IS 08小隊   作:elf5242

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セカンドシフトお披露目。そして、シロー専用無人機、そして、ある武装を魔改造しています。内容はおいおい。そして、キキが…………。


第16話

「くそっ!?」

 

シローは極東基地へとスラスターを最大でふかしていた。

 

『足止めするから向かって。新しい無人機も使っていい』

 

そう言われて、駆逐艦隊へと向かっている。そして、シローに追従する3機の無人機。一機は水色で全身に菱形のユニットをつけ、手にはヒートサーベルを持っている。もう一機は、猫のような見た目に肩のユニット、もう一機はグリーンに頭部にレール状のラインアイ、そして、機体を超えるほどの大きさの巨大なランチャー。束がシロー専用に開発した、いわばシローの露払い的な役目を担う無人機、ガッデス、ガラッゾ、ガデッサである。

 

「…………」

 

ガデッサのラインアイが点滅し、射程に入ったのを確認。その巨大なランチャーを構える。

 

「なるほど!ならば!」

 

3機はガデッサを置き去りにし、先行する。ガデッサは3機が射線上に入らないよう移動し、ランチャーを構える。ランチャーの砲身が三方向にスライドし、チャージを開始する。ランチャー自体にジェネレーター、さらに両肩のコンデンサーからもエネルギーが供給されるため、チャージ時間はかなり短い。その時間、衝撃砲の最大出力を貯める間に、このランチャーの最大出力が二回撃てると言うから驚きである。

 

「…………」

 

早くもチャージを終えたのか、ガデッサのラインアイが点滅し、内部のFCSが照準を合わせる。そして、引き金が引かれ、赤色のビームが艦隊に向けて放たれた。

 

「間に合えぇ!」

 

シローはその間もスラスターを全力で吹かす。ガラッゾ、ガッデスもそれに2〜3m離れて追従する。

 

「来たな!」

 

「やはり来るか!"戦神"!」

 

「邪魔だ!どぉけえ!」

 

シローの進路を打鉄二機が阻む。シローがビームサーベルを引き抜こうとした瞬間、ガラッゾが急加速、前に躍り出る。そして、両の手の全ての指先からビームサーベルを出し、二機に斬りかかる。

 

「なに!?」

 

「なんだこいつ!?データにはなかったぞ!?」

 

二機を吹き飛ばしたガラッゾはシローの方を振り向きEz8と同じ赤いツインアイでみると、頭部を進路先に向け、再びシローを見る。

 

「先に行け…………、わかった!」

 

シローとガッデスがガラッゾをおいて行く。ガラッゾはそれを見届けると、打鉄の方に振り向く。

 

「やってくれる!」

 

「二対一、粉微塵にしてあげるわ!」

 

打鉄二機が近接ブレードを構える。ガラッゾはビームサーベルを収め、両の手に装備されたスパイクを構える。そのスパイクは、僅かに赤い光を放っていた。

 

「もう少し…………もう少しで…………!」

 

シローとガッデスはスラスターを全力で吹かす。もう、ぼんやりとだが視認できるほどの距離まで来ている。艦隊は既に基地の目と鼻の先にいた。

 

「やらせるかぁ!」

 

瞬間加速で、一気に艦隊との距離を詰める。ガッデスもそれに続き、それと同時に両肩と腰についている菱形のユニットを切り離す。そして、切り離されたそれらはガッデスの周りを飛び回る。

 

「…………!」

 

ガッデスがヒートサーベルで艦隊を指すと、菱形ユニットは、先からビームサーベルを展開し、艦隊に襲いかかる。

ガッデス自身も、ヒートサーベルやバルカンで艦隊を攻撃する。

 

「おおおおお!」

 

マシンガンと胸部機銃、頭部バルカンを乱射して、次々と艦橋や武装を破壊して行く。

 

「みん…………な…………?」

 

艦隊を抜け、基地のど真ん中に来たシローが見たものは、瓦礫と化した何かだった。

 

「なん…………で…………」

 

シローには目の前の風景が理解できていなかった。自分が帰る場所がこの世の何処よりも暖かい穴ぐらが、只の瓦礫と化していた。

 

『…………!マスター!生体反応が!』

 

それを聞いたシローはその場所に行く。そこにいたのは、見覚えのある人物、小柄な身長に明るい赤毛。そして、シローがあげた、08小隊のラフな軍服。シローはEz8を解除し、その人物に駆け寄る。

 

「キキ…………、キキ!」

 

「…………隊長?何処?」

 

「お前…………目が!?」

 

