激戦地から幻想入り   作:nagaya

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主人公の所属する部隊及び設定は架空になります。
この小説は犯罪を助長する目的で執筆はしていません。



第2話 閻魔様との対面、審議開始

今は三途の川を渡って映姫様、まぁ閻魔様というほうがわかりやすいだろう。

その閻魔様のいる「是非曲直庁」*1 まで歩いているわけだが、

ずいぶん長い時間舟に乗っていたような気がする。

そう思い小町に聞いてみると、

 

「まぁね、でもあんたはずいぶん短い距離だったと思うよ。」

「この距離でか?」

 

私が驚いたように尋ねると

 

「この三途の川の対岸までの距離は渡る人によって長さが変わるってことさね。」

 

私は頷きながら聞いていた。

 

「あと慧からもらった渡し賃の額にもよるんだけどね。」

 

「?」

 

私は一体いつ渡し賃を払ったんだ。

いや悩んでも仕方がない、聞いてみるか。

 

「私は渡し賃など渡してないはずだが?」

 

「あぁ、勘違いしてないかい?

 いいかい?渡し賃っていうのは生前に親しかった人が慧の為に使った金額を合わせたものなんだよ。」

 

説明してもらったことをまとめるとどうやら三途の川の距離は渡る人とその渡し賃によって決まるようだ。

どうも小町が言うにはかなりの大金だったとのことだ。

私は生前、気づかない中で多くの人に助けられていたんだなと思い、つい感傷に浸ってしまった。

 

「さぁて、どうやら着いたよ。

 ここが映姫様がいる是非曲直庁さね。」

 

と言われ目の前を見上げてみるととても大きな扉があった。

 

「ここに閻魔様がいるというわけか。」

 

と答えると小町が不思議そうな顔をして尋ねてきた。

 

「あれ?あんたずいぶんと落ち着いているじゃないか。

 てっきり緊張するものかと思ったのに。」

 

そう言われて気づいた。

自分でも不思議な気持ちだった、どうしてこれほどまでに落ち着くことができるのか。

私は今の気持ちを正直に話すことにした。

 

「正直、自分でもわからないのさ。」

 

「ふ~ん、でも慧はなんだかこういった状況に慣れているっていう顔だった。」

 

小町が何気なく言ったことだったが、私にとってはとても重要なことだったのだ。

 

「前にね色々とあったんだ、そう色々とな」

 

私は意味ありげに言ってしまった。

 

「?まぁそれなら問題ないね、これから入るよ。準備はいいかい?」

 

小町が確認してきた。

 

「ああ、頼む。」

 

 

 

キィー、

扉が軋みながら開かれていく。

 

扉が開ききり、私たちは中へと入っていく。

 

カタン

それに合わせて扉も閉じてしまった。

 

中を見るといかにも裁かれるといった具合の場所だった。

しばらく眺めていると、声がかかった。

 

「小町ですか?」

知らない声だ、けれど姿が見えない。誰だ?声からして女性のようだが?

 

「はい映姫様。あたいです。ちょっとわけありな人間を連れてきました。」

「わけあり?人間ですか?死人ではなく、人間なのですか。」

 

どうやらその声の主は驚いている様子だった。

そこで先ほどからのやり取りを聞いていて、思ったことを聞いてみた。

 

「先ほどから小町は誰と話しているんだ。」

 

それに気づいた小町が私のほうを見て

 

「あぁ、わるいねぇ、声の主は映姫様さ。」

 

この声の主が映姫様なのか、想像していたイメージとだいぶ違ってきているが・・、

 

「で、だ。その映姫様はどこにいるんだ?先ほどから声は聞こえるんだが、姿が見えないのでな。」

と言っていると、

 

「私はここにいますよ。」

 

自分の頭上からその映姫様が姿をあらわしながら返答してきた

 

「そこにいましたか。」

 

突然のことで本来なら驚くはずなのだが、私はこともなく、冷静に返してしまっていた。

 

「驚かれないのですね。」

 

目の前の映姫様が伺うように顔で尋ねてきた。

 

「こういう流れには慣れてますから。」

 

私はそれだけ言うと口を閉ざした。

 

「そうですか、そういえば自己紹介がまだでしたね。」

「私は四季映姫・ヤマザナドゥ*2 です。」

 

「ヤマザナドゥ?」

 

私は初めて聞く言葉につい聞き返してしまった。

 

「ヤマザナドゥは飾りだとおもってください。本来の名前は四季映姫ですから、映姫とでも呼んでください。」

 

少し疑問に思ったが、自分も名乗ることにした。

 

「自分は村雲 慧であります。」

私は軍隊式で答えた。

 

「村雲 慧ですね。それでは私も慧と呼ばせてもらいます。さて、ここへきた目的を聞きましょうか。」

 

名前を聞いたあと、真剣な顔つきになって問うてきた。

私はその時周りの空気が一気に変わるのを感じた。

そんな空気の中、ここにきた目的を告げることにした。

 

