実際のルビコンの生活が分からないので捏造なのと、原作との矛盾が生じたら爆散する予定です。
〈登録番号、Rb23。識別名、レイヴン。貴方の実績情報が更新されました。これより貴方には、“ログハント・プログラム”への参加権限が付与されます。我々の指定する対象機体を撃破した際には、その戦闘ログを送信ください。参加者には送信件数に応じてパーツ提供が行われます。奮ってご参加ください〉
輸送ヘリの居住エリア内で、自室をとして宛がわれた一室。動きやすい、いわゆる部屋着と呼ばれるキャミソールとショートパンツというラフな格好。自室の寝台の上で三角座りをしながら端末を操作する。新着メッセージを確認する。その内容はオールマインドが指定された機体を撃破し、その戦闘ログを送るというもの。これも、元手が少ない現状においては有難いものだ。
「……」
人工的に作られた指を、端末の画面の上を滑らせる。ウォルターから送られた資料のフォルダを開く。そこには、二大企業、解放戦線に関する簡略的な資料が入っていた。ウォルターの目的達成に伴い、これから相対するだろう存在を知りたい。そうウォルターに要請したところ、この資料が送られたのだ。
「ルビコン、解放戦線……」
最初に開いたフォルダはルビコン解放戦線のもの。簡略的な資料、というよりは解放戦線はルビコンⅢのレジスタンス組織だ。あまり情報が無いのが正しいとも言える。
彼らはルビコンⅢという惑星全体でゲリラ活動を行っている。ルビコンⅢそのものを束縛する惑星封鎖機構、コーラルを搾取する星外企業に対して武力で対抗している。彼らには、コーラルを資源としての目線の他に信仰的観点を持つらしい。
と言うのも、彼らという組織の頂点に立つサム・ドルマヤンという人物がいる。彼は、歴戦の軍事指導者にして、コーラル神秘主義の思想家とのこと。そんな彼の言葉を解放戦線は信仰している。“灰かぶりて、我らあり”と彼らが口にするのもその影響があるのだろう。しかし、ただの教えを縋っているだけの組織ではない。そんな彼らの足りない部分を補うかのような存在もいる。
ミドル・フラットウェル。ルビコン解放戦線の実質的戦争指導者だ。恐らくは、解放戦線が未だに武力抵抗を継続できるのも、彼がブレーンとして役割を果たしているのだろう。
アイビスの火と呼ばれる災害から生き延びた人々。どれだけ、この惑星が人が暮らすことに厳しい環境となっても、生まれ育った故郷を手放したくないという人々がいたのは想像に難くない。それ故に、封鎖機構や星外企業に対して武器を取ることを選んだのだ。少しだけ、彼らには悪いという思考が巡る。搾取され、虐げられている現状を打破したいという一心で彼らは戦っているのだから。
(……次)
次の資料のフォルダを開く。星外企業に関するものだ。ベイラム・インダストリーとアーキバス・コーポレーションの二大企業と傘下の企業の資料が入っていた。
「ベイラム、インダストリー」
ベイラム・インダストリーのファイルを開く。実弾兵装と頑丈な装甲、物量による制圧を主眼においた二大企業の片割れ。先日仕事した企業の一つだ。正確には、傘下企業の
カサブランカが使っているライフルもこの企業の製品だ。弾速、弾数、威力、リロード――。これらが全て、無難に整っている。とはいえ、少しだけ火力が控え目であるのは否定できないが、そこは他の武装で補えばいい。
「専属、AC部隊……?」
思わずその項目をタップする。ベイラム専属AC部隊、レッドガン。元々はベイラム治安維持部隊であったが、治安維持部隊のトップであったナイルが、ある人物をトップに据えたことでこの部隊が設立された。その人物こそが、先日のミッションで聞いたミシガンと呼ばれる人物だ。
