IS 08小隊   作:elf5242

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第7話

「んじゃ、いこっか。クーちゃんはお留守番しててね?」

 

「はい、お任せください。束様」

 

「済まないな」

 

シローが束の助手のクロエ・クロニクルの頭をくしゃくしゃと撫でる。

 

「と、当然です。子供扱いしないでください」

 

強がりのように言いつつも、顔が真っ赤になっているため、説得力は微塵も無い。

 

「あはは、しっくん。クーちゃんをあまりいじめちゃダメだよ?んじゃしっくんはこれお願い」

 

「了解した」

 

「私は、先にいってるから。んじゃそれは海岸にでも埋めといて〜。」

 

「……………了解した」

 

わざわざ埋める必要があるのか?、と多少の疑問を抱きつつも、08小隊全員の仇探しのためキリキリと束の手足を続けるシローであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、全員来たな?」

 

IS学園の臨海学校。その二日目である。前日呆れるほど遊んだ後は、専用パッケージなどの試験である。

 

「あの〜」

 

「なんだ?」

 

「箒は専用機持ちじゃ無いのになんでここに…………」

 

「それについては…………「ちーちゃーん!」来おったか…………、ふんっ!」

 

「ふぼぉ!?」

 

崖をものすごい勢いで走り降りて飛びつこうとした束を、上段蹴りで叩き落とし、そのまま踏みつけている。

 

「なんのようだ?束?」

 

「おおおおお、ちーちゃんの愛が痛い…………。今回は贈り物をしに来ただけなのにぃ〜」

 

涙目で講義する束。シローの脳内に新たな情報が記録されようとしている。篠ノ之 束。身内の前では、以外と泣き虫。

 

「で?あそこの男は誰だ?」

 

「うーん?ちょっとねぇー」

 

崖の下の大岩にもたれかかる白い帽子を深くかぶった男(シロー)の事を千冬は聞く。束ははぐらかすように、話題を移す。

 

「さぁ、大空をご覧あれ!」

 

箒を含めて専用機持ち全員が空を見上げる。そして、男が束の近くに来ると。

 

「騙して悪いが実はこっちだ。」

 

とフィンガースナップで指を鳴らす。すると束の背後の地面から、正八面体の物体が現れる。

 

「これが箒ちゃんの専用機、赤椿!束さんお手製の特別製だよ!」

 

そこには紅い機体が鎮座していた。

 

(さて、ここからだな)

 

シローはその場から立ち去る。と言っても、束の計画開始時刻まで、上空で待機するだけだ。

 

「まて、どこへ行く?」

 

千冬がシローを呼び止める。だが束がかぶせるようにすぐさま、

 

「いいよ〜、ちーちゃん。もうその人の用は終わったからね〜」

 

束は再び一夏たちに向き直る。シローは帽子をさらに深くかぶる。そして、岩の影まで来るとEz8を展開。光学迷彩で空高く飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕暮れ時の事である。アメリカ・イスラエル共同開発の第三世代、『銀の福音』が暴走を開始、制御下を離れ、今なお暴走している。と連絡が入った。

専用機持ちは旅館 花月荘の一室に集まり、作戦会議を開いていた。

 

「それでは、織斑、篠ノ之の両名は福音に当たれ。そしてお前たち。お前たちには"白い戦神"に当たってもらう」

 

その言葉を聞いた瞬間、セシリアと鈴の顔が引き締まる。ラウラとシャルロットも油断出来ない様な顔をしている。

 

「ここから、逆方向の海域上空、そこに白い戦神が腕組みの状態で待機している。害は無いのだろうが…………、自衛隊が近づいたところ、ある程度の距離に来ると攻撃を開始する。放っておけば何も無いのだろうが国の方が煩くてな。仕方なく対応することになった」

 

「あの時のリベンジね…………。今回は!」

 

「借りを返させていただきますわ…………。」

 

クラス対抗戦のことを未だに根に持つ二人。シローにとっては好都合以外の何物でも無いのだが。

 

「あれを相手に…………か。」

 

「きつそうだね。」

 

ラウラとシャルロットはこの戦いがただで終わらないことを予想していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マスター、機影を確認。反応はIS。数は四です』

 

「やはり来た…………か。」

 

シローは腕組みを解き、180ミリキャノン砲を拡張領域から展開する。

 

「何時もの様に、とはいかない。拡散榴弾を使う。四人だからな。」

 

『コアネットワークから確認。英国の"ブルーティアーズ"、中国の"甲龍"、仏の"ラファール・リヴァイヴカスタムⅡ"

