IS 08小隊   作:elf5242

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最終話です、平坦じゃなかった。でも、楽しかった。ではどうぞ


第25話

コア人格 アニュー・リターナーによる戦況報告。

 

現在のこちらの被害。

 

レグナント中破

 

以上。

 

撃破数、およびコア回収数。

 

462個

 

機体撃破数

 

459機

 

敵残存機体。

 

ミステリアス・レイディ 更識楯無

 

打鉄弐式 更識 簪

 

暮桜 織斑千冬

 

甲龍 鳳鈴音

 

紅椿 篠ノ之箒

 

アプサラスⅢ ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

以上。

 

 

 

 

 

機密情報。

 

アプサラスについて。

 

アプサラス。ドイツ軍開発の超弩級殲滅型機体。武装は機体中央に超大型の出力可変型荷電粒子砲を一門装備。その見た目の通り、全世界の全機体の十倍の大きさを誇る。この機体にはコアが三つ使われている。

また、合計三つの超大型の球状PIC出力装置に加えて、内部に超大型のジェネレータを二つ装備。さらに機体下部にプロペラントタンクを搭載。マニピュレーターは装備されていない。だが、最大出力で荷電粒子砲を撃つ時は、大型の安定脚ユニットを展開して、機体をPICとともに支える。

安定脚ユニットはAICを常時放っている。そのため安定脚への実弾、及び実態攻撃は不可。

さらに機体表面に電磁フィールドが確認。恐らく、超長距離からの狙撃によるビーム射撃も不可。必然的に本体への実体格闘に有効になると思われる。

登場者は、ドイツ軍特殊部隊『シュヴァルツァ・ハーゼ』隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒと確認。

 

追記事項

最新情報更新。完成型ヴァルキリートレースシステムを搭載している可能性あり。注意されたし。

 

以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始まったね……………」

 

『そうですね、シャル様。』

 

海辺でシャルロットとその隣にいる赤毛の男。コア人格、デヴァイン・ノヴァ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで……………最後なんだよね?」

 

『多分そうだと思うよ、キキ?』

 

ある建物の中では、キキと、紫髪の中性的な顔の人物。コア人格、リヴァイヴ・リバイバル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっとこれで……………終わるか。」

 

『そう……………ね。』

 

荒野では、カレンと金髪の中背の女の子。コア人格、ルイスハレヴィ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、マスターの最後だ。誰にも邪魔させるんじゃないよ!』

 

『わかっている。』

 

そして、密林の近くで、シローを見ている緑髪の女と、赤毛の男。コア人格、ヒリング・ケアとコア人格、ブリング・スタビティ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、やっと始まったよ。ちーちゃん。」

 

「なんだ……………あれは……………?」

 

そして、激闘を繰り広げている織斑千冬と篠ノ之束。

 

ほぼ全員がシローの戦闘を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ!」

 

『近づけませんねぇ……………』

 

シローとグリフィネスは冷や汗を流していた。

 

『アニューの情報だと、遠距離からの狙撃は無理っぽいですし、』

 

「かといって、これを使うのもな。どうぞ狙ってくださいと言っているようなものだ」

 

シローが背中のアームドアーマーDEに目をやる。

 

「それに、あれは有人機だ。しかも」

 

『マスターがあの時期に唯一心に残った人……………ですよね』

 

「……………ノーコメントだ。」

 

シローは真っ直ぐにアプサラスを見つめる。

 

「いくぞ!」

 

一気にスラスターを吹かして、肉薄する。

 

「ハァァァァァ!」

 

アームドアーマーVNをその巨体に向かって振るう。だが、中央部の砲門に光が収縮し始める。

 

「チッ!」

 

すぐさま、急上昇して、それの範囲外から逃げる。一拍遅れて、眼下の密林の木々が広範囲にわたり、消し飛ぶ。

 

『な、何て馬鹿げた……………』

 

「早めにケリをつけなければ……………!」

 

シローは再び上空から、落下するように、アプサラスに強襲する。

 

(真上からならば、対応は出来まい!)

 

アームドアーマーBSをバスターソードで展開して、振り上げる。

 

「……………」

 

そのバスターソードの切っ先は、アプサラスの装甲に、突き立てられる事はなかった。

 

『まさか!?』

 

「これは……………AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)!?」

 

『嘘っ!?アニューの報告書にそんなのなかっ……………!?マスター!』

 

「……………っ!しまった!」

 

正面を見れば、砲門にエネルギーが収束していた。

 

『Iフィールド、全開!』

 

収束された光がグリフィネスを包んだ。

 

「……………」

 

眼下の密林の木々がさらに広範囲にわたり消し飛んだ。煙があちこちから上がっている。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……………」

 

『Iフィールド全開で……………これですか……………』

 

グリフィネスが煙から姿をあらわす。全身の装甲はボロボロになっている。アームドアーマーDEは片翼が失われ、頭部は半壊し、顔が見えている。

 

「だが、これで……………」

 

キィィィ、と甲高い音を立ててアームドアーマーVNが熊手状に展開する。

 

「終わりだ……………」

 

それを装甲に突き立てて、

 

「はぁ!」

 

一気に引き剥がす。そこには、

 

「少佐は……………返してもらう」

 

シローは、搭載されている3つのコアとともに、ラウラを引きずり出す。

 

『バーストモード……………!』

 

残った片翼のアームドアーマーDEと、アームドアーマーBSを展開し、エネルギーを集中させる。そして、楯無とぶつけ合った時の数倍の大きさとなる。

 

「これで……………本当に……………終わりだ……………」

 

ビームが球状に収束していく。

 

「『だぁぁぁぁぁぁぁ!』」

 

アプサラスその巨体が、光の球体により、消し飛んでいく。ボロボロの片翼のアームドアーマーDEを羽ばたかせ、ラウラを抱えて、飛んでいく。

 

『はは……………やっと終わった……………』

 

「これでようやく……………ぐっすり眠れるねぇ……………」

 

『あはは……………でも、少しばかり寝てもいいんじゃない?』

 

「ははっ、なら、少しだけ寝ることにするよ。また起こしてくれるかい?」

 

『いいとも』

 

カレンがルイスの目の前で目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったんだね?隊長?」

 

『そう、やったんだよ。キキ。』

 

「あはは……………、安心したら……………眠くなっちゃった。」

 

『うん、存分に寝な?寝る子は育つってね』

 

「うん……………じゃあ……………ちょっとだけ……………おや……………すみ……………」

 

キキはリヴァイヴの膝の上で、その見えない目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは、これで僕も、お役御免……………かな?」

 

『シャル様……………』

 

「残りの時間、一緒にいてくれる?デヴァイン?」

 

『はっ!』

 

シャルロットがデヴァインに見守られながら、デヴァインにその身を預ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱり、マスターは最高だな!』

 

『さあ、まだマスターの最後の命令が残っている』

 

『ああ、マスターがゆっくり眠れるように、な!』

 

二機のガラッゾは拳をうちつけあい、飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふ、これで……………終わりだよ。」

 

「どういうこ……………束!!」

 

束が急に膝から崩れ落ちる。千冬がそれをギリギリで受け止める。

 

「あっはは……………私たちのこの機体の粒子は……………さ。人体にものすごく有害なんだよ。」

 

「そんなもの……………なんでお前が!」

 

「あはは、私に失うものなんて……………ほとんど無いからねぇ」

 

「それでも!お前ならなんとかな「もう遅いんだよ」なに!?」

 

「私たちは粒子を多く取り込みすぎた。もう手遅れ。」

 

束が指先から、灰色になっていく。石のように固く、冷たくなっていく。

 

「最後に……………ちーちゃん。ありがとね?こんな私の……………親友で……………いてくれて……………」

 

「馬鹿者!そんな事言われて!憎むものも憎めないだろう!」

 

「……………ほーきちゃんに、謝っておいて?こんなお姉ちゃんで、ごめんなさい……………って……………」

 

束は満面の笑みで、末期の言葉を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ん、んん……………」

 

ラウラが目を覚ます。そこは、瓦礫の山。だが。

 

「……………あそこか」

 

ラウラは周囲を見渡して違和感を覚える。様々な花びらが風に紛れているのだ。

 

「あれは……………!」

 

ある一点を見やると、そこには大量の花束。およそ200以上の花束。

そして、その前に佇む一人の人物。

 

「アマダ少尉?」

 

「お元気ですか?基地司令。約束通り、地獄に行く時間ですよ。」

 

シローは以前置いていった酒を一口飲む。

 

「最後の晩餐ですが……………まあ、いいですね。」

 

シローはさらに言葉を続ける。

 

「お叱りなら、あちらで受けますよ。ただ……………ただ……………俺は、あなた達と同じ場所で同じ時に死にたかった。」

 

シローは残りの酒を一気に飲み干す。

 

「だから……………また、叱ってください。」

 

シローはラウラの方を振り返る。

 

「お久しぶりです。ボーデヴィッヒ少佐。」

 

「やはり少尉が……………」

 

「もう、時間も残されてないらしいです。」

 

シローは右腕を見せる。その先はビキビキと石のようになっている。

 

「そうか……………」

 

「そうです」

 

ラウラはしばらくうつむいた後。

 

「少しだけ……………いいか?」

 

「なんでも」

 

そして、シローを屈ませる。

 

「目を閉じろ」

 

「いや、しかし……………」

 

「いいから、目を閉じろ」

 

結局シローが折れ、素直に目を閉じる。

 

「……………」

 

「……………んっ!!」

 

次の時には、シローとラウラの唇が触れ合っていた。

 

「……………ぷはっ、ふふ、私からの選別だ、これで私の初めては少尉のものだ。」

 

「……………ありがたく受け取っておきます。」

 

そして、石のようになる範囲が、首筋まで迫る。

 

「……………お別れですね」

 

「……………そうだな。」

 

ラウラはシローに花束を贈る。

 

「調べさせたのだ」

 

「……………ははっ、ありがとうございます。」

 

シローとラウラが最後の言葉を交わす。

 

「ではな、少尉。いずれ空で。」

 

「ええ、いずれまた、運が良ければ、空で。」

 

シローは、笑いながら、逝った。

 

 

こうして、復讐に身を捧げ、復讐しか残らず、復讐で死んでいった、一人の男の、幻獣と呼ばれた男の復讐は、こうして、幕を下ろした。

 

その後、ISは利用法が見直され、全てが宇宙開発に向け、開発されていった。束の助手、クロエは束からコアの製造を方法を託されたため、姿を隠しながら、世の中にコアを送り続けている。

 

もしかしたら、これが、本当に束が望んでいたことなのかもしれない。

 

そして、極東基地跡には、様々な花が咲き乱れる、名所になった。そこには、雄々しくそびえる、グリフォンの銅像がその場所を守るように立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『少し眠る……………付き合ってくれるか?』

 

『はい、マスター』

 

幻獣は静かに眠りについた。

 

愛読感謝

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