キヴォトスと仮面ライダー   作:ジェフのワクワク!お料理教室

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ホシノ「ん?何してるの、先生?」

万丈「ん?ホシノ起きたのか、今からあらすじ紹介すんだよ。見とけよ」

万丈「プロテインの貴公子である万丈龍我は、助けを求めたアビドス高等学校を目指し、シャーレ部室を出発するのだったが途中で力つき倒れてしまう」

シロコ「そして、それを私が拾い上げて先生を保護した」

アヤネ「話題の本題に入ろうとするも、突如現れたヘルメット団により会議は一時中断となる」

セリカ「そこで、万丈先生は仮面ライダークローズチャージに変身するんだよね」

ホシノ「ん、なんでみんなおじさんのほう見てるの?え、次はおじさんが言うの!?あー、じゃあ本編どうぞ~」

(これで......いいのかな?)


(xz^2y+x)+17zy^2+(11xz+y)+221x=1612 y-x+z=6話 アビドスの逆襲

「クローズチャー......ジ?」

 

 スクラッシュドライバーから出力された音声を聞いたセリカが呟く。彼女以外の者も同様の反応を示す。

 

「なっ!それは一体!?」

 

 ヘルメット団の一人が驚きを含んだ声でそう言った。それによってヘルメット団の沈黙が破られ、口々に言葉を交わし統制が少し乱れる。このキヴォトスにおいても仮面ライダーに似たようなヒーローはフィクションの中には、存在していた。だが、そのような姿に変身するというのはありえないことだった。

 

「今の俺は、負ける気がしねぇ!!うおおおおおおお!!!」

 

 そんなヘルメット団に構わず、万丈は相手の方へと走り出していく。それを見たアヤネはハッと我に返り指示を出す。

 

「み、みなさん、取り敢えず今は万丈先生に続いていきましょう!私は後方から支援を行います」

 

 そう言うと、残りの面々も万丈の後を追いかけるように進んでいった。

 

一方、先に突っ走って行った万丈は......

 

万丈はツインブレイカー*1のアタックモード*2でヘルメット団を圧倒していた。

 

「押されてるぞ!早くこいつを何とかしろ!」

 

 ヘルメット団の中でも、指揮官に当たると思われる赤のヘルメットの人物が万丈を指して叫ぶ。彼女の気迫にあふれた声と裏腹に、彼女の握る銃は少し濡れている。そして、少し焦燥して唇を噛む。だがその様子はほかの者には見えないように。

 

 相手がそんな様子にもお構いなしに、万丈は次々とヘルメット団を圧倒してく。しかし、万丈の動きはまっすぐ単純な為に、動きを読まれてしまう。だが、万丈はハザードレベル7ということやライダーシステムという点でヘルメット団を圧倒する。

 

 そんな時、地面のアスファルトをズリズリと引きずるような音と、鉄が擦れ合う音が敵のほうから響く。

 

「やっとか!」

 

 ヘルメット団の面々は顔を上げて、彼女らは勝利を確信したかのようなを表情を浮かべる。彼女らの目に映るのは一両の戦車だった。その戦車は、そこらの不良のような者たちが持っているとは到底思えないものだった。

 

「え?」

 

 万丈は戦車にすら気づいていなかった。そのため、状況を呑み込むこともできずに、そのまま万丈に向けて砲撃が行われる。発射された砲弾が万丈の体に衝突し、土煙が周囲のヘルメット団も取り巻く。土煙によって、視界が遮られる。

 

「やったか!?」

 

 一人がその威力を見て、声を出す。

 

 が、万丈はその一撃を耐えて、周囲を取り巻いていた煙を払い、中から姿を現す。煙の中から現れたクローズチャージは、砲撃などものともしていない様な姿でこちらへと向かってくる。

 

「嘘だろ......」

 

「怯むな、恐らくあの様子でも確実にダメージは与えられているはずだ......」

 

 そう言って周りの人物を奮い立たせる赤ヘルメットだったが、この人物がこの場で最もクローズチャージひるんでいる。この戦車を借りれたのも、とある()()()()による協力があってこそだ。今回、アビドス高等学校に完全に攻め入るということを決めたのは、アビドスの物資が不足していると見込められたこともあるが、()()により得た戦車という点も大きかった。

 

だが、今の万丈を戦車などで止めるのは不可能だった。

 

「戦車だろうが、今の俺は負ける気がしねえ!!」

 

 アドレナリンの分泌により、いつも以上にテンションの上がった声を発する万丈。そう言って、スクラッシュドライバーのアクティベートレンチを下げる。

 

 

"スクラップブレイク!!"

