リアルに余裕が出来てきて投稿ペース早くなっております。
今回から独自解釈や独自設定が強くなってきます。
聖園ミカによるクーデター事件が終わり、補習授業部も無事試験に合格した後、アズサはとある人物と面会するため、今回のクーデターに加担したアリウス生徒たちを収容している場所に足を運んだ。
「入るぞ」
「おっ!アズサ!久しぶりだな?試験には合格出来たか?」
「ああ、問題ない。そっちの調子はどうだ?フィアンマ」
「まあ悪くはない。アリウスに居た頃よりはマシな生活が出来ているだろうさ」
「そうか。それなら何よりだ……一つ、聞いてもいいか?」
「おん?いいぜ」
「……お前は、サンダウナーの部下だった奴だな?」
緩やかな雰囲気を出していたフィアンマは気を引き締めたような雰囲気になる。
「…………ああ、そうだ。突然あいつが居なくなってこっちは焦ったもんだが……まあ、あいつの教育の賜物かね?慣れるのにそこまで時間は掛からなかった。お前は、あいつがどこに行ったか知らないのか?」
「……ああ、私も知らない。会いたいとも思わないがな」
「……そうかい」
そこで話は終わり、互いに沈黙する。
「……ところで、フィアンマはこれからどうするんだ?」
「さあ?一先ずここで待機して、トリニティ側の判断を待つだけさ」
「私たちの方から、ある程度は口添え出来た。悪くない結果になるはずだ」
「それは有難いね。お前に会えたのは中々に幸運だったよ」
「私も、昔の仲間に会えたのは、嬉しい」
「……そうか」
少し照れたような顔でぼやくフィアンマだったが、次の瞬間には何かを思い出したかのような顔してアズサに喋りかける。
「そういうお前は、これからどうするんだ?……見たところ、未だに
「…………当然だ。あれは、忘れてはいけない」
「そうだな。それで?
「…………」
フィアンマの問いかけに、歯を食いしばり沈黙するアズサ。
「……まあ、今すぐ打ち明かす必要もないとは思うが。どれだけ逃げても、いつかは追いつかれるだけだぞ」
「…………ああ、私も理解はしている」
「ならいいんだけどな。良い生活に、仲間もいる。失いたくないならさっさと過去を清算することだな。でなけりゃお前──自分に殺されるぞ」
「…………わかってる。聞きたいことは聞けた。これで失礼する」
そう残して収容所から去るアズサの背中を見つめながら、ボソッと呟く。
「……白い悪魔、か……」
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"失礼します。来たよ、ナギサ"
「お待ちしておりました、先生。どうぞ、おかけください」
ナギサから、「今までのことについて詳しく話がしたい」と言われ、ティーパーティーテラスに向かった先生。テラスに入ると、そこには前と同じようにナギサが椅子に座っており、その少し後ろで秘書のイヴが控えている。
「まずは、今までの非礼をお詫びいたします。補習授業部の方々には個別でいたしましたが、先生にはまだ出来ていませんでしたから……先生、今回の件、先生には無関係であると言うのに、私の一存で巻き込んでしまい、大変申し訳ありませんでした」
手を丁寧に膝に置き、深々と頭を下げるナギサと、その隣で控えるイヴも主人に倣い頭を下げる。それを見た先生は、二人に頭を上げるよう促す。
"……二人とも、とりあえず顔を上げてもらえる?"
「……」
"……まず、私が巻き込まれたことは、あまり気にしてないよ。寧ろ、生徒の悩みには積極的に巻き込まれたいからね"
「……」
"……補習授業部に対する今までの行いは、良くなかったと思う。でも、それはナギサにも考えがあってのことで、それはもう反省してて、補習授業部のみんなにも謝罪したんだよね?"
「……はい、そうです」
"なら、私からは特にないよ。無事に解決してよかったって感じ"
先生の言葉を聞いたナギサは、思わず首を傾げてしまうが、すぐさま気を取り直し表情を戻す。
「……先生がそう言うのであれば、わかりました。この話は終わりにして、本題に入りましょうか」
"本題?"
「はい。先生から、今回の件について聞きたいことなどがあると思いましたので、この場を設けたのです」
"そうなんだ。ありがとう。じゃあまずは……今回の件、最初の時にはどこまで知ってたの?"
