IS 08小隊   作:elf5242

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第四話

束の元にシローが来て一月ほど経ったある日のこと。シローの右手には黒く輝くものが。シローはそれを睨んでは、振り切るように、また視線を戻す。頭の中には一月ほど前に言われた言葉がまだ残っている。

 

『しっくんの体に、ISの一部分が食い込んじゃってるんだよねぇ』

 

シローは自分の体を見る。これをみたら隊員達はどう思うだろうか。そんなことばかりが頭をよぎる。08小隊はテリーとカレンに任せてある。だが、早く帰らなければ。いつまでも任せっぱなしじゃ面目ない。そうシローは思っていた。

 

「調子はどう?しっくん」

 

「別に…………いつも通りです。」

 

「つれないねぇ」

 

ニコニコと子供のような笑みを浮かべながら、束はシローを見る。

 

シローの体にISの一部分が食い込んだ理由。それは束にも予想外であり、だからこそ束の興味を引いた。その理由が大きく二つ。まず装着されようとした時、テリーが無理矢理はがしてしまったため、纏われようとした装甲が残留。そのまま異物としてシローの右腕に食い込んでいる。もう一つは、コア人格の一目惚れ。あろうことかコア人格がシローに惚れてしまった為だ。そして、

 

『マスター♪』

 

シローの右手の黒いもの。それはあのラファールのコアだ。そして、そのコア人格の声が頭の中に響いてくる。

 

「はぁ…………」

 

シローの右腕は今やガントレットのような状態だ。むやみに人に見せられたようなもんじゃない。

 

「んじゃ、データ取り。いこっか?」

 

「…………了解。詳しい座標を送信してくれ」

 

「お安い御用♪まぁ、しっくんはゴーレムの後におりてくれば良いんだけどねぇ?」

 

「無人機のデータ取り。と言うわけか」

 

「そゆこと♪ゴーレムが撃破されたら、コアは壊しちゃっていいよ?まあ、いっくん達とも少し遊んでいいよ〜。適当に遊んだら帰って来て〜?」

 

「はぁ…………了解…………。」

 

シローはそのまま周りの景色に溶ける様に姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ!」

 

「この!」

 

一方。所変わってIS学園。そのアリーナの中では三機の機影が確認できる。一機は純白の装甲と羽。もう一機は黒と桃色の、龍の顎。そして、それに退治する様に佇むのは、黒の剛腕を持つ黒の機体。

 

「どうだ!?鈴!」

 

「全然、焼け石に水ね。殆ど効いてないわ。あんたこそエネルギーどうなの?」

 

「後二、三回分ってとこだな。」

 

二人が黒い機体を睨みつける。数分前、このアリーナではIS学園の年間行事の一つ、クラス対抗戦が行われていた。そして、世界初の男性操縦者であり、純白の機体『白式』を駆る少年、織斑一夏と中国代表候補生、鳳 鈴音の試合の時、この黒い機体はアリーナのシールドを破って入ってきた。そして、こうして戦闘になっている。それを遥か上空で見つめる白い機影。それでも『白式』の様に純白ではなく、くすんだ白の全身装甲。胸部の下あたりには8と書かれている。左手には小型のシールド。赤いツインアイが黒い機体と戦う二人を写していた。

 

「なぁ、あれって無人機なんじゃ無いのか?」

 

「嘘よ!IS人が乗らないと動かない、そう言うものだもん!仮に無人機だとしてどうするのよ!」

 

「あぁ、遠慮なしにやれる!」

 

(ん、ようやく無人機だと気付いたか。遅いな。俺たちなら3回目の突撃で気づく。そこはやはり素人か。まあ、こいつに関して言えば俺も素人だが。)

 

機体の搭乗者はそんな事を考えながら与えられた任務を遂行して行く。

 

「一夏ぁ!」

 

一人の女子生徒が放送室から、白い機体の少年に大声を浴びせる。

 

(あの生徒……死にたいのか?)

 

そう考えながら拡張領域から武装を取り出す。長い砲身を持ち、一撃で巡洋艦クラスを沈められる大口径砲を。そして、それを真下の無人機に向けて狙いを定める。

 

「男なら!その程度の敵に苦戦してなんとする!」

 

(叱咤激励のつもりなのか?なんにせよこのままだと死ぬな。)

 

一番威力の低い弾を込め、セーフティを外す。ちょうど無人機が放送室に腕の砲門を向けていた。

 

「当たれぇ!」

 

思い切り叫びながら、大口径砲の引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「箒ぃ!」

 

無人機の腕の砲門が、放送室の篠ノ之 箒に向けられる。

 

(マズイ!このままだと箒が!)

