脳破壊なんてされない最強のナギサ様   作:shaf

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はい。
大変!!!お待たせしてしまいました!!!!!
まさかの前回よりも長く空いてしまうばかりか、前より文章が短いという。遅れた理由は後書きに書いておきますので、とりあえず続きをどうぞ!
あ、ここから世界観の独自設定が強くなります。


キヴォトスの過去とワールド・マーシャル

 

 第二次学力試験の前日。私はナギサに呼ばれティーパーティーテラスに向かった。テラスの前に着きノックをすると、「どうぞ」とナギサではない別の人の声が聞こえ、疑問符を浮かべながら入室すると。

 

"イヴ?"

「お久しぶりです、先生。こうしてお話しするのは初めてですね。どうぞお座りください」

 

 テラスの椅子に座るイヴが居た。周りを見渡すと、どこにもナギサの姿が見当たらない。

 

「あれからなにかお変わりはありませんか?合宿の方はいかかでしょう。何か困ったことなどありませんでしたか?」

"うん、そこは大丈夫だけど……ナギサに呼ばれてきたんだけど、居ないみたいだね?"

「……申し訳ありません。ナギサ様は急遽重要なお仕事が入ってしまい、席を外しております。それ故、私が代理としてこちらに出席した形になります」

"それって、もしかしてワールド・マーシャル関連?"

 

 私がそういうと、イヴが固まる。もしかして、これ言っちゃ駄目だったやつ……?

 

「……なるほど、それが聖園ミカ様とお話した内容ということですか」

"えーと……知ってるんだね、ミカと会って話したこと"

「ええ、まあ。それは置いておいて、知ってしまったからには、釘を刺しておかねばなりませんね」

"釘を刺す?"

「ナギサ様がワールド・マーシャルの人間であることは、一般的には公表されておりません。ナギサ様がワールド・マーシャルに所属していることを知っているのは、ワールド・マーシャルの各関係会社と社員、それからティーパーティーの生徒会長のお二人のみです」

"結構機密情報だったんだね……"

 

 そんなことをあっさりと教えてくれるって、ミカは私のことをそんなに信頼してくれていたのだろうか?

 

「ええ、そう言うことですので、トリニティでワールド・マーシャルのことを無闇矢鱈と話すのはお控えください」

"分かった。でも、もう少しワールド・マーシャルのことを具体的に知りたいな"

「……はあ、わかりました。貴方には補習授業部に専念してもらいたいですし、話せる範囲であれば、お話しいたしましょう」

 

 イヴはそういうと、テーブルに置いてある紅茶を一口含み、話を始めてくれる。

 

「まず、ワールド・マーシャルは4年前にナギサ様が起業した警備会社です。主な業務内容は、治安維持を満足におこなえていない学園自治地区への武力的な支援です。主なクライアントとしては、かつて戦争をしていた学園が多いです」

"え、待って?……戦争?"

 

 予想もしていない言葉が出てしまい、思わず待ったをかけてしまうが、そんな私に対してイヴはなんでもないような表情をする。

 

「……そこまで驚かれますか。あなたであれば、ここでは然程珍しいことでもないと知っていると思っていましたが」

"いやいやいや!私ここに来てそんなに経ってないからキヴォトスのことは詳しくは知らないけど、色んな自治地区に行ってる。でも戦争してるところとか聞いたことないしみたことないんだけど!?"

「……ああ、なるほど。では先生は、今このキヴォトスが「奇跡の時代」と呼ばれていることも、ご存知ではないようですね」

"……奇跡の、時代?"

「先生、なぜ現在失踪している連邦生徒会長が超人と呼ばれているか、ご存知で?」

"……いや、知らない"

「年端もいかない子供は知らないことでしたが、現在の連邦生徒会長になる前のキヴォトスは、まさしく混沌と言ってもいい時代でした。連邦生徒会は名ばかりであり、各学園は協調するのではなく争い合い、このキヴォトスの覇権を握ろうとしていました。ですが、それを収め各学園を纏め上げた者こそが、現在の連邦生徒会長なのです」

"……そう、だったんだ"

 

 思わず絶句してしまう。キヴォトスがそんなところだったなんて……。

 

「今でこそ戦争はほとんどなくなりましたが、未だに戦争の傷跡が残っている場所も少なくありません。そういったところへの支援を、ワールド・マーシャルは行っているのです」

"……凄く、立派なんだね。ナギサは"

 

 多くの支援要請を受けてこなしてきたけど、なんだか私のやっていることが小さく思えてくる。

 

「……そうですね。ナギサ様は、非常に素晴らしいお方だと、私も思っています。話を戻しましょう。先程治安維持を満足に行えていない場所への支援と言いましたが、具体的な業務はそれ以外にもその自治地区の生徒への戦闘指導を行い、学園自治地区の運営をその学園の生徒で行えるようにすることも含まれています」

"それって連邦生徒会のやることじゃないの?"