「全てです。アリウスという存在は勿論、ミカさんがアリウスを手引きしたということ、そして……セイアさんが生きていたということも、知っていました」
"そこまで分かってるなら、なんでわざわざ私を呼んだのかな?"
「最初にお会いした時にもお話しした通り、退学には様々な手続きが必要になります。もちろん、皆さんを退学をさせるつもりは微塵もありません。これの意図としては、アズサさんが一定の場所に留まりつつ、自身の信頼できる方を手に入れれるには、「退学しないように頑張る」というのが一番効果的であると判断した為です」
そこまで話すと、ナギサは一度話を中断し、手元に置いてある紅茶を一口含む。
「……もっとも、無関係な方々も巻き込んでしまったのは、申し訳ないとは思っていますが……謝罪は、先程しましたね。以上が、先生を呼んだ理由になります」
"なるほどね。じゃあ次は、フィアンマ──私達に協力してくれたアリウスの子たちと、クーデターに加担したアリウスの子たちはどうなるの?"
「彼女たちの処遇はこちらで決めます。フィアンマさん達に関しては、先生とアズサさんが彼女たちについて色々とお話ししてくれましたので、そこまで悪いようにはしませんのでご安心を。ただ、クーデターに加担した生徒は、恐らく殆どの生徒は矯正局辺りに行くことになるかと……」
"……そっか。わかった。後二つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?"
「勿論、構いませんよ」
"ありがとう。じゃあ聞くけど……エデン条約って、本当は何なの?"
先生の言葉に思わず首を傾げるナギサ。
「何なの、とはどういう意味で?」
"ああ、えぇっと……ごめん、変なこと聞いたね。忘れて"
笑いながらそう促すが、ナギサは顔に手を当て考えると、何かを思いついたように話し出す。
「……ミカさんに何か言われましたね?例えば……ETOを武装集団として使う、というような」
"っ!……まあ、そうだね"
「誤魔化さないで構いませんよ。ワールド・マーシャルの事を先生が知っているのは、イヴから聞きました。確かに、
ナギサの言葉に、先生は少し驚く。まさかそれを教えてくれるとは思っていなかったからだ。
「といっても理由は簡単で、「シャーレ」の持つ権限の有無。これだけです」
"「シャーレ」の持つ権限の有無……?"
「先程も仰ったように、「退学しないように頑張る」を目的としていたのが、補習授業部ですから。先生の持つ超法規的権限が必要だったのです。我が社にはそれがありませんから」
"……そういえば、そうだったね"
イヴから理由を聞けなかった時は、よっぽどな理由があってのことだろうと思っていたが、蓋を開けてみれば案外単純な理由に拍子抜けしてしまった先生。
「はい。それで、話を戻しますが、エデン条約とは何か。というと、本当にただの平和条約ですよ」
"……ごめんね、何か変な考えしちゃって"
「大丈夫ですよ。それで、最後の一つというのは……」
"……これから、ミカはどうなるのかな?"
それを聞くと、ナギサは紅茶を飲み、一拍おいてから話始める。
「……今は、トリニティにある懲罰房の方に収容されています。といっても、元はティーパーティーの生徒、それも代表の生徒ですから。他の罪を犯してしまった生徒と比べたら、境遇は優しい方です。ですが、これからに関しては……まだ何とも言えません。ただ、何もないと言うわけにはいきませんから。ティーパーティーとしての権限剥奪、パテル分派の代表失格。この二つは、確定と言えるでしょう」
"……そっか。ナギサは……今のミカにあったの?"