独の"シュヴァルツァ・レーゲンです。マイマスター』

 

「成る程、なら小細工は通じないか。FCS最大稼動開始、射撃誤差を最小限まで抑制。」

 

『拡散榴弾、装填完了。FCS正常に稼働中。敵距離平均5300。一番近いのは、ブルーティアーズ。おそらく強襲型パッケージをインストールしている可能性あり。』

 

「此方でも視認できている。が、四体一だ。気は抜けない。」

 

『その場合、シールドエネルギー総量の四分の一をきった場合は、撤退を提案します、マイマスター。』

 

「いや、あの束が途中撤退を認めるとは思えん。やはりこの距離で削れるだけ削る!」

 

『イエス・ユア・マジェスティ!』

 

Ez8の180ミリキャノン砲が火を吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けっ!しっかし、俺たちが"白い戦神"の撃墜捕獲なんてよぉ。」

 

「無駄口叩いてないでさっさとやりな!ただでさえ人が足らないんだ!」

 

「落ち着け、隊長がいない状態なら何度も経験しているだろう。」

 

一方、08小隊はある任務を国から強制的に受理された。

 

「ん、まあ、この場合。海上だから艦で迫撃砲運ぶしか無いんだよね。しかも、今回は劣化ウラン弾と徹甲弾のみ。しかも、地上でなく海上って時点で僕らに勝ち目は無い様なもんだし。」

 

08小隊屈指の爆撃の天才、ルフス・シュレディンガーが諦め気味に話す。

 

「その通りだ。今回は我らは自由には動けん。」

 

天才的な狙撃手三人衆の一人で、天才的な槍の名手、ディルムッド・ディハートも痛いところを着く。

 

「なら、私たちの出番。」

 

「背中は預けるわよ」

 

狙撃三人衆の残り二人、シノン・アルメルト。鷹瞳 梨沙。二人とも十四歳の秀才。三人が揃えば大抵のゲリラがおとなしくなる。

 

「はァ〜、仕方ないねぇ」

 

「まさか…………カレン!?」

 

「やめてよ?乗り込んだ途端発狂とか」

 

「流石にそこまでは無い、が、目眩なんかは起きるね。でも、背に腹は変えられないだろ。」

 

カレンが格納庫の扉を勢い良く開ける。そこには彼らの大嫌いなもの。

 

「すまん…………ジョシュア。本来なら…………」

 

ディルムッドが悔しそうに奥歯を噛む。

 

「別にいいよ、私はこれっきりだけどね。」

 

彼らの目の前には、白い戦神と似てもにつかない、全身装甲の機体があった。

 

 




08小隊隊員紹介

ディルムッド・ディハート

08小隊に三人しかいない狙撃手の一人。リニア式のスナイパーライフルを主に使う。狙撃手であると共に槍の名手でもあり、束が基地に来た時に最初に武器を当てセリフを浴びせたのも彼。小隊内ではディルの愛称で親しまれる。実はかなりシャイでニヒル。ISを憎む理由はISによるテロで恋人をなくしたから。


鷹瞳 梨沙

08小隊に三人しかいない狙撃手の一人。昔ながらのポンプアクションのライフルを使用する。小隊一視力が良く、両目とも8.0である。普段は内側から見ると真っ黒な伊達眼鏡で視力を抑えている。(正面から見ると普通のメガネ)褒められることに慣れておらず、褒められると褒めた人を叩き散らす。
ISを憎む理由は、白騎士事件で尊敬していた上司をなくしたから。



シノン・アルメルト

08小隊に三人しかいない狙撃手の一人。小柄な体躯でアンチマテリアルライフル『ヘカーテ』を扱う。戦略シュミレーターでは、シロー、カレンに続くほど頭がいい。ちなみに梨沙とは逆で非常に目が悪い。眼鏡をなくすとろくに動けない。実は名家のお嬢様。ラウラ戦でホローポイント弾を撃ち込んだのも彼女。
ISを憎む理由は、テロにあった際、他を無視して自分だけを助け、その後そのパイロットが両親にへこへこしていたから。



ルフス・シュレディンガー

08小隊屈指の爆撃の天才。確実に相手が嫌がるところに迫撃砲を配置、常にベストタイミングで撃ち込んで来る。ちなみにラウラ戦で迫撃砲の操作をしたのも彼。コンソール一つで五裂配置の迫撃砲の操作を手がける。
ISを憎む理由は、かつて所属していた部隊の隊長を見せしめで殺されたから。
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