我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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主人公の名前 春飯雄大(はるめしゆうだい)


第1話

「あ〜、めんど」

 

「何よ、巫女でもないくせに」

 

「お前は俺の娘みたいなものなのに当たりが強いな。教育失敗か?」

 

「アンタの腕が悪いだけ」

 

我、はぐれ者なり。とは言っても人里でのみ。この神社は良いぞ。何せどんなはぐれ者でも巫女の役目上何も言わん。平等にするのが使命らしい。フン、一人だけ社会主義ってことだな。つまらん。ちなみに、俺が人里からはぐれた理由は暴れすぎた結果である。人なのに妖怪なんて言いふらしやがってあの天狗。今度会ったら翼取って食うぞ。

 

「…で、この空はどうするん?」

 

「うっさい、今準備中」

 

「やっぱ最近出来たってウワサの館よな。なんか強そうな奴いたら教えて、ボコボコにしたいから」

 

「わかった」

 

「あ、あとこれ弁当な。ちゃんと食えよ!良いか!?」

 

「うっさい!!」

 

…俺が巫女と出会ったのはかなり前になる。つまり、俺が人里からはぐれたのもそのくらい前になる。そもそも身長的に鬼じゃねえのかと言われてたんだが、それに関しては元からブチ切れてた。んで、へんな喧嘩腰のやつが増えてボコしてたら追い出されたと言うわけだな。

 

「んー、暇だな。なんか来ないもんかね」

 

「おーす!」

 

「おお、パツキンか。どうした?」

 

「私は魔理沙って名前がちゃんとあるのに…まあ良いか。霊夢は?」

 

「もう行った。お前も行くなら弁当持ってけ」

 

「サンキュー!助かるぜ」

 

「…強い奴居たら教えろよ。ボコボコにするから」

 

「はいはい…」

 

パツキンも行ってしまった。ちなみにだが、アレとは霊夢よりも少しだけ付き合いが長い。人里にいた頃は強面だのなんだのと言われてボディーガードのようなことだけしてたからな。襲いかかってきたやつのほとんどは返り討ち、残りは死にかけまで追い込んでも問題はなかった。俺は殺してない。呼び方に関しては、パツキンがもう一人出てこない限りはそのまま。

 

「…そこ!!」

 

「あだっ!?だっ!痛い!」

 

「あ?紫か」

 

「いったぁい!乙女の髪の毛引っ張らないでくれる!?」

 

「霊夢以外の尼畜生はそんな風には見とらん」

 

「あら残念」

 

「で、アレはなんだ。異変か?」

 

「それ以外に何があるの?」

 

「お前の命日の祝い」

 

「ちょっ、スキマ広げないで、下何も着てないから!だらしないからぁ!」

 

一発殴る。なんで寝巻き姿で覗き見してんだ。しかし、強い奴いないもんかね。弾幕ごっこなんか流行り出したせいで分かりづらい。風見幽香とか言う妖怪はもう行った。つーかもう勝った。他の妖怪みたいに距離詰めて殴りまくったら勝った。やはり距離を詰めたら弾幕は出さないということを学習した戦いだった…

 

「しかも、霊夢の育児片手に、だものね」

 

「考えを読むな気持ち悪い」

 

「あら、私にそんなこと言って良いの?」

 

「…お前、ほんとにめんどくさいな」

 

「はぁ!?誰が重い女ですか!」

 

「そうは言ってない。はぁ…」

 

「紫様!何をしているんですか!!」

 

「あ!?え!?ちょっ、私の扱い雑じゃない!?」

 

「…藍、後で薬補充してくれ。そろそろ尽きる」

 

「ん、わかった。さあ!紫様!」

 

しっかし、霊夢の奴…博麗の巫女ってのは病弱なのか?一年に一度は風邪をひいてる気がするんだが。俺は風邪ひいたことねえからそういうのわからん。年に一度ひけば病弱だよな?…パツキンにそこらへん聞いとけばよかったか。あー、どうしてこうも後になってから後悔が出て来るんだ。悲しすぎるぞまったく。

 

「…お、空晴れた」

 

「おーーーい!!」

 

「パツキンだ…早かったな」

 

「いやぁ、何。対人戦にすこぶる強いって自慢してる奴がいたからさ。霊夢に任せてすっ飛んできた」

 

「お前そんな性格だったか?」

 

「しやーねーだろ。霊夢に頼まれたんだから。八卦炉吹かして帰ってきたぜ」

 

「そんで?そいつのところに行きたいんだけど?」

 

「おう!連れて行ってやる!」

 

パツキンの箒にぶら下がり、出発。正直に言えば、俺が行く意味あるのか?異変解決したんだから俺寝てても良くね?そいつ、『私が最強!』とか嘯いてなければ良くね?…いや、俺が頼んだからか。最近出来た館の一部が目に入る。え、何あれ。館の一部崩壊してない?しかもむっちゃ赤い。目に悪いな、あの館。壊すか。

 


 

私、紅美鈴は、本日大変な業務に就いていた。二人に押し入られ、その内の一人が放つ大きなレーザーで門が壊され、館の一部が崩れ、全て私の責任ですか。妖精がいるとは言っても、組み立ては私、その後の施工を妖精がやるので、私はとにかく門だけでも組み立てなければならない。のに。

 

「よっと」

 

突然、空から男が降ってきて。上を見たらレーザーを放った侵入者。えぇ…?もっと厄介ごとが?

 

「おいお前!肉弾戦に自信があるみたいだな!勝負じゃ!」

 

…ほら、厄介。私にとって肉弾戦は得意なんだけと、今のこの時に…しかも相手は中々にタフそうだし。私よりかなり上の身長…多分、2mはあると思う。それに、余りにも太い身体。肩幅に至っては、侵入者の箒と同じくらいか、それ以上の大きさ。しかも、どう見ても人が飛び降りて助かるはずのない高さから降りて無傷。妖怪だ…

 

「侵入者だから撃退しないとなぁ、門番さん」

 

「でもっ!」

 

思いっきり踏み込んで、思いっきり鳩尾を叩く。するとその瞬間、私は地面を見つめていた。視界の端に写る男の足は、私の顔面目掛けて─

 

「ごっ」

 

「パツキン、どういうことだ」

 

「知らん!そもそも私は連れてきただけだし!」

 

…これは、大変だ。レミリア様から聞いていた、例の大妖怪と呼ばれる妖怪だ。全力を持って対応─

 

「何寝腐ってんだ。腕立て伏せでもしてんの?」

 

「…っ!」

 

首を掴まれて、足がつかない。そんな状況とはいえ、全力で蹴ってるのに。どうしてか、全部止められる。なんて強さ、このままじゃ─

 

「フンッ!」

 

「ぎゃっ」

 

「うわぁ…」

 

「動かなくなったな。良し、館に侵入!」

 

「…い、生きてる、よな?」




ちなみに、風見幽香に勝ったのは霊夢拾って間もない頃。霊夢拾ったのは霊夢が赤ん坊脱した頃。
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