IS 08小隊   作:elf5242

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さて、この話で、誰かさんがお亡くなりになります


第12話

「キキ、本当なんだね?あの日の帰り際、篠ノ之 束が織斑千冬と話して居たってのは。」

 

「うん、遠目で大体の口の動きしかわからなかったけど」

 

「あぁ、これで少しは…………」

 

「希望が見えて来たってもんだな…………」

 

「良しっと!なら、もう少し頑張りますか!」

 

「「「「「「「おお!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

08小隊の面々が密かに行動している頃。所変わってIS学園では、文化祭が行われていた。外部からも人間が来る大型の文化祭である。

 

「…………」

 

シローもこの中にいた。本来は彼が来ることなどなかったのだが、ある情報が入ったためにここに来たのだ。もちろん、光学迷彩でだが。

 

(さぁ、織斑一夏を張っていれば必ず出て来るはず。早く来い!)

 

そして、一夏とその手を握り、何処かへ入って行く金髪の女性。

 

(来たか!)

 

シローは、彼ら二人の後をつけるように移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、この機会に白式をいただこうかと思いまして」

 

女、巻髪礼子はそう言うと背中から装甲脚を出現させる。反射で一夏も、白式を展開する。

 

「なんなんだよ!あんた!」

 

「うるせぇ!おとなしくしやがれ!ガキ!」

 

オータムと名乗った女は、アメリカの第二世代、アラクネを駆り、一夏を強襲する。

 

「このっ!」

 

アラクネの射撃をよけ、雪羅を有線で撃ち出す。

 

「あめぇんだよ!」

 

撃ち出されたそれを避け、ワイヤーを手で掴み一夏を引き寄せる。

 

「うわぁ!?」

 

「オラァ!」

 

装甲脚で思い切り、一夏を殴りつける。思い切り壁まで吹き飛ばされ、さらにエネルギーワイヤーで捕縛される。

 

「さてって、後はこいつを」

 

オータムが懐から何かを取り出す。円柱状の何か。先に蜘蛛のようにアームがついている。

 

「なんだよ…………それ」

 

「ああ?こいつか?こいつぁ剥離剤(リムーバー)つってな。こいつが起動すると操縦者とISが強制的に剥離されちまうんだよ」

 

オータムが剥離剤を一夏に近づけたその時。剥離剤がビームによって撃ち抜かれる。

 

「何!?」

 

「……誰だ?」

 

このタイミングでのビーム兵器。オータムが後ろを振り向くと、

 

「亡国機業のエージェント、オータムだな?」

 

「んだよ?」

 

「戦神…………」

 

一夏はほうけ、オータムは突然現れた戦神、シローに怪訝な顔をする。

 

「お前に一つ聞きたいことがある。」

 

「んの前によぉ、よくも良いところを邪魔してくれやがったな?てめぇで憂さ晴らししてやる!」

 

オータムはシローに向けて装甲脚の銃口を向ける。そこから弾丸が吐き出される。シローもバルカンと胸部機銃でその弾丸を撃ち落として行く。

 

「ちっ!ならこれだぁ!」

 

オータムが両腕にカタールを展開。装甲脚も交えて攻撃を加えて行く。

 

「ふん!」

 

シローもビームサーベルを両大腿部から抜き放ち、カタールと装甲脚をいなして行く。

 

(ちっ!厄介だ、あの出力と熱量じゃあ、アラクネのエネルギーワイヤーもすぐ切られちまう)

 

「オラァ!」

 

「おおお!」

 

装甲脚をオータムが突き出す。それをアクロバットな軌道でかわしつつ、その突き出された装甲脚を斬り飛ばす。

 

「ちっ!てんめぇ!調子にのんなぁ!」

 

先ほどよりも攻撃が激しくなる。シローもビームサーベルで対応して行くが、取りこぼすことが多くなり、徐々に攻撃を受けて行く。

 

「…………」

 

シローは不利と判断。一瞬の隙にオータムを蹴り飛ばし、距離を取らせる。さらにガトリングシールドを展開。続けざまにオータムに撃ち込んでいく。

 

「ちっ!オラァ!」

 

オータムも両手にマシンガンを展開、シローに向かって連射していく。シローも空いた片手にマシンガンを展開、壮絶な射撃の応酬が繰り返される。

 

