この小説は犯罪を助長する目的で執筆はしていません。
あれからどれだけ時間が経っただろうか?
座ったところまでは良かった。
でもいつのまにか眠ってしまったようだ。
そういえば二人はもう見終わっただろうか。
そう思い、立ち上がって二人がいるであろう場所へ向かった。
二人のいるところを見てみると、どうやらちょうど見終わったようであった。
私が来たことが分かったのか、二人がこちらを見ていた。
「・・・あなたの過去を見させていただきました。」
映姫様がとても悲しげな表情で告げた。
「慧、あんたは・・・、」
小町が何か言おうとしていたが、
「小町、辛ければ言わなくてもいいのですよ。」
「私から話しますから。」
「・・そうですね、映姫様にお任せします。」
「あたいだと何て言っていいのかわからないですから。」
映姫様に言われ、頷くとそのまま黙ってしまった。
「ん~と、そんなに落ち込むことなのか?」
私が何気なく聞いてしまったからだろうか。
「あなたは何も感じないのですか!!」
「自分自身が行ったことに対して!!」
それを聞いた映姫様が怒りながら聞いてきた。
その問いに対して私は今の考えをそのまま伝えることにした。
「何も感じないのか、か」
「確かに今は何も感じることはない。」
「しかし始めの頃は私なりにも自分のしたこと対して感じることはあった。」
「でもそれだけだった。」
「自分のしたことにすぐに気にならなくなった。」
「気にしていては生き残ることができなかったからだ。」
「現実と精神が一致していない。という言い方が正しいのだろうな。」
「始めの内は戦闘が終わるたびに後悔の念が沸き起こる毎日だったよ。」
「しかしその内、自分のしたことに対して何も感じなくなっていた。」
「いや、感じないようにしていた。の間違いだな。」
「そして終いには味方の死に対しても気にならなくなっていたというわけだ。」
「こういう回答でいいか?」
問いかけてからずっと無言で聞いていた映姫様に私は確認をした。
「っ、つい口調を強めてしまいました。申し訳ありません。」
「確かにあなたの過去を見させていただいた限り、何も感じなくなった方がきっと楽になれたということなのでしょう。」
「そのことに関してはこちらからはもう追及しません。」
そう言い終わり、しばらく無言が続いていたが、
映姫様が再度、話を続けた。
「・・・ですが。最後に確認したいことがあります。」
確認したいこと?いったいなんだ?
「何でしょう?」
疑問は浮かぶがその聞かれたことに対して私は返答した。
それを確認すると映姫様も話始めた。
「えぇ、確認することというのは今のあなたについてです。」
「ここにいるあなたは何も感じないままですか?」
「自分自身がしたことをこれからも背負っていけますか?」
「正直に答えなさい。」
と言い終わった時の映姫様の表情はとても真剣なものだった。
「その問いに関して、自分の今思っていることを言えばいいのか?」
私は再度確認した。
「えぇ、今思っていることを隠さずに答えてください。」
先ほどと同じく真剣な表情で答えてきたので、
その返答を聞いて私は話し始めた。
「まず何も感じないかということについては”No”だな。」
「現に君たち二人の感情をしっかりと確認できるからな。」
ここで、一呼吸おいてから続けた。
「最後に自分のしたことを背負っていくかということだが、これは”Yes”だな」
「戦時中であったとしても自分のしたことには変わりはないからな。」
「逃げることはしたくない。」
そう答え終えると
「そうですか、分かりました。」
「それではあなたへの判決を言い渡します。」
静かに映姫様はそう告げた。
「村雲 慧、あなたのここへ来るまでに行ったことは戦時中であったとしても許されることではありません。」
「本来であれば極刑を与えるところです。」
「ですが、時代背景とあなたを慕う部下のことを案じていたということも知っています。」
「ですので、あなたには情状酌量の措置として執行猶予付きの刑を課します。」
「執行猶予?何故ですか?」
判決を聞いていた私は思わず、聞き返してしまった。
「正直に言いますと、あなたの行ったことの罪だけでは刑を課す判断が難しいのです。」
「ですので、今後のあなたの行動を基準として刑を課したいと考えました。」
「これで納得しましたか?」
と映姫様が確認してきた。
「えぇ、そういったことであれば分かりました。」
私も理由を聞いたので納得するしかなかった。
「ここから先はあなたの行動に制限をかけませんが、何かありますか?」
「それではこの幻想卿で一番過酷な場所はどこになりますか?」
聞かれたことに対して、私はそう答えた。
「一番過酷な場所ですか?」
「それを聞いてあなたは何をしようというのですか?」
「どうやら平穏な暮らしには馴染めなさそうなのでな、」
「そこで自分ができることをしようと思う。」
自分の問いかけに映姫様は疑問に思っているようだが、
私はそれに今後の目的について答えることにした。
「そう言うということはあなたの意思は固いのでしょうね。」
「分かりました、それでは教えましょう。過酷であろうという場所を、」
「その場所は"魔界"です。」
そう映姫様は答えた。
「魔界?」
つい聞き返してしまった。
「えぇ、魔界は私でも全てを把握しているわけではないので、あまり説明はできません。」