 

 

万丈の足から放たれる強烈なライダーキックによって戦車は爆散してしまう。

 

「か、勝てるわけない」

 

「廃校寸前の学校にこんな人物がいるなんて聞いていない!ここは一度引き上げるぞ!」

 

 そういって彼女らは足早にその場を立ち去って行った。万丈は周りに残党がいないか確認して、変身を解除する。

 

「うわ、先生もしかして一人で全部やっつけちゃったの?」

 

 万丈に追いついたホシノが撤退していくヘルメット団を見ながらそう聞く。

 

「まぁな」

 

「......」

 

 あたりに広がる鉄の破片、万丈に一切の傷がついていないことを見るに戦車を一人で破壊できるほどの力を持っていると万丈に警戒の念を抱く。

 

(頭は賢くないけど、力は強いからあいつらと違って武力で押されたら......おじさんでもやばいかも)

 

そんな警戒を抱かれているとは知らずに万丈は少し鼻を高くして、シロコのほうに向かって

 

「どうよ!俺の()()()()()パワー!!これでもうバカなんて言えねぇだろ」

 

「ん、確かに......」

 

 シロコはあたりに散らばる戦車の残骸を見て言った。その言葉に万丈は少し鼻を高そうにする。が、シロコは続けて言う。

 

「でも、先生の大胸筋を押してたりするのは脳筋みたいで、やっぱり馬鹿だと思う」

 

「なっ!!」

 

(やっぱりただの馬鹿だから警戒しなくていいかな)

 

 シロコと万丈のやり取りを聞いて万丈に対しての警戒を緩めるが、最低限の警戒は欠かさない。

 

「とりあえずこれでヘルメット団もしばらく大人しくなりますかね?」

 

「それについては一度戻ってみんなで話し合いましょう!」

 

 ノノミの問いにアヤネが答えた。皆それに同意し、校舎のほうへと戻ったのだった。

 

—————————————————————————————————

 

「いやー、まさか先生があんなにも強いなんて思ってもいなかったよ。先生がいなきゃ勝てなかったかもね」

 

「勝てなかったかもって、そしたら学校が不良たちのアジトになってますよ」

 

 ホシノの何気ないような一言においそれと言葉を返す。実際、ヘルメット団は戦車を持ち攻め込んでいたことと、物資が不足していたということを鑑みれば、かなりの窮地に立たされていたのは確かだった。

 

「先生はバカだけど、力はすごかった!!これが大人の力......」

 

「それに先生が屋上に補給物資が定期的に届くようにしてくれたおかげで、物資の問題も無事に解決できそうです。大人ってすごいですね!」

 

「なぁバカだけどってつけるのやめねぇか?」

 

 ノノミは純粋に大人のすごさに感心しているが、相変わらずシロコはバカとつけるのをやめない。

 

「そう簡単に第一印象は覆せない」

 

 キランと名言でも言ったかのように万丈へ言葉を返すシロコ。

 

「ま、まぁ本当に先生がいなかったら危ないところでした。あの人たちに占領されるどころか、校舎が壊れていたかもしれないです、本当に感謝してもしきれません......」

 

 アヤネは万丈が反論しようとする前に、急いで万丈に感謝の意を表す。万丈は「別に感謝されるまでもねぇ、先生としてやれることをしただけだ」と返す。

 

「そういえば先生のあの姿って何?校舎に向かうまでの間には聞けなかったけど」

 

 そういってセリカは、万丈が使ったスクラッシュドライバーについて問い詰める。万丈はスクラッシュドライバーを胸元から取り出し話始める。

 

「まぁ、おれもよくわかんねぇけど、できんだよ」

 

「え?自分でもわかってないの?」

 

「変身アイテムとかは、戦兎に任せっきりだったからな」

 

「ならそのもう一人の先生、戦兎先生が来た時に説明してもらおう。万丈先生はそういう説明苦手みたいだし」

 

 ひとまず、万丈の変身アイテムに関しての説明は後回しにしてアヤネが新たな話題を出す。

 

「とりあえず、先に私たち対策委員会についてご説明しますね。対策委員会とはアビドスを復興させるために集まった有志による部活です。」

 

「そうそう!全校生徒で構成された唯一の部活とはいっても、私たち5人だけなんですけどね。」

 

「他のやつらはどうしたんだよ。」

 

 万丈が疑問に思い聞く。

 

「......転校したりして今じゃこの様子。学校がこのありさまだから、周囲一帯がゴーストタウンみたいになって、三流のチンピラに襲われる始末なの。だから私だけじゃこの学校を守り切ることは現状じゃ難しい、在校生として恥ずかしい限りだけど......」

 

「だから、先生に来てくれなければ、万事休すというところでした」

 

「ナイスタイミングだね、先生」

 

 アヤネの言葉にそう付け加えるホシノ。

 

