我はぐれ者、神社に住まう 作:神輿と櫓
紫「アカン…アカン…」
「…好戦的なら戦おうとか考えてたんだが」
「そういうのはあまり。」
「星は?」
「まだ死にたくないので」
「…何知ってんだお前は」
「だ、だって、噂になってますからね!?妖怪の山を一人で下したとか、そういうの!」
「まあ」
こりゃまた随分昔の話を。懐かしいなあ。モリヤはクソだなあ。そうだ、モリヤを今から潰しに行こうぜ。たかだかモリヤ、白蓮と俺で十分くらいあれば潰せるだろ。なんなら6分もいらんな。まあそんなことに乗り気じゃないなら誘えないしな。諦め諦め。
「…そんなに腕に自信があるのなら」
「?」
「やりますか?」
「!!」
私、星。今から世紀の大バトルです。聖と、妖怪の山を一人で下した春飯雄大…春飯さん!その二人の戦い!聖は法力を存分に解放して戦闘態勢、対して春飯さん。こちらも腰を低くして戦闘態勢。
「では…どうぞ!!」
言って、早く物陰に隠れる。ちなみにここは命蓮寺からも人里からも離れた場所。周りには適度な草木のみで、これと言って被害らしき被害は出そうにはないです。とかそんなことよりも。聖の掌底が春飯さんのお腹に直撃!!これには私含めたギャラリーの皆さんから大きな歓声が。
「おっと」
「っ!?」
「掴んだ!」
対して、春飯さん。掌底を放った聖の腰を掴んで…掴むっていうか、ガシッと持つような。素早く持ち上げ、そのままの勢いで地面に聖が埋まります。これにはギャラリーの皆がうわぁっと動揺の声。しかし聖は身を捩って土ごと体を起こします。すげぇ!!
「ふぅ…」
「っ!」
聖の蹴りが春飯さんの顔面を襲う!!これを受けてか、春飯さんの頭が少し揺れます。余談ですが、私がつい最近聖を怒らせた時に喰らった蹴りで私は頭と首が外れたような感覚に遭いました。ちなみにナズーリン曰く、目に見える限りを飛んだらしいです。その蹴りを春飯さんはよろけるだけで…!!
「どんだけぇっ!!」
「くっ」
「ふ、古い!!」
どんだけぇ、の掛け声と共に、よろけたことで出来る頭と足の間に手を入れ、足を掴んでそのまま背負い投げ。な、なんという頑丈さ。私では踏ん張ることすらできないのに…
「っぁ!」
「おらっ!」
そこから、殴打の繰り返し。聖が手を出せば、それを喰らった春飯さんが間髪入れずにカウンター。その上、そこに春飯さんが追撃。そこから聖が身を捩って回避して…。正直に言えば、聖は逃げている様。我々からすればあり得ない、全力の聖が。
「ふっ!」
「うぉらっ」
聖の正拳突きが春飯さんに掴まれて、そのまま投げられる。聖が完全な死角から攻撃しても、その攻撃を利用してその場で回転し、反撃。最後の力を振り絞るかのように、聖が特大のビームを放つ。それも、春飯さんは受け流して。
「はぁっ…はぁっ…はぁ…」
「白蓮、お前…その後ろの羽みたいなのはなんだ?」
「え?あ、ああ。私の全力を示すものです」
「ふーん」
「…まいりました。今ので飄々と立たれたら、私では。」
事実上の敗北。聖の口から出た言葉で、我々が脱力しきれない緊張感に包まれたのです。
「そんで、お前のそれってさ。俺でも出来るの?」
「え?…ええ、まあ。相応の訓練は必要ですが」
「…俺もやってみようかなぁ」
悩む。するとどこからか紫が出てきた。まあ無視して悩む。正直言って、欲しい。なんならもう、自分の限界を知りたいつもりである。ただ白蓮が言うには妖力や魔力の類であり、それを会得するにはかなりの訓練が必要。それこそ百年単位の、とのことらしい。
「…ねえ、聞いてる?」
「少なくとも俺は聞いてない。欲しいなそれ」
「あまりお勧めはしませんが…」
「ちょちょ、あの、お願い。これ以上力与えないで?空飛ぶ為とか言って気を扱う修行だって認めたくなかったのに、これじゃあ本格的にやばいのよ。妖怪が人間恐れちゃうの」
「…霊夢に聞くか」
「そ、そう!そうよ!それが良いわ!じゃあ聞いて来るから!教えないでね!?」
「…妖怪が人恐れてどうすんだよ」
「それはそうですが…まあ、気持ちはわかります」
「霊夢が来るまで白蓮の昔話でも聞いてやるかね。」
「むぅ…話せることはそう多くはないのですが」
と、前置きをして。白蓮の過去は、どこか先代を思い起こさせるような話だった。無論、違うのは。今生きていることなのだが。先代の話は呑み込んで、そりゃ大変でしたねと労う。人間なんて、と。不貞腐れないだけマシだと。白蓮はきっと、俺と同じ場所で俺と同じような体験をしても。多分俺みたいに不貞腐れないだろう。それがわかって、なんだか。
「長生きには敵わねえな」
「?」
「こっちの話。俺も人間やめてそっち側であれこれしようかね。楽しそうだし」
「…いえ。貴方には子供がいるのでしょう?貴方を遺して死ぬ子も、それから先、生きていかなくてはいけない親も。どちらも心は穏やかじゃありませんよ」
「はっ。やっぱ敵わねえじゃん」
「ねえお父さん」
「んぁ?」
「…私は、良いと思う」
「よっしゃ、教えてくれ」
「…わかりました」
こうして俺は新たな力を求めて生きるのであった(美鈴同伴)。条件は俺の昔話。ちなみに。その後紫から、反逆したら慧音が首斬るからね!!と言われたので反逆はしない。絶対。まあ、霊夢が殺されればそれこそ話は別だがな。その時の俺は悪くねえぞ。まあ慧音先生がどう思うかは別だがな。
「…こうか?」
「あ〜…気の方が出てますね」
「まじかぁ」
「美鈴さんのおかげで判別が出来ますね。あ、良い感じですよ」
「…ねえ」
「なんですか咲夜さん」
「館の前でソレやるのさ。やめてくれる?」
魔理沙「…なんで聖と美鈴とおっさんが…??…そもそも聖はなんでここにいるんだ…?」
ちなみに。聖と同じような力を手に入れた場合。
紫は完全に勝てなくなります。