「……ええ、時間が出来た時は、彼女の元に行くようにしていますよ。必ず」
そう語るナギサの表情は、悲しみを帯びていたが、どこか、慈愛のようなものがあると、先生は感じとった。
「……何か他に、お聞きしたいことはございませんか?先生」
"……うん、もう大丈夫。ありがとう、ナギサ"
「わかりました。本日はお越しいただきありがとうございました。お気をつけてお帰りください、先生」
立ち上がって一礼をし、先生の帰りを見送るナギサとイヴ。補習授業部を取り巻いていた問題はもう終わったのだと、先生は感じ取った。
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──先生がトリニティを去って数時間後。
アリウスの生徒が収容されている場所に出向く者が居た。コツ、コツ。という足音が妙に響いて聞こえる。扉に着いたものはノックをし、部屋の中に入っていく。
「初めまして。フィアンマさん。あなたとこうして直接お話しするのは、初ですね」
「……ああ、そうだな。トリニティのお偉いさん」
「私は桐藤ナギサと申します。ナギサ、で構いませんよ」
「…………それで?ここにあんたが来たってことは……私たちの処遇が決まったということか?」
ナギサの指摘を無視するフィアンマ。ナギサが来たことで、遂に自分たちの処遇が決まったのかと問いかけるその姿は、何処か察しのついているものだった。
「ええ、そうです。といっても、どうするかはあなた方に委ねます」
「へえ?随分とお優しいんだな?で?何個選択肢がある?」
「……ふふっ、話が早くて助かります」
一瞬呆気に取られたような表情を浮かべるが、フィアンマの察しの良さにナギサは思わず微笑む。
「フィアンマさんたちが取れる選択肢は3つ。一つはトリニティの生徒として生活すること。こちらは我々トリニティで皆さんの生活が安定するまでは支援します。二つ目は、自由の身になること。こちらは完全に自由の身となります。トリニティから1ヶ月分の生活が出来る資金を提供した後は、全て皆さんでどうにかしてください。という形になります。そして、三つ目ですが……」
三つ目の選択肢を言うところで、何故か黙り込み奇妙な笑みを浮かべるナギサにフィアンマは多少の苛つきを感じ、答えを催促する。
「……勿体ぶらずにさっさと言ってくれ」
「…………三つ目は、私の所有する特殊部隊「ロイヤル・フラッシュ」に所属することです」
「……特殊部隊?」
ティーパーティー所属の武力部隊としてスカウトされる。そう予想していたフィアンマだが、実際は一個人の武力部隊としてスカウトされ、予想が外れたことに目を細める。
「私はワールド・マーシャルという会社を所有しています。そこにある特殊部隊が、ロイヤル・フラッシュとなります。この部隊は我が社の精鋭中の精鋭が集まった部隊になります。私はあなた方を、こちらの部隊にスカウトしたいのです」
笑顔で告げるナギサに対し、肘をつき面倒くさそうな表情を浮かべるフィアンマ。
「……最初からそっちが本命ってわけか」
「はい、そうです。こちらを選択した場合には、表向きには自由の身となったことになりますが、実際には我が社、ワールド・マーシャルに所属するということになります。つまり、会社勤めになるということですね」
「生徒なのに会社勤めとはねぇ……だが、いいのか?私たちなんかで?曲がりなりにも私たちは、一応元テロリストなんだが」
途中で協力したとはいえ、元々はクーデターに加担していた。そんな者を信頼出来るのかと、暗に問うていた。
「私はあなた方の能力を買っているのです」
「そいつは嬉しいね。だけどね。誰かの為に戦うってのはもううんざりでね。私は二つ目の選択肢にさせてもらうよ」
「……まずは、どういったことをするのかを聞いてからでもいいのでは?」
「聞く必要もない。考えは変わらない」
そう言い放ち、話は終わりだと言わんばかりのフィアンマに、ナギサはため息を吐き、仕方ないというような顔をする。
「そうですか……ですがこれを聞いたら、意見が大きく変わると思いますよ」
絶対的な自信がある。そんな雰囲気を醸し出しているナギサに、思わず笑ってしまう。
「へぇ?どんな話だ?教えてくれよ」
「私のところに、サンダウナーが居ます」
それを聞いた瞬間、小馬鹿にするような態度から一変。目つきは鋭くなり、険しい表情となる。
「……サンダウナーが、いるだと?」
