ダンボール戦機 Shining Star   作:OKNU

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ひとまず二話目。
バンたちとの出会いから暗殺阻止まで行っちゃいます。
分けようとも思ったけど短すぎたので。


暗殺を阻止せよ

〜Side ヒガン〜

 

 例のLBXについての連絡を受けてから数日後。俺とキヨカは檜山さんから呼び出しを受け、彼がマスターを務める喫茶店『ブルーキャッツ』を訪れていた。それぞれ頼んだドリンクを飲んでいると、檜山さんの友人の宇崎拓也さんが、俺たちを呼び出した本題を切り出した。

 

「奴らの次の狙いが分かった。財前宗助総理の暗殺だ」

 

「……マジですか」

 

「それにLBXが使われる、ということですか?」

 

「ああ。実行は総理就任記念パレードが行われる二日後。使われるLBXは、コードネーム『アサシン』。その名の通り、暗殺用に開発された機体だそうだ」

 

 キヨカの質問に檜山さんが淡々と答える。暗殺用ということは、長距離狙撃に特化した性能のはず……そう考えていると、檜山さんがカウンターの下から一つの箱を取り出す。そこには、狼の外見と大型のライフルが特徴のLBXが描かれていた。

 

「これを見てくれ。コードネーム『ハンター』。こんな物と一緒に、誰かが送りつけてきた」

 

 言いながら檜山さんから渡された手紙を開くと、そこには『白いLBXを持った少年たちの力を借りるのだ』と記されていた。キヨカはメカニックの血が騒ぐのか、興味津々な様子でハンターの箱を観察している。

 

「確かにこれは暗殺阻止に使えそうですけど…そもそもの話、誰が使うんですか?俺もキヨカも、長距離狙撃の経験は無いですよ?」

 

「実は先日、郷田が例の少年の友達のLBXを破壊したそうでな。協力の見返りとして、このハンターをプレゼントしようと思っている」

 

「マッチポンプじゃないですか」

 

 拓也さんの言葉に思わずツッコむ。偶然とはいえ結果的にそうなっている以上、ツッコまずにはいられなかった。とはいえ拓也さんもそう思っていたのか、俺のツッコミに対して微妙な顔をしていた。

 

「まぁ、そういうことだ。明日彼らにもこのことを話すから、放課後にまたここに来てくれ」

 

 結局作戦会議は明日に持ち越しとなり、俺たちはブルーキャッツを後にする。そして翌日の放課後、ブルーキャッツで拓也さんと打ち合わせしていると、檜山さんが例の少年…山野淳一郎博士の息子とその友達を連れて戻ってきた。

 

「君たちが山野バン、川村アミ、青島カズヤ君だね?」

 

「そうだけど……あなたは?」

 

「俺は宇崎拓也。そしてそこの二人が」

 

「初めまして御三方、明星ヒガンだよ。よろ〜」

 

「仙道キヨカ。よろしく」

 

 拓也さんに続いて俺たちも自己紹介を済ませる。そして、檜山さんに促されるまま三人もカウンター席に座ると、真っ先にバンが檜山さんに声をかけた。

 

「あの、檜山さん。さっきキタジマで言ってたイイ物って、何なんですか?」

 

「その前に……バン。君のLBXを見せてくれないか?」

 

「え?あ、はい」

 

 檜山さんからのお願いに戸惑いながらも、バンはバッグからLBXを取り出す。それは白を基調としたトリコロールカラーが映える、騎士のようなデザインのLBXだった。

 

「白いLBX……これ、触ってもいいかな?」

 

「私もいいかしら?」

 

「いいけど……アキレスっていうんだ」

 

 バンから許可を得て、手に持ったアキレスを眺める檜山さんとキヨカ。俺も遠巻きにアキレスを見させてもらうが……ホントに凄いな。監視とかされてる中でこんなの設計して外部に製造の発注までするとか、チートもいいところだろ山野博士。

 

「これは素晴らしいLBXだな」

 

「見ただけでわかるの!?」

 

「ええ。パーツは最新式で、機体バランスも良好。メンテナンスもちゃんとしてあるようね」

 

「うん、こいつは凄いんだ!やっと手に入れた、俺だけのLBX!」

 

「そうか……それじゃ、例のイイ物を見せようか」

 

