。
 物語に触れて感じたことなどは、例えそれがネガティブなものであろうと、どうぞ大切にしてください。
 ここに書いてある解説は『あれの意味がわからないんだけど?』『ここ、こういう意味かなぁ……』というモヤモヤを晴らすためのヒント、くらいに捉えて頂ければ幸いです。
 あとついでの裏話と言いますか、こういう設定があるよ、というのも書いていきますね。

【俺の中に残る“これ”は】について
 畏孵の断片と戦った時の記憶を指しています。
 (ティツィアーノが向かった先や仕事内容について)誰もが忘れたと言う中、何故自分はこの光景を憶えているのか――と疑問を持っている状態です。
 オスカとしての力が残っているわけではありませんが、例え残っていたとしてもこのティツィアーノなら目指す光景のためにうまく使うでしょう。
 利用できるものは何だって利用するのが彼らですし。
 もしオスカとしての力が残っているなら、敵全体に連撃しつつデバフを掛ける、みたいなアビリティを使うようになるかも知れませんね。

【捨ててなかったら、向こうを選んでたら】について
 『指輪を捨ててなかったら』と認識できるように書いた箇所です。
 『あの未来を捨ててなかったら』というダブルミーニング箇所でもあります。
 さて……実は紳商伯の指輪、捨てた(野に放った)わけではありません。
 指輪のことをどこからか聞きつけた銀髪の聖火騎士が訪ねて来た折、彼に指輪を渡しています。その聖火騎士は「闇に堕ちる前に指輪を回収できて良かった」と協力への感謝を示してヴァローレを後にしました。その後指輪がどうなったのか、ティツィアーノは知りません。
 ティツィアーノ的には、自分から手放しその後の興味もない=捨てたに等しいので「捨ててなかったら」と言っています。

【そこはあまり気にしてない】について
 バルジェロは『“ティツィアーノ”が今ここにいることが答えだ』と思っているので、そもそもオスカから戻れていない可能性については考えていませんでした。
 むしろ『ティツィアーノが自分の敵になる可能性があった。その選択肢を選ばなかったから、隣にティツィアーノがいる今がある』ということの方に驚いて衝撃を受けています。表に出してませんが。
 まあ、オスカから戻れていない可能性もティツィアーノがバルジェロの敵になる可能性があったことも、『“ティツィアーノ”が今ここにいることが答えだ』に帰結しますね。

【「お前の選択に」「俺たちのヴァローレに」】について
 「カッティーナじゃないんかい!!」という突っ込みがそこかしこから聞こえてきそうな上に何なら自分の中にもそういう声があるんですが……、ここは意図的にカッティーナを避けました。便利なんですけどね、カッティーナ。
 でも便利過ぎるが故に内包するものがぼやけてしまうので、バルジェロは明確に『何に乾杯するか』を告げました。
 自分と敵対するのではなく、共に在る道を選んだことへの感謝や喜びなど、短いけれどたくさんの想いが籠もった言祝ぎです。
 乾杯しようとしたのもこのため。ティツィアーノは「酔ってんのか?」と茶化してますが、薄っすら察しています。
 「俺たちのヴァローレに」はもう言葉通りです。あと“俺たちの”と告げることで、自分の居場所はヴァローレだと宣言しています。

【どんな道を選ぼうが】について
 タイトルですね。
「どんな道だろうが、その先に何があってどんな終わり方してようが、自分で選んだ道に後悔なんてしねえ」
 選ばされたのではなく、自分の意思で往くと決めたなら、それがどんな道だろうが、選んだことを後悔などして堪るものか。という、彼の誇りの言葉です。
 ティツィアーノとしても――オスカとしても。
 多くのユーザーが戦った“富を授けし者”もきっとそうであったろう、そうであればと、書き手が願いを込めた台詞でもあります。