 

「鈴!」

 

「オーライ!あんたの賭け乗ってやろうじゃない!」

 

一夏の背中に最大出力の衝撃砲を放つ。そのエネルギーを吸収。ISの加速技能、『瞬間加速』を使用。無人機が砲門を放つ前に撃破を試みる。だが、わずかにあちらの砲門のエネルギー充填が早い。無慈悲にも砲門は放たれ様として。

 

「え?」

 

「…………なんだ?」

 

「どうして?」

 

3人には突然すぎて理解が追いついていなかった。突然、無人機の向けていた方の腕が粉々に砕け散ったのだ。

 

「おおおおおお!」

 

加速中の一夏はその出来事を振り切る様に、無人機に接近。その体を一線する。

 

「セシリア!」

 

「お任せください!」

 

五本のレーザーが無人機の体を撃ち抜いた。無人機に動く気配はない。

 

「ナイスタイミング、セシリア。」

 

「と、当然ですわ!」

 

そして、三人のハイパーセンサーが、新たな機影を捉える。

 

「「「!!」」」

 

そこには、白式とは違う、くすんだ白の全身装甲の機体が紅いツインアイを灯し、一夏達を無機質に見つめていた。

 

「敵?」

 

「油断は出来ませんわ。ここは…………」

 

「あぁ、とにかく時間稼ぎ…………。って、あ!」

 

一夏が素っ頓狂な声を上げる。確実に機能停止した筈の無人機が動き出したのだ。そして、白の全身装甲の機体に腕の砲門を向けている。

 

「あぶねぇ!」

 

一夏がそう叫ぶが、砲門は発射される。そして、白い機体は軽く首を傾けてそれをよけ、手に持つ大口径砲を無人機に向けて、迷いなく引き金を引いた。

 

「な!?」

 

「仲間では!?」

 

「…………なんなんだよ、お前!」

 

帰ってきた返答は、

 

「…………。」

 

無言でのビーム兵器だった。三人がバラバラにそれをよける。

 

(なるほど、素人とは言え、このくらいのことは出来るか。だがエネルギーが少ないもの同士が固まるのは良くないな)

 

よけた後、すぐさま鈴と合流する一夏。セシリアは自前のレーザースナイパーライフル"スターライトmkⅢ"を白い機体に向けている。

 

「今なら、まだ猶予はありますわ!投降なさい!」

 

(それは、ギリギリまで戦力を削っての話だろう。余裕を持った状態で言ってもどんな相手も聞かないぞ?)

 

胸の小口径機銃をセシリアに放つ。まさかセシリアもそんな所に武器が仕込まれていると気付く筈もなく、自前のスターライトを破壊される。

 

「くっ!?"ティアーズ"!」

 

セシリアが非固定浮遊部位のフィンアーマーを切り離す。その数四機。白い機体に向けてそれぞれがレーザーを放つ。

 

「このぉ!」

 

残り少ないエネルギーで鈴がレーザーの隙間を縫い、衝撃砲を放つ。一夏も刀を構え、突撃のタイミングを伺っている。

 

(BT兵器か……………。完璧なマニュアルだな。死角ばかりに行くのはいいが、連続で死角に来られても!)

 

白い機体が振り向きざまにライフルを放ち、ビットの一機を破壊する。更に死角に来たもう一機を、胸の機銃で破壊する。

 

「くっ!?」

 

「セシリア!?おおおお!」

 

刀を持ち、一夏がスラスターを吹かし突撃する。白い機体は後ろを向いている、が。

 

(奇襲をやるならもう少し静かにやるべきだろう?何処に大声を出しながら奇襲する馬鹿がいる?)

 

刀をシールドで逸らし、腹部に蹴りを見舞う。それにより一夏が吹き飛ぶ。吹き飛んだ先には、鳳 鈴音。よけようとするも一歩遅く、互いにぶつかり、もみくちゃになる。

 

(つまらない、データ取りの為とは言え素人相手にするのは一番キツイ。しかも、俺はこいつと一生過ごしていかないといけないらしいしな。)

 

無人機にトドメを刺した、あの大口径砲を二人に向け、放つ。土煙を確認し、地面にもう一発撃ち、目くらましをして、白い機体は光学迷彩で逃げた。

 

そして、土煙が晴れる頃には、白い機体は愚か、無人機のコアすら見つからなかった。

 

 




Ez8のご紹介

専用機 Ez8

搭乗者 シロー・アマダ

タイプ 全身装甲

世代 1.5世代

武装

ビームサーベル
180ミリキャノン砲
カードリッジリロード式ミサイルランチャー
60ミリマシンガン
胸部小口径対人機銃
頭部バルカン砲
シールド


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