戦兎「次々とスケバンを制圧していく仮面ライダー達であったが、油断した万丈がキツネの面を被った少女に変身解除へと追い詰められる。だが、ニンニンコミックフォームに勝機を見出した桐生戦兎は見事狐の少女をも退けることに成功するのだった。」
万丈「おい何、俺のあらすじ紹介奪ってんだよ。てか、なんでお前がいんだよ。あの書類の山はどうしたんだよ。」
戦兎「あれくらい天才物理学者となれば容易に終わらせられるの。それじゃ後始末の4話どうぞ。」
万丈「さらっと流しやがって...。」
???「ちょっと、何よこれ。サンクトゥムタワーの復旧に必要な人材を助けて欲しいって言われたのに!」
紫色のツーサイドアップの少女が瓦礫が散らばるなかで二人の大人を姿を見てそう言う。
戦兎「もしかして、リンの言っていた応援というのは彼女らのことか?」
戦兎は彼女らを見つめると各々の服装に差異があり、そこから急遽集められた人員だと察する。
リン「今はサンクトゥムタワーによる混乱で彼女らを急遽こちらに派遣させたのですがまさか、本当にあのスケバン達を制圧してしまうとは...。」
彼女にとっての上司である連邦生徒会長を信頼していたからこそ、彼女は戦兎達が戦うことを無理矢理にでも止めるようなことはしなかった。それは彼らが戦い、たとえ敗れたとしても撤退するほどの実力、判断力はあるはずだと思った為であった。だが、彼らが傷一つなく勝利するよなことは予想できていなかったようだ。
???「怪我の応急処置用にいくつか道具を持ってきたのですが、そのかすり傷以外に目立ったものも無さそうで、どうやらいらなかったですね。」
大きなカバンを肩から下げた茶髪の少女が彼らの姿を見て言う。万丈は額に一度銃弾を受けたとはいえ、クローズに変身していたこととハザードレベルが7であったために目立った外傷を受けていないのだった。
???「それで私達は、こちらに来たのは現在発生している混乱を解決できる先生がこちらにいらしゃると聞いた為ですが、この二人がその先生なんですか?」
黒髪の少女が戦兎と万丈を指して言った。彼女らの聞いた話によると先生は
戦兎「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺が元天才物理学者で最高に天才的な先生の桐生戦兎、んでこいつがバカの万丈龍我だ。」
戦兎のその答えに対して万丈が即座に言葉を返す。
万丈「なんだよその説明、バカで片付けてんじゃねぇよ。俺はだなプロテインの貴公子万丈龍我って言えよ。」
戦兎「そんな事知らないよ。ていうかそのプロテインの貴公子っていつ出てきたんだよ。少なくともtv本編ではやってないでしょ。まぁ、それはともかくとして、君たちはどこの誰なんだ?」
万丈の発言に戦兎がそう返す。戦兎らしい言い方に万丈はいつも通り返し、リンは頭を抱え、残りの四人は内心戦兎らに本当に大丈夫なのかと心配になっていた。だが、シャーレの顧問として活躍しうる先生とのコンタクトを取ることを優先し彼女らは自己紹介をする事とした。
ユウカ「私は、ミレミアムハイスクールの早瀬ユウカといいます。一応、覚えておいてください。」
少し、一歩引いた様子で彼女はそう告げる。彼女はなるべく隠そうとはしているものの、万丈のことをかなり低脳な人物だと見下した様子が漏れ出ていた。
万丈「ん?なんでそんなやけに嫌そうな感じで言ってるんだ?」
万丈は彼女の様子を見て不思議そうに純粋にそう言う。それに対し彼女は、自身の態度が漏れ出ていたかと慌てて自身の言葉を繋げようとするが、戦兎が割って入った。
