広「ままならないね」   作:羊の脚

3 / 3
広「笑って」

千奈「篠澤さん、どうして撮っていらっしゃいますの?」

 

広「プロデューサーの真似」

 

千奈「どういうことですの?」

 

広「プロモーションビデオに使うって、最近わたしのことを撮ってるの」

 

千奈「なんだか、篠澤さんに撮られるのは新鮮な気持ちになりますわね…いぇい♪」

 

広「ちょっと操作し慣れないけど…ほら、もっと笑って。千奈の、かわいいところを全部さらけだしてごらん?」

 

千奈「…それもプロデューサーの真似ですの?」

 

広「ううん。広さんは、自然体が一番かわいいですよ、って」

 

千奈「あ!流れるように惚気られましたわ!?」

 

 

広「あ…ごめん。また、わたしのことが好きでしょうがないプロデューサーのエピソードを披露してしまった、ね…」

 

千奈「はわわぁ…そうですわよね…結婚を約束したお二人ですものね…?」

 

広「過言ではない」

 

千奈「きゃーっ!!いいんですの!?今の音声もそれにのってしまいますわよ流出したら大問題ですわよ〜〜〜〜〜!!!!」

 

広「個人的なものだから、だいじょうぶ。わたしの好きなものだけ撮ってる」

 

千奈「あら…照れてしまいますわね。えへへ…」

 

広「いいよ…すごくかわいい。もっと出してこ?千奈のかわいいところ…」

 

千奈「…それ、なんなんですの?」

 

 

手毬「何撮ってるの」

 

広「手毬」

 

手毬「それはわかってる!なんで撮ってるかをきいてる!」

 

広「幸せそうにラーメンを食べてたから」

 

手毬「はあ!?」

 

広「手毬と一緒だとご飯が進む、ね」

 

手毬「誘わなきゃよかった。…ずぞぞ…もぐもぐ、ごくん…それ、流出させないでよ…もぐもぐ…」

 

広「安心して。口は堅い方だから」

 

手毬「はいはい…ん〜♪」

 

広「罪悪感が、一つのスパイス?」

 

手毬「…うるさいな…インタビューの真似事?広は、もっと食べたほうがいいよ。最近はマシになってきたみたいだけど、まだ全然、フィジカル足りてない」

 

広「急成長中、だけど…しょうがない、ね」

 

手毬「でも、アイドルとして足りないとは、もう言えないね」

 

広「おお…手毬が優しいことを言った。濃厚とんこつラーメンを食べてご機嫌だから?」

 

手毬「はあ?」

 

広「それともカメラの前だから?」

 

手毬「いつまで撮ってるの?店員さんに怒られるよ…」

 

 

Daトレーナー「…何を撮ってるんだ?」

 

広「レッスン室」

 

Daトレーナー「んん…?あっ、やめろ!私を映すな!」

 

広「トレーナー」

 

Daトレーナー「何だいったい!日頃の仕返しなのか!?」

 

広「みて。ズームするのも慣れてきた、よ…ほら…おお、すごい」

 

Daトレーナー「やめろ!!!今日はちょっと、その、アレっていうか、やめろってば!!おいプロデューサーはどこだ!?」

 

広「怒ってるトレーナー」

 

 

美鈴「何を撮ってらっしゃるのですか?」

 

広「木漏れ日」

 

美鈴「まあ…素敵ですね」

 

広「そして、わたしの友達」

 

美鈴「ふふ。ふわぁ…」

 

広「…わたしの友達がサボる瞬間」

 

美鈴「まあ…人聞きの悪い。わたしはただ、あんまりにもお昼寝しやすそうな木陰だと思って」

 

広「星南が探してた、よ」

 

美鈴「それでは入れ違いですね」

 

 

美鈴「ご一緒にどうですか?」

 

広「ごめん。レッスンの予定があるから」

 

美鈴「さいきん、頑張ってますね。まるで、まりちゃんのようです」

 

広「ふふ。充実してる、よ」

 

美鈴「そうですか」

 

広「うん」

 

美鈴「カメラ、お好きなんですか?」

 

広「さあ。撮られたくない?」

 