かつてはファーロン武装旅団に所属し、木星戦争にも生き残った豪傑らしい。現在、ACを駆るレッドガン部隊員は六名。純粋にベイラムの人間なのはナイルだけらしく、元詐欺師、不良二名、新人と思しき編成だ。ウォルターから、あのハークラーのライセンスもまた、このレッドガンの一員だったことは言っていた。いつか、彼らとは戦場で相対することになるだろう。
「ベイラムがあるなら……」
次のファイルを開く。エネルギー兵装を主眼に置いた、量より質を重視しているアーキバス・コーポレーション。先進技術を主とした曲線的なデザイン、数々のエネルギー兵装を用いることから、ジェネレーターの性能が高い。値が張るのが少々痛いところか。アーキ坊やと呼ばれるマスコットがいるらしい。
簡単な概要に目を通し、すぐさまヴェスパーの項目にタップして開く。先日聞いた単語でもある。
アーキバスグループが擁する強化人間部隊、ヴェスパー。経歴から荒くれ者が集うレッドガンとは異なり、ヴェスパーは正真正銘のエリート部隊と言ったところだろうか。中にはアーキバス傘下の企業、シュナイダーから抜擢され、わずか半年でこの部隊に成り上がった傑物もいるが、ほとんどがアーキバス内の人間なのだろう。強化手術を受けていないとおぼしき怪物がいるのは気のせいだと思いたい。見直したが、気のせいではなかった。
(これが、全部……)
三角座りから、端末を持ちあげたまま寝台に寝転がる。この端末の中に書かれている簡略化された情報。この全てが、これから敵となる存在が書かれている。
ウォルターがコーラルを手にする。目的を果たすためには、ベイラム、アーキバス、ルビコン解放戦線。果てには彼らに雇われた独立傭兵、その全てを敵に回すということだ。しばらくは、資金繰りとこちらの実力を培うためにも二大企業に雇われ続けることになるだろう。
「なんとか、するしかない……」
疲れた腕を休めるように腕を降ろしていく。この義体は、本当に良く出来ている。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、五感の全てが再現されており、疲労も痛みも感じる。肉体と誤差が無いと言えばその通りだろう。現に、ルビコンⅢに来てから部屋着の格好は少しだけ肌寒さを感じ、機体を動かせば疲労も感じる。兵器の自分には不要だと一度ウォルターに話したことはあるが、人生を買い戻した際に少しでもズレを生じないためには必要なことだと返された。
人生を買い戻す日など、本当にあるのだろうか。自分でも、あの死んだ肉体が元通りになるとは思っていない。知らないだけで、それだけ技術も進んでいるのだろうか。先ほどのヴェスパーの資料では、十世代まで強化人間手術が進んでいたようだった。
(でも……)
肉体が元通りになったところで、自分は何をするのだろうか。何が出来るのだろうか。なにも浮かばないが正しい。兵器たる
(そういう意味では、ウォルターは残酷……)
ハンドラー・ウォルター。ルビコンⅢに来るまでの間も、慣らしとして少しだけ依頼を受けたことがある。その度に、あのハンドラーの犬、ハンドラーの猟犬、と言われる始末だった。自分自身が貶されるのは良い。ただ、ウォルターのも矛先が向いているのが納得行かなかった。
どうも、世間――と言っても裏社会ではあるが……。ウォルターは悪名高いらしい。だが、現実はそうではない。これでもかとばかりに、献身的だ。こちらの体調どころか、気分等の心理的な部分も配慮し、義体のリハビリも、オールマインドを利用する前の仮想戦闘シミュレーションは彼が構築したものだった。兵器ではなく、人として扱う。それが、ウォルターだ。
だからこそ、ウォルターが成そうとしていることに、自分が必要とされるのならば応えたい。これは、自分より前にいた617たちも同じ感情だったのだろう。故に、封鎖機構の駐屯地を襲撃するという決死の作戦を成し遂げた。文字通り、ウォルターは自分の命を捧げるに相応しい存在だからだ。その気持ちは、自分にもある。もし、彼の目的が達成された時、自分は不要として捨てられるのだろうか……