「はい。聞くところによると、あなた達は彼女の元部下だったとか。どうです?昔の上司にお会いしたくありません?」
「…………」
フィアンマは顔に手を当て考える。数分が経って、ようやく考えがまとまったのか、口を開く。
「……わかった。まず、その特殊部隊は何をするとこなんだ?」
「我々の理念は、この世界の平和の為に動くことです。ワールド・マーシャルは主に治安が不安定な自治区への武力支援、暴徒によって荒れた自治区への復興支援などを行うのが仕事です。そして「ロイヤル・フラッシュ」の方々には、主に各学園、各企業の情報調査。更には犯罪グループの計画犯罪などを事前に阻止するということもしてもらっています」
「まるで連邦生徒会だな。キヴォトスの支配者にでもなるつもりか?」
「まさか。ただ……この世界には苦しみを抱えている方が大勢居ます。私たちはそんな方々に手を差し伸べることが出来る……手を差し伸べる、力がある。それならば、差し伸べるべきだとは思いませんか?」
微笑みを浮かべながら語るナギサと、足を組んでそれを睨みつけるフィアンマ。数十分にも感じる時間が、そこには流れていた。
「…………フン。少し隊員達と話をさせてくれ」
そう言って席を立つフィアンマを、変わらず微笑みを浮かべながら見送るナギサ。
「すぐに決めてほしいとは思っていませんでしたので。明後日のこの時間にまた来ます」
「待ちな……最後に一つ言っておく。私は、あいつに会いたいからあんたのところに行くのを考えてるわけじゃない。ただ……あんたの話には、共感できた部分があった。だから考えてるんだ」
「……ええ、わかりました。では、また明後日」
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──夜。トリニティにある一つの校舎で、秘密裏に連絡を取る者の姿があった。
「……はい、私です。ええ、作戦は失敗に終わりました」
その者──猫山イヴは、どこか
「……はい。では予定通り、エデン条約締結日に
「……かしこまりました。では予定通り、私は正義実現委員会の相手をいたします」
「…………ええ、もちろん。全ては、
──自分はあなたに忠誠を誓っている。イヴはそう伝えると、相手は満足そうな声を出して連絡を切る。イヴは連絡が切れたのを確認すると、また別の者に連絡を取る為に、電話のダイアルを回していく。数回のコール音が鳴り、電話が始まる。
「……はい、私です。
イヴは先程とは違う者に連絡をする。その姿も先程とは違い、笑みを浮かべ、
「……わかりました。私は予定通りの行動を」
「……ええ、私も楽しみです。あなたの理想、
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──ミレニアムにある施設の地下。
ウィン。という電子音がなると、扉が開き、入室した者が手を上げながら軽快な声で中に居た者に話しかける。
「よお!博士。頼んでたものは出来たか?」
「……サンダウナーか。
博士、と呼ばれた放射性のハザードシンボルのようなヘイローの生徒は、例の物──横長のアタッシュケースをサンダウナー、ドクロに杭が刺さっているようなヘイローの生徒に手渡す。
「ふぅん?どれどれ……」
手渡されたアタッシュケースを開き、中を見てみる。中に入っていたのは、
「さて……これに
「ああ、といっても、持つだけで神秘が込めれる。難しいことは何もない」
博士がそういうと、サンダウナーは柄を手に取る。すると青白い光が柄の先に集まっていき、形を作っていく。集まったその先は、先程までなかった
「おお!本当に出来たのか!いや〜流石に無理だと思ったんだが……まさかいけるとはな」
「
「ああ、もちろんだ。早速試し斬りしても?」
サンダウナーの言葉を聞いた博士は、無言で指を指す。そこには、切ってくださいと言わんばかりの小さな丸太が鉄の箱の上に置かれていた。それを見たサンダウナーは愉快な笑みを浮かべて丸太に近づく。
「んじゃ早速……」
そう呟き、丸太の正面に立ち、刀を上段で構え、息を整える。
「──フッ!」
刀を振り下ろすと、風を切るような音が聞こえ、次の瞬間には、キィン!という甲高い金属の音が部屋に鳴り響く。斬ったところを見てみれば、丸太どころかそれを置いていた鉄の箱ごと綺麗に斬れていた。
「……ふむ、切れ味も、よく出来ているな」
「刀身自体に神秘を込めることで、外部から神秘を込めなければ刀身が実体化出来ないという設計だ。神秘を込めれば、殆どは
