日永さんが扉を開ける。するとそこにはヘイローをつけた4人組がいる。
「まあ、とりあえず入ってください。」
日永さんが便利屋と名乗る彼女たちに声をかける。
「あら、ありがとう。」
頭に一対の角を生やした人を先頭に彼女たちは扉から入ってくる。
「ゲヘナの指名手配犯がここに来るとはな。」
カンナさんが複雑な表情をする。
「どうも、公安局の局長さん?」
黒いパーカーを羽織った人がカンナさんにあいさつする。
「えーっと、どちらさま?」
私は頭に角を生やした人に聞く。
「あら、私の名前を知らないなんて……って……。」
入ってきた4人組は私を見ると固まった。
角を生やした人にいたっては白目をむいている。
「ヘ、へ、ヘイローがないなんて…………。」
「だ、大丈夫なの?あなた…………。」
ショットガンを持っている人の慌てぶりが尋常じゃないなあ。
「お気になさらず、外から来たので元々ないんです。」
「……そう、なのね。」
「にしても小学生がいるなんてねー。よろしくね、ボク♪。」
まーた勘違いされちゃった。
「あの、一応、高校生です。」
こんななりだけどね。
「あ……あらそう。ま、まあ私は最初からわかっていたけどね?」
角を生やした人は慌てふためきながらも取り繕う。
そんな彼女を見るとなんだかちょっと心が軽くなる。
「……とりあえず、こちらにどうぞ。」
日永さんが促し、彼女たちは椅子に座った。
「社長、まずは自己紹介しない?」
黒パーカーを着た人が言う。
「あら、そうね。コホン!私は便利屋68社長アルよ。」
「私は室長のカヨコ。」
「ムツキだよ~よろしく~。」
「わ……私はハルカです。覚える価値もないかもしれませんがよろしくお願いします。」
……とりあえず多分社長がめちゃくちゃいい人だってことはわかった。
あと、ハルカさんの名前だけは絶対に覚えよう。そうしないと彼女の精神状態が危うくなる。
「和田です。よろしくお願いします。」
当たり障りのない自己紹介をする。
「お互い自己紹介が終わったところで……なんであなた方がここを知っているのか話していただけませんか?」
日永さんが便利屋の皆さんに聞く。
「あら、それはさっきも言った通りよ。私たちは市川さんの依頼を受けてやってきたの。」
その言葉に衝撃を受ける。アルさんはそのまま話し始める。
「ええっと……まず私たちは1週間前、市川さんから依頼を受けたの。」
「そう、メールで今日、ここに来た人たちを助けてやってくれっていう文章と、ここを示した地図が送られてきたの。」
「最初は怪しいって思ったんだけど、500万円ぐらい振り込まれちゃったからねえ~引き受けたってわけ。」
アルさんに続いてカヨコさんとムツキさんが話す。
なるほどね。それよりも気がかりなことが。
「……市川さんはこの日に私たちが捕まることを知っていた?」
「まあ、その可能性もありますが、もう一つは市川さんが私たちを巻き込みたくなかったから知らせなかったとか。」
「多分、和田くんの言う通りだ。」
綾乃さんが上体を起こす。
「綾乃!寝たまんまでいいから!」
「そうか……かたじけない。」
日永さんの言葉に押され、綾野さんはまたソファーに横になる。
「あの人は……市川さんはいつも言っていたよ。『私にはアントス探偵事務所の一員だ。だから私には事務所の皆を守る責務がある。』って、市川さんは私たちを巻き込まないために知らせなかったんだと思う。」
綾乃さんはアントス探偵事務所の副所長、だからこそ所長と多く接し、心の内をたくさん聞いてきたのだろう。
その場にいる全員が黙って綾乃さんの言葉を聞いていた。
「和田くん、仲間を見捨てるか、助けるか。君の考えを先に聞きたい。」
日永さんがこちらを見る。私は少し悩んでしまう。
「そんなに悩むこと?」
アルさんが私に話しかける。
「あなたにとって、仲間は大切な存在ではないのかしら?」
確かにそうだ。アルさんの言う通り。
「……いま、冤罪をかけられているのは私達、アントテクネ生徒会です。そしてアントス探偵事務所の皆さんは関係ないにもかかわらず、私たちに協力してくれました。」
そこで、いったん言葉を区切る。
「助けに行くべきでしょう……普通であれば。」
「ほう。」
日永さんが驚いた顔をする。
「ですが、敵の本拠地に乗り込むとなれば戦力があまりにも不足しています……なので、助けに行かず、見捨て、私たちに冤罪を吹っ掛けた真犯人を見つけるのを優先するのも1つの選択肢です。」
「で、結論は。」
日永さんはにやりと笑いこちらを見る。
「助けに行く。それしかないです。」
「なるほど、だが戦力の差はどうする?」
カンナさんが私に聞く。
「潜入作戦でいけば大丈夫でしょう。」
「……今度はおしゃかにならないことを祈るばかりだな。
「綾乃はどう?」
日永さんは綾乃さんに聞く。
「もちろん助ける。今の私にできることは少ないかもだけど。」
「私もだよ。便利屋の皆さんも助けに行くってことで、お付き合いいただけませんか?」
日永さんがアルさんに聞く。
「大丈夫よ。私たちにドーンと任せなさいっ!」
アルさんがフフンと胸を張って言う。
「にしても戦力の差ね……。」
日永さんはウーンと悩む。
「和田くん、研究所の人に協力って頼めない?」
私はもともと外の世界にある研究所、ルクティア•霧宮理工研究所の特別上級研究員だった。
