「どうして…………どうしてこんな事を!」
一人の少年兵が、ある村をみて膝から崩れ落ちている。数々の家は火の手を上げ、人々は地に伏して、血溜まりをそこら中に作っている。
「あいつらは、守るためじゃなかったのか!?どうして!どうして!」
少年兵は一人の少女を抱きかかえている。それは名前も知らない少女だったが、彼らが来た時は、とても暖かく迎えてくれた人たちの一人だった。
「ISが!守るための力が!どうして!命は、使い捨てじゃ無いんだぞ!」
すでに、この村を蹂躙した犯人たちはその場を去っている。世界最強の兵器、ISを使い、この村を蹂躙した、守る立場の人間たちは。
「何故だ、何故だぁぁぁぁぁ!」
少年兵はこの時から、この兵器を、命を軽く見るものを嫌って行った。
「まだだ!準備が終わるまで、この場所にひきつけろ!」
一人の青年が他の人物に、檄を飛ばしている。体格は平均的だが、顔は少し幼さが残る。
「隊長!伝令です!『クマは穴倉を作り終えた』!」
伝令兵からその報告を聞いた彼は、笑みを作り、
「よし、撤退開始!」
彼を含めて、銃を撃っていた複数人が撤退を開始する。
時に、振り向いて、機銃を掃射して、また走る。
「くっ!?貴様らに意地というものは無いのか!」
銀の長髪に、眼帯をした人物が彼らに向かって、叫ぶ。だが、
「悪いね、そんなくだらないもんで命投げ捨てるほど、あたしらは軍人できてないのさ。」
赤髪の、軽装の女が反論し手榴弾を投げる。だが、銀髪の人物のまとっているものには傷一つついていない。
彼女が纏っているものは、IS。現行兵器を全て凌駕し、あっという間に世界になくてはならないものとなったマルチフォーム・スーツ。
それの機能の一つ、スキンバリアーにより、傷一つついていない。
「こんなものでは!」
だが、爆風に紛れて、殆どの人物はその場から姿を消している。
「くそっ!何処に!?」
彼女が姿を消した彼らを見つけようと周りを見渡す。すると。
「ぐっ!?」
彼女を衝撃が襲った。弾を見ればマテリアルライフルのホローポイント弾。
「くっ!?舐めた真似を!」
撃たれた角度を計算してその方向に彼女は向かう。その様子をみていた彼は、ニヤリと笑っている。そして、あるポイントに彼女が着いた瞬間
「なぁ、ISっていうのはあれなんだろう?圧倒的な攻撃力、防御力をもち、戦闘機以上の機動性と航空能力をもち、既存兵器を全て凌駕する世界最強の兵器………
なら、こういうのはどうだ?」
彼女のすぐ近くで、甲高い電子音が鳴り響く。彼女はそれに気づき顔を歪める。がもう遅い。
「しまっ!?」
爆風がその場を支配した。彼女がかかってしまったのはセンサー式の機雷。赤外線センサーを搭載している以外はごく普通の機雷。それでも足止めには十分だった。
「止まったぞ、やれ!」
彼が叫ぶと一人の隊員が何かの起爆スイッチをおす。そして、外ではさらに爆発が複数回起こる。
「迫撃砲準備!大口径劣化ウラン焼夷弾!てぇー!」
インカムに向かって叫ぶ。そして、別の場所で戦列を並べた迫撃砲が火を吹く。爆風の嵐にさらされる、機体。通常の軍人ならばやりすぎだと言うだろう。だが、彼らにとってはIS相手ならこれが普通なのだ。
「クレイモア爆雷、80発同時点火に加えて、迫撃砲五列による大口径劣化ウラン焼夷弾の並列継続爆撃。耐え切れるものなら耐え切ってみろ」
数十秒後、ポイントにはISが解除され気絶した彼女が倒れていた。
「模擬戦終了。」
彼の部隊から歓喜の声が上がった。
「っしゃぁぁぁぁぁ!さっすが隊長!」
「うちの隊長は世界一ィィィィィィ!」
「まあ、今回はバカの様に引っかかってくれたからねぇ。」
基地内の大広間、といっても少しばかり広いだけの会議室なのだが、にて、ささやかな祝勝会が行われていた。
「だが、今回のようなことが続くとは思えん。全員気を引き締めていくぞ!」
「「「「「「おお!」」」」」」
隊長である彼が、喝を入れる。彼の名前は、シロー・アマダ。この部隊、第八多目的特殊遊撃部隊、通称"08小隊"の隊長である。そして、彼の隣にいる、赤毛の女性、カレン・ジョシュア。そして、体格の良い男。テリー・サンダース。そして、その他優れた才能と個性を発揮する隊員たち。この部隊はある特徴がある。それは
全員がIS、"インフィニット・ストラトス"を嫌っていた。