「その上に補給物資まで届くとなれば、ヘルメット団なんてへっちゃらです!」

 

 ノノミは笑顔でそう言った。

 

「そうはいっても、攻撃を止めるような奴らじゃないけどね」

 

 その言葉にヘルメット団に対しての恨みを込めてそう返すシロコ。

 

「あー、確かに。あいつらしつこいもんね、あいつら」

 

 その言葉に同調するセリカ。

 

「そういえば万丈先生が破壊したあの戦車、残骸から見てもヘルメット団が持っているとは思えないもので。」

 

「もしかして裏に何か!?」

 

 アヤネの発言にシロコが何かの支援を受けているのかと聞き返す。

 

「いえ、そこまでは言い切れま」

 

「じゃ、攻め込んじゃおうか」

 

 アヤネの言葉を待たずに、ホシノが口を開く。

 

「おじさん、計画立ててみたんだよね」

 

「えっっ!ホシノ先輩が!?」

 

「うそっっ!?」

 

 ホシノの発言に驚き、思わず声が出てしまうアヤネとセリカ。

 

「その反応には傷ついちゃうけど、まあいいや」

 

 ホシノは万丈を横目に見ながら話す。

 

「ヘルメット団は数日経てばまたここを攻撃してくるはず。最近のサイクルでの話だけどね。」

 

「だから、このタイミングで仕掛けて、敵をぶっ潰すってことか」

 

「さすが先生、話が早いね」

 

 万丈はホシノの発言の流れを読み取ってそう言う。ホシノはその言葉を肯定する。

 

「今ですか!?」

 

 アヤネは突然の提案に驚き、困惑する。先ほどのヘルメット団との戦いでは万丈がほとんどの敵を倒していたため、あまり消耗してはいなかったのだが、さすがに早すぎる提案に驚きを隠せない。

 

「確実に消耗している今がチャンスだとおじさんは思うんだけどなー」

 

 ホシノは好機を逃さんとこの計画を推す。

 

「ヘルメット団の基地までは30Km、今から出発しようか」

 

 シロコは今までの仕返しと、いきいきと準備を始めていた。

 

「いいと思います。まさかあちらも今から襲撃されるとは、夢にも思ってもいないでしょうし。」

 

「そうなれば、俺も準備するしかねえか」

 

 ノノミの発言を受けて万丈もヘルメット団の基地へと向かう準備を始める。

 

 

「先生のお墨付きももらえたし、それじゃあいこっか。」

 

「善は急げ、ってことだね。」

 

「それじゃ、しゅっぱ~つ!」

 

 そうして、対策委員会の面々はヘルメット団の基地へと向かうのだった。

 

 

 

—————————————————————————————————

 

 

 

「ヘルメット団のアジトがあると思われるエリアに入りました。」

 

 万丈とアビドス対策委員会の面々はヘルメット団のアジトがあるとされる市街地へと到着していた。

 

「半径15Kmに敵のシグナルを感知しました。おそらく敵もこちらの侵入に気づいています。ここからは作戦通りです。万丈先生、そろそろお願いします。」

 

 アヤネがそういうと、万丈はスクラッシュドライバー取り出す。

 

 

"スクラッシュドライバー!"

 

"ドラゴンゼリー!"

 

 

 万丈は慣れた手つきでドラゴンゼリーをドライバーにセットし、アクティベートレンチを下げる。

 

「変身!」

 

"潰れる!流れる!溢れ出るっっ!"

"ドラゴンインクローズチャージ!Brrrrrrah!!!"

 

「ねえ、それって鳴らす必要あるの?」

 

 セリカが疑問として万丈に聞く。

 

「あー、それは俺もわかんねぇ。戦兎が来たら聞いてくれ。」

 

 そういって万丈はヘルメット団のアジトがあると思しき場所へと向かって行った。

 

「確かにあの音は気になりますけど、とりあえず今は作戦に集中しましょう。」

 

 そうノノミはセリカに言い、対策委員会も万丈の後に続いて行った。

 

 

 

 

 

 

「敵襲だ!急いで迎撃しろ!」

 

 部屋の外から銃声や爆発音が小さく聞こえる。しかし、真っ当に手入れが行き届いている建物というわけでない、廃ビルの一室というのもあり決してうるさくないわけでなかった。

 そして部屋の中には、一人の白いスーツのようなものを着た男と、黒いスーツを着た男の二人が座り、机に置かれた一枚の契約書を挟んで、一人のヘルメット団員、それも赤のヘルメットをかぶった少女が、座っていた。

 

「今回の契約不履行に関する理由を問い詰めようかと思っていましたが、何事でしょうか」

 

「確かに騒がしいな。客人が来ているのにこのような始末とは」

 

「す、すみません。アビドスの連中に襲撃にあってしまって」

 