 檜山さんがそう言うと、拓也さんが自分の席の下に置いてあったバッグからハンターの箱を取り出し、カウンターの上に置いた。そしてカズがハンターを完成させると、拓也さんは総理暗殺計画と、その阻止に協力してほしい旨をバンたちに伝える。三人とも最初は驚いていたが、バンを皮切りに協力を承諾した。カズはLBXがないことを理由に断ろうとしていたが、ハンターを報酬にすると言われた途端名乗りを上げた。チョロいなぁ。

 その後、明日の朝にここに集合してパレード会場へ向かうことになり、今日は各自準備のために解散した。

 

 

 

 

 そして迎えたパレード当日、俺たちは拓也さんの車でパレードストリートに向かい、その中で暗殺阻止のためのブリーフィングを行っていた。

 

「これが今回のパレードのルートだ。当然ながら、ルート周辺の狙撃ポイントとなり得るビルや歩道橋などには警察官が配備されており、暗殺者が容易に入り込む事は出来ない。だがLBXなら、話は変わってくる」

 

 説明しつつ拓也さんは端末を操作し、パレードのルート上にアサシンの狙撃可能範囲をマッピングする。

 

「アサシンの狙撃能力がハンターと同レベルと仮定してシミュレーションを行った。裏を返せば、この範囲でアサシンを発見出来れば、ハンターで狙撃し返すことも可能だ。その上でアサシンがいる可能性が一番高いのは……ここだ」

 

 そう言いながら拓也さんは、ヘリポートのあるホリデービルディングの画像を表示する。ここは警備対象から外れているが、アサシンの射程ギリギリに位置している建物だ。LBXを潜り込ませるにはピッタリだな。

 

「でも、そこにアサシンがいるとも限らないですよね?」

 

「その通りだ、アミ。よって、ヒガンとキヨカはパレードのルート上を開始地点から捜索しつつ、ホリデービルディングに向かえ。バンはパレード中央、アミは開始地点、カズは終了地点をそれぞれ捜索してほしい。

絶対に総理を守るんだ!作戦開始!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 拓也さんの指示で俺たちは車を降り、それぞれの捜索ポイントに散らばる。俺もキヨカと共にホリデービルディングに向かいつつ辺りを見渡しているが、アサシンの影も見つからない。

 

『皆、状況を報告してくれ』

 

『こちらパレード中央地点のバン。アサシンはまだ見つかりません』

 

『パレード開始地点のアミ。こっちも同じよ』

 

『パレード終了地点のカズ。こっちもいねぇ』

 

「ホリデービルディングに移動中のヒガン。こっちもまだだよ」

 

『そうか……もうすぐパレードが始まる。ヒガンとキヨカはルート上の捜索を中断し、ホリデービルディングに直行しろ。他の三人は、それぞれの位置で捜索を続行してくれ』

 

「はいよ〜。んじゃ、走るか」

 

 そう言って、キヨカを置いてけぼりにしない程度のスピードで走り出す。途中でバンから「ガラスだけを貫通して狙撃出来るビルにアサシンがいた」という連絡が入ったが、「射角が狭すぎるからデコイの可能性がある」とだけ伝え、ちょうどそのタイミングで目的地に到着した。

 

「拓也さん、ホリデービルディングに到着した。今から突入するよ」

 

 拓也さんに報告を入れ、ホリデービルディングのドアを開けると、エントランスに仮面に黒服という見るからに怪しい三人組がいた。入ってきた俺たちに気づくと、猫の仮面をつけた女が前に出てきた。

 

「なんだい、ボウヤにお嬢ちゃん。ここは今日、関係者以外立ち入り禁止だよ。デートならよそに行きな!」

 

「デ、デート……///」

 

 キヨカが何かボソボソ言ってるが、気にしてる時間はない。とりあえずおちょくってみるか。

 

「そうは言われてもねぇ。俺たち、この上に用があるからさ。どいてくんない?オバサン」

 

「オ・バ・サ・ン〜〜〜!?どうやら、痛い目にあわなきゃ分からないみたいだね!お前たち、行くよ!」

 

「「ラジャー!」」

 

 思惑通り挑発に乗ってくれた女がDキューブを展開する。フィールドはビルが並ぶ現代都市。狙撃されるまでまだ時間はあるはず…さっさと倒しちゃおう。

 

「「「デクー、発進!」」」

 

