暗殺教室 自己証明   作:烏鷺

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お久しぶりの更新!!シャンフロの方に比重が傾いて止まってましたが書きました!

楽しんでくれると嬉しいです!誤字脱字等報告ありがとうございます。ガンガン送って貰えると嬉しいです。


17時間目 修学旅行の時間

「結城、一緒の班にならないか?」

 

殺せんせーの暗殺が終わり数日が経った頃、登校してきた俺に唐突に磯貝がそう声をかけてきた。

 

「なんの話だ?」

 

「修学旅行の話に決まってんだろ!」

 

要領を得ないセリフにそう聞き返すと今度は前原が京都の旅行雑誌を見せてそう言ってくる。

 

「修学旅行か……」

 

前原から旅行雑誌を受け取りページをめくる。金閣寺や銀閣寺、清水寺等の寺社仏閣が載っており読み進めれば人気のスイーツ等の情報が出てきた。

 

「今はこういうのが人気なのか…」

 

前に京都に行ったのは3年前だがその時とは全く乗っている情報が違っている。旅行雑誌の情報なので偏りはあるだろうが変化を見ながら懐かし気持ちになる。

 

「俺達の班は7人班なんだ。女子は片岡が声掛けてくれてるから俺と前原で男子の面子集めしてるところなんだ」

 

すると、磯貝が殺せんせーに提出する予定であろう用紙を見せながらそう言ってきた。

 

「そうか……」

 

そんな磯貝に短く応えながら前原に雑誌を返すと

 

「磯貝君、今いい?」

 

そう言って片岡が話しの輪に入ってきた。

 

「片岡、どうかしたのか?」

 

「うん、磯貝君達がちょうど修学旅行の話しをしてたから女子のメンバーが集まったこと伝えようかと思って」

 

「マジか、メンツは誰よ?」

 

片岡のセリフに前原はテンションを上げてそう尋ねる。そんな前原に片岡は「わかりやすいヤツ…」と呟くと手招きをして倉橋と矢田、岡野を呼んだ。

 

「おぉ!女子の残りは倉橋と矢田と岡野か」

 

「よろしく〜」

 

「よろしくね」

 

「よろしく」

 

「よろしく3人とも」

 

普段の生活でも暗殺でも仲の良い面子が集まったからか前原は嬉しそうに笑い磯貝も笑顔で3人に挨拶を返した。

 

「後は、男子だけだけど結城で決まったの?」

 

「そう思って結城を誘ってるところなんだ」

 

岡野にそう答えながら俺の方を見る磯貝は視線で「どうだ?」と追いかけてくる。

 

しかし

 

「すまないが断る。修学旅行には行かないからな」

 

俺はそんな磯貝に簡潔にそう返した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「結城君、この後時間はありますか?」

 

その日の放課後課題を終わらせるために残っていた俺は教科書やノートを鞄に入れ帰路につこうとしていた所を殺せんせーに呼び止められた。

 

「はい」

 

「帰ろうとしている所に声をかけてすみません。磯貝君から聞きましたが修学旅行には参加しないのですか?」

 

殺せんせーは俺の前に立つと少し寂しそうな声でそう聞いてきた。

 

「はい」

 

殺せんせーのセリフに短くそう返す。

 

「理由を聞いても?」

 

殺せんせーは俺の表情を見て何かを探るようにそう尋ねてくる。俺はそんな殺せんせーに首を傾げたがはっきりと不参加の理由を答えた。

 

「京都についての知識は既に充分得ています。中学3年に行われる修学旅行、この行事が1、2年の際に行われた研修や宿泊学習と違い()()の色を強くした行事である事は承知しています。ですが、旅行出会っても修()旅行である事に変わりありません。なので知識を得ている俺は不参加です。………それに行っても()()()()()()から」

 

()()()()()とは?」

俺の答えに首を傾げる殺せんせー。言った意味が理解出来ない様子なのは明白、なので俺は自分の『顔』を指さし

 

「この顔を見れば俺が誰の子供(結城巴の息子)か誰でも解ってしまう。……言いたくありませんが俺の顔はあの人とよく似てますから」

 

「そう意味でしたか…すみません。先生の配慮が足りませんでした」

 

殺せんせーは頷くと本当に申し訳なさそうにそう言う。だが、これは俺の問題であって殺せんせーにはあまり関係がない。俺は「謝らないでください」と言うと

 

「自分の問題だと理解していながらこうして外にその問題を持ち出している…。不甲斐ないです」

 

そう言い殺せんせーに「すみません」と頭を下げた。

 

「いえ、そう言った生徒の問題と向き合うのも『先生』の務めです。家庭内で相談できないことを相談される。先生とはそう言う存在ですから」

 

そう言うと殺せんせーはニヤリと笑った。その笑顔に少しモヤモヤしていた気分が和らぐ。

 

「今までに君がそう言う出来事があったのですか?」

 

すると、殺せんせーはカルマの席の椅子を引きながらそう尋ねてきた。

 

(椅子に座る…。長くなると言う事か)

 

殺せんせーの行動に応えるように俺も自分の席の椅子を引き座ると殺せんせーの質問に答えた。

 

「えぇ、1年の時に。研修先の職員がルールに反した行動を起こしたので正したら面倒事になりました」

 