 解説はこんなところでしょうか。
 訊きたいことがあればSNSからリプライでもDMでも、その他何らかの連絡手段でお寄せくださればお答えいたします。

 さて。ここからは書き手のひとりごとです。お話に込めたものなどを書いていきたいと思います。

【お話を書こうと思った訳】
 これはもう単純に、声を掛けて頂いたから。
 企画概要をRTして、『面白そうだけど自分富畑の人間じゃないし〆切ブッチマンだし……ここから見守ってますね』みたいなこと呟いたら主催者様に即バレした上「作品できたので、って飛び込みもOKですよ!」と言って頂けて。概要の方も「世界があなたの原稿を求めている」「普段富創作しない方の富作品もお待ちしております(意訳)」ってあったので、それなら書いてみるか!と。
 いやしかしすごくないですか、「世界があなたの原稿を求めている」って。とんでもねえパワーワードですよ。期待とか要求には応えたくなるタイプなのでこの文句は効きましたね、ええ…。まあそれはさて置き。
 あとはですね、救いたかった。
 良くも悪くも話題になった最初の畏孵、プレイした人たちの中にどうやらお話面で傷付いている人がいるようだと感じまして、そんな人たちの慰めになれば、少しでも心に光を射せればと思って筆を執った次第。
 ところがTwitterを彷徨ってみれば、傷付いて(怒って)いる人たちは「ティツィアーノが生きてるなんてそんなご都合な優しさ、富には要らねェんだよ!!」と憤っていたご様子。つまり自分がしたことは火に油。もう、本当に、何をしているんでしょうね。
 このお話を読んで怒りを覚えた方、憤りを強めた方には深くお詫び申し上げます。

【異なるオルステラを舞台にした訳】
 上で述べているように、読んだ人の心に光を齎したかったから。平行世界のティツィアーノが、畏孵の影響から解かれたあとも彼の世界で生きていくのだと示すことで、それが叶うと思った書き手の傲慢です。
 書き手自身、畏孵のティツィアーノがあのあとも生きていくと信じたかったってのもあるんですがね!!
 畏孵をプレイして、ある作品(分岐した世界を削除して削除して世界の命全部背負って、時には大切な家族を殺さなくちゃならなくて、そうして心も体もズタボロにしながら正史世界を守って、最後に……。ってお話でね。〇イルズオブ〇クシリア2って言うんですけd(ry)を思い出してしまって。平行世界の命も生きていてほしいなって思ったんです。
 あ、僕はエク2好きですy(ry ユリウス兄さんに生きててほしくてエク1のみんなを敵に回したのが懐かs(ry
 まあそれよりも、何よりも。「さあ書くぞ、どんなお話にしようかな」って考えた時、あの丘からシロブドウ畑を臨むティツィアーノの背中が浮かんだんです。
 彼があの丘で思うことはなんだろう、あの丘に一人で行くような状況ってどんな時だろう、と目を閉じ耳を澄ませたら異界のティツィアーノでした、と。
 なので舞台があちらのオルステラになったのは無意識2割、傲慢8割って感じですかね。

【お話についてのあれこれ】(意識したことなど)
 実は最初書き始めた時は、バルジェロが出てくる予定はありませんでした。ティツィアーノの独白と回想で訥々と進んでいく筈だったんです。
 それが何故か、丘を上りきったら彼がいて。ご退場願おうかと思ったんですが、彼がいてくれた方がティツィアーノは喋りやすいかも知れない、彼がティツィアーノから言葉を引き出してくれるかも知れないと考え直し、そのままいてもらいました。
 結果があの通り。自分としてはなかなか良い仕上がりになったんじゃないかと思う反面、わかりにくい部分はやっぱりあるよなと。そこは力不足故ですね。精進します。
 意識してたことは二つ。言葉遣いと教養差。
 普段サザントスさんかオリジナル主人公周りの話しか書いてないので、台詞が大体お行儀良し。ちょっと品を欠くけど軽妙な会話っていうのは自分の中になかったので、富極編とかコミカライズ(シャナのお話)とかを何度も読み返しました。ここ違和感あるな、って思った方は「こうするともっと“らしく”なるよ」と教えて頂けると、次に富のお話書く時に活かせるのでヨロシャス。
 教養差。これは出したいなー出せたらいいなーくらいのものでしたが、どうでしたかね。
 少年期までは恵まれた環境に在ったオスカ、きっと詩や絵など芸術に触れる機会も多かった筈。対してバルジェロ、明日のパンどころか今食うものさえ儘ならない苦しい時期が長く、芸術に触れる機会なんてあったかどうか。
 ということで、ティツィアーノは詩的表現を使うことにあまり躊躇いは無いんじゃないか、自然とそういった表現をすることもあるだろう、と考えて意図的にややクサイ表現を取り入れてます。
 バルジェロでそういうのは出さないように気を付けてはいたものの、そもそも台詞が少ないですからね。対比になってたかどうか…。

【書きたかったもの】
 丘から臨むティツィアーノの背中が脳裏に浮かんだ時、もう一つ浮かんだものがありました。
 お話の展開やテンポの都合上カットしてしまったので、ここに残させてください。