「連邦生徒会とは明確に違うところがあります。それは、学園の自治地区の政治権の所有の違いです」

"政治権の所有?"

「連邦生徒会に任せた場合は連邦生徒会が学園を正常な状態になるまで管理を続けます。ですが、ワールド・マーシャルに任せた場合は既存の生徒会がそのまま政治権を持ちつつ学園の治安維持を行えるのです」

"うーんと……つまり、ワールド・マーシャルに治安維持を任せた方が、ある程度自治地区にいる生徒の自由がきく、ってこと?"

「素晴らしい理解力ですね。その解釈で概ねよろしいです」

 

 微笑みながら頷くイヴ。それにしてもキヴォトスがそんなところだったなんてなあ……。いや、まあかなり好き勝手にしてる子は多いけど、そんな血生臭い歴史があったなんて。私ももう少しこのキヴォトスに目を向けるべきなのかな。

 

「他に何か気になることはございますか?」

"うーん……このトリニティにワールド・マーシャルの子っている?"

「トリニティに滞在しているワールド・マーシャルの人間は私だけです。補習授業部に干渉することはありませんので、ご安心を」

"そっか、わかった。ありがとう"

「いえ、これも仕事ですので。……では本題に移りましょうか」

 

 あ、そういえば何か話があるって言って来たんだっけか。昔のキヴォトスが戦争してたって聞いて驚いて忘れてた……まあ、大体聞きたいことはわかるけど。

 

「少々お時間を取ってしまいましたので、単刀直入にお聞きします。先生、貴方から見てトリニティの裏切り者が誰か、見当は付きましたでしょうか?」

"……答える前に一ついいかな?"

「なんでしょうか?」

"どうして、ワールド・マーシャルの生徒を使わないで、私に支援要請をしたの?ミカから聞いたけど、その子達を使ったら簡単にわかるらしいじゃん。なのに、なんで?"

 

 そういうと、イヴは目を瞑り黙りこくってしまう。数秒たってから、イヴは目を開け話す。

 

「…………申し訳ありません。それについてはお答えすることは出来ません」

"……理由は?"

「ナギサ様がワールド・マーシャルの人間を使わないと御判断致しましたので、私からはお答え出来ません」

"……"

「……」

 

 沈黙が場を支配する。私もイヴも互いに見つめ合う。

 

"…………そっか、ごめんね。尋問みたいなことをしちゃって"

「……いえ、私もお答え出来ず、申し訳ありません」

"それで、裏切り者について、だっけ?ナギサに前に言った答えと同じ。私は私のやり方で対処するよ"

「そうですか……わかりました。ではナギサ様にはそうお伝えしましょう」

 

 イヴはそういうとテーブルに置いてあったティーカップの中を飲み干す。

 

「お話はここまでといたしましょう。最後に何か、ナギサ様にお伝えしたいことはございますか?」

"いや、特にないよ。気になることは実際に会って聞くから"

「左様ですか。では、本日はお越しいただきありがとうございました。第2次特別学力試験、頑張ってくださいませ」

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗い部屋の中で、一人の生徒が何かのダイアルを回している。ダイアルの音と時計の針の音のみが部屋に響く。ダイアルを回し終わり、コール音が数回鳴る。

 

「……はい。私です。本日の定時連絡に参りました」

「…………はい、誰にも私がアリウスからのスパイとはバレていません。勿論、白洲アズサにも」

「…………今回の作戦に、私は参加しない、ですか。……いえ、不満があるわけでは……ただ、理由はお聞きしたく存じます」

「…………なるほど、失敗を見据えている、と。流石、"マダム"です。……はい、わかりました。では私は引き続き、桐藤ナギサの秘書としての活動をしていきます。何か変わったことがあれば、ご連絡いたします」




お読みいただきありがとうございます。遅れた理由については……あ、遊び、惚けてました……。
いや、本当に反省してます。執筆する時間あったのにやってないんですから。
じゃあなんで急に執筆したのっていうと、期間がかなり空いてたのに評価をしてくださる方がいたからですね。流石に評価されてるのに書かないのは失礼だなと思いましたので、今回続きを執筆した所存です。
返信はしない主義な筆者ですが、感想には全て目を通してあります。非常に励みなっておりますので何卒感想と評価と応援をお願いします。執筆速度上がります。誤字報告などもありがとうございます。
前話でもお話しましたが、ストーリーの構成は出来ていますので、エタる気はないです。
長くなってしまいましたが、小説初心者ながら期待に添えるよう頑張っていきます!
ちなみに今回短いのは、次が2章終わりまで書くのでかなり長くなるからです。
後、拙作を読み返していると少し、ん?となる場面があったため一部推敲します。
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