「目が覚め、気が付いたらこの世界にいたんです。」

「その時に・・・・(寝ている)小町と会い、自分の現状について確認を映姫様に尋ねる為にここまで来ました。」

 

 

これまで映姫様はただ黙って聞いていたが、

話し終えると話をし始めた。

 

 

「なるほど、分かりました。」

「それでは慧、あなたの現状について確認をしましょう。」

「まずこの世界は幻想郷と呼ばれています。」

 

聞きなれない言葉が出てきた。

 

「幻想郷?」

「ちなみに幻想郷というのは慧、あなたが生きてきた世界とは別に隔離されたもう一つの世界です。」

 

幻想郷?そんな世界が存在するのか、隔離?一体なぜ?

私は分からないことだらけであったが、何とか尋ねることにした。

 

「隔離された世界と言っていたが、それはどういう意味なんだ?」

「そして、なんでこの幻想郷に私はきてしまったんだ!」

 

私はとにかく知りたかったせいなのか、

声を強めて追及していた。

 

「落ち着きなさい!」

 

映姫様の一言で聞き、私は冷静になれたような気がした。

 

「すいません、少々取り乱してしまいました。」

「いえ、いいのですよ。あなたのような状況では冷静でいられることのほうが難しいのですから。」

 

私が謝罪すると映姫様は特に気にしていないようだった。

 

「ならば、あなたがここへ来たわけを調べましょう。」

 

と映姫様言い、鏡のようなものを取り出した。

 

「それはなんですか。」

「これは浄瑠璃の鏡といって、過去のあなたの行いが全て判るものです。」

「本来はこれで罪状を把握して断罪する為に使うのですが、今回は特例として使用します。」

 

私は気になったことを聞いてみた。

 

「この鏡はどんなことでも判ってしまうんですか。」

「えぇ、そうなります。やはり気になりますか。」

「気にならないと言えば嘘になります。けれど、過去を見ることで私がなぜここに来たのかが分かるのなら見てもらっていいですよ。」

「分かりました。では確認しますね。」

「・・ただ」

「なんですか?」

「見るときには注意した方がいいかと思います。」

「?まぁ、注意しておきます。」

 

「ねぇ、映姫様。あたいも見てもいいですか。」

 

しばらく黙っていた小町がそう言ってきた。

 

「ん~、まぁいいでしょう。いいですか?慧」

「えぇ、構いませんよ。」

 

自分の過去を見るのは映姫様と小町だけではある。が、

やはり自分が見えずに他の人が見てるのは気になってしまうところだ。

 

「見えてきました。これは・・・、」

 

見えた映像に映姫様の表情が険しくなっていった。

 

「慧、確認しますが、あなたの生まれた場所では戦争に行かせることが当たり前なのですか。」

「えぇ、私がいた当時は戦争中でしたから必然的に行くことになったでしょうね。」

 

私は冷めたように答えると

 

「そうですか。人はなぜ争いを起こすのでしょうか。」

 

映姫様は鏡に映った映像を見て、嘆いているようだった。

 

「このあたりは見ても何か分かることもないので少し飛ばしますね。慧のここ最近のあたりは・・。」

 

先ほど見ていた場所があまり変化がない場面だったようで、時間を進めているようだ。

 

「えっと、見えてきました。ここは一体どういったところなんでしょう。」

「どんな場所ですか?」

 

映姫様の一人言に反応した私は聞いてみた。

 

「密林や岩山などが見られますが、ここは一体どこなんです。」

 

私は映姫様からの返答を聞いて場所がすぐに分かった。

 

「・・・」

「慧?」

返事がなかったので、映姫様が確認してきた。

そうして私はここが何処なのかをいうことにした。

 

「・・地獄」

「え?」

「現実世界の地獄、そう呼ばれていた島ですよ。名前は硫黄島といいます。」

私は感じたことをそのまま言ってみた。が、

すぐに言い直すことにした。

 

「今そこを見るのであれば注意して見てくださいね。」

「??」

 

映姫様も小町も意味が分かっていないようだったが、私は続ける。

 

「ここからは刺激が強いので気を付けてくださいと言ったんです。」

「わかりました。」

「わかったよ。」

 

といって2人は過去の続きを見始めた。

 

そこからの映像となるとみている側も調子が悪くなってしまうだろう。

つまり、それほど熾烈な戦地だったというわけだ。

過去の確認はしばらくかかるようだから少し座ることにした。

 

過去を見終わったら、私の今後も決まってくることだろう。

どうなるのかそれは映姫様が判断されることだ。

 

「まぁ、なるようになるさ。」

誰に言ったわけでもなく、2人が終わるのを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1 是非曲直庁(ゼヒキョクチョクチョウ)・・・東方Project上での地獄の公的組織。

*2 ヤマザナドゥ・・是非曲直庁での役職名であり、意味はそのまま、楽園の閻魔だ。

 

 





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