キヴォトスの行政組織・連邦生徒会を束ねる連邦生徒会長が失踪する以前に、呼び寄せた先生の活動拠点として立ち上げていた機関。通称、シャーレ。
そんなシャーレには当番があり、各学校の生徒が交代制で行っている。そんなシャーレのありふれた普通の一日…。私はそんな"普通の一日"に嫌気が指してたまらなかった。
▲シャーレ執務室
「はぁっ。。。はあっ。。。」
私は嫌になっていた。シャーレの活動が、いや最早それすら通り越した。私は何処にもこの気持ちを吐き出すことが出来なかった。
「……ぅ。やめっ……!」
悪夢が見える。私はおかしくなっていた。皆を助けても貰えるものは何も無いのだと、私は傷を負って皆は泣いて私の帰りを待ってる。もちろん、脳内では皆が私のことを思っていると理解してるつもりだ。
「……っ。……あぁぁぁぁ!」
私は痛みに耐えるために腕をひたすらに噛む。いやもうこの行為は"噛み千切る"といってもいい。私の中の悪魔が私を乗っ取ろうとしてくる。このままだと私は、私は……。私は……………………。
どうなるんだろう……。
急に怖くなった。私はこの世界に生きてる価値を見出だせなくなった。理性で我慢していた結界が崩れそうになってる。というより、壊れていたのかもしれない。私は気付けば、目の端にあるナイフをおもむろに取り出していた。用途は勿論、自衛用だ。そう、孤独や嫌悪、嫉妬、そしてそれらをひっくるめた絶望を司る自らの悪魔に支配されないよう"自衛"する行為なのだ。私はこのナイフで心臓を……。
「なにっ……。やってるんですか。」
私の手が止まり目の前に見えたのは、ほんの1mm達したら心臓を抉りとりそうなナイフ。それを持つ手を受け止めるミドリだった。
▲才羽ミドリ目線
「全く、お姉ちゃんはゲーム負けただけで拗ねて…。
はぁ〜。面倒くさい。」
私はミレニアムサイエンススクール1年生でゲーム開発部に所属中。双子の姉である、モモイも同じゲーム部に所属してる。サボり癖が多いのが本当にネックだけどね。でも、今それ以上に許せないのは期日までにシナリオ作成が終わってなかったのに、急にゲームに勝ったら許してって言って負けたらゴネる。
はぁ〜。私は何歳児を見てるんだろう。まあ、こういう時は先生のもとを訪れることにしている。でもそしたらその度に先生のとこ訪れて、迷惑もかけちゃうから気持ちの落ち込みが激しい時だけ行くということにしてる。
しかし、私は完璧な作戦を実行するためにここシャーレを訪れている。それは先生と一緒に寝て、あわよくば……。。。
うっ、うん。そんなことは起きないとはおもってるけど……。1%でも可能性を信じたいのは乙女としての血が騒いでるのか、まあ単純に恋愛ゲームのやり過ぎだけかもしれないけど。
「あっ。もうシャーレだ。」
どうやら、考え事をしている内にシャーレに着いたみたいだった。相変わらずおっきいなぁ〜。と思ってるのは私だけじゃない筈。私はシャーレに辿り着いてから周りを見渡す。時間帯は既に夜。ワルキューレのパトロールに補導されるんではないかと思うほどに真っ暗である。もう既に昼間、活動してたであろう生徒で溢れていたシャーレは人影すら感じさせなくどこか"不気味"であった。今度、ゲーム部恒例の怖い話大会の時に披露するネタが増えた。まあそんなことは置いとこう。
しかし、私は重大なことに気が付いた。
「何でシャーレの中が開いているんだろう?」
見た所、先生がいる部屋すら光が付いていなかった。普通、先生またはシャーレで活動してる生徒がシャーレにいなかったら、戸締まりはされている筈である。例えば、緊急時とか連絡して予め開けてといて貰うなどは可能かもしれないけど。私は無性に怖くなった。そして、ここで私は重大な決断が迫られるとゲーマーの感が働いた。そして、それと同時に強敵が現れてくれる雰囲気。いや今回は何事のケースにも当てはまらないかもしれない。私は強敵なんて言葉じゃ表すことが不可能で怪奇的、そしてそんな現象に対して何故が足が竦んでしまうそんな私がいた。
「どうしたんだろう。私。」
でも、逃げてちゃ何も変わらない。諦めてちゃ掴み切れない。これも先生が教えてくれたんだ。
きっと、私は分かってなかった。これから起こるのは絶望の始まりだって。それと今までの常識なんて通用すらしない大人の世界を覗き込んでしまったって。
誰だろう。誰かのうめき声が聞こえる。
「先生……?」
「……っ。……あぁぁぁぁ!」
「先生……!大丈夫っ!?」
私は扉を ▶開ける
開けない
開けないなんて選択肢が私にはなかった。そして、扉を開けた。そこに広がったのは今までに見たことのない荒れた先生の姿。そして、次に目に入ったのは先生が持つナイフ。それが心臓の方向を向いていた。
「ダメっ……!」
私は極僅かな距離で心臓に届きそうなナイフを止めた。固唾を飲み込んだ。私はこれを聞いていいのか。このまま知らないふりをして黙り込む?それとも普通の生活に戻すために知らんぷりを決め込む?否、出来なかった。雰囲気が、私の今にも溢れ出しそうな感情が、そして、先生と二度と笑顔を見せ合えなくなるじゃないかという絶望感を押し潰してまで言葉を飲み込むことが出来なかった。
「なにっ……。やってるんですか。」
もし、自殺したいなとか思ってる先生いたらJuice wrldってアーティストを和訳とか見たりしながらいいんで聞いてみるといいっすよ。おすすめは「empty」。