「その魔界について知りたいのあれば、その統治者に会ってみるのがいいでしょう。」
「統治者ですか?それは一体?」
「統治しているのは魔界神"神綺"です」
「な、」
魔界神と答えられたことに私は呆然とするしかなかった。
「ここに紹介状がありますので、これを持っていきなさい。」
「魔界の者にそれを見せれば案内してくれるはずです。」
「わ、分かりました。」
呆然としていた中言われた為、若干焦ってしまった。
「では私からは以上になりますが、他に何かありますか?」
その問いに私はずっと気になっていたことを聞くことにした。
「ここに来たときはこの小銃しか身に着けていなかったが、他にも刀を所持していたのだが、何か知らないか?」
「刀?あぁ、あの刀はあなたの物でしたか。」
「少々お待ちを、」
私がそう答えたことに対して映姫様は何かを思い出したように答え、
奥の部屋へその刀を取りに行き、しばらくして戻ってきた。
「お待たせしました。この刀でよろしいですか?」
そう言って探してきた刀を私に渡して見せた。
「あぁ、この刀だ」
「この小銃同様、今までの激戦を共に生き抜いてきた相棒だ。」
渡された刀を見て私はそう答えた。
「へぇ、ずいぶんと太刀筋がきれいなものだね。」
「刀の手入れは慧がしていたのかい?」
今まで沈黙を守っていた小町が刀を見て、そう聞いてきた。
「あぁ、自分の装備品は自分で行うようにしていたからな。」
「これも私が手入れをしたものだ、」
「へぇ、それでかい、その刀と肩にかけてる小銃?だったかい?それには特別な存在を感じるからね。」
「特別な存在?」
小町の問いかけに答えた後、小町は妙なことを言ってきたので聞き返した。
「小町それだけでは分かりませんよ。」
「慧いいですか、小町の言っていた特別な存在というのは付喪神(つくもがみ)のことです。」
小町の説明に不足があったようで、映姫様が代わりに答えてくれた。
「付喪神?付喪神というと道具や建物などが長い年月をかけて神格化したものだったか?」
私は知っていることをそのまま答えた。
「えぇ、付喪神については今の解釈で問題ないですよ。」
「ただ、補足をするとこの付喪神は長い年月をかけなくても神格化することがあるということです。」
「例えば、あなたのような人に大切にされた物などは長さに関係なく、神格化することもあります。」
私の解釈を聞いた映姫様が足りなかったことを教えてくれた。
「なるほど、つまり私の刀と小銃にはその付喪神が宿っているというわけですね?」
「はいそのとおりです。」
私の確認に映姫様はそう答えた。
「まぁ、付喪神が宿っていたとしても私は扱いを変えるつもりはないですけどね。」
「またよろしく頼む、」
私は命を預ける相棒に一言告げた。
『 』 『 』
心なしか刀、小銃が答えたように思えた。
「そういえばこの刀をなぜ映姫様が持っていたんだ?」
「その刀は八雲 紫(やくも ゆかり)が持ってきたものです。」
「八雲 紫?誰だ?」
私の問いに映姫様は知らない名前を挙げた。
「八雲 紫というのはスキマ妖怪です。」
「スキマ妖怪?やはり妖怪もいるんだな。」
「彼女はこの幻想郷の結界を管理しているものです。」
「ようするに幻想郷の管理者といったところか?」
「まぁ、そうなりますね。」
「そしてあなた世界でいうところの神隠しを引き起こしている妖怪でもあります。」
「その為、幻想入りの原因は彼女によるものが多いですが、今回のあなた場合は違うようです。」
「そうか」
「まぁ彼女とはまた会う機会もあるでしょう。」
映姫様は私の質問に答えてくれて、その人物が何者なのかも合わせて教えてくれた。
「他になければ、あなたを魔界へと続く通路に案内しますが、いいですか?」
「えぇ、頼みます。」
「分かりました。それでは着いてきてください。」
そういって映姫様は通路へと案内してくれた。
しばらく歩くと目の前に厳重に閉じられた扉が見えてきた。
「ここです。この扉の向こう側が魔界へと続いています。」
「今開けますので、お待ちください。」
映姫様はそういうと扉の前まで行って何かを唱えているようであるが、ここまでは聞こえないようだ。
そして、言い終わると
『ガタ、ギィー』
扉が音を立てて、開いた。
「さぁ、扉は開きました。」
「ここから先はすべて、あなたの行動次第です。」
「慧、向こうに行っても達者でね。」
「あぁ、また会おう。」
そういって私は2人に背を向け、一路魔界へと歩みを進めることにした。
「行っちゃいましたね、」
「えぇ、これからの彼の行動に期待することにしましょう。」
そういって映姫様は執務室に戻ってしまった。
「慧、元気でね。」
小町は慧が行ってしまった扉の向こう側を見ながら、静かにつぶやくのだった。
ご無沙汰しておりました nagayaです。
最近リアルで時間が割けず更新が遅っていく一方で申し訳ありません。
今回もそうですが、一話ごとの内容は比較的短めですが、
(理由としては作者の私が長文を作成する技術がないからですww)
これからもそんな感じで書いていこうと思います。
次の舞台は魔界となるわけですが、旧作の知識が全くない( ̄Д ̄;;
今の原作も詳しいわけではないですけど、
所々違う描写になることもあるかもしれません。
そこに関してはみなさんからご指摘を頂けたらと思っています。
それでは