宝太郎っていうか、スパナと未来宝太郎の辛いところをミックスして作った感じです、はい。
連邦捜査部S.C.H.A.L.Eのオフィスにてシャーレが誇る先生とアビドス高等学校副生徒会長にして、錬金術師による組織『錬金連合』の代表、暁の錬金術師そして、キヴォトス唯一の男子生徒という四つの異名を持つ生徒、『黒鉄宝太郎』がシャーレの業務にあたっていた。
「先生、頼まれていた書類。終わりましたよ」
「ありがとー、ホータロー君! いつも、仕事が早くて助かるよ!」
「一応、書紀と会計掛け持ちだったんで。ってか、先生までホータロー呼びするのやめくださいよ」
「えぇ〜、付き合い長いんだしいいじゃない。というかもう、シャーレじゃホータローで定着しちゃってるよ」
いつの間にやらあだ名が定着してしまったに苦笑いを浮かべる宝太郎。
『センセーの言う通り、ホータローはホータローだゴン』
『ホパー!』
そして、その場には先生に同意するものがあと2人いた。
「ニジゴンちゃんもホッパーちゃんもそう思うよね?」
『ゴン!』
『ホパー!』
机の上にいる赤いドラゴン『ニジゴン』と同じく赤いバッタ『ホッパー1』。この二体は錬金術で生まれたモンスター『ケミー』。
宝太郎が目を覚ましたとき持っていたのが彼らケミーが封印されていた101枚のケミーカードだったのだ。
―――彼には3年以上前の記憶がない。
3年前、アビドスの砂漠で倒れていたところをアビドス高等学校の生徒に保護された。その時、彼が覚えていたのは己の名前と錬金術の記憶だけだった。
その学校の生徒として一年間過ごしていたがある事件をきっかけにアビドスを離れていたがシャーレに届いた一通の手紙から始まった一件でアビドスに戻った。
その一件で宝太郎は先生に多大な恩を感じているため、強くは言えない。目覚めてからずっとそばに寄り添ってくれていたケミーまで言うのだからますます強く言えない。
「先生には恩がありますし多くは言いませんけどね」
「……確かにホータロー君をアビドスに引き戻すことはできた、けどそれ以上に色々頼み事しちゃってるけどね」
「それは仕方ないでしょう、手数においてキヴォトスで俺以上のやつはまずいない」
「だよねぇ〜」
宝太郎は錬金術で作ったケミーと人間の力を合わせる事ができるアイテム『ガッチャードライバー』を使い『仮面ライダーガッチャードデイブレイク』に変身して戦う。
101体のケミーのそれぞれの力を使いこなし戦う宝太郎の実力はキヴォトスでもトップクラスの実力であり、彼自身が言う通り彼以上の手数を持つ生徒はいないだろう。
「それに先生には……他にも迷惑をかけました」
「あ〜、ドレッドライバーのことね……。」
以前、宝太郎が錬金術で作った発明品が原因で先生に命の危険をもたらした事件を思い出し顔をしかめる宝太郎。
「あれは黒服が勝手にベアトリーチェに渡しただけだよ。ホータロー君のせいじゃないって」
「それにしたって、あれを作ったのは俺ですから」
「でも、あれを機に回収できたのは良かったけどね。あれって、今はエンジニア部にあるんだっけ?」
「えぇ、AIを搭載することで使用者に負担が少ないものを量産する計画をミレニアムと進めてるところです」
「思ったよりメカメカしいね……錬金術ってもっとフラスコとか使うものだと思ったけど……。」
「そういう研究もしますよ。ただ、錬金術と電子機器っていうのは意外と相性がいいので。元々、あれは俺以外の連合の皆に使えるように作ったものでしたし」
錬金連合。それはアビドスを去った二年間で宝太郎が作った組織。構成員の多くは様々な理由で学校へ通えなくなった、謂わばドロップアウトしたものたちだ。
行く宛のなかった宝太郎がかつての自分のように行き場のない彼女達を放っておけず作った、作ってしまった組織。
宝太郎が作った特殊な指輪によって、十分な知識さえ持っていれば錬金術が使えるようにして、様々な仕事をアビドスににいたときのパイプを使って引き受け、彼女達の受け皿を作った。
主な仕事は不良とその学区の鎮圧部隊との戦闘によって破壊された建築物の修理。本来なら重機数台とそれなりの時間が必要なところ、錬金術士が数人いればものの数分で元通りにすることができる。
混沌としたキヴォトスの治安においてかなり有用な役割を担っているため、連邦生徒会や各学区の上層部からも一目置かれている。
「なんか、ホータロー君て私よりも先生らしいよね」
「笑えないジョークはやめてくださいよ」
「でもさ、私は学校に通ってる子達しか助けられないけど、ホータロー君は違うでしょ? 学校に通えなくなった子も連合に誘って居場所を作ってあげてた」
「―――逆ですよ、先生」
「?」
「居場所をもらったのは俺の方だ」
錬金連合を立ち上げるきっかけになったのは最初の数人、キヴォトス最大の闇市場ブラックマーケット。その中でも腕もさほど立たず、搾取されることしかなかった数人。
最初は宝太郎を獲物として狙ってきたが、あっという間に返り討ち。泣きながらうづくまる彼女らを見てどうしても見捨てることができなかった……偽善と呼ばれようが、嘗て自分もそうした善意に救われたものとして。
「ユメ先輩を失って、生きる屍になった俺にとって連合だけが俺の居場所だった。」
―――心から大切に思っていた先輩を目の前で失い、彼女からもらった夢が、二度と叶わない呪いへと転じたあの日から。
「そんな俺になくしてたと思った夢を―――ガッチャを取り戻してくれたのは先生とホシノやアビドスの皆だ」
「おっ、出た。ホータロー君のガッチャ」
「ハハッ、我ながらどういう意味なのかわからないんですけど……これ言わないとしっくりこなくて」
目が覚めたときから何故か口に馴染む口癖に笑いながら、宝太郎はブランクのケミーカードを取り出しニジゴンとホッパー1にかざす。
「さっ、そろそろ行くぞニジゴン、ホッパー1」
『ゴン!』
『ホパー!』
二体のケミーが光になってカードに戻る。カードに戻った二体を手首に巻いたカードホルダーにカードを戻そうと、ケースを開くと一番上のカードが見える。
それはコズミックケミー、レベルナンバー7の『ザ・サン』。無尽蔵のエネルギーを誇る太陽のケミー。宝太郎にとって、特に思い入れのある一枚。
『行こう、ホータロー君。最近連合の仕事が忙しくてホシノちゃん達に会えてないんだから、ちゃんと顔見せてあげないとね?』
「わかってますよ、
ザ・サンから聞こえてくる恩人の声に応えると、改めてニジゴンとホッパー1のカードを戻すと先生に向き直り一礼する。
「それじゃあ俺はこれで」
「うん。またどこかの仕事であったら宜しくね」
「その時は全力を尽くしますよ」
笑ってそう返すと、ホータローは仲間達のいるアビドスに向かうためにシャーレのオフィスをあとにした。
未来宝太郎の要素はまあまあ出しましたね、ではスパナ要素はというとまぁ、アビドスに入る前ですかね。