美鈴「そんなことありませんよ。アイドルですから」

 

広「ぴーす」

 

美鈴「ぶい」

 

 

佑芽「広ちゃーん。何撮ってるの?」

 

広「パジャマ姿の佑芽」

 

佑芽「やーん、えっち!」

 

広「えっちなの?」

 

佑芽「美鈴ちゃんもお泊まり会、これたらよかったのにねー」

 

広「ざんねんだけど、また今度がある」

 

佑芽「そうだね!それに、今日は広ちゃん家だから、あんまり大勢だと迷惑かけちゃうもんね」

 

広「ふふ…千奈の家ほどでかくなくて、ごめんね」

 

佑芽「こうやって、お部屋でおふとん並べてるの、あたしは好きだなー。なんかワクワクするもん!」

 

広「…そうだ、ね。わたしも、ちょっとドキドキしてる。結構、落ち着かない」

 

佑芽「ね。楽しいよね!」

 

 

佑芽「今日はたくさん楽しんで、お姉ちゃんに自慢してやるんだー♪」

 

広「それなら…ほら…わたしと肩を並べて。ぴーす」

 

佑芽「わっ…へへ。いえーい!お姉ちゃん、見てるー!?」

 

広「後で送ってあげる、ね。ぜひ、わたしたちの仲良しっぷりを、咲季にみせてあげるといい」

 

佑芽「ありがとー!…ね。広ちゃん、もしかして今日、テンション高め?」

 

広「え?」

 

佑芽「えへへ」

 

広「…ん。嫌だった?」

 

佑芽「全然?おんなじ気持ちで嬉しいなーって」

 

広「自分の部屋に、誰かを泊めるの…初めて、だから」

 

佑芽「今度はあたしの実家にも泊まりに来てね!」

 

広「うん」

 

 

佑芽「それにしても、千奈ちゃん遅いね?なにしてるんだろ」

 

広「多分ママにつかまってる。特に千奈とお話したそうにしてたから」

 

佑芽「広ちゃんのご両親、すごく優しい人たちだよね!」

 

広「わたしの友達だからだと思う。パパは、プロデューサーに厳しいから」

 

佑芽「わあ〜っ、やっぱり、そういうのあるんだね…!」

 

広「おっと。千奈が来る前に、つい話してしまいそうになった」

 

佑芽「でたでたでたー!広ちゃんの恋バナ!」

 

広「まだまだ、お楽しみに、ね」

 

佑芽「いいなぁ!いいなぁ!」

 

広「ふふ…」

 

 

広「話したいこと、たくさんあるね」

 

佑芽「ねー。広ちゃんのライブの話とか!」

 

広「最前列の方で観てくれてた。忙しくしてるのに、ありがとう」

 

佑芽「すっごく綺麗だったよ!」

 

広「…可愛くはあった?」

 

佑芽「可愛くもあった!」

 

広「うん。満足」

 

 

広「見ててね、佑芽」

 

広「今は先にいかれちゃってるけど、じきに追いつくから」

 

広「楽しみにしてて、ね」

 

佑芽「…やっぱり、広ちゃんいいなあ。何をしてくるか、さっぱりわからないんだもん」

 

広「何がでると思う?わたしにも、わからないの」

 

佑芽「ゾクゾクする。とっても、楽しいね、広ちゃん!」

 

広「うん」

 

佑芽「アイドルをはじめて、ほんとうによかったね!」

 

広「…うん。そうだね」

 

広「わたしを好きでいてくれる人たち、助けてくれる人たち…対等にみてくれる人たち。大切な人たちに出会えたから」

 

広「この学園にきて、よかった、と思う…」

 

佑芽「…へへ。広ちゃん」

 

広「ん?」

 

佑芽「グータッチ!」

 

広「…」

 

広「…ぐーたっち」

 

佑芽「これからもたくさん、勝負しようね」

 

広「うん。約束」

 

 

p「たくさん撮りましたね」

 

広「自分でもびっくり。こんなに撮ってたんだ」

 

p「…」

 

広「どうしたの?」

 

p「どうして…問題行動がたくさん映ってるんですかね」

 