「ズール!」

 

「ジョーカー!」

 

 俺たちと敵、それぞれのLBXが投下される。バトルを始めようとした、その時だった。

 

『二人とも、聞こえるか!?』

 

 俺のCCMから拓也さんの声が響く。声色からしてかなり焦ってるっぽい。ということは……

 

『バンが見つけたアサシンは、やはりデコイだった!そして今、ハンターの照準機能でアサシンがそこの屋上にいるのを確認した!急いで向かってくれ!』

 

「そうしたいんだけど、私たちも今変な三人組に足止めされてる。多分暗殺者の仲間。私たちが相手するから、その間にバンとアミを向かわせて」

 

『なっ!?……分かった。バン、アミ!お前たちもホリデービルディングに向かえ!カズはそこに残ってアサシンを狙撃、暗殺の妨害を!急げ!』

 

 その指示を最後に通信が切れる。とはいえ、俺たちのやるべきことは変わらない。そう思いながら三人組の方を見ると、何やら顔を合わせてヒソヒソ話をしていた。

 

「……ボス。暗殺って何のことですかね?」

 

「知らないよ!とにかく、さっさと片付けるよ!」

 

 ……は?

 

「お前ら、それどういう「来るわよ」っ!」

 

 俺の疑問をよそに、二体のデクーが突撃してきた。さらには後方の一体の援護射撃も飛んでくる。こうなったら、倒して聞き出すしかないか。

 

「キヨカは銃持ちを。俺が剣持ちを抑える」

 

「分かった」

 

 弾丸を躱しつつジョーカーと二手に別れ、二体のデクーが両サイドから振り下ろした[ヘビィソード]を、竜火棍と[タワーシールド]で受け止める。こっちはダイキさんにしごかれてるんだ、これくらいどうってことない。

 限界ギリギリまで受け止めてからズールを後退させ、デクー同士を激突させる。その隙に竜火棍の一撃をそれぞれ喰らわせ、そのタイミングで飛んできた弾丸も難なく避ける。そして後ろの一体が再びズールに銃を向けた時、ビル群の陰からジョーカーが飛び出し、振り向く隙も与えずに首を切り落とした。

 

「や、やられました……!」

 

「何やってんだい!」

 

 こうなったらもう消化試合だ。まずはよそ見してる女のデクーを竜火棍でめった打ちにして破壊。残った一体は、ジョーカーに背後から袈裟斬りにされて爆散した。

 

「ぜ、全滅……」

 

「こ、こうなったら……逃げるが勝ちだよ!」

 

 あ、逃げた。切り替えも早いが逃げ足も速い。それこそ俺がダイキさんおちょくって逃げる時よりも速い。色々聞きたかったんだけどなぁ。

 ひとまず俺たちも屋上に向かおうとしたが、ちょうどその時拓也さんから暗殺阻止成功の連絡が入った。何でも俺たちが三人組と戦っている間に、カズがアサシンのライフルを狙撃で破壊し、バンとアミが屋上でアサシンを撃破したとのこと。……バンとアミが来てたの全く気付かなかったな。

 その後、屋上から降りてきたバンとアミ、狙撃地点から来たカズと合流し、俺たちを迎えに来た拓也さんの下に集合した。初めは総理を守れたことを喜び合っていたが、カズが零した一言で空気が一変した。

 

「俺、今更だけど怖くなってきたよ。相手は暗殺用のLBXだったんだ。下手すりゃ俺たちも……」

 

「言われてみれば、そうかも……」

 

「……拓也さん。教えてください。なんで俺たちがこんなことを?それに、どうして俺たちじゃなきゃいけなかったんですか?」

 

 バンの質問に、拓也さんは黙り込む。この質問に答えれば、バンたちは一時的な協力者ではいられなくなる。でも答えなければ、バンたちは絶対納得しない。しばらくして、拓也さんは意を決した表情で口を開いた。

 

「バン、君に伝えておくべきことがある。飛行機事故で亡くなった、君のお父さんについてだ。

……実は、君のお父さんは生きている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺にはその言葉が、俺たちの戦いを加速させる引き金のように思えた。




二話目いかがだったでしょうか?
次回の内容は未定ですが、少なくともエンジェルスターは飛ばします。ヒガンもキヨカも関わらないので。

ではまた、バトルスタート!
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