「あの未来を“選ばなかった”んじゃねえ、俺はあの未来を“捨てることを選んだ”んだ」

 かっこいいーーーーー!! 言って欲しかったーーーーーー!!! 言わせてあげられる展開にできなくてごめーーーーん!!!!
 ふぅ……よし、次。

【執筆のおとも】
 自分がお話を書く時は曲の力を借りながら書くことが多く、御多分に漏れずこれもそう。
*冒頭からティツィアーノが丘を上りきる辺りまで
  →「森ダンジョン」(OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack)
*バルジェロとの会話
  →「静寂なる森の里」(OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack)
  →「薪を焚べながら(Orgel Arrange)」(メグとばけもの オルゴールアレンジ・ミニアルバム)
 ひたっっっすらヘッドホンで延々と聞いてました。飽きるとかは無いです、むしろ曲が切れると集中も切れてしまうので。外界と遮断するため、集中するためのツールですね。

【こだわり?】
 お話制作にご協力くださった方から「こだわりですね!(※意訳)」と言って頂けたところがあるので、最後にそのご紹介でも。
 個人的には『こだ……わり…?』って感覚なのでご紹介するのも何だか不思議な感じがしますが。
*台詞末尾の句点
 台詞の一番最後、閉じ括弧の直前には基本的に句点を打たないようにしています。
 が、例外がありまして。括弧内が三点リーダーのみである場合、その終点に句点を入れています。
 こちら意図的なものなので、誤記や衍字ではありません。
 個人的に「………」より「………。」の方が落ち着くってだけなので、読み手さんの中には逆だと言う人もいるんじゃないかと。
 ついでに言うと上記のように三点リーダーの奇数使いもします。偶数縛りだと自分の思うように間を演出できないことがあるので。
*挿絵
 紗卦論之神(しゃけろんのかみ)がやってくれました。素晴らしいイラスト。拝むしかない。いつもありがとうございます。淡々と書いてますが、書き手現在満面の笑み。
 実は描いて頂くにあたり、一点だけオーダーを出させて頂きました。
 【ソニアのお墓は描かない】こと。
 ティツィアーノがオスカ(“富を授けし者”)に成らないオルステラ、もしかしたらソニアもまた異なる運命を辿り、生きているかも知れない。
 ブドウが実る頃には、盗み食いをするピエロを半殺しにしたりレヴィーナと「ワインが楽しみね」と笑ったりしながら、賑やかに収穫をしているかも知れない。花が咲く時季には、あの丘からバルジェロたちとブドウ畑を眺めているかも知れない。舞い上がる花びらに、実りへの期待と希望を込めて。
 そう思いつつ書いていたので、ソニアの生死がわかるような表現は無しでお願いしたいです。
 ――と、まあ、『そんな温いのが罷り通る世界かよ』『富ナメてんの?』とお叱りの言葉が返ってくる可能性を考えつつ、ひっそり覚悟しつつ、オーダーしたら……お叱りの言葉どころか最高のものが返ってきましたねありがとうございます!!!
 ちなみに自分が想像していた二人は同じ方向を見ていました。ティツィアーノにしろバルジェロにしろ、どっちかは丘からぶらぶらと足を投げ出して、どちらかはあぐらで。
 ところが頂いたラフは二人が互いに逆を向いたもの。おや…?と思いつつ、このラフでは成立しないだろうか、と考えたら、成立するわ、と。なら問題ない。むしろ同じ方向ではない方が彼ららしくないか? バルジェロと同じ向きでは座らないティツィアーノ、何というか、とても“らしい”。
 話してる時にクッと笑ったりしても、簡単にはその顔を見られない。いいな、これ。むしろこれがいい。これでお願いします!!!
 と、自分でも「これ」を何段活用したかわからんくらいのOKを心の中で連発してました。ありがとうございます(三回目)。
 静かな夜の二人の語らい、挿絵のおかげでだいぶイメージしやすくなったんじゃないかなと思います。


【おわりに】
 物語より長いあとがきを最後まで読んでくださってありがとうございます。
 富本、どのページも皆さんの愛が溢れてて、読んでて心がほこほこしてきます。
 『どんな道を選ぼうが』もどこかで誰かの心を温めたり慰めたりできてたらいいなと思います。
 またどこかでお目にかかれたら嬉しいです。
 それでは!
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