「それは、やだ……」
「621、起きているか」
ウォルターの声に身体を起こす。先ほど過ぎった最悪な考えは忘れよう。「今」は、関係ない。寝台から降り、部屋の扉を開けた。
「なに?」
「……621、その格好は冷える。丁度いい。少し買い物に出る。お前も付いてこい。多少マシな衣服くらいはあるだろう」
「……分かった」
付いてこいと言うならば付いていく。着替えようと部屋に戻ろうとすれば、扉は閉めろと注意された。
*
普段通りの衣服、の上にケープコートを羽織る。ルビコンⅢはアイビスの火の影響で寒冷化が進んでいる惑星だ。防寒対策をしなければ、寒さが脅威となる。限られた生活圏で、人は生き延び、営みを続けている。この集落も、そのようなところだった。
「……」
先を歩くウォルターに着いていく。彼から着かず離れずの距離を保ちながら、辺りを見渡す。
ルビコンⅢの土着民、ルビコニアンの露店。行き交う人々はルビコニアン以外の、恐らくは企業の人間も歩いている。独立傭兵もいるのだろうか。強化手術を受けていると言っても、人間という生物の枠組みから外れた訳ではない。生きていくには、どうしても物がいる。物を手に入れるためにも、こうして外を出歩かなければならないのだろう。
「あまり、余所見をするな」
ウォルターに小声で注意をされる。そのまま、視線を彼の背中へと向ける。
ウォルターは、杖を使って歩行する。だが、その背筋はしっかりと伸びている。単純に脚の機能に衰えが来ただけなのだろう。彼は、所謂フィクサーのような立ち回りをすることが多いが、その体付きや体幹は年齢を感じさせないものがある。何かしらの従軍経験があるのだろうか。
「おや、随分可愛らしいお嬢さんを連れているねえ。どこの企業のモンだい?」
声をかけられ、思わず振り向いた。そこには、警戒心を露わとした中年程の女性が露店を営んでいる。並べられているのは、衣服や布類のようだった。
「俺たちはそういうものではない」
「どうだか、その身なりで良く言うよ」
「……彼女の背丈に合うものを探している」
ため息をつきながら、ウォルターが露店へと立ち寄る。女性はこちらをじろじろと見ながら、衣服を探し始めた。
「お嬢様に合うものねえ」
「普通の衣類が欲しい。無ければ布地だけでも構わん」
「あらそうかい。じゃあ、これはどうだい」
彼女が出してきたのは一着の衣服。紺色のウインドブレーカーやパーカーのようなもの。少々サイズが大きい気がするが、着る分は問題無さそうだ。
「……悪くない。いくらだ」
「これぐらい」
「高いな」
「文句は企業に言うことだね」
売買の様子を見守る。特に荒事が起きることなく買い物が終わる。……買い物とは、このように緊張が走る行為だっただろうか。歩き出したウォルターに再び付いていく。
「こういうことだ。例え企業所属で無くとも、彼らからすれば見知らぬ顔は全員が敵だ。慣れぬ素振りを見せれば、標的にされる」
「……わかった」
こくりと頷く。ACが無い状態で、この義体では戦闘能力が圧倒的に低い。厄介事に関わらないためにも、毅然とするしかないのだろう。絡まれた場合、金銭で解決できれば惜しむことなく使うしかない。
緊張状態が続く買い物が継続される。露店の中には、可愛らしいお嬢さんに特別にと商品のおまけを貰う事があった。ウォルターが持ち切れない分はこちらも荷物を持ち始める。あの衣服以外はレーションや生活用品の買い足しのようだった。聞きなれない小さな通知音が鳴る。ウォルターが脚を止め、端末を確認する。そして、装飾がされた柱の前まで進んで脚を止めた。
「……ここで待っていろ」
