我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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白蓮で終わらせるつもりが、終わらなかった。急に終わらせても良いんだけど、枕元に兄ちゃん出そうで怖い
神霊廟っす


第31話

何やら、異変らしい。らしい、というのは。霊夢が勝手にどこかへいったからである。いつか、先代と同じような末路を辿らないと良いのだが。桜を見る用の酒と飯を抱えた俺は、一人待ちぼうけを食らうのだった。いや、一人なのは違うか。まあ、違うのだが。半人は、四捨五入するのか?切り捨てるのか?剣士だから切り捨てか?武士の情けで四捨五入か??

 

「お前も行けば良かったんじゃないのか?」

 

「幽々子様からも同じことを言われはしたのですが…まあ、巫女が行くならば、と」

 

余談だが、こいつは以前に切り掛かってきたことがある。神社で宴会をした時に酒を飲んだとかなんかで。心底恐ろしかった。何せ、面識のあまりないやつにお覚悟叫ばれながら斬られたのだから。薄皮一枚で済ませはした。その後こいつは一週間ほど腹を下したらしい。

 

「あの時は本当に大変でした。寝ても起きてもトイレにいないと…」

 

「切ってきたお前が悪い。蹴った後足に吐かれた俺の気持ちになればわかるぞ」

 

「…ごめんなさい」

 

ハクギョクロウ、というところに住むこいつは。やはりなんだかんだ人とは違う死生観をしている。例えば、『死にたくない!!』という人間に対して『死ねば?』ではなく、『あー、魂に印つけてわかりやすくします?地獄行きを推薦できますし』と言った具合。まあ、管理人してる奴だしなぁ。

 

「…失礼ですね。気遣いは出来ますよ」

 

「どうだか、所詮は人外。妖怪の中には母親と同じ身長にして親近感湧かせる奴だっているんだぞ」

 

「きもっ」

 

「…ちなみに、紫のことな」

 

「ぁ…そーですね。まあ、妖怪とは言え、個体差はあると思いますし」

 

「お前ほんとに…まあ良いか。」

 

「あ、そういえば」

 

「なんだ?」

 

「前来た閻魔様から、伝言と、贈り物が」

 

「あの閻魔様から。へぇ」

 

開けてみると。確かにこれは閻魔の字だなあ、と思えるような字で、『このままだと畜生道行きですので、先に招待しておきます』とだけ。贈り物は…どうやら閻魔の小切手らしい。緑髪がよく写った小切手だ。しかし、何故俺が。まあもらってなんだが、行く気はない。

 

「閻魔に突き返しとけ」

 

「…え?」

 

「そもそも人間生きてりゃ畜生道行きだろ。舐めんなや」

 

「決めつけ酷くないですか??」

 

「そういうと思いました」

 

「うわ閻魔様!?」

 

「な、何故ここに!?」

 

「鏡で見てただけです。まあ、そんな貴方には善業を義務付けます。」

 

「博麗の巫女育ててんのは善業じゃねえのか」

 

「まあ、はい」

 

そりゃどういうこった。俺の罪は巫女一人じゃ止まらんらしい。どんなに積み重ねてんだ俺。まあそれは置いておき。閻魔様が見つけた、天邪鬼が起こす異変を止めてこいとのこと。まあ、それで終わるならば良いが。異変の概要はわからないが、準備をしている途中であること。それと、小人族を利用していることを聞かされた。だからなんだ。

 

「というわけなのですが。どうしますか?」

 

「やりゃあ良いんでしょ」

 

「そうです。さて、その天邪鬼がいる場所は…」

 

「小人なんだ、適当に探せば見つかるだろ。家の軒下とか」

 

「そんなに小さくありません。」

 

「あ、あれか?」

 

「嘘でしょ?」

 

と。いつのまにか、半人は帰っていた。と言うわけだ、俺はその天邪鬼を止めるために動き出した。の、だが。天邪鬼ってんだから、多分すんごい拗れてるやつとか、常時拗ねてるとか。そんなこと考えてた。俺の目の前にいるのは、俺と1メートルくらいの差はあろう、女であった。

 

「…」

 

「な、なんだお前!姫、侵入者です!」

 

「なにぃ!?で、であえー!」

 

その隣には、もっと1メートル離れてそうな、小柄。多分こいつが小人族なのだろう。まずいな…思ってたやつと違う、ということと。普通にどっちも弱そうだから殴ったら即死があり得そうなのが…小人族には後で説明するとして、先ずは天邪鬼だから…

 

「お前、天邪鬼だろ。こっち来い」

 

「はぁ!?嫌に決まってるだろ!?」

 

「正邪、下がって!この━」

 

「姫、それはまだ使う時ではありません!」

 

小槌が振られる前に止め、奪う。天邪鬼の首根っこを掴み、連れて行く。道中何匹かが俺の足元に群がったが、まあ所詮小人。俺が歩くと勝手に蹴散らせる。

 

「…さ、起こそうとしてること全部言ってもらおうか」

 

「!…ば、バレてるからって言うわけないだろ…!」

 

「じゃあ閻魔様に引き渡すか」

 

「閻魔ぁ!?あんな、強者寄りのやつに何が出来るんだ!」

 

「知らねえよ」

 

「私たち弱者が虐げられてきたのに!何もしない閻魔が!!」

 

こいつ、面倒だな。私たちじゃなくて、私一人だろうに。こいつがどんな過去を送ったか知らんが、俺がこいつに情けをかけるほどの過去じゃないだろう。地面に埋めてこいつの頭でサッカーしようぜ。

 

「許すのは強さだとか、そんなものは私たち弱者からすればどうもない!許さないことで強くなれるのなら、私は何も許さない!!」

 

「お前はどんな場所で暮らしてきたんだよ。気持ちの悪い天邪鬼だな」

 

「はぁ!?」

 

曰く、私を見なかった世界を許す気はない。曰く、必死に生きてく傍でのんびり生きている奴が許せない。曰く、曰く、曰く、私だって頂点に立ちたい。曰く、私だって虐げられない立場にいたい。曰く、脅かされない住処が欲しい。身の丈に合う生活をすれば良いものを…これも天邪鬼か?

 

「そうだな。俺もそうだな」

 

「嘘つくな!」

 

「ほら、首元にへんな切り傷あるだろ。人里でここにクワを刺されてな。」

 

「…は?」

 

「親は死んだ。親父は俺が。母親は親父が。俺だって、いやぁ、あれはもう2度とやりたくないね」




正邪←こいつは絶対確信できるくらいにクソみたいな環境で育ってる。ぬるま湯の泥水。
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