我はぐれ者、神社に住まう   作:神輿と櫓

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鬼じゃ!化け物じゃ!妖じゃ!!
はっきり言って宴会の部分は知らねなので、色々すっ飛ばしてます


第8話

それは、突然だった。パツキン主催の宴会が増え、何やら誰かに唆されたのではないか、それともパツキンが何か狙っているのではないか。動かない図書館が動くのはその所為か、はたまた気まぐれで集まり気まぐれに宴会をしているのか。様々な噂が広まった今日この頃。俺の目の前には一人の鬼がいた。

 

「ここ数日の違和感はお前だったか」

 

「うわ、本当に感じ取れるんだ」

 

「それで?鬼が何か用なの?」

 

「紫から聞くとさ、肉弾戦で一番強いのお前らしいじゃんか。やりたくなってさ」

 

そう言い終えた瞬間、眼前に飛び込んで頭突きをかましてきた。慧音先生かよ…慧音先生の身長の方が低くて腹に喰らっていたが。いや、そうではない。今俺は鬼と対峙してんだ。なら、鬼以外に意識を向ける相手がいるもんか。当たる寸前で力んだおかげでさした痛みはない。

 

「お、丈夫だねぇ」

 

「良い頭突きじゃん。小手調べよな?」

 

「その通り!」

 

左のボディブローが俺の腹に刺さる。堪えて蹴りで鬼の腹を刺す。上がった図体を、さらに高く上がった足で落とす。地面に沈む鬼の頭を掴むと、鬼の目がこちらを向いている。なるほど、妖怪の中でも鬼ってのはかなり頑丈らしい。大半は目を合わせるどころか逃げて行くんだが。しかし…これが鬼の四天王なら拍子抜けだな

 

「らぁ!」

 

「おごっ」

 

顎に蹴りを喰らう。悪くはない。でも─

 

「軽い」

 

「ぶぁっ」

 

手を放し、少しの浮遊感を与えつつ平手でもう一度地面に叩き込む。ここが博麗神社ではなくてよかった。魔法の森なら環境破壊しようにもできないからな。大体変な胞子舞ってるし。

 

「やるねぇ!!」

 

裏拳が顔面に当たる。鼻血が出る。新鮮な気持ちだ。風見幽香でさえ傘で出血させたのに。

 

「本気でやったらぁ!!」

 

「え、嘘でしょ」

 

拳を思いっきり握って頭を叩き潰す。落ちていく顔面を蹴り上げる。ここまでは美鈴と同じ。飛んで行った鬼の所へ跳んで行き、ドロップキックを喰らわせる。少し不恰好な蹴りだったが、仕方あるまい。開き直ってさらに遠くへと飛んだ鬼の方角を見る。どうやら、山の方へ飛んだらしい。山に少しクレーターができていた。南無。

 

「分身をあんなに簡単にやるって、相当な実力だねぇ」

 

「分身か」

 

「そ。私よりは弱いよ」

 

「舐めやがって」

 

すぐさま駆け寄って左腕で顎を殴り飛ばす。飛ぶ顔を右手で掴んでそのまま地面に叩き付け、踏みつける。

 

「いった…!」

 

「分身ごときが俺に鼻血出させやがって。本体のお前が謝罪しろや」

 

「はっはは!面白いこと言うねえ!!そんじゃ、本物の本気を見せてやるよ!!」

 

鬼が踏み込むだけで地面が揺れる。良いね、俺も真似しちゃろ。思いっきり踏み込んで、周りの木々の根が剥がれていく。揺らしたいのであってお前らを剥がしたいわけじゃない。

 

「ふんっ!!」

 

「おっ」

 

顔面に飛び蹴り。受け止めて臍に小指を突っ込むつもりで腹に小指を突き立てる。そのまま地面に押し返し、耳を千切る。鬼ならばツノも千切るべきか、と迷っている際に後ろを取られて後頭部をしこたま殴られる。

 

「けっ」

 

「まだ生きてんの!?」

 

そのまま自分の頭ごと埋めるつもりが、抜けられる。バク転して姿勢を取り直し、また鬼と向き合う。

 

「紫!私が全力で戦える場所に連れてけ!」

 

「お?」

 

スキマの中へ強制的に入れられた。が、問題はない。何せ、俺はここから抜け出せるのだ。しかし鬼の言う本気とはどのようなものなのか。それを知りたいね。

 

「さ、私の能力全開だ!!」

 

鬼に向かってそよ風が吹いたのか、服が鬼の方に引っ張られる。なんなら、身体も。まるで地面に向かうかのように。その強さがどんどん強くなることに比例して鬼もデカくなる。流石にこれは危険だ。コリッとした感触を探してそこを突き破って脱出する。その後、その周りを歩いて行く。

 

「…ここ!!」

 

「がっ!?」

 

ヒット。どうやら図体がデカくて出られないらしい。さながら一寸法師になったような感覚でこれまた新鮮だ。少ししてスキマから鬼が降りて来た。石を砕いて投げ、鬼が移動した先に蹴り。

 

「ごぅ」

 

「本気か、鬼さん」

 

「本気だよ!」

 

腕が伸びて来るような感覚を受け、避けようとしたが受けてしまった。抜き手を喰らい、左腕が切断される。ここら辺に良い医者はいねえんだぞ、どうしてくれんだ。言いたい気持ちを抑えて次の手を与えないように木に叩きつける。

 

「よくもやってくれたなぁおい…!」

 

「ゲホッ…油断する方が悪いでしょ」

 

足で腹を踏みつけ、地面深くに沈める。

 

「地面ごと起き上がれば問題は─」

 

切断された左腕で鬼の顔面を叩く。

 

「っ、この」

 

顔面を踏む。踏み込む。その衝撃を以て鬼の首の骨を折る。更に、もう一撃。今度は背骨を折る。普通ならもう動けないが、相手は妖怪。人間の身体をしていてもそれが正しいわけではない。もう一度位踏むか。

 

「ま、参った!!参ったぁ!!」

 

「その辺にしたら?」

 

「うわ、風見幽香」

 

「ごきげんよう。それで?ここの木々の逃げ具合は、貴方が?」

 

「逃したつもりはないんだがな、この鬼が俺の腕をもぎ取るからつい」

 

「あら、これ鬼の四天王の一角でしょ。貴方やっぱり人じゃないわね」

 

「…それで、風見幽香。腕を繋げる植物とか知らんか。このままだと出血多量で死ぬ」

 

「死ねば?」

 

「…お前のせいで鬼も逃げとるんだが」

 

「ゆかりの仕業ね。まあ、根っこで繋げることはできるけど…寄生虫よ?」




慧音「それから数日してな。先代の巫女と話す機会があってな。思い切って聞いてみたんだ。…初日だけだったらしい。暗かったのは。霊夢に絡んで、そこから明るくなったらしくてな。それを聞いて後悔したんだ。やはり私のやり方は雄大に合わなかったのではないか?しかし私の立場だけで雄大を救えたか?雄大は今の環境が一番ではないのか?雄大の年齢を考えれば家族のように接してくれる存在が必要だったのではないか?…と、まあ、こんな具合には後悔して、な。それからは私から雄大について先代の巫女に聞くことは無くなったんだ。」
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