「そうか。ならば次は……」
というと、刀を逆手に持ち、刃を相手の方に向けないよう博士の方に手渡そうとする。
「俺の頼んでいた
「……まあ、いいだろう。確かに自分自身にやったらどうなるかわからんからな」
刀をサンダウナーから受け取ると、刀身から青白い光が霧散するように姿を消すが、博士が持って数秒立つと、青白い光が集まり刀身がまた現れる。サンダウナーはそれを見届けると、博士が持っている刀に自身の左腕を近づける。
「ではいくぞ」
「ああ」
何かの合図を出すと、何を思ったか博士は差し出されたサンダウナーの左腕に持っていた刀を振りかざす。するとサンダウナーの左腕は先程の丸太や鉄の箱の用にスパッと斬れ──ることはなく、不思議なことに、刀が腕をすり抜けた。だが次の瞬間には、左腕は力を失ったようにだらんと重力に従い落ちる。その様子を見ていたサンダウナーは、斬られていない右腕で左腕を持ち上げて左腕の調子を確認する。
「……うん、斬られたような跡も残ってないし、力も即座に完全に抜けた。要望通りだな。流石博士。ちなみにこの腕はどれくらいで治る?」
「1日程度安静にしてれば治る。それよりも……君も物好きだな。
「おいおい、それは流石に失礼だろう。それにしても……どういう原理なんだ?これは」
「さっきも言ったが、刀身には神秘が込められていて、普段は実体化していない。神秘を持つ者が柄を持つと、その者の神秘が込められて実体化する」
博士は、もう用は無いと思いアタッシュケースの中に柄を戻しながら説明する。
「で、肝心なのは、この刀は神秘で出来ている。という点だ。神秘で出来ているが故に神秘を持つ存在に強く干渉する。で、神秘というのは死という概念から最も遠い存在と考えられる。神秘と神秘の間に死という概念が発生しようとすると、この世界の機構的なものが発動して、死ではなく行動不能にするというプロセスが発生する……という感じだと思われる」
「だと思われるって、随分と曖昧なんだな?」
「神秘も恐怖も具体的なことは分かってないから曖昧なことしか言えないんだ。ただ、これはゲマトリア達との研究で得た知見だ。信憑性は高いだろう」
アタッシュケースをサンダウナーに手渡して椅子に座ると、手を叩いて話を終わらせ、気になっていたことを聞く。
「で、君はそれを誰に渡すつもりだ?短い付き合いだが、君のことはよく理解している。君がそんなものを使うわけがないとね」
「ああ……
「旧友?」
「ああ、俺たちの敵になるようなやつさ」
その言葉に、博士は理解できないというような顔をして話す。
「……敵を作ったところで、
「ならお前が失敗出来るように奴を導いてくれ」
「何故そこまで期待を寄せる?敵を作ったところで、私たちには敵わない。例えその刀を渡したところでね」
「奴なら俺たちを倒しお前たちの
「……それは、何故だ?」
力強く問いかけると、サンダウナーは笑いながら──昔を思い出しながら答える。
「奴が、そういう人間だからだ」
「…………理解できないな」
「まあ、お前も会えば分かる。それに、計画が成功しようがしまいが、俺たちが求めているのは所詮、結果だろう?」
ゴンッ!!!
机を叩く音が強く響く。若干の怒りの表情を浮かべながら、机を叩いた者──博士は話す。
「……確かに私が求めているのは、私の作った物がどんな結果を齎すのか、だ。だが、私の
「……そうか。それは悪かった……だが、俺のシナリオ通りに行けば、全ての人間が幸福になるだろうさ」
サンダウナーは申し訳なさそうな顔を一瞬だけするが、すぐさま先程のような飄々とした態度に戻り、入ってきた扉の方に歩いていく。
「さて、俺はここでお暇することにしよう。ああそうだ!もし、俺のシナリオ通りに行ったら……そん時は、協力してくれよ?」
「……お前の言う通り、本当にそいつが皆を幸福に出来るならな」
「フッ、期待しておけよ?」
「しないでおく」
軽口を叩きながら、帰る為に扉の前に立つと、ウィン。という電子音が鳴り、扉が開く。そこを通る際にサンダウナーは愉快な表情を浮かべながら呟く。
「そろそろ、目覚めの時が来たのさ。ジャック・ザ・リッパー……」
実は元々ナギサ様はミカにもドライにするか〜と考えてたんですけど、一瞬でミカに対して愛情がねえナギサ様はナギサ様とは呼べない!!!駄目だ!!!となったので辞めた。
感想とか、高評価とかどしどしくれると、嬉しいんだけどな?チラッチラッ