ユウカ「あ、いやそれは。」
戦兎「そりゃ、お前のズボンのチャックが空いてるからだろ。」
彼女が少し言葉を濁そうとするが戦兎は包み隠さずに万丈のズボンのチャックが空いていることを指摘する。この場において、今の今までに万丈を除く人物は皆チャックが空いていることの気づいていた。
だが、戦兎はいつものように伝えるような事はなく、リンやユウカ達は女性という立場であるためにそのことを不用意に言いためであった。更に今の状況下でその様な事を話ても無駄だと考えいたためでもあった。
しかし、万丈は彼女の嫌悪的感情に気づき、彼女がそれに対する答えを言いかけたのに対して戦兎は代わりの言葉としてそれを返したのだった。
万丈「はぁ?ウッソだろ。」
そう言って万丈は急いで自身のズボンのチャックを閉める。その動きは電光石火のごとく素早い動きであった。
万丈「いつからこうなってんだよ。」
戦兎「エボルトと戦う前からだよ。」
戦兎は呆れたようにそう告げる。
万丈「なんで早く教えてくれなかったんだよ。」
そう言って、万丈は戦兎の肩を強く揺らす。
戦兎「おい、そ、ん、なに揺、らすな!てか、それくらい自分で気づけこのバカ!」
万丈「バカってなんだよ。せめて筋肉つけろ筋肉。」
チナツ「あの、ここにいてもあまり意味がなさそうなので私はもう帰らせていただきますね。一応私はゲヘナ学園の風紀委員、火宮チナツと申しますので。ゲヘナに何か用があればどうぞ。」
チナツは戦兎と万丈のコントじみたやり取りに呆れたのか、自身の名と所属を告げ、肩にかけた重そうに見えるバックを軽々と持ちその場を去って言った。戦兎の行動の意図は当事者以外から見れば気づきにくいものだった為にこの様なすれ違いが起きたが彼はあまり気には止めなかった。
それに続いてトリニティ自警団の守月スズミに正義実現委員会の羽川ハスミも自身の名と所属を名乗りその場を立ち去って行った。
万丈「行っちまった...。」
ユウカ「先生、すみません。私に気をつかって...。」
ユウカは申し訳なさそうにそう言った。だが、それと打って変わり戦兎は気にせず、茶化して言う。
戦兎「別に気にするな。この筋肉バカがチャック空いてることに気づいていればよかっただけだ。」
万丈「だから俺はプロテインの貴公子だって。」
万丈の言葉を完全に無視して、彼女は戦兎に言う。
ユウカ「先生は確か物理学者と言ってましたよね。」
戦兎「ああ、
ユウカ「それが本当でしたら、おそらく私達の学校は先生にとってかなり興味深い学校になっていると思うので、是非いつかお越し下さい。」
彼女はそう言って、その場を立ち去って行ってしまった。
万丈「とにかく一件落着ってところか。」
戦兎「お前のチャックで台無しだけどな。」
戦兎は万丈の発言に呆れて付け加える様に言った。万丈はうるせぇ!っと言うだけでこの場は終わった。そうやって少しの静かな間があくが、そこでリンは本題を話す。
リン「先生、早速解決していただきたい問題がございますので、そろそろ移動しませんか?」
戦兎「ああ。」
紆余曲折ありつつも、戦兎と万丈はシャーレ部室のある建物へと入っていく。建物内部は人一人いない状態で様々な物が散乱しており、先程までこちらを占拠していたスケバン達に荒らされていたことがわかる。ただ、それだけでなく、電源のひとつもついていないようで、中は少し熱がこもったような空間になっていた。
万丈「なぁ、こういうビルの中って涼しいって場所だけど、ここはそんなに涼しくねぇんだな。」