「わかった」
そう言い残すと、ウォルターは人の流れから離れて行く。柱を背に、一人立って待つ。吐いた息が白い。体温も、この義体は再現されていた。少し離れた場所で、改めて人の流れを見る。行き交う人々は、大人が多い。子供は、見ない気がする。ただ、誰もがみな隣人を警戒しているかのような雰囲気があった。
「なあ、そこのお嬢ちゃん」
「きみだよ、きみ。白い髪のリボンが似合うお嬢ちゃん」
まさかと思い振り向くと、誰がどう見ても荒くれ者だと分かる身なりの男が二人立っていた。目線が合っていないところから、薬物中毒者の疑いが浮上する。
「お嬢ちゃん、一人でどうしたんだぃい?」
「一人は危ないぜぇ。お兄さんたちが付いていようかあ?」
面倒なことになった。ここで待てと言われている以上、離れる訳にはいかない。だからと言って、言葉で引き下がるような相手ではない。両手も塞がっていて、そもそもこの義体は肉弾戦に全く不向きだった。ちらりと周囲を見るが、この状況を遠巻きに見ている人間ばかりだった。
(どうしよう……)
考えを巡らせるにも、結論としては一人で解決するのは無理だ。ウォルターが戻るまで待つしかない。ウォルターならまだ、この荒くれ者共の対応が出来るだろう。
「なあ、お嬢ちゃん。腹減ってねえか? 付いてこい、ナマのコーラルはうめえぞぉ?」
腕を掴まれ、抵抗するにも力負けして引きずられかける。危機感くらいは感じる。このままでは、身の安全が保証されない。
「……やめて」
「怖くねえってお嬢ちゃ――」
「そこまでにした方がいい。彼女も嫌がっている」
荒くれ者の腕を掴む手。声がした方を見上げると、青みがかった灰色の髪と橙色の瞳を持つ男性の姿があった。
「あぁ? そのジャケット、アーキバスか」
「てめぇには関係ねえだろ企業サマよ?」
「確かに、こういうトラブルの対処は我々がすることではない。だが、ドーザーが子供の誘拐を行う現場を無視出来るほど、私は人でなしではないつもりでね」
荒くれ者――。ドーザーの腕を掴む男性は淡々と言葉を紡いでいく。丁寧な口調だが、その声音は鋼のように冷たい。なにより、ドーザーの体格は男性を優に超えている。それにも関わらず、腕を掴まれたドーザーは振りほどこうにも振りほどけていないようだった。男性が羽織っているジャケットには、アーキバスのロゴとヴェスパー部隊のロゴ、狼をモチーフとしたエンブレムらしきものが見えた。
(ヴェスパーの、強化人間……?)
「あまりここでは騒ぎ立てたくない。だが、そうだな……。君たちがコーラルを向精神薬として服用し、尚且つ常用できる量を保持しているとなれば――」
「わ、分かった! クソ!」
ドーザーがこちらの手を離したのを確認してから、男性も手を離した。ドーザーが逃げるように立ち去ったのを見送ってから、男性がこちらに視線を合わせるかのように屈んだ。
「大丈夫だったかい? お嬢さん」
「……大丈夫」
「それなら良かった」
先程までの鋭利な刃物だった雰囲気が一変し、にこやかな表情となる。好青年や美男子というのは、彼のような人物を言うのだろうか。
「人を待っていたのかい?」
「……うん」
「一人では危険だな……。とはいえ、ここで待てと言われているのだろう?」
こくりと頷くと、ふむと男性は考え込む素振りを見せる。先ほどのドーザーたちと違い、こちらを無理矢理連れて行くようなことはしないらしい。
「なら、君の待ち人が来るまで隣にいても構わないだろうか?」
「……何もしないなら、いい」
「ああ、約束しよう」
屈んでいた男性の背筋が伸び、こちらの隣に立った。先ほどの敵意も殺気も感じない。こちらを、本当にただの無力な子供だと思っているのだろうか。
「見ない顔だ。どこの役員のお嬢さんかい?」
「……企業とは、関係ない」