「そうでしたか。ではそれ以来学外に出る行事には不参加なのですね?」

 

「えぇ、成績に関わる行事は仕方が無いので参加しますが…それ以外には参加していません。内申が低くなりますがそうなってもカバー出来る成績を修めています」

 

「流石ですね。自分の行動に対するカバーリング、君の歳でそれほどまでに考えて完璧に実行出来る子供は少ないでしょう」

 

俺の成績に関して殺せんせーは全て把握しているのだろう。『完璧に』という言葉にはそう言う意味が含まれている。

 

「しかし、それだけに残念です」

 

すると、殺せんせーは俺の目をまっすぐ見つめてそう言ってきた。

 

「どう言う意味ですか?」

 

言葉の意味が理解出来ずにそう尋ねる。

 

「君は()()です。子供は本来そう言う事は考えずに物事を楽しむべきなのです。しかし、君はその他大勢の子供と違って()()()()()()。それは君が授かった才能の1つであり不幸の理由の一つです。『子供が子供らしくいられない』先生にはそれがとても悲しく残念です」

 

「…………」

 

俺は殺せんせーのセリフに何も言う事が出来なかった。いや、何か言う意味がなかった。

 

俺には()()()()()()でそれ以上でも以下でもない。殺せんせーには『子供らしくない』と写っていても俺は『こういう子供』なんだ。

 

「私の言葉も君は読解し理解出来ている。でも、それ以上を理解出来ない。なので先生は君に修学旅行に参加してもらいたいですねぇ」

 

「は?」

 

脈絡のないセリフに間の抜けた声が漏れた。殺せんせーはそんな俺にニヤリと笑みを浮かべる。

 

()()()()()()()()()()()()()君には修学旅行の間だけでも()()()()()()()()あって欲しい。君は知識は得ているから不参加と言っていましたがなればこそ、知識を蓄える為ではなく『楽しむ為』に京都に行きましょう」

 

「!!」

 

殺せんせーのセリフに俺は目を見開いた。まさか、こんな返しが来ると思ってはいなかった。『そうであるが故に』それ以外の目的を持つ。一理あるとも思った。

 

「なるほど理解しました」

 

殺せんせーに頷きそう言う。すると、殺せんせーは「やりました!これでみんなと京都を楽しめます!!」と言って触手を広げた。

 

「でも、殺せんせー。『ただ楽しむ』ってどうすれば良いんですか?」

 

俺はテンションが上がっている殺せんせーにそう尋ねる。すると、殺せんせーは勢いよく振り返り(触手)を立てて

 

「君には特別に修学旅行後の宿題は課さない事とします。その上で班のみんなに()()()()()()()()で行きたい場所を伝えなさい。そして、その場に行き()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のです」

 

そう言ってきた。俺は顎に手を添え言葉の意味を考える。今までで経験の無い内容に少し迷うが少し考えた俺は「やってみます」と言って頷いた。

 

「素晴らしい!」

 

殺せんせーはそんな俺にそう言い残すと教室から出ていった。それを見送った俺はスマホに登録してある磯貝の番号にかけると修学旅行の班に空きがあるかを確認し入れて貰えるように頼んだ。

 

『勿論!参加してくれて嬉しいよ!!』

 

スマホの向こうから聞こえる磯貝の声はやけに明るいその理由がわからず教室で1人頭を傾げるが嬉しそうではあるので特に考えない事にした。

 

「よろしく頼む」

 

最後にそう言い電話を切る。今までにない理由での行事への参加『初めて故の緊張』が少しあるが息と一緒に吐き出し俺は今度こそ帰路についた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「いやーよかったよかった。これでクラス全員参加ですねぇ。おっとそうでした、相談してくれた矢田さんにこの事を知らせなくては」

 

E組のある裏山から()()()()()でアメリカへ飛んでいる私は空中で止まるとそう呟き懐からスマホを取り出した。

 

「もしもし矢田さんですか?殺せんせーです。結城君の件、無事に参加すると言ってくれました」

 

数回のコールで電話に出た矢田さんにそう言うと彼女は嬉しそうな声を上げた。

 

「えぇ、えぇ、はい。今頃自分で磯貝君に電話をしていると思いますよ。彼は自分の事は自分で何とかしますから」

 

嬉しそうな生徒の声に私も頬が緩む。こういう時に先生である事を嬉しく思う。

 

「えぇ、それではまた明日学校で会いましょう」

 

そして、矢田さんとの話を終え私は電話を切った。そして、再びアメリカへ向けて出発する。考えるのは結城君の事

 

(自分の事を話し始めた時、僅かながら普段の口調では無くなった。何時もより事務的な相手を確実に納得させるような話し方。家族…特にお母様へのコンプレックスでしょうか?それを隠すように話し方に変化が見られた…)

 

彼自身は気が付いていない事。そして、彼は信じる事はない分野から彼を見た時の()()結果。

 

(恐らく彼の『合理性』は自分自身を守る為のメッキだ。それが良くも悪くも彼に合っていた。そして、()()()()()()()()()それが分かれば彼にも完璧に寄り添うことが出来る)

 

「先生として引けませんねぇ」

 

私は一人だけの空でそう呟き笑うとさらにスピードを上げた。

修学旅行で矢田との距離を近づけるのに賛成な人

  • 近づけろ!
  • 近づけんな!!
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