「はぁ、まさか立場を逆転されるとは。これでは予定していた例の条件も」

 

「そ、それだけは!!」

 

「まぁまぁ、カイザー理事まだ契約破棄の段階でもないでしょう。ここは我々()()の対応を致しましょう」

 

 彼女は焦って、懇願しようとする。それと同時に、財団から来たという不気味な男も形は違うものの、カイザー理事を止める。彼は慈悲心でカイザー理事を止めたということでなかった。

 今の彼女にはなぜそのようなことをするのかわからなかった。それがどうにも気持ちが悪く、恐ろしかった。今までの話し合いの機会でも、彼女に対して向けられる彼の目線は人を見る目でなく、実験動物でも見るよう目だった。

 

「ハハハハッ、そうだな我々が君らを導いてやらないといけないのにな。これは失敬」

 

 カイザー理事は冷ややかに笑って、彼の言葉に返事をする。

 

「ひとまず、契約不履行というのはいただけませんね。」

 

 冷徹でどこまでも残酷に見える目が、彼女をみつめて話す。彼の目線の気持ち悪さは、打って変わって恐怖のようにも感じられた。

 

「え、でもあの、事情はお話ししたはずです!あの状況下ではどうにも不可能だったはずです。何よりあの男ですあれさえなんとかできれば」

 

 彼女は手を合わせ、よく掃除されているとは言えない、薄汚れたカーペットに膝をつけて弁明する。彼女の額や手から流れる汗がこのクーラーがわずかに働く部屋を湿らせる。それほど彼女は切迫した状況に置かれていた。そんな弁明はもはや命乞いのようだった。

 

「どういたしましょうか、カイザー理事」

 

「私としても、雇った人間を見捨てるなんてことは」

 

 先ほどと同様に冷静な声と、演技的にも思える優し気な声が3人がいる部屋で響く。

 表面上は優しく見える会話に、彼女は少し安堵して表情を崩す。だが、彼らは大人。子供が相手だからと容赦はしない。契約不履行に見合う相応の仕事を与える。

 

「例の試すいい機会でしょうか?」

 

「例のあれをか」

 

 そういって白スーツの男は胸元から()()のようにも見えるものと、何かを注射するような機械を取り出す。

 

「わかりました、もう一度チャンスを与えましょう。例の男というのをこれを使って始末してください。そうすれば、あの契約の再検討ということも考えなくはないです。」

 

 男は小箱を指して言った。

 

「その小箱は一体何でしょうか」

 

「とても強力な力を得られる、魔法の小箱とでも言っておきましょうか」

 

 そう言って、彼は小箱を注射器のようなものに入れ、彼女の腕に刺青のようなものを刻む。

 

「うっ......これは?」

 

「これでこの()()()が使えるでしょう。使い方は簡単です。そのメモリの下のボタンを押して、その刻まれた生体コネクタに差し込むだけです」

 

「それでは、我々はこれで」

 

 カイザー理事と共に、財団の男は部屋から去っていった。

 部屋の中に少しの静寂が訪れる。この空気に安堵するも、すぐに自身に渡されたメモリのようなものを見る。そこには"D"と刻まれていた。

 

 彼が去って少し経った後に彼女は部屋から出る。部屋の外に立っていたほかのヘルメット団員が集まる。

 

「姐さん大丈夫ですか!?」

 

「ずいぶん長い間出てきませんでしたが、一体何があったんですか?」

 

「それより今すぐにここから逃げるぞ」

 

 彼女は自身の周りに集まって心配するヘルメット団員たちに指示を出す。

 

「わかりました、今すぐに引くように指示をしてきます」

 

「姐さんもさぁ、早く逃げましょう!」

 

「待て」

 

 企業の者と話をするという重荷を案じてか、ヘルメット団員たちは彼女を逃がそうとするも、それを止める。

 

「私が行く」

 

「え」

 

「奴らから最後のチャンスとしてこれをもらった。これで勝てば、もうこんな半グレ崩れの連中から抜け出せるんだ」

 

 彼女は手に握りしめたそのメモリを見て言った。

 

「姐さん......でも、あいつらのこと完全に信用しきれ」

 

 赤ヘルメットの彼女に対して、周りの少女の信頼は厚く、ほとんどの者が彼女の発言に納得するが、一人だけは違った。だけども彼女は止まらなかった。

 

「もうやるしかないんだ!!!一体このまま投げてどうなる?ずっと不良崩れのままだ、そんなのは嫌だろ!」

 

 彼女の発言にみんな下を向いた。実際に彼女らもこのようなことをしたくてしてるわけでない。本当にそうしなければいけない各々の事情があった。それゆえにこの彼女の発言に言及ましてや否定などできるはずもなかった。

 

「先に撤退しておいