IS 08小隊   作:elf5242

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第3話

「隊長…………」

 

ISの適性検査が終了した翌日。08小隊の隊舎はどんよりとした空気に包まれていた。

 

「くそったれ!またISは俺らの大切なもんを奪っていくのかよ!」

 

隊員の一人が隊舎の壁を殴る。

 

「落ち着きな!んな事して隊長が目ぇさますわけじゃ無いんだ!」

 

カレンが彼に檄を飛ばす。

 

「しかしよぉ!」

 

「落ち着きなって言ってるだろ!私もできることはした!あとは、こうして隊長を信じて待つしか無いんだよ!」

 

「確かにあの時、カレンが出来ることを精一杯やってくれたおかげだな。」

 

「ちっ、だがよ、俺はISは絶対認めねぇ!」

 

そう言って先ほどの彼がそっぽを向く。彼は玄野キタン。08小隊の特攻隊長であり、隊一の体力を持つ男。彼もIS同士の戦闘で、兄妹を二人失っている。

 

「しかし、カレンの言う通りだ。」

 

テリーが言う。テリーも所属部隊を何度もISによって全滅させられている。

 

「その通りさ、しかし、今度あたし達から奪おうもんなら…………!」

 

カレンもISにより、幼馴染と家族をなくしている。カレンの家は名医の家で、しかもかなりのエリート。実は08小隊の前は、医療兵と他の部隊をかけもちしていた。

 

「さて、気分一新だ!みんなで音楽でも聞こう?」

 

「まぁ、こんな暗い顔してちゃ、隊長に怒られちまうしな!」

 

「おぉしっ!隊長の心配かけない様に今から暗い顔禁止だ!」

 

また何時もの様に、08小隊の隊舎に活気が戻ろうとしていた。テリーとカレンはお互いをみて、やれやれ、と言う風に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

全員が突然静まり返り、隊舎の扉を見る。

 

「…………全員…………気をつけな。この気配只者じゃない」

 

「ああ…………普通なら気配は隠そうとするものだ。それを堂々とさらけ出している。つまりは…………」

 

「…………自分のそんだけの自信と実力があるってことか。噂のブリュンヒルデ様(クソ女)だったり?」

 

全員がそれぞれ武器を構えている。すでに弾を込め、スライドを引き、安全装置(セーフティ)を外し、引き金には指をかけている。

 

他にも、銃剣、ナイフ、スナイパーライフルやサブマシンガン、アサルトライフルなど、様々な武器が構えられている。

 

「いやー、人一人迎えるのにそこまで準備いる〜?」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

全員が後ろを振り向く。そこには一人の女性。紫色の髪に、派手な、不思議の国のアリスを連想させる様な服。そして、頭には機械でできたうさ耳を着けている。

 

「ハロー?皆のアイドル、篠ノ之 束だよー?」

 

そこにはISの開発者。そして、彼らにとって仇にも等しい人物、天災 篠ノ之 束がいた。

 

「いやー、面白かったよ?何せ皆一斉に束さんに向かって殺気向けてるからねぇ?」

 

束が瞬きをした瞬間。ナイフ、銃剣、大太刀、刀、脇差、軍用ナイフ、様々なものが首に突きつけられていた。

 

「今、貴様の首を跳ねるのがどれだけ容易いか。理解できていような?」

 

「あんただけは!殺す!」

 

「へえ、瞬きした瞬間にこれかぁ。でも…………

 

 

 

 

 

 

もう少しばかり遅いかな〜?」

 

すると、武器を突きつけていた隊員が糸の切れた人形の様に、倒れこんだ。

 

「な!?」

 

「にぃ!?」

 

08小隊の面々が容易く落とされたつまりこれはこの基地の誰にも勝てないという証明だ。

 

「さて、君たちの隊長を出してくれるかな?」

 

束が満面の笑みで、問う。

 

「…………隊長?今、生憎と、珍しい寝坊の時間だよ。寝坊助は好きなだけ寝かせてやるっていうのがここのルールでね」

 

「ふーん、じゃあいいや。自分で探すから」

 

「まぁ待ちなよ。起きてくるまで…………私が遊んでやるからさ!」

 

カレンが束に蹴りを見舞う。決して遅くはない手加減なしの一撃。だが。

 

「うーん、ちーちゃんほどではないけれど、良い一撃だねぇ。名前なんて言うの?」

 

束はその一撃を片手の甲で受け止め、あまつさえカレンの額にデコピンをかまそうとしたのだ。

 

「あたしを倒せたら教えてやるよ!」

 

体を捻り、片足を引き、もう片足で蹴りを見舞う。

 

「うーん、じゃあちょっと遊ぼうか」

 

カレンの蹴りを反対の手の甲て受ける。

 

「まだぁ!」

 

防御している手の甲ごと、足で挟み床に頭からから思い切り叩きつける。

 

「よっと」

 

平然と片手で支え、直撃を支える束。思わずカレンから舌打ちが飛ぶ。

 

「えぁぁぁらぁ!」

 

「おお?」

 

腕だけで無理やり飛び、その反動を使い側頭部から叩きつけ様とする。

 

「うん、飽きた。」

 

それも片手だけで支える。そして、膝の裏をカレンの首にかけて、そこを中心に回転。カレンと束の位置が逆転。そのままカレンを床に叩きつける。

 

「が、はぁ、!?」

 

「さて、この子をナノ単位で分解したらあの子は来るのかな?」

 

束の体から、様々な機械が飛び出す。小隊の面々はカレンが沈まされた事で呆然としている。機械がカレンに触れようとした時。

 

「やめて、くれ……!」

 

奥から声が響く。その声は隊員達には聞き慣れた声。しかし、今はとても弱々しい。その声の主が。

 

「た、隊…………長…………?」

 

「頼む…………。うちの隊員を…………離してくれないか?あんたの目的は…………はぁ、はぁ、…………俺なんだろ?」

 

「ふーん、随分と物分りが良いんだね?」

 

「家族の命に比べれば…………安いもんさ」

 

今も頭を押さえながら、束と話すシロー。

 

「よーしっと、んじゃいこっか?名前は…………」

 

「シロー・アマダだ。」

 

「よーしっと、ならしっくんだね。」

 

束はくるりと振り返り、外に向かう。シローも動かない体を無理矢理引きずり、束の後を追う。

 

「た、隊長…………」

 

「テリー、基地司令にこのことの顛末を…………基地司令だけにはなしてくれ。そして、俺がいないことは必ず他の部隊から隠し通せ。」

 

「…………了解です。安心してください。私とカレンで08小隊は守ります。」

 

テリーは右手を握りしめ左胸に思い切り叩きつける。シローが教えた、必ず全うする時に使う敬礼だった。それをみたシローは安堵したような笑みを浮かべ、束の後を追って行った。

 

「隊…………長…………!くそッ!」

 

カレンの誰にも聞こえないつぶやきが、静かにこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、しっくん。まずは君のその治らない頭痛から説明してあげよう。」

 

「…………どうせISが関係しているのでしょう?」

 

シローは束のラボ『我輩は猫である』で、束の講義を受けていた。内容はシローの頭痛について。

 

「うーん、どうなんだろうねぇ。関係してるともしてないとも言える。」

 

「一体どう言う事で?」

 

「うーんと。まあ簡単に説明しちゃうとー、

 

 

 

 

 

君の体の中にISの一部分が食い込んじゃってるんだよねぇ。」

 

 

 

 

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