「無理かと。もし私がいた研究所の仲間をこっちに連れてきたとしたら、外の世界とこっちの世界で外交問題が発生しますから。」
「そうか……。」
日永さんは肩をがっくりと落とす。
その時、またドンドンと扉をたたく音が聞こえる。
「誰だ?}
この場にいる全員が戦闘態勢になる。
「さっちゃん~あーけーてー。」
その声に私は聞き覚えがある。
「さっちゃん?もしかして和田くんの知り合いなのかい?」
日永さんは私に言う。
「……ええ。」
私が扉を開けると、細身で高身長、スーツを着た男が立っていた。
「久しぶり、
「さっちゃんも。」
いえーい。と、ハイタッチをする。
「元気にしていた?」
「まあ、ぼちぼち。とりあえず、中に入っていい?」
「どうぞ。」
柊は中に入る。
「あなたは……。」
カンナさんが柊さんに聞く。
「僕はルクティア•霧宮理工研究所の戦略部門主席の柊一悟だよ。よろしく。」
そういって柊さんはアルさん達と握手をする。
「え、えっと。あなたは何の用でここに?」
「さっちゃんに大事なことを伝えるためかな。まずは、これどうぞ。」
柊さんはハルカさんの質問に答えた後、一本の刀を私に渡す。
「……。」
それを見て私はどうしようもない感情になってしまう。
「これを使えば先生についての問題も解決するだろう?」
まあ、そうですけど……。
「だ……大丈夫?和田くん?」
アルさんが声をかけてくれる。
「君たちが直面している事態についてはおおよそ把握できている。それを踏まえて戦略部門、ひいては研究所は今回の事態についてこう結論を出した。」
一呼吸おいて柊さんは続ける。
「調査部特別顧問でもあり第二即応大隊指揮官、上級研究員である、さ……和田くんにこの事態を収拾させることにした。」
いまなんだかさっちゃんって呼びそうになっていた気が。
「『調査部』……『第二即応大隊』、昔聞いたことがある。確か、外の世界でオーパーツや怪奇現象を調査するところのはず。」
カヨコさんは物知りな人だな。
「和田くん、どうして黙っていたのかな?」
「日永さん、ごめんなさい。あまり人に言っていいものではないので。」
私は頭を下げる。
「日永さんでしたっけ?そんなに彼を責めないで上げてください。彼の立場は外の世界でも不安定なものでして、和田くんとしてはあなた方を極力巻き込みたくなかったのでしょう。」
柊さんがかばってくれる。
「はあ、まったく。市川さんと同じだな。」
綾乃さんがため息をつく。
「ねえ、刀ってことはさ、和田君は戦えるの?」
ムツキさんが質問してくる。
「……まあ、それなりには。」
「……謙遜はやめておいたほうがいい。君はかなり強いほうだろう?」
柊さんの問いに私は黙ってしまう。
私が強いなど口が裂けても言えない。
研究所が襲撃されたあの日、私は数万の軍勢と戦い、勝った。
だかそれは何の証明にもならない。
「もし人をどれだけ守れるかが強さの指標なら。私は間違いなく弱いです。」
私ははっきりという。
「で、何人ぐらいあなたは相手にできるの?」
アルさんが私に聞く。
「……何百、何万、何億でも。」
「ならいいじゃない。」
アルさんはきっぱりという。
「あなたが戦って、私たちが助ける。それでいいじゃないかしら?無理なことは私たちに丸投げしなさい。」
「ですが……。」
「いい?あなたは一年生。ここにいる人たちはほとんど先輩なの。後輩であるあなたは先輩を頼る権利があるわ。」
アルさん……いや、アル社長は凛とした声で言う。
なんてかっこいいんだこの人は。白目をむいていた人とは思えない。
「社長の言う通り、あなたは向かってくる障害をすべて壊せばいい。」
「わ……和田さんの期待通りではないかもですが、頑張るので……。」
「後ろは任せちゃいなよ、さっちゃん。」
カヨコさん、ハルカさん、それに日永さんまで。
「……綾乃さん。けがの具合は?」
「もう普通に動けるよ。」
よし。
「ではこういたしましょう。便利屋の皆さんと綾乃さんは人質となっている相葉さんたちの救出。その間、日永さんと私で敵の増援を食い止めます。カンナさんは後方支援をお願いします。そして柊さん。」
「なんだい?」
「この事態を脅威評価スケール5の事案が発生したと認定し、第二即応大隊に緊急招集をかけてください。
出動するタイミングは私が指示します。」
「それはキヴォトスに大隊を出動させるということでいうことでいいのかい?」
「ええ。」
すると柊さんは笑い声をあげる。
「なるほど!いいよ、関係各所の調節は僕が済ませとくよ。」
さてと。
「勝負の時間です。今すぐに向かいましょう。」
「ちょっと待ちなさい!場所はわかるの?」
「ミレニアム。そこに相葉さんたちはいます。」
そして私は玄関の前に進む。
「和田くん。」
柊さんが私を呼び止める。
「死ぬなよ。」
「死にませんよ。」
そうして私たちは車に乗り、ミレニアムに向かう。
賭けの始まり。オールインだ。
原作キャラの口調は合っていると思いますか?
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普通に合っている
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