ふと思った疑問を万丈は口にし、それにリンが深刻な表情で答える。
リン「本来であれば、電源もついておりまして、冷房設備も完備しているのですが例の問題、サンクトゥムタワーの制御権がなくなり、現在キヴォトス中のあらゆるインフラが正常に作動できていないのです。」
万丈「イン、フラ?何かのフライが動いてねぇのか?」
万丈は冗談でなく本気でそのような事を発言し、彼女は軽蔑の眼差しで見つめる。
戦兎「フライじゃねえよ。水道とか電気とかそういうのをインフラっていうんだよ。」
戦兎が軽く万丈に説明する。
万丈「なるほど、じゃ今のキヴォトスはめちゃくちゃやべえことになってるってことだよな。」
その言葉に「バカっぽく言えばそうなるな。」と戦兎は返す。
そのように三人が話を進めているうちに目的の場所へと到着する。リンは地下へ二人を誘導させる。そして、そこは薄暗く、停電している状況もあってか換気扇もなく重い空気が立ち込めていた。その部屋の中には黒い直方体の物質が直立し、その謎の物体に戦兎が興味を示さないなんて事はなかった。
戦兎「これは一体なんだ?どうやってこの大きさの物体を浮遊させているんだ?あぁ、早く調べたい。」
そう言って戦兎は頭をかきあげてヘイローをみた時のようなそんなアホ毛を立てる。リンは既にこの状況を受け入れ、万丈は見慣れているためこれに誰も口出しする者はいなかった。
ただ、この状況を黙って見続ける訳にも行かないので彼女は言葉を切り出す。
リン「こほん、先生。未知の物に興奮なさるのも結構なのですが、今はここの説明をいたします。」
彼女の一言で戦兎の興奮は収まる。
リン「ここは、連邦生徒会長が失踪する以前に残したものが保管されておりまして、先程先生が興味を示していましたものはクラフトチェンバーと呼ばれるものです。使用方法については私達は存じ上げませんが、おそらくはこのシッテムの箱に内蔵されていると思われます。」
そう言って彼女は戦兎にタブレット端末を手渡す。戦兎はシッテムの箱という単語に何かデジャブを感じるのだが、そのことを考える前に万丈が口を出す。
万丈「ん、箱?どう見ても普通のタブレットにしか見えねえけど。」
リン「一見普通のタブレットのようですが、正体が一切わからない物です。製造会社、OS、システム構造、動作原理の全てが不明。連邦生徒会長はシッテムの箱は先生な物で、先生が使用することでタワーの制御権を回復させられるはずだといっていました。」
万丈「なんかすげぇタブレットって事か。」
リン「バカっぽく言うのであればそうなります。」
万丈の発言に対して彼女は皮肉をこめてそう言う。万丈はお前もなのかという表情をするが、そんなことお構いなしに彼女は続ける。
リン「こちらのシッテムの箱は私達では起動すら出来なかった物ですが、先生ならこれをどうできるのでしょうか、それとも。」
リンの問いに対して、戦兎は自信を持って答える。
戦兎「あぁ、任せろ。」
リン「わかりました。では、私は失礼します。ここから先は全て先生にかかってます。邪魔にならないように離れておきます。」
戦兎の答えを聞いた彼女はそう言うと部屋から出ていった。
万丈「なぁ、そんな自信満々に任せろなんて言ってだけどよ。そんな簡単に起動できるのかよ。」
万丈は少し不満げな声で戦兎に聞く。
戦兎「ま、天才物理学者ですからこれくらいチョチョイのチョイで終わらせちゃうんです...よ...。」
戦兎はシッテムの箱を無意識に起動する。すると青い画面が現れる。
...Connecting To Crate of Shittim...
