火薬の匂いがする僕の変わった青春   作:Maxner

15 / 16
最悪

「さてと、皆さん大丈夫ですか?」

「大丈夫。」

 日永さんが返事をする。

「アルさんは。」

「大丈夫よ。」

 よし、なんとかいけそうだ。

「あ、あの~これから私たちどうすれば。」

 ハルカさんが不安そうに尋ねてくる。

「一歩もそこから動かないでください。」

「一歩もですか?」

「ええ、一歩も。」

 問題は自分が持っている術式がどれだけ通用するか。

「ま、オールインってところかな。符号型演算術式神型・符号型動力供給術式神型発動。」

 例のパワードスーツにかけられていた術式を自分にかける。

 これを使うのもあの時以来か。

 来る。まずは全方位の攻撃。

「符号型術式十式”自動迎撃”並びに”熾境結界”発動。」

 さて、これでどれだけ防げるか。

 彼女たちの攻撃は自動で叩き落とされ、こっちに来ようものなら膨大なエネルギーが必要になるから抑えれるはず。

 「……おかしいな、演算術式と動力供給術式を使っているはずなのに抑えきれていない。」

 動力供給術式は核融合反応で25GWぐらいの膨大なエネルギーを。演算術式は量子コンピュータを使った演算装置に匹敵するほどの演算ができるのに、少しづつ押されている。

多くの少女たちの間から一人の羽がついている少女が飛び上がる。

「ヒナ!」

 先生がその少女の名前を呼ぶが彼女には聞こえていない。

「……和田くん、少しやばい気が。」

「日永さん安心して。」

 そしてヒナさんが銃弾を放つ。段違いのエネルギーを持った弾丸を。

「反律演算型術式十式”絶対零界”発動!」

 私たちの周りに彼女たちを巻き込んで氷の壁が出来上がる。

「助かった……?」

「いいえ。」

 術式で作り出した氷はとにかくエネルギー的に不安定。つまりすぐ溶けるし、壊れる。

「氷、割れ始めているような気が……。」

「構えてください。」

 予想通りすぐに氷は壊れまた彼女たちが襲ってくる。

「上に逃げます。反律演算型術式”反重力界”発動!」

私たちはとっくに壊されている天井を無視し上空へと逃げる。

「ふう、これで安心かな。空中に浮いているのって不思議な気分だ。」

「先生はあの男を見くびりすぎます。」

 え?という顔を先生がする。

「あの男は……ありとあらゆる手段で快楽を求め、その目的の障害になるものはどのような方法でも使って跡形を残らず塵にします。現に。」

 下をよく見る。おそらくだ、考えたくもないが、おそらくだ。

「あの男は彼女たちをあの状態にした後に術式を強制的に何十個も付与しています。身体能力、弾丸強化、エネルギー操作、精神干渉。しかも何がまずいって……。」

「何がまずいんですか。」

「カンナさん。例えばですよ?金属製のコップに入っている熱湯をキンキンに冷えたコップに入れたらどうなりますか?」

「それは……割れると思います。」

「それと大体おなじです。彼女たちの今の体は術式に使用する莫大なエネルギーに耐えられるようなっていますが、ここで私が急に彼女らの『反転』を直しても、彼女たちは体の中に残ったエネルギーに耐えられず崩壊する。」

「そんな……。」

 これを防ぐには解除と同時に治癒術式を高速で回すしかない。だがまだ彼が彼女たちを反転させた仕組みがわからない。

「くるわ!」

 下をよく見るとどんどん彼女たちはこちらに向かってくる。

 その様子はまるで天を穿つ竜といったところであろうか。

「彼のことを信じるか。」

 ま、彼なら少女たちに回復術式くらいはかけているだろう。ならいいよね。

「”万象終焉ノ刻”」

 私は刀を振り下ろし彼女たちに斬撃を当てる。その斬撃は普通ならばビル一棟は余裕で両断できるほどの威力を持っている。

「い……今ので彼女たち死んでいないかい?」

「いいや、先頭にいた人に全部吸われた。」

 けど勢いは弱り、落ちていく。

「さてと、反律演算型術式”反重力界”発動。」

 これでまた彼女たちを地上に戻せた。圧死は……うん、考慮しなくてよさそう。

「さてと、そろそろ終わりにしよう。」

私は猛スピードで下に降りる。もう術式の解析は終わった。

「禁律型術式”反転解除”並びに“再律再生”発動!」

 そして彼女たちに術式をかけ、反転を無理やり解除する。

 もちろん上にあげた先生たちも忘れずにフワッと着地させる。

「……終わったの?」

 カヨコさんが聞く。

「ええ。」

 その時、ぱちぱちという音が聞こえる。

その方向を見ると彼がいる。

「やっぱり君は素晴らしいね。こんな短時間で反転した生徒216人を一斉に直すなんて。しかも治癒も同時にやるとは。」

「あなたですか、騒がしいですね。」

 今回の黒幕でもあり彼女たちを反転させた男、ベックスを見つめる。

「そんなに睨まないでよ。まったく、これで君と先生を殺そうと思ったのに台無しだ。」

「では、今から戦いますか?」

「それはまたでいいだろう。あ、そうそう一つサプライズを君の仲間にかけたよ、楽しんでね。」

 それだけ言い残し、彼はどこかへ消える。

「サプライズ?」

後ろでパタンという音がする。振り向いてみるとカンナさん、便利屋、先生の人たち以外の仲間が倒れていた。

「な……何が起こったの?」

「……術式だ。彼は去り際に術式をかけて日永さんたちを瀕死状態にしたんだ。」

「そんな……。」

 そして、周りの生徒たちは目が覚め立ち上がり始める。

「和田くん、とりあえず場所を移しましょう。」

「はい……。」

 私は彼女たちに対する凶行を防げなかったことを悔やみながら周りの人に手を貸し始めた。

原作キャラの口調は合っていると思いますか?

  • とても合っている
  • まあまあ合っている
  • 普通に合っている
  • あまり合っていない
  • 絶望的に合っていない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。