広「どうしてだろうね」

 

p「まったく…」

 

広「…」

 

広「そう言いながら、そんな顔で観るんだ…」

 

p「…どういう顔ですか?」

 

広「優しげな顔…」

 

p「…」

 

 

p「…過去を振り返るのもいいですが。これからのことも話しましょうか」

 

広「…」

 

p「これまで多くを成し遂げてきましたが、俺達の夢にはまだ遠い。これからもいくつもの賭けに成功してやっと、手の届く範囲に到達する」

 

広「…」

 

p「楽になることはありません。まだまだ、長く苦しくて、楽しい道が目の前を続いていますよ」

 

広「笑って」

 

p「…」

 

広「ほら、プロデューサー」

 

 

p「俺はアイドルではありませんよ」

 

広「隠さないで。かっこいい、よ」

 

p「…」

 

広「仏頂面」

 

p「…」

 

広「わたしの隣を歩いてくれる変わり者」

 

p「あのですね…」

 

広「わたしが頼りにしてる人」

 

p「…」

 

 

広「わたし、忘れないよ」

 

広「この明るい舞台で出会ったすべての人たち。感情を。何度も、何度も思い返すと思う」

 

広「わたしたちが、やってきたこと、ぜんぶ」

 

広「きっと、死ぬまでおぼえてるよ」

 

p「なんだか、終わった後のような言い方ですが。まだ満足したわけではないでしょう?」

 

広「うん」

 

p「けっこう。それでは、引き続き大番狂わせを狙ってやりましょう」

 

p「我々のままならない日々を、これからも送っていきましょう」

 

広「プロデューサーの、楽しそうな顔」

 

p「…」

 

広「変わりもの」

 

広「わたしのプロデューサー」

 

広「わたしとの毎日を、大切に思ってくれる人」

 

広「…」

 

広「わたしの、大好きな人」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

学マス Pが恋愛リアリティーショーに出てた(作者:耳野笑)(原作:学園アイドルマスター)

 恋愛リアリティーショー番組に出演した過去を持つプロデューサーと、それを知ってしまった担当アイドルの話。▼ 同タイトルでpixivにも投稿。


総合評価:514/評価:8.67/完結:3話/更新日時:2025年08月08日(金) 00:05 小説情報

テスカになって冥界で魂を導く話(作者:ナイ神父)(原作:Fate/)

▼此処はミクトランパ、なんの因果か死後に冥府の神に成った男は今日も冥府にて死者と語らい魂を導く▼だがここに来る戦士は皆違う世界の存在で…?▼・作者が思いついた死んでほしくかったり諸々様々な作品の人を冥界でテスカトリポカ成り代わり主が導く話です▼・その都合上多重クロスオーバータグを付けていますが各々のシリーズではテスカトリポカ以外は他作品と繋がることはありませ…


総合評価:5612/評価:8.59/連載:7話/更新日時:2026年05月23日(土) 23:10 小説情報

英雄になれない元勇者(作者:ダンまち=スキー)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

異世界に召喚されて邪神を討ち滅ぼした勇者。▼しかしそんな彼を待ち受けていたのは元の世界に帰れないという最悪の結末。家族にも友人にも会えず絶望していた彼に対し、それを哀れんだ女神が提案したのは、本来なら存在したナニカが失われた不完全な世界への転生。▼主人公(ベル・クラネル)の存在しない世界で主人公(ベル・クラネル)と同じ容姿を与えられた元勇者は、英雄を目指し迷…


総合評価:6007/評価:8.15/連載:26話/更新日時:2026年06月01日(月) 09:10 小説情報

ヘイズさん、結婚してください!(作者:ねをんゆう)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

ヘイズさん最高!ヘイズさんLOVE!愛してる!結婚して!▼美少女治療師ヘイズ・ベルベットに出会ってしまった少年は、今日も今日とて彼女の元へと直走る。▼好き好き大好きヘイズさん!▼384回振られても諦めない彼と、流石にあしらい慣れてきた彼女。▼そんな2人がイチャイチャ(?)してるだけの話。


総合評価:12197/評価:9.01/連載:17話/更新日時:2026年06月25日(木) 00:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>