万丈「は?なんで普通に起動できてんだよ戦兎。普通じゃ出来ねぇんじゃねえのかよ。」
戦兎「いや、俺にもわかんないよ。今だって無意識に付けただけだし。あれ、もしかして先生になったからお前と同じ
万丈「んなわけねぇだろ。」
そんなことを言っていると、シッテムの箱の画面の表記がかわり、
システム接続パスワードをご入力ください。
という表記が現れる。
万丈「まぁ、俺の本物の
戦兎は脳裏に無意識に浮かんだ文章を入力する。
戦兎「パスワードは...」
"......我々は望む、七つの嘆きを。
......我々は覚えている、ジェリコの古則を。"
と戦兎は入力する。
万丈はそう入力する戦兎に対して
万丈「なんだその文章ていうかそれパスワードっていうのか?こういうのは」
そう言って、戦兎がパスワード入力に失敗すると思い戦兎の持つシッテムの箱にパスワード入力を行おうと画面を万丈は覗き込むと。
...。
接続パスワード承認。
現在の接続者情報は桐生戦兎、確認できました。
と表示される。この表示に万丈は劇画風の表情を顔に映す。
戦兎「どう?俺の
と戦兎はキメ顔で万丈に画面を見せつける。
万丈「うっせえ!今回はたまたまだろ。」
万丈は自分の良い活躍ができると踏んでいただけに少し不貞腐れたような態度でそう言う。
戦兎「もうそんなに態度悪くすんなよ、ほら後でバナナやるから。」
と戦兎はバナナの皮を剥くジェスチャーをして万丈に呼びかける。
万丈「わーい!バナナだー!ウッキー!じゃねえよ!!誰が猿だ!」
と返そうとするも、戦兎はその場からはいつの間にか消えてしまっていた。
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戦兎は万丈を猿扱いするような発言をした直後にシッテムの箱から溢れる光に飲み込まれ、気がつくと何処かの教室に立っていた。
その教室は本来窓がある部分に大きな穴が空いており、その外には机が積み重ねられ山ができているようであった。
そんな異質な教室の中でひとりの女の子がうつ伏せで居眠りしていた。
???「うーん、むにゃむにゃ...Zzz。むにゃ、カステラには...カフェラテより...バナナミルクのほうが...。」
良い夢でも見ているかのように幸せそうに眠っているのが寝言からも伝わってくる。
幸せそうに眠っているものの、この状況について聞き出せそうなのは彼女のみであるため戦兎は彼女の肩を少し揺らして起こす。
戦兎「おーい、起きろー。お昼寝の時間は終わりですよー。」
???「うにゃ...まだですよぉ...まだこんなに残ってるのに...。」
眠っている彼女を無理矢理起こすのは少し悪いかと思っていたが、リンにサンクトゥムタワーの復旧を頼まれているため、少し揺れを大きくし彼女を起こす。
???「うーん。むにゃ...ありゃ?」
彼女はゆっくりと起き上がり、目を擦り自身を起こした人物を見つか、認識する。
???「ありゃ?あれ?あれれ?」
寝起きの状態から視界が段々と明瞭となっていき、彼女は自身を起こした人物を初めて認識する。
???「せ、先生!?」
戦兎「ん、起きたか。」
彼女が自身の事を認識したことを理解し、それに戦兎は無難な言葉を返す。それに続けて彼女は言う。
???「この空間に入って来たってことは、もしかして戦兎先生....?」
戦兎「ああ、そうだ。それで、君は一体誰なんだ?」
彼の返事に対して彼女は焦ったように言葉を繋ぎ
???「う、うわああ!?そ、そうですね!?もうこんな時間!?」
戦兎「かなり慌ててるみたいだが、落ち着いて言ったらどうだ?」
戦兎は彼女がまだ幼い女の子という見た目の為に、優しく彼女に言う。
???「は、はい。はぁ、一回落ち着いて、落ち着いて...。えーっと、その、あっ、まずは自己紹介から!」
彼女は戦兎の言葉通りに落ち着いて、自己紹介を始める。
