我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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慧音先生のおかげで食い違いがあっても助かる助かる


第28話

「…なあ」

 

「何?」

 

「なんでおっさんから魔力が?」

 

「習ったって。聖から」

 

「…私、かなり努力して扱ってるんだけどなぁ」

 

「才能の差ね。ウチのお父さんすごいから」

 

少なくともお前が言えたようなことではないのだが。まあそれは置いといて、俺は魔力を練っている。そんで、聖からもらった巻物を使って魔法をかける。この魔法、時間が経てば経つほど強くなる魔法らしく、紫とかの搦手をボコボコにしたいという思いで貰った。

 

「…はぁ。魔法ってのは難しいなぁ。維持ができない」

 

「そうだろ」

 

「一回マスタースパークでも撃ってみるか」

 

「それやられたら私泣くからやめてほしい」

 

パツキンに制止されつつも、風見幽香の真似をする。確か…こう、一点に溜めて、ドンと放つ感じだったはず。違ったら聞きに行くか。さ、先ずは練って。溜めて、手のひらに。そのまま真ん前に向かって…ドーン!と。

 

「簡単だな」

 

「…」

 

「うちのお父さんすごいでしょ?」

 

「うるせー!なんでおっさんのことでお前が自慢げなんだよ!!」

 

と。二人の様子を笑っていたら、紫に頭を叩かれた。曰く、やめろと。お前は腕っぷしだけでいろと言われた。…それはそうと、こいつ身長小さいままだが大丈夫か?ほら、パツキンと霊夢が少し動き止めてんぞ。霊夢の前だと170とかじゃなかったかな。

 

「…なんか、紫小さくないか?」

 

「そうね、いつもより全然小さい」

 

「貴方が余計なこと覚えると、妖怪が貴方を恐れちゃうのよ。だからやめて。」

 

「…うっせ」

 

「うるさいですって!?余計なこと覚えられる度に妖怪の山に教えに行ってる私の身にもなって!」

 

「知らねえよ」

 

「まぁ!!」

 

何やらグチグチと言ってきてはいるが、全部無視。そのうちに何も喋らなくなったのでよし。悪いが説教は閻魔と慧音先生で足りてるんだな。これ多分華扇に言ったな。いってなかったら今度言っとくか。いやぁ、強いって、面倒だな。妖怪の山とは別に縁切っても良いんだけどな。

 

「パツキン、ウチの温泉寄ってくか?」

 

「え、良いのか!?」

 

「入場料」

 

「えっ」

 

「霊夢、俺聞いてねえぞ」

 

「そりゃそうでしょ。お父さんだし」

 

「家族贔屓!親族経営!」

 

「なんとでも言ってなさい」

 

と、そんなふうに喋っていると。風見幽香が来た。何故。温泉のことを噂に聞き、いつ訪れるか考えていたのだろうか。風見幽香なら何も考えずにさっさと来そうなものだが…

 

「当たり」

 

「温泉かぁ…なんか、そんなに良いものなのかね。ウチの温泉は」

 

「噂では、ね。凝りが治るらしいじゃない。こう長く生きてると肩が凝っちゃって」

 

「…歳か、胸か」

 

「胸ね」

 

紫曰く。『大きいと凝っちゃって…だから私、最近小さい姿でいるのよ』らしい。パツキンは俯いていた。霊夢は心底どうでも良さそうな顔をしていた。風見幽香は傘で紫を小突いていた。

 

「…じゃ、入場料」

 

「あら、必要なの?」

 

「妖怪相手とは言え、特別扱いする必要はないわ。そう紫に言われてここにいるのよ」

 

「…」

 

風見幽香はチラッと紫を見てから幾らかの小銭を渡し、霊夢の道案内を受けに行った。ちなみにだが、男はそんなに入りには来ない。女は多少。と言っても、どちらともに一週間に一人来るかな、と言った程度。大きな差はない。

 

「隣失礼」

 

「ん、分かった」

 

「酒を注ぐな」

 

「頂きー♪」

 

「人の家の酒を飲むな」

 

「私は霊夢に許可もらってるけどな」

 

「どうしてそんなに酒が飲めるんだか。意味わからん」

 

「おっさんは下戸だからな!」

 

あの若さで飲み始めるのはな。人間でもお前や霊夢くらいなんだよ。慧音先生がキレて来るタイプ。俺からすれば閻魔様がこれに関して何も言わないことに疑問を抱く程なんだ。だからお前らがおかしいんだ。慧音先生もなんか諦め入ってたし。

 

「紫?」

 

「見て〜。大将首」

 

俺が胡座をしていると。股の部分に紫がスキマを通してギャグを披露してきた。

 

「ギャハハハ!」

 

「あ〜…自爆」

 

「っ!?」

 

そんな紫を体全体で抱えるようにして、自爆というギャグ。…ウケなかったのは内緒な。

 

「なんだよ今日の神社ぁ。へんに強いやつばっかじゃん」

 

「あ、あら?」

 

「白蓮か」

 

「あら、新しい人ね。」

 

「な、生首…?」

 

「あー、余興。で、どうした?」

 

「えーと…そちらにいる魔法使いを、魔界に…」

 

「お!約束のあれだな!?よっし、私行ってくる!」

 

「ん、死なない程度にな〜」

 

「…あの子も、好かれるわよねぇ」

 

「俺は好きじゃないけどな」

 

「他よりは好きでしょ?」

 

曖昧な肯定。まあ、他よりは。でも一番は霊夢だし、2番は慧音先生だしで。故人一位は先代な。紫はそもそも入らないし、パツキンは…人のままなら三番目、魔法使って人間辞めるなら最下位まで転落だ。俺のランキングじゃ人外は最下位だぞ。

 

「で、残りは俺たちか」

 

「久しぶりに抱きしめてあげましょうか?」

 

「お前に親代わりは不可能だ。出来るのはせいぜい、託児所のバイトだ」

 

「え、私そんなに向いてないの?」

 

「いや。向いてるけどあんまり関わるのが好きじゃないか、関わるのは好きだけど全然向いてない奴」

 

「それなら私経営でしょ!?」

 

「お父さーん」

 

「お、霊夢。風見幽香は?」

 

「水持ち帰るとか言って、根を張ってたから殴ってきて」

 

「あいつも一応の身体は女だよな」

 

と、いうわけで。来たぞ女湯。男湯の壁越しに呼びかけてみるか。男湯…の湯も確かに減ってる。比喩じゃなくて栄養取るために根張ってる?

 

「…風見幽香〜。温泉泥棒はやめて下さーい」

 

「嫌〜!」




風見「…根を張って私の養分に…」
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