我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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やられた側からしたら、指示役も実行役も全員同じ。
少しだけ風神録が早めに始まります


第13話

人里の新しい刺激が入って、花が咲き乱れて。感覚が刺激されると時の流れが早くなるのはどういう理屈だろうか。いつの間にか2年くらいの時が流れていた。まあ、俺としては、いつもなら眠いくらいの時間なんだが、それでも…時間の流れが早いと眠れない。まだ体感時計は昼間なんだろうかね。

 

「ここ数年で、お酒が?」

 

「飲めん。つい最近飲んでみたが、不味すぎる。」

 

「肴と雰囲気が大事なのよ。こんな、風情しかないような場所じゃ、不味すぎるわ」

 

「満月なのに綺麗事を言いやがって。」

 

「それで…何か疑問に思うことはないの?」

 

「何がだよ」

 

一応考えてみるか。髪の毛は結んでないし、爪は…切ってるな。あとはなんだ…服装か。服は…いつも長袖だからな。前見た時とは変わらんように見える。なんだ、藍に追い出されたとか言うのか。博麗神社で泊めることはないが、パツキンの部屋に追いやることはできるぞ。それ以外は…そうだな。紅魔館くらいかね。他に行く当ては知らんが。

 

「泊める先は知らんぞ」

 

「は?」

 

「え、違うのか?」

 

「…私が冬なのに出てきてることについては?」

 

「あ?なんかあんのか?」

 

「もー!鈍感ね!私、冬はずっと眠ってるのよ!?」

 

「熊かよ」

 

「その私が!今のこの寒い時期に会いに来てるの!」

 

「ただの人間に妖怪サマが会う義理はないだろ」

 

「お気に入りに会うことに意味があると思ってるのかしら」

 

「…もう異変は起きないでほしいなぁ」

 

「あら、それは無理かも」

 

「…何故?」

 

「近々、外の世界から人を招き入れるの。その人達が博麗神社と争う予定だから」

 

「…異変か?」

 

「ええ、これで巫女が動かなければ巫女としての仕事はその外来人に任せるつもり」

 

「なんだそりゃ、俺からすりゃ願ったり叶ったりだぞ」

 

「霊夢は動くでしょうけどね」

 

「ところで、それっていつ?」

 

「そうねぇ…あっちの覚悟が決まり次第、ね。ちゃんと神様のいる神社だから、こっちの客が流れちゃうかもよ?」

 

…と、いう会話をして。眠り、朝起きて。霊夢にはこのことを言わずに行くかぁ!と思っていた矢先。突然、弾幕が神社を襲った。早すぎるだろと思ったが、それ以上に一つ不思議なことがあった。弾幕が直撃したのだ。霊夢が反応していれば全弾命中なんてあり得ない。即座に結界を張ることで多少は防げるはずだ。

 

「さあ!巫女としての仕事を争いましょう!ここではなく、守矢神社のある妖怪の山で!!」

 

高らかに宣言したのを横目に、霊夢を探す。さっきまでどこにいたか…んー、えーとな…俺の記憶が確かなら、博麗神社の中で…その博麗神社はかなりひどい有様で…!

 

「霊夢!どこだ!?」

 

「おーい!なんだなんだ!?来る途中にでかい音が鳴ったと思ったらさ!」

 

「パツキンか!緑髪の奴に神社ぶっ壊されたんだ!しかも、潰れた神社の下に霊夢がいるかもしれん!」

 

「は!?そりゃ大変じゃないか!?」

 

わっせわっせと焦って探してるのに、頭は冷静だ。どうにもならんとか考えてないだろうな、俺は。とにかく、神社を踏まないように端から瓦礫を退けて行く。早く見つけて、医者に。確か、赤青は腕が良いと聞く。せめて赤青の場所まで連れて行かなくては。

 

「いた!」

 

「ぅあ…」

 

「おいおい…これ、骨折れてるんじゃねえか…?」

 

「パツキン、こいつを赤青の…永琳のとこに連れて行ってくれ。俺の細胞なんぞいくらでもくれてやるって言えば喜んでやるはずだ」

 

「わかった!」

 

「後チルノとかいう奴も連れて来い」

 

「おっさんは!?」

 

「殺しに行くんだよ」

 


 

あー、山なのに大気が安定して、日差しがあるのにまだ寒いなぁなんて思いつつ、千里眼で遠くを見つめる。今上の方では新参者相手に手を焼いてるらしい。その場に乱入者を入れない為と聞いている。まあ、妖怪の山に乱入者が来るのなら、その乱入者はまず間違いなく頭の足りない者だろう。

 

「…、来ました。報告は…あーもう!河童の発明品は使いづらい!えーと…あ、これだ。こちら犬走。侵入者を発見しました。一人だけ、なんなら人間です。」

 

全く、侵入するタイミングが悪い。いつもなら、私の将棋の相手をしてもらいたいが…この非常事態に入って来て。他に侵入者はいない様子、でも…男か。人里の男であれば返して終わりだが、博麗神社にも男がいると聞く。あ、他の天狗が着いたようだ。

 

「ま、私の出番は…!?」

 

驚いたな、これは。目を離してなかったのに、動きが見えなかった。あっという間に天狗を捻り潰した。本当に人間なのか?いや、妖に値するような気配はないはず。さらに言えば神でもない、巫女のような力もないし、魔力もないはず。なら、一体?

 

「うわっ!」

 

「おうおう、そんなところで黙って見てんなよ。ところで白髪。最近ここら辺に神社ができなかったか?」

 

あの神社のことか。最近出来たばかりで皆が噂している、が。

 

「…知りませんね」

 

「そうか。じゃあ用無しだ、行っていいぞ」

 

「残念ながら、それは拒否します」

 

「あ?」

 

「上からの命令なので。天狗も上下関係が厳しくて─!?」

 

「外したか」

 

どういうことだ!?私は飛んでいた、少なくともあの男5人分は離れているはず。なのに、どうやった?飛んだのか?いやそれでは今落ちたことがわからない、なら…跳んだの?そんな、バカな。人間如きが?

 

「それっ!」

 

「ぎゃっ!?」

 

考え事してたら何か当たった!弾幕!?いや違う、これ、木だ!木が刺さったんだ!投げたの!?そんな、人間の力じゃあり得ない!

 

「お、降りてきたな。もう一度聞くぞ。神社を知らんのか?」

 

「…知りませんね。場所までは」

 

「けっ」




犬走「…人間って、あんなに強いんだ…じゃあ、人里って…」
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