「…………」

 

不意にシローがマシンガンを投げ捨てビームライフルを展開。さらにガトリングシールドのガトリングをパージ、ビームサーベルを抜き打ち回転させながら投げつける。

 

「あぁ!?今更こんなもんに当たるかよ!」

 

投げつけたビームサーベルは当然のごとく避けられる。当たり前だが投擲武器にFCSによる補助はきかない。別にシローは、当てようと思って投げたわけでは無い。真の目的は他にあった。

 

「もらったぜ!」

 

オータムがシローに突撃して行く。シローは冷静にビームライフルを構える。狙いはオータムではなく、今だ回転しているビームサーベル。

 

「ビームのエネルギーは?」

 

『余裕です!マイマスター!』

 

その言葉を聞くとシローは躊躇なく引き金を引いた。それはオータムのアラクネの側頭部をかすめてビームサーベルに当たる。そして、回転しているビームサーベルにより、ビームライフルが反射、拡散して、オータムを背後から襲った。

 

「な、なにぃ!?」

 

拡散されたビームにより、スラスターと装甲脚の何本かが使い物にならなくなる。

 

「はぁ!」

 

オータムが唖然としている間にさらに残りのビームサーベルで、残りの装甲脚をお釈迦にして行く。

 

「く、そぉ!」

 

オータムが苦し紛れにカタールを振るう。その腕をシローは容赦無く、一片の悔いなく斬り飛ばす。

 

「が、あああああ!」

 

「お前に聞きたいことがある」

 

シローはアラクネの顔全体を覆うメット上のパーツを掴む。そして、アラクネに画像が送られてくる。

 

「この家族、特にこの女の子を知っているか!?」

 

ヘッドパーツのしたで憤怒の表情を浮かべているシロー。束の情報に間違いがなければ、キキの家族を殺したのはオータムなのだ。

 

「このガキッ…………!あぁ、なるほどなぁ!敵討ちって訳か!いやぁ、良い声で無いてくれたぜ?あのクソガキの家族はよぉ!『助けて、助けて』ってよぉ!それもぉよぉ、あのクソガキの目の前で殺してやったんだよ!このアラクネでよぉ!あはは!久々に濡れちまったぜ!ぎゃはははは!」

 

一夏も唖然として居た。今目の前にいるオータムは、何の罪も無い普通の人間をISで嬲りごろしにしたのだ。

 

「そうか…………」

 

シローは答える。ひどく冷静で、ひどく冷淡な声で。

 

「貴様には生きている資格も無いとは俺には言えん。かと言って貴様は通常の法では捌けない…………だから、俺が裁く!」

 

シローが右腕を振り上げる。なぜそうしたかはわからないだが、唐突に右腕を振り上げた。すると、右腕に黒い粒子が集まる。武器を展開する時のミントグリーンの粒子ではなく、どこまでも黒い、闇色の粒子。

 

『マスター…………』

 

そして、コアネットワークのEz8コア人格の領域、少女が黒いものの前に立っている。

 

『私も…………戦います!』

 

少女はその黒いものに右腕を突き入れた。

 

「なんだよ…………あれ……」

 

黒い粒子が晴れるとそこには白い装甲には否応でも目立つ、右腕の三分の一ほどを覆うほどの大きさの黒いナックル上のパーツ。

 

「…………貴様の悪運もここまでだ、お前に悔い改める時間は…………やらない」

 

そして、ナックル上のパーツが、展開する。それは口を広げた獣。開かれたナックルの内側は金色の牙状の刃が、まるで、本当に口を広げた獣のようである。そして、それが超高周波振動し、獲物を喰らうため咆哮を上げる。

 

「何する気だ!」

 

一夏は叫ぶ。オータムは口を開け棒然としている。シローは一夏に、ひどく冷たい声で

 

「いいか、よく見ておけ」

 

シローはその咆哮を上げる牙を、振り上げ、

 

「やめろ…………」

 

「これが力と快楽のみを求めた者の」

 

オータムを真紅のツインアイで捉え、その下では冷たく睨みつけ、

 

「やめろぉぉぉぉぉ!」

 

「末路だ」

 

思い切り、その牙を振り下ろした。

 

 

 

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