IS 08小隊   作:elf5242

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なんだろう、これ書いてるとすげえ処女作のIS作品のリメイクを書きたくなる。


第5話

「お帰りしっくん。さて、ゴーレムのデータはどうだった?」

 

「もう少し多数のパターンを考えた方がいい。あんな子供でも無人機と見破られたぞ?ループのパターンを増やせば多少は気付かれにくくなる。」

 

「うんうん、現場の意見は私たちにとって命の次に大事なものだからねぇ。それで?いっくんはどうだった?」

 

「今の所はまだまだだ。機体の操縦も、判断力も何もかもが足りていない。しかも戦闘の基本を理解していない。」

 

「ふーん、まあ、しっくんが言うならそうなんだろうね。」

 

それでも、と束は付け足す様に言う。

 

「ゴーレムの弱点を理解して倒したのは良いことだね。この調子ならまだまだ強くなるかな?」

 

「伸びと勘はいいらしい。もう少しすればゴーレムともタイマンが出来るだろう」

 

シローが、束に反応する様に答える。そして、

 

「そうそう、次は臨海学校で仕掛けるからね〜。」

 

「了解。」

 

シローは壁に寄りかかるのをやめ、割り当てられた部屋に戻ろうとする。

それを、そうそう、と束が引き止める。

 

「そろそろ、一回目の報酬を払わないとね〜。しっ君の仇とも言えるクソ野郎どもの居場所が分かったよ?」

 

それを聞いたシローは目の色を変え、束に迫る。

 

「教えろ!そいつ等の居場所を!」

 

「うん、でも条件だよ?臨海学校の件。同行してくれるよね?」

 

「…………了解した。」

 

「うんうん、物分りの良い子は大好きだよ〜?じゃあ詳しい座標を教えてあげる。」

 

束から渡されたシローの端末に、あの時の女達の現在の座標位置が送信される。

 

「それじゃ、行ってらっしゃい。しっ君。」

 

束はシローの顎に指を這わせながら、言う。並の男ならその妖艶さに簡単に落ちるだろう。だが、シローの頭の中はあの女達をあの時と同じ様に合わせることしか頭にない。

 

「君を縛る、しがらみを壊しに、ね。」

 

何も言わず踵を返し、光学迷彩を起動、その場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、つまんねぇなぁ。」

 

一人の女が、建物の屋上で背伸びをしている。彼女はフリーのIS乗りである。

 

「そうねぇ、もう少しこう、忙しくないと腕落ちちゃうわ」

 

もう一人の女が煙草を吹かしながら言う。

 

「そうそう、突然基地が爆撃されるとかな?」

 

「そんなことあるわけないでしょ?」

 

「「あははははは」」

 

そして、突然、轟音が鳴り響き、二人の背後から爆炎が上がる。

 

「な、なんだぁ!?」

 

「敵!?」

 

二人は警戒して機体を展開する。専用機とは言え所詮は量産機である黒いラファール。だが、彼女達が機影を捉えるには時間がかかった。なぜなら。

 

「敵機補足…………高度…………八万五千!?」

 

「嘘でしょ!?成層圏ギリギリから!?」

 

実際そうである。そして基地の真上、高度八万五千のポイントには、くすんだ白い全身装甲の機体が真下の基地に180ミリキャノン砲を向けていた。Ez8の身の丈を越すその大口径砲は、ISの絶対防御を余裕で貫通する。

 

「落ちろぉ!」

 

ヘッドパーツの下でシローは歯を食いしばり、紅いツインアイのしたから、二人を睨みつけている。そしてまた、180ミリキャノン砲が火を吹く。

 

「うお!?」

 

真下の一機に爆風と、爆炎が襲いかかる。シローの現在使用している弾種が、小隊でよく使用していた"劣化ウラン焼夷弾"。迫撃砲でうったなら数十発撃ち込まなければISは倒せない。だが、シローが使っているのは、口径180ミリ、サイズは身の丈を余裕で越しているのである。そんなものを撃ち込まれ直接当たった時には、それはもう見れたものでは無いだろう。

 

「ちっ!バカが!当たらなけりゃどうと言うことはねぇんだよ!」

 

「右に同じ!」

 

二機がならばとちょこまかと動き出す。確かに大口径砲では、精密射撃は難しいだろう。だが、それは支え無しで両手のみで撃った場合だけの話だ。もし、支えがあったとしたら、それは相手のやっていることはただのエネルギーの無駄遣いである。シローはシールドを左腕から外すと、

 

「…………!」

 

そのシールドが空中に固定される。シールドもPIC(パッシブイナーシャルキャンセラー)を他の部位よりも搭載している。理由は地面以外でも大口径砲による精密射撃を行う為である。その為、シールドをどうしても固定台代わりにしなければならない。ならばとシールドに強力なPICを搭載したのである。それもドイツで開発されている第三世代兵装AIC(アクティブイナーシャルキャンセラー)並みに強力なPICを

 

「おおおお!」

 

大口径砲の砲身をシールドに乗せ衝立がわりにする。そして、搭載されているFCSとシローの射撃技能で誤差を最小限に修正、

 

「落ちろ!」

 

一機の憎き黒いラファールに向けて大口径砲を放つ。

 

「え?」

 

それは吸い込まれる様に狙い通りのラファールに吸い込まれて行く。そして、グシャリ、と嫌な音と共に、上半身が吹き飛んだ女の遺体とISだけが残る。

 

「嘘…………、あんな距離から大口径砲での精密射撃を…………!?それに…………絶対防御が…………」

 

もう一人は一人がやられたことにより、足を止めてしまった。と言ってもほんの数秒。だが白い機体には数秒で十分だった。はるか上空、砲弾を撃ち出す時の轟音が聞こえ、そして、遥か真下の地上ではまた一人この世から消し飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ………はぁ………はぁ…………」

 

疲れた様子で帰ってきたシロー。手には二つの黒い球体。

あの後、コアを回収し、戻ろうとした瞬間、わらわらと、戦闘機やらイージス艦が出て来たのだ。シローはそれら全てを戦闘不能しに、戻ってきた。仇は取った。無駄に殺生をする気はない。その時シローは叫んだ。変声されたマシンボイスだったが、確かにこう叫んだ。

 

『お願いだ!引いてくれ!無駄に命を散らすことも無いだろう!命が勿体無いだろう!』

 

だが、その必死の叫びも虚しく、彼らは攻撃して来た。艦首や機首を避け、翼や艦橋を狙い、戦闘不能にした。おそらく死者は出ていない筈、そうシローは考えていた。

 

『大丈夫ですよ、マスターなら誰一人として死者は出していません!』

 

コア人格の声が頭に響く。このコア人格、いくらシローが素っ気ない態度を取ろうと一向に構わず、こうして好意を抱き続けている。むしろ素っ気ない態度を取るたびに更に好意が増しているのだ。

 

「お前に言われてもな…………。」

 

シローはそう言って、仮装ディスプレイを開く。そして、ある番号を入力する。それは映像通信の番号。

 

「起きているか?」

 

「「「「隊長ぉぉぉぉぉ!」」」」

 

「あ、相も変わらず騒がしいなぁ」

 

そう、それは08小隊への映像通信だった。束が示したシローへの報酬、08小隊隊員全員の悲劇の犯人である操縦者を探し出す、そしてもう一つ、それがこの08小隊への映像通信の許可であった。

 

「元気そうですね、隊長」

 

「早く戻って来てくれよ、あたしらじゃ手が付けられないよ」

 

画面の向こう側のテリーとカレンも小隊の雰囲気に飲まれ笑っている。

 

「はは、俺が来た時はもっと大変だったんだぞ?」

 

シローは一瞬思った、思い出してしまった。あの、狭くとも、賑やかで暖かい穴倉を。

 

(はぁ、早くあいつらの元へ…………嫌、こんな腕じゃ帰れないな)

 

自分の右腕をみて、そう思う。

 

「…………隊長、何かあったら自分達に遠慮なく言ってください!」

 

「俺らはいつでも待ってるっす!」

 

「フレー!フレー!た・い・ちょ・うぅぅぅ!」

 

思わず笑ってしまう。だがそれをするたびにあの穴倉の懐かしさがこみ上げてくる。

 

「ああ、必ず戻ってくる。だから、ちゃんと一人残らず生きてろよ!これは命令だ!」

 

「「「「「「サー・イエッサー!」」」」」」

 

どんな姿でも、必ず帰ると胸に誓うシローであった。

そして、翌朝。束に緊急で用事があると言われ、出てみる。そして、シローは感じた。束が静かに怒っていることを。そして束はシローの方にくるりと身を向けると、シローの端末に座標を指定する。行き先はドイツ。

 

「少しばかりお願いがある。そこ、潰して来て。報酬は、

貴方の腹心の二人のやつの犯人のデータと詳細な居場所。」

 

テリーとカレンの無念を晴らす時がきた。

 

 

 

 

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