アロナ「私はアロナ!この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」
「やっと会うことができました!私はここでずっと、ずーっと待っていました!」
彼女はそう戦兎に告げた。彼女が言う言葉の全てにおいて未だに疑問が絶えない戦兎であったがまずは1番の疑問を質問するのだった。
戦兎「待っていた。というのはどういう意味なんだ?」
アロナ「あっ、それは連邦生徒会長から戦兎先生がいらっしゃると聞いていましたので。」
戦兎は再び、連邦生徒会長という言葉を聞く。おそらく失踪しているといわれている連邦生徒会長を発見しない限りは自身の転移の謎も解明がほぼ不可能だということを戦兎は理解する。
戦兎「続けて質問するが、連邦生徒会長はどんな人物だったんだ?どうして俺の事を知っているんだ?」
戦兎は自身をここに引き寄せた原因、或いはそれを知っているであろう連邦生徒会長について彼女から聞き出そうと質問する。
アロナ「うーん、私も人柄についてはあまり詳しくは知らないです。かなりの仕事量を一人で難無くこなす超人と言われていたくらいしか私は知りません。戦兎先生のことは彼女から聞いていたのですが、何故なのかは私も聞いていませんので私もそれは...。」
彼女は申し訳なさそうにそう答えた。
戦兎「ま、近くにいたリンでさえどうして俺のことをここに連れて来れたのかわからないみたいだしな。知らなくてもしょうがないか。」
戦兎は気持ちを切り替えて、彼女を励ますようにそう言った。
教室に流れる気まずいな空気一瞬流れるが、それを紛らわすように彼女は焦ったように話の流れを戻す。
アロナ「あ、えっと、まだ私の体のバージョンは低いままなのでもしかしたら、バージョンアップでその戦兎先生が気になっていることもわかるかもしれないので。それ以外にも、これから先色々な面で先生をサポートしていきますね!」
戦兎「ありがとな、頼りにしてるぞ。アロナ。」
戦兎はアロナの励ましにそう応えた。アロナは少し照れたような顔を一瞬するが、自身の行わなければない仕事を思い出し話を再び戻す。
アロナ「あっ、あ、そうだ!形式的ではありますが、生体認証を行います♪」
「少し恥ずかしいですが、手続きなので仕方ないです。こちらの方に来て下さい。」
戦兎は彼女の言葉通りにアロナの近くに寄る。
アロナ「あ、これくらいの距離で大丈夫です先生。さぁ、この私の指に、先生の指を当てて下さい。」
彼女はそう言って人差し指を戦兎の前に差し出す。
戦兎「アロナの指に俺の人差し指を当てればいいのか?」
アロナ「はい、そうです!」
彼女は元気よく答える。
戦兎は指を当てるだけで個人を判別できるOSがあるのかと理解すると同時に指紋を知られていたのかと少し驚きながらアロナの指に自身の指を重ねる。
アロナ「まるで指切りして約束するみたいでしょう?」
彼女は微笑みながらそう言う。
アロナ「では、指紋を今から
彼女は微笑んだままそう言ったが、戦兎は驚きを隠せずに言葉を出す。
戦兎「
アロナ「はい。大丈夫すぐ終わりますので。」
変わらずに彼女は笑顔で言葉を返すため、戦兎は彼女を信じ何も言わなかった。
だか、戦兎から見て彼女は目を凝らしてじーっと戦兎の指紋を見つめたままで彼女は生体認証は終わらない。戦兎は彼女の生体認証はいい加減なものだとこの時点で気づいてしまったが、彼女自身の見た目が幼い見た目のために沈黙を貫き通すことにした。
しばらく経つと彼女は確認が終わった旨を伝えたが、戦兎は隠しきれない程の疑いのオーラをそれまで出していたが、彼女の生体認証(笑)が終わるとその様なオーラを即座に消す。
戦兎「割と時間かかるんだな。」
アロナ「えっ、あ、そそんなことありましたか?」
アロナは戦兎の質問に明らかに動揺していたが戦兎はふっと笑い口を開け
戦兎「まぁ、それはいいとして本題に入ろう。アロナ、サンクトゥムタワーの制御権を復旧させる事は出来るか?」
アロナ「は、はい!おそらく可能だと思います。ですが...。」
