第2章 そして世界は一巡して 第1話
「はぁ…………はぁ…………っ!」
一面花の咲き乱れる丘で一人の少女は涙を流しながら、丘の頂上にある、グリフォンの像に何度も何度も拳を叩きつけていた。
「白騎士ィ…………白騎士いいいいいぃぃぃぃ!」
何度も何度も拳を叩きつける。ゴキンッ、という嫌な音がなり、皮膚が裂け血が噴き出そうとも少女は拳を叩きつけるのを止めなかった。
「クソォ…………クソォォォォォ!」
両方の手はすでに見る影も無く、皮膚も肉も骨もひたすらにグチャグチャだった。
「憎い…………白騎士が憎い…………何もかもを奪った彼奴がぁ!」
少女がもう一度拳を叩きつけようとした時。
『そうか…………なら、お前にこいつを"貸してやる"』
そして石像が光り始め、罅割れが入る。そして現れたのは跪くように配置された黒い機体。
「これは…………?」
黒い機体は顔をあげ、少女にナックルアーマーに包まれた手を差し伸べる。
『さあ、やりたい事をする為に、為すべきことを為すために…………時計の針を進めよう』
♢♦︎♢♦︎♢♦︎
(こ、これは…………きつい…………)
そう、小さく心の中でぼやくのは、織斑一夏。周りを見渡せば女子ばかり。
(ど、どうしてこうなった…………)
彼がこの状況に陥った原因は、IS(インフィニット・ストラトス)と呼ばれるものを起動させたからだ。
起動させること自体珍しいことではないのではないか?と思うものもいるかもしれない。しかし、ISにはある大前提がある。それは、女しか動かせない、という事だ。実際に彼の周りには女子生徒しかいない。
「そ、それじゃあ…………相川さんから自己紹介をお願いしますね?」
目の前では気弱そうな女性が自己紹介をするように促している。
「せんせー、ここの人まだ来てませーん。」
一人の生徒が声を上げる。見れば前から4番目の席が空席になっている。
「ええ!?そんな〜…………」
するとガラリとした音が響き、教室の扉が開く。現れたのは制服を着た生徒。だが、他の生徒と違い、スカートではなく一夏と同じスラックスを履いている。そして右目を黒い包帯で隠している。
「…………山田真耶先生とお見受けします…………」
「ひ、ひゃい!?なんでしょう!?」
「1年1組の教室とは…………ここでよろしいですか?」
「は、はい…………そうです!」
「…………そうですか、ありがとうございます。国からの書類を処理していて遅れてしまいました…………」
「あ、はい!ではあそこの席に…………」
「分かりました…………ありがとうございます…………。」
入って来た生徒は副担任の山田真耶に挨拶をすると何事も無かったかのように席に着く。そして頬杖をつくと、窓の外を眺める。
「あ、あの…………アマダさん?」
「自己紹介をしろ、アマダ。」
すると何時の間にか、教室には一人の女性が入って来ていた。
「お、織斑先生!?」
「山田先生、ありがとうございます。ここからは私が…………アマダ?」
「はぁ…………」
アマダと呼ばれた生徒は窓の外を見ながら、気だるそうな声で。
「ホヅミ・アマダ…………いや、雨田八月一日…………好きなものなんてない。嫌いなものはこの腐った世界にどっぷりと浸かってのうのうと今を生きている奴ら。目標なんてものはない、ただ目的ならある…………ある奴を必ず探し出して…………殺す事。」
ホヅミは左目を鋭く光らせながら、窓の外から教室内に目を向ける。
「今さっきも言ったけど…………嫌いなものはこの世界とそれに使ってのうのうと生きている奴ら…………だから最初に言っておく…………」
そして学校中に響くような大声で、その一言は放たれた。
「私はあんた達が大嫌いだっ!!!!!!」
新オリ主紹介
ホヅミ・アマダ(雨田八月一日)
年齢 16
性別 女
好きなもの 銃、弾丸
嫌いなもの 女尊男卑のこの世界、それに浸かってのうのうと生きている人間(男女問わず)、約束、白騎士。
この世界におけるシローのような役割。黒い包帯で右目を隠し、さらに前髪でそれを隠している。ある理由から白騎士に恨みを抱いている。白騎士事件後は日本軍に所属、さらに適正も高かった為、国から強制的に代表候補生にさせられた。両親は既にある事件で亡くなっている。両親の存在がなかったことにされたが為に全く人間を信用しない人間不信に陥っており、決まって人との約束を守ろうとはしない。味方が窮地に陥っても助けずに後ろから撃つような人間。容赦は一切無く、ダメージレベルがEを超えても攻撃を止めない。