「それは……。なるほど、聞かなかったことにしよう」
企業も言わば不法侵入者だ。あの反応から、密航者も相次いでいるのだろう。本当に、ここで騒ぎを起こすつもりはないようだった。
「君は、お父さんの付き添いかな?」
返答に困る内容を問われる。ウォルターは血の繋がった父親ではない。赤の他人で、自分はウォルターの猟犬だ。彼を父と思ったことは――
「それ、は……」
どう返答したものかと悩む間に、聞き覚えのある杖と足音に思わず顔を向ける。やり取りを終えただろうウォルターが歩いてきていた。
「……失礼、あなたは?」
「お前は……。アーキバスのヴェスパーか。俺は、彼女の保護者だ」
「そうですか。なら、お嬢さんを一人にさせない方がいい。それと、身なりにも気を付けた方がいい。あなたたちのその格好は、企業役員にも見えてしまうのでね」
そそくさと、ウォルターの後ろに隠れるように移動する。ウォルターの後ろから少しだけ顔を出して男性の方を見た。
「楽しかったよ、お嬢さん。それじゃ」
目線が合ったところで、彼は微笑む。別れの挨拶をしてから、ヴェスパー所属の男性は立ち去った。
「……帰るぞ」
「うん」
歩き出すウォルターに、はぐれないように付いていった。
*
奇妙な二人組から別れ、しばらく歩いたところで足を止める。後ろを振り向けば、先程の男性と少女が歩く姿が見られた。
「まさか、本当だったとはな……」
ぽつりと、ラスティは呟く。あの男性は間違いなく、ハンドラー・ウォルターその人だ。旧世代型の強化人間を運用する、所謂変わり者。良く言えば骨董品愛好家。彼の元に拾われた強化人間は、例外無く死んでいった。彼が行ったとされる最近の悪行は、惑星封鎖機構のある駐屯地に存在する狙撃兵器を破壊したことだ。投入されたのは三機らしい。いずれも、生還に至ることは無かった。
彼がハンドラー・ウォルター本人だとすれば、あの少女も彼が新しく確保した強化人間の可能性が高い。出来れば、彼に付き添わざるを得ない事情があるだけの、ただの少女であって欲しいが……
(だが、確信は出来た)
レイヴンとハンドラー・ウォルターが手を組んだ。これは誤りだ。密航したハンドラーが何かしらの活動を行うために、レイヴンのライセンスを回収し、彼の強化人間の身分に宛がったのだろう。ナイトフォールこそは回収できたが、“彼女”のライセンス情報が抜き取られていたことの説明がつく。
ナイトフォールを乗せた輸送機を撃ち落とし、死亡を偽造することで彼女が雲隠れを行う。それを行ったのは紛れもない――
「この
彼の目的が読めない。調べる必要がある。直感だが、彼を野放しにしてはならない。そんな気がするのだ。端末を取り出し、諜報が得意な彼に連絡する。
〈どうした、ラスティ〉
「すまないな、オキーフ。調べて欲しいことがある」
〈……例の、ハンドラーとレイヴンについてか?〉
「話が早くて助かる」
〈お前が引っかかるとなれば、間違いないだろう。裏を取る〉
彼からの通信が途切れる。画面が暗くなった端末を持ったまま、空を見上げる。ここの空は、あの少女の瞳のような空色に赤い絵の具が混ざらず浮いているようなものだ。それが、当たり前だと思っていた光景だった。
(ルビコンを脅かすのであれば……)
容赦なく「狩る」までだ。本当に、あの少女が彼の猟犬たる強化人間であったとしてもだ。
錆の名を名乗る男。彼のその覚悟は、鋼鉄の意思そのものであり、狩り時を待つ狼のそれだった。
おまけ
ウォルター「ドーザーに絡まれた、か。621、これを持っておけ」
621「……? これ、なに?」
ウォルター「防犯ブザーだ。この紐を引っ張れば騒音が鳴るというものだ。救難信号が発生するようにもなっている。なるべくお前を単身にさせるつもりはないが、いざという時はいつでも引けるようにしておけ」
621「……分かった」