彼女は戦兎の問いに即答する。彼女なりに隠し通せたかと安堵の色が見えたのも束の間、彼女は戦兎とある疑問をぶつける。
アロナ「どうして、そのような制御権が必要なのですか?」
アロナの疑問は至極真っ当なもので、彼女は未だ連邦生徒会長の失踪を聞かされていないうえに、それで起きたキヴォトスでの問題も知らない。 それ故に出た疑問だった。それに戦兎は優しく答えた。
アロナ「わかりました。でしたら、サンクトゥムタワーの制御権が復旧ができ次第連邦生徒会へと権限を移しますね。でも、先生本当に連邦生徒会に権限を移してしまってもよろしいでしょうか。」
彼女は不安そうにそう戦兎に聞く。
戦兎「そこは彼女らを信じる。」
戦兎はそう言った。彼自身ほんの少ししかリンとは会話していない上に彼女以外からは少し呆れられたような態度を取られている。これらの状況を加味しても普通の人間なら他者に重大な権限を任せるといった事はしないだろう。
だが、桐生戦兎という人間はそうではなかった。あの小さな、ほんの小さなやり取りから彼女らを信頼しようと思えたのだ。これは彼自身が仮面ライダーというヒーローとしてかつての仲間達から信じてもらえたことにも起因していた。
アロナ「先生がそこまでおっしゃるのなら!このアロナちゃんにお任せください!」
そうアロナが発言し、ほんの少し時間が流れた。
アロナ「先生、完了しました...って先生寝ていないですか?」
戦兎はエボルトとの激戦を終えた後に未だ戦兎は知り得ないがあの、七囚人の一人ワカモと戦い疲労困憊であった。今までにその素振りを戦兎が見せなかったのは単に自身が疲れていると気を使われるのを避ける為であったが、ひとまず問題が解決するとわかり眠ってしまったようだった。
アロナ「先生も疲れてたみたいですね。お疲れ様です、先生。先にサンクトゥムタワーの制御権は連邦生徒会に移しておきましたからね。またね、先生...。」
彼女はそう、小さな声で言い。戦兎を元の世界へと返したのだった。
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シャーレ地下
少し時は遡り、戦兎がシッテムの箱の内部空間に取り込まれ、少したった頃。一人取り残された万丈は残されたシッテムの箱を手に取り、そのくらい画面に映る自分の顔とひたすら睨み合っていた。
万丈「んー?なんかツエー光が出たと思ったら、急に戦兎がいなくなって、その戦兎が開いたシッテルの箱がまた電源落ちるしでなんなんだよ。てか、なんで戦兎が先生なのかもわかんねえし何なんだよまじで。」
万丈はそう愚痴を溢していると先程まで電源の落ちていた、地下の電気が一切につき、換気扇の可動音が耳に響く。
万丈「お?もしかして、戦兎!?」
そう言って万丈はシッテムの箱を見るが、何も起きておらず再び見つめ合う万丈。少し、この沈黙が続き万丈がシッテムの箱を机に置いた途端に光が再び溢れ出す。
万丈「眩し!!」
強い光に目が眩む万丈であったが、その光が消え目を開けるとそこには寝ている桐生戦兎がいた。
万丈「おい、戦兎!急にどこ行って...」
万丈は戦兎を起こそうと体を揺らす。その時に彼は戦兎の顔を見てしまう。その顔には幼児が行ったかのような落書きがあり、滑稽な様子になっていた。その顔に思わず万丈は吹き出してしまう。その声に戦兎が目を擦りながら起きると同時にリンが再びやってくる。
リン「先生、先ほどサンクトゥムタワーの制御k」
リンも戦兎の顔に描かれた落書きを見て少し笑いそうになるが、それを抑え、再び話し出す。
リン「先生方、悪ふざけもいいですが、自身の仕事についての重大さも理解していますよね。」
彼女は自身が思わず笑わされしまうとこだったため、怒りを少し含んで彼女は言う。
戦兎「え、まさかサンクトゥムタワーの復旧が出来なかったのか?」
戦兎は未だ自身の顔の落書きを知らない。その為、焦燥した顔でそう返す。その顔を見たリンは状況的に万丈が起こしたことだろうと考える。
