我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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天子「私もう地上行かない」
衣玖「地上の方から招待状が来てますよ」
天子「嫌だぁ!」


第19話

「…暇だな」

 

「いつもそうでしょ」

 

「別に、人里に行けるからって毎日行くわけじゃないし」

 

「紫でもしばく?」

 

「そんなんより、参拝客集めるか」

 

「それは嫌」

 

キッパリと拒絶され、えぇ?と思いつつ。そういや俺は外の世界について一切を知らないな、と。しかし紫を呼ぶのは面倒くさいし…あー、こう、全力で戦っても問題のない相手が喧嘩売ってくれねえかな!

 

「…あ」

 


 

私、リグル・ナイトバグは。本日風見さんのところでお茶をしていた。過去形なのは、多分、というか十中八九、途中で乱入してきた男が原因だ。かなり強いらしく、風見さんはそれに対して弾幕やら何やらで応戦しているが、男にはほとんど傷がつかない。むしろ、弾幕を片手で掴んで投げ返している。人間だと思うけど、あれ人間なの?

 

「風見ぃ!」

 

「何よ!お茶してたのに!!」

 

珍しい…?のかわかんないけど、風見さんは若干の焦りを見せている。それとは変わって、男の方はキレているっぽい。わ、怖い。風見さんの足が掴まれた途端、乱暴に地面に叩きつける男。そのまま前、後ろの地面へと交互に叩きつけて、まるで布みたいに風見さんを投げ飛ばす。大妖怪をあんなにも容易く…私は関わったら死ぬんじゃ?

 

「マスター」

 

「こいやぁ!!」

 

「スパーク!!」

 

風見さんの、周りへの配慮を完全に忘れたような弾幕が日傘から出される。この立ち位置、私もやられるんじゃないかな。不安をよそに、男はそのビームに雄叫びしながら包まれていった。ちなみに、私のところには来なかった。何せ、向日葵の畑一歩手前で男が光を霧散させたからだ。どういうこと?

 

「良いわお前!!」

 

「私は勘弁よ」

 

「選別の━」

 

「そもそも!」

 

「プレゼント!!」

 

風見さんが何かを騒ぎながら投げられている畑の周りに刺してあった釘を避けていく。あー、これ僕八つ当たりされるかな。でも、風見さんはどこかキレているわけじゃなさそうだ。

 

「あの時の恩、返してもらってないけど?鬼に千切られた時、誰が治してあげたかしら」

 

「…」

 

「その恩返しが前の異変よ。わかったなら帰りなさい」

 


 

忘れていた。完全に。ほら、もう手が完全に止まってる。仕方ない、帰るか。空を行く最中、天狗を見つけた。俺を見つけるや否やすぐに怯えた声を出して去って行った。追いかける気もないので放っておくが…あの態度はいかがなものか。マジで。これだから最近の若いやつは云々。

 

「冷めたから帰ってきた」

 

「お昼ご飯」

 

「おーぅい!」

 

「パツキンもか?」

 

「誘ってすらいないけど」

 

「酷くないか…まあ良いか。霊夢!勝負だ!」

 

「弾幕?一瞬で終わらせるけど、良いかしら」

 

「大きく出るな。お父さんのそばだからか?」

 

「なんでも良いが、昼飯の時間遅らせるなよ」

 

「…っ」

 

飯に手を合わせるのを待つ。そうすれば、数分の後に空から箒と足が落ちるのを見て、霊夢が家の中で手を合わせるのが目に入る。ちなみにだが、博麗神社には過去の巫女が祀られている場所がある。祀られてるのか祈られてるのかは知らないが、とにかくそこに手を合わせる。最初の頃は霊夢も俺も、大して手は合わせなかったが、俺は先代が死んでから手を合わせるようになった。先代は家族が増えた時空は毎日手を合わせているらしかった。

 

「さ、食べましょ」

 

「なあ」

 

「ん?」

 

「俺が死んだらよ、あそこの奴とは別の作ってくれよな。俺はあそこで眠るなんて嫌だからな」

 

「…その頃には私も歳食ってるでしょうねぇ。次の巫女に頼んで」

 

「…私が魔女になるから、私に頼めば良いのに」

 

「魔女に巫女の関係者が頼むのはまずいだろ。幻想郷的に」

 

「はぁー…そういうもん?」

 

「そうでしょ。少なくとも魔理沙と紫はない。断言したって良いわ」

 

「じゃ、そうなったら咲夜にでも頼むんだな」

 

「あいつは何歳まで生きるんだ」

 

あれもあれで死ななそうではあるのだが、されど人間だ。永遠に生きる手段として吸血鬼に血を吸われて…なんだっけ、ゾンビになるんだったか?まあとにかく日に当たれなくなるだろ。そしたら…買い出しは誰が行くことに?まさか、美鈴が??…それはそれで見たいな。あいつ、不老になるならいつからなるんだろうか。

 

「…ま、良いか。ところでだが霊夢」

 

「何?」

 

「雨なのにパツキンを外にそのままってのはダメだろう」

 

「…はぁい」

 

と、外に出た霊夢が振り返って一言。

 

「これ、雨じゃない」

 

耳を疑いつつ、空を見る。確かに全面青色で、これが異変ならばまた風見幽香と殴りに行くのだが。どうにも、終わり頃のあの怯え様ではそれはあり得ないだろう。つまり別に何かがあるとして。…なんか、あったのか?

 

「これ、雨じゃなくて…噴き上がった水が降ってるんじゃない?」

 

「…え、じゃあ石とかも飛んでくるかもしれんぞ。パツキン中に入れろ」

 

「はいはーい」

 

紫から貰った、外の傘を使う。便利なものだな、この傘。霊夢を待って、そのまま傘と共に空を飛ぶ。もし本当に噴き上がっているのなら。服がより濡れる方へ行けば出口が分かるということだな。しかしこういうことは紫が管理しているはずだ…じゃあ一体何があった?

 

「…どうする?」

 

「そうねぇ…ま、まずは地下掘るしかないでしょ。あとは…温泉作る?」

 

「一つしか出口ねえんなら入れる数少ねえぞ」

 

「混浴にすればバカな男が釣られて来るわよ」




馬鹿な男(その馬鹿やるために無茶苦茶歩いてきたやつ)
なんやこれは
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