変化
▲朝
「……んっ……。」
私は眠い目を擦って、目を開けた。どうやら机に突っ伏して寝ていたようだ。
「あれ……?これは?」
自分の羽織っていた何かが落ちた。緑色のフード、白を基調としたボディの中に幾つか含まれている黒色のデザイン、
そして、この甘ったるいような花の香りに似ている濃い匂いが染み付いたこの服。とても嗅いでるとリラックスする……って、私は何やってるんだ。そんなことは置いておこう。
そういえば、ミドリは上着無しで相当無理して帰ったんじゃないか?外は夏初めとはいえ寒くなっていた筈だけど。
そう思っていると、机の上に書かれているメッセージを見つけた。中には眠たくなりながらも必死に書いたであろう。幾つかの箇所にぐにゃっと曲がっている筆跡も含まれているが、雑じゃなくしっかりと気持ちが伝わってくる。少し、寒気がする朝にはぴったりだった。早速、内容を読んでみることした。
▲置き手紙・ミドリ
「起きましたか、先生?まず先生は私に、上着を返さないと……といったことを考えてると思いますが、大丈夫です。その代わりと言っては何ですが、先生が干していたTシャツ借りちゃいました。それとTシャツを洗って帰したいので、予定が取れる時間はありますか、先生?
あと、先生はけっっっこう我慢してしまうとこがあります。なので、何かあったら言ってください。いや、それじゃ先生は変に遠慮をして連絡しないと思うので、私が毎日モモトークします。断るのは無しです。
そして、昨日のみたいに辛くなったら私に言ってください。受け止めますよ、先生の全部。
あ、これ見終わったらモモトーク確認しといてください。ミドリより。」
▲
「ありがたいな、昨日あんなことを言ってしまったのに……。確実に生徒に見せる姿じゃ無かった。先生失格だな……これは。」
そう言葉を吐きつつ、机に置いたスマホを手に取った。そして、通知にはモモトークが二件届いていた。ミドリとそれから、モモイだ。どうしたのだろうかと思って確認してみると、、、
▲モモトーク・モモイ
◯昨日
「助けてぇぇぇ先生!ミドリと喧嘩しちゃったよ!」
9:30
「ミドリ見かけてない!?悪い奴らに連れ去られたかもしれない、、、どうしよう!?」
10:00
「先生?寝ちゃった?もしかして、先生……ミドリそっちに居たりする?先生?」
10:30
◯今日
「先生ーー!解決したよ!ミドリが先生が色々と手伝ったおかげだって言ってたよ!本当にありがとう!」
8:30
▲
「…………申し訳ないな。」
昨日はあまりに壮絶過ぎて、モモトークの通知なんて頭に入ってこなかった。それにモモイにも色々と迷惑をかけるだけになく、ミドリの話も聞けず気遣わせしまった。これでは先生としての役目が果たせていない。
まあ落ち込んでいても仕方ない。気持ちは一割程度しか振り切れていないが、ミドリを待たせていても余計に迷惑をかけてしまう。溢れる罪悪感と共にミドリのモモトークを開いた。
▲ミドリ・モモトーク
「先生、手紙は見ましたか?もし良かったら見てくれるとありがたいです。ご返事待ってます。」
2:30
「遅れてごめん、、、本当にありがとう。おかげで、もう悩み事も無くなったよ!ありがとね!」
9:06
「嘘、つかないでいいですよ先生。生徒だと思って遠慮してると思いますが、平気です全然。
深い傷ってのはゲームとは違って、すぐには直らないんですよ。メンタルなら尚更です。先生、本当にきつい時は頼って下さい。私を。」
9:08
「凄いね…………ミドリは。本当にありがたいよ。でも、流石に申し訳ないよ。」
9:09
「じゃあ、分かりました先生。でしたら近頃ゲーム開発部に立ち寄っていただけると嬉しいです。実は、お姉ちゃんがシナリオを締め切りまでに完成させなられてなくて、私も手の着けようが無い状態でして……」
9:11
「分かった、任せて。」
9:11
▲ゲーム開発部・入口前廊下、ミドリ視点
私は目を見張った。いや、目を見張るしかなかった。さっきまで、さっきまで話してた先生が目の前にいるんだから。昨日あんなことがあった矢先なのに、どうなってるのかな、先生の精神力。
「え、先生?お時間ある時で良いって言った筈なんですけど……。」
「うん。そうだね。」
先生は、「何を言ってるんだろう?」……みたいな顔で見てくるけど私がおかしいのかな?明らかにシャーレにいたとしたら来るのが早すぎるし、近頃って言ったのに今日来たし……。先生の行動力には手も足も出ない。
「それで、、、何で来ちゃったんですか?」
「だって、、、
ミドリは大切な生徒だから。」
「え……っ。」
私はフリーズした。先生はいつもそうやって言葉を振りまくが、私は昨日のことと重なりあったことで僅かな希望が芽生えた。それは……私のことを好きじゃないか。そんな叶うかも分からない……最早、奇跡にも近いことだが。私をおかしくさせる一言であった。
しかし、私も惚気ていたらこのだらしない先生以外には見せたくない顔がお姉ちゃんに見られてしまう。切り替えて先生との会話を再開させた。
「そ、そ、そんなことはいいんです。私が直した方が思ってるのは、そうやって自分の身も気にしないですぐ来ちゃう所ですよ、先生……。」
「まあまあ……。
ミドリだからだよ。早く来たの。」
「え、、、先生どういうこと……」
ガチャ
「先生ーー!」
「先生!」
「せ、先生」
ゲーム開発部三人で何かを話しているがどうでもいい。
私は、その一言に動揺を隠せなかった。そして、私の中の出してはいけない醜いものが姿を表そうとしていた。私は怖くなっている。これがどういう物なのか。そして、私を豹変させゆくこのドス黒いものは。それが暴走しそうで怖くなっている。
ごめん、皆。先生を譲る訳にはいかない。
私が支えていかなきゃいけない。先生は。
本当に先生(読者)の皆さんの感想が心に刺さってます笑、しかし、愛情って難しいし望んでも手に入らないものなんですよ。だから待ってるだけじゃ何事も掴めないってのもまたまた鬼畜ですよ。
だからゆっくりやりたいことから順にやってけばいいと思います。私もやりたい!って思ったことを純粋に初めてます。
そういうこと無数に語れるんですけど、キリないので笑
とりあえず、お気に入りとか感想くれた先生!そして、この作品を応援してくれてる先生ありがと!