リン「もしかして、これは万丈さんの独断で起こしたことだったりしますか?」
そう言って彼女は鏡を取り出し戦兎の顔を写す。
戦兎「ん?なんだこの落書きは!まさか万丈!?」
そう言って戦兎は万丈に顔を向ける。万丈は戦兎に訴える。
万丈「俺は殺しも、落書きもしてねぇ!!」
戦兎「そう言うんだったら、最初からこの状況じゃ無いことを説明しな。」
万丈「おう、わかった。」
戦兎が説明を求めた為、それに万丈は応えた。そうして彼は自身の生い立ちから話し始めた。
万丈「俺が生まれたのは」
その発言をした瞬間戦兎はたまらずツッコミを入れる。
戦兎「だーかーらー!なんで毎回お前の生い立ちから話すんだよ。俺が起動した時から話せ。」
万丈「あ?それってもうお前俺がやったんじゃねぇって」
万丈がそう言いかけているのに対して、もうこの展開に飽き飽きしたリンが割って話す。
リン「あの、もういいです。私が悪かったですから、今からシャーレについてのご説明をしますのでついてきて下さい。」
そう言って彼女は一階への階段へと向かって行った。そうやって部屋から出るまでにも戦兎と万丈は言葉を発する事はなくともジェスチャーで言い争いを継続していた。
そんなふうに彼女の後をついて行くのだったが、ある部屋の前で彼女が立ち止まり、戦兎らに振り返る。
リン「ここが、シャーレの部室です。」
彼女は先程のような呆れた面持ちからは打って変わった表情で、『新規部署所属予定』と書かれた紙が貼られた部屋を指す。
戦兎「ここが俺達が新しく過ごす場所か。」
リン「はい、そうです。こちらの部屋は長らく空き部屋でしたがようやく活用することができます。」
そう言って彼女はその部屋をカードキーを用いて開く。
シャーレ部室のドアを開けると新築の特有の臭いがするのみで、埃の類は一切見当たらず、使われていなかったとはいえ掃除はしっかりと行われていたことがわかる。
万丈「んで、何すればいいんだ?」
まだ自分の仕事について明確に説明はされていない万丈は、それを疑問に思いそう尋ねた。それにリンが答えた。
リン「シャーレは超法規的機関というのはお話ししましたよね。」
万丈「ああ、ほうきな。」
戦兎「バカっぽく言えばすんごい権利のある組織ってことだよ。」
戦兎がすかさずリンの発言を補足する。(本来なら要らないが)
リン「その通りです、先生。ですが、このシャーレにはこれといった業務や目的などは無いのです。」
戦兎「目的や業務が決まっていない?」
万丈「悪用されたらやべえんじゃねえのか?」
戦兎と万丈は思わず口から言葉が出る。その言葉にリンは少し困ったような表情をして言葉を返した。
リン「はい、シャーレは特にはないのです決まった業務は。ただーー」
彼女は一度口を閉ざしたが、再び口を開き続けて言う。
リン「キヴォトスでは日夜様々な問題が発生しておりまして、最早連邦生徒会のみでは処理のしょうがないのです。ですが、もしかすると業務のないシャーレであれば...可能かもしれないとだけ言っておきます。私からは以上です、先生。」
彼女はそう答えて、戦兎と万丈を部屋に残し業務の残りを片付けにシャーレを去っていった。
彼女が去って行ったことで少しの緊迫した空気が薄れたが、どうしてもこの世界を受け入れられない万丈は少し不満を漏らす。
万丈「マジでどうなってだよ、この世界は。」
戦兎「今は俺も詳細にはわからない。ただ、俺のやるべき事と立場が少し変わっただけだ。」
万丈「それもそうだな。」
そう言って彼らのシャーレの先生としての第一歩が始まろうとしていたのだった。
本当にお久しぶりです。二、三週間ぶりでしょうか?本当に遅くなって申し訳ないです。アンケートは次話更新時に、締め切りとさせていただこうと思ってます。
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