「何処ぉ!?隊長!何処なの!?」

 

シローはキキを離すまいと、しっかりと抱きしめる。

 

「ここだ!ここにいる!」

 

「隊長…………!隊長ぉぉ…………!」

 

キキが涙を流す、その涙は、透き通っておらずに、紅く染まっていた。

 

「死んじゃったよぉ…………、みんな…………死んじゃったよぉ!」

 

キキは大声で泣く。

 

「カレンは!カレンは何処に!?」

 

「まだ、艦隊の中。でも他のみんなは…………ヒック…………」

 

シローは艦隊の方を見る。見ればガッデスとは反対方向の場所で爆炎が上がっている。

 

「はぁ、はぁ、」

 

カレンが陸戦型ガンダムを駆り、艦隊を攻撃していた。ヘッドパーツの下では、怒りの表情が浮かんでいる。

 

「だぁぁぁぁぁ!」

 

別の駆逐艦に飛び乗り、ビームサーベルを艦橋に突き立てる。

 

「沈みなぁ!」

 

その艦橋を180ミリキャノン砲で吹き飛ばす。そして、そこからまた別の艦に砲撃する。

 

「カレン…………」

 

シローは、キキからゆっくりと離れると艦隊の方に向き、歩き出す。

 

「隊長?」

 

「待っていろ…………キキ、すぐ終わらせる…………」

 

そして、シローはEz8を展開する。

 

『マスター…………、マスターが言うなれば!』

 

コアネットワーク、Ez8の領域、少女は黒いものに手をかざすと黒いものが、飴玉程度の大きさになる。それは少女の掌に乗る。すると、周りに切り裂いたはずの目が復活する。

 

『マスターのために!』

 

そして、少女はそれを喰らう。そして少女から大量の黒い粒子が吹き出す。服は黒いノースリーブのワンピースに変わり、髪も黒に変わる。

 

『はぁ…………、マスター…………』

 

少女の右手にはオータムの命を奪ったあの黄金の牙『アームドアーマーVN』が。左手には、手首から肘にかけて固定されるように、大剣らしきものが備え付けられている。

 

『マスター、参りましょう。そして、今こそ私たちを始めましょう!』

 

そして、背中には羽のようなものがあった。

 

「こいつは本来、Ez8・アナイアレイトと言うらしいが…………もうこいつはEz8と言う名前は似合わないな。」

 

変貌した機体。突然変異。そして、分岐した負のセカンドシフト。行くはずの無い消滅するはずの選択肢。

Ez8は見違えるほど変化した。まず、装甲がくすんだ白から、闇のような黒に変わった。次に頭部、あの特徴的な赤いツインアイは失せている。次にEz8の面影がほとんどない。名残といえば胸部装甲の薄れた8の文字くらいである。右手にはオータムの命を奪った『アームドアーマーVN』。左手にはトンファーのように大剣が固定されている。そして、最大の特徴が、一対の羽のように固定されたユニット。

 

「こいつは…………」

 

シローは艦隊の駆逐艦の一隻に向かって飛び、艦橋との距離を詰めると、アームドアーマーVNを展開、艦橋の司令室に向かって振り下ろす。

 

「こいつは…………『グリフィネス』。ユニコーンガンダム『グリフィネス』」

 

シローは艦隊に指を差すと、

 

「やがて日の光も失うだろう。運命はお前らを駆り立てた」

 

咆哮を上げ、ユニットを広げたその姿は、幻獣グリフォンを垣間見るのに相応しかった。

 

「は、ははははははは」

 

艦隊の隊長は、顔を引きつらせ、枯れた笑い声を上げた後に、大急ぎで艦橋の司令室を出て行く。

 

「逃げるか…………、だが逃がさん。」

 

シローは左手を前に出す。すると左の大剣が稼働。持ち手らしきところが左腕にかぶさる。そして、それが上下に展開、上のパーツがスライドし前に出る。装甲が元あったところからは、紫色の光を放つパーツがあった。

 

「…………ふん」

 

そこからビームが撃ち出される。ビームは雷状になり、海を切り裂き、艦橋を切り裂き、そして、逃げようとした隊長を消し飛ばした。

 

「…………ぅおおおおおおおおお!!!」

 

シローは喉が潰れんばかりの咆哮を上げる。

 

「なんだい…………ありゃ…………」

 

「た、隊長?」

 

キキとカレンはその様子を見ていた。カレンは恐怖を、キキは、哀しみを抱きながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうシローは、彼は戻れなくなる線を越えたのだった。

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