IS 08小隊   作:elf5242

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この作品のマドカは礼儀正しいです。


第14話

「戦神…………!」

 

一夏は、アリーナで訓練に没頭していた。ターゲットは普通だが今の一夏には、戦神、シローに見えていることだろう。

 

「落ちろ…………」

 

雪羅の荷電粒子砲『月穿」で撃ち抜く。

 

「落ちろ!」

 

雪片でターゲットを切り裂く、

 

「落ちろぉ!」

 

雪羅のクローでターゲットを粉砕する。

 

「まだだ!まだぁ!」

 

狂ったように訓練を続ける一夏。彼の脳裏には昨日の出来事が、あの映像がリピートで繰り返され、こびりついていた。

 

(二度と、あんなことさせねぇ!)

 

「まだまだぁ!」

 

今日も日がくれるまで、一夏はアリーナを飛び回った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあやあ、しっくん。前回はお疲れだったねぇ。いっくんも少しばかり教育してくれたみたいだし、束さん大助かりだよ〜」

 

ニコニコと満面の笑みを浮かべて束はシローに近づく。

 

「それより、次の仕事はなんだ?次に亡国機業がしかけてくるのはいつなんだ?」

 

「んもう、せっかちだなぁ。次は多分キャノンボールファストだねぇ。そこでしっくんにはぁ、はたまた敵さんの見敵必殺をお願いしたいなぁ?」

 

シローは何も言わずに首を縦に振る。

 

「うん!よろしい。一応その次のお仕事も言っておこうか。また、ゴーレムのデータ取りかなぁ」

 

ため息を吐きつつも、首を縦に振るシロー。

 

「んじゃ、お仕事報酬特別ボーナスぅ〜」

 

束が、端末にある情報を、送信する。シローはその情報に目を通したあと、驚愕する。

 

「…………っ!バカなっ!」

 

「ちなみに、これは今日の朝に出された命令らしいよ?」

 

「あの人がこんな命令を下すわけが無い!ならば軍上層部か!」

 

シローは奥歯を噛み締めながら言う。束から渡された情報は…………。08小隊の前線配備命令だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、オータム…………」

 

あるホテルの一室である。金髪の女性が窓に手を当て、空を見ながら恋人の名前を呼ぶ。

 

「待ってて、すぐに仇はとってあげる。」

 

彼女、亡国機業実働部隊幹部、スコール・ミューゼルは恋人にそう告げると自分の機体を展開する。金色のその機体は、彼女の愛機。名前を、ゴールデン・ドーン。

 

「M?」

 

「どうした?」

 

「貴方は作戦を遂行して頂戴」

 

「お前はどうするのだ?」

 

「オータムの弔い合戦よ」

 

機体を再度戻してから、部屋を出て行く。Mと呼ばれた少女は、ため息を吐く。

 

「敵討ちなど…………いくらヴァルキリーといえど、死ぬぞ?まあ、私には関係の無いことか」

 

そう言って、Mも部屋を出て行く。彼女は自分に言い聞かせた。"私は弾丸だ。目標に向かってまっすぐ飛んで行くだけ"と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、やはり前線配備か。」

 

「しっかしまあ、こうして生きてるだけでもねぇ」

 

08小隊隊舎、彼らは前線配備が決まった後ものんびりとしていた。前線配備など彼らにして見れば、今更、と言った雰囲気である。

 

「前線か…………隊長に何て顔向けしたら…………」

 

テリーが項垂れて、顔に手を当てて言う。

 

「まあ、ちゃっちゃと終わらせて帰ってくれば良いのさ。」

 

カレンは前向きに捉えている。顔は苦笑いだが。

 

「さて!行くよ!さっさと終わらせて帰ってくりゃ良い話だ!」

 

「「「「「「おお!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャノンボールファスト。それはISによる超高速のレースである。モンド・グロッソの正式競技の一つであるため、操縦者には必ず通る関門だと言える。

 

「ふう、おし!」

 

一夏はほおを叩く。IS学園の行事の一つキャノンボールファスト。今はその専用機部門である。そして、それがもうすぐ始まろうとしている。そして、

 

「レディー…………ゴー!」

 

シグナルが青になり、全員が一斉にスタートした。キャノンボールファスト、全員が高速戦闘仕様にしている。その遥か上空では、

 

(くそっ!早く向かわなければ!)

 

Ez8がビームライフルとシールドを装備して、その様子を見ていた。

 

「ここからあそこまでは何分で着く!?」

 

『だいたい全速力で飛ばせば10分ほどかと』

 

「ちっ、何事もなければいいが…………」

 

シローのその危惧は、シローの想いとは裏腹に実現することになる。

 

『マスター!機影確認!…………イギリスのサイレント・ゼフィルス!」

 

「ちっ!このクソ忙しい時に!」

 

どうやら彼方もこちらを捉えているらしい。その時彼方のゼフィルスからプライベートチャンネルで通信が入る。

 

『戦神か、お初にお目に掛かる』

 

「何のようだ?」

 

『聞いてくれるなら話が早い。私は今、貴方と敵対する理由が無い。それゆえ、私はこのまま帰るつもりだ。』

 

「なるほど、見逃せ、と言うことか…………」

 

サイレント・ゼフィルスが自前のレーザーと実弾のハイブリッドライフル、『スターブレイカー』を収める。

 

「なるほど、敵対の意思なし、か…………」

 

シローもビームライフルを収める。

 

「だが、信用は出来ないな。俺はある人に頼まれてここにいる。お前は、俺があそこに集中した途端に後ろから襲うかもしれん。」

 

『なるほど、ならばこれで信用できるか?』

 

ゼフィルスのパイロットがバイザーに手をかけ、外す。シローは驚く、彼女の顔は織斑千冬と同じだったのだから。

 

「…………、なるほど、ならば俺も其れ相応の態度を見せなければいけないな」

 

シローもヘッドパーツに手を掛ける。今度は彼方が驚く番だった。戦神の正体が男などと誰が想像できようかと思っていたから。

 

『…………まさか…………』

 

「さっさと行け、今の俺は非常に機嫌が悪い。後この事は他言無用だからな。」

 

『…………なるほど、痛みいる』

 

すると、両名のハイパーセンサーに大量のIS反応が灯る。

 

「ちっ!面倒臭いことに!ゼフィルスのパイロット!早く行け!」

 

『すまない、ーーーこの借りはいつか…………』

 

「さっさといけと言っている!」

 

サイレント・ゼフィルスが急かされるようにその場を離れる。シローはビームライフルの確認をすると、ヘッドパーツを元に戻す。

 

「仕方が無い、五分だ!」

 

反応は打鉄四機、ラファールリヴァイブ四機。おそらく学園の教師たちだろう。

 

「大人しく投降してくれるとありがたいんだが…………」

 

「この数の差はひっくり返せないでしょう?」

 

シローはゆっくりと周りを見渡すと、

 

「御託は良い、とっととかかってこい。」

 

その言葉と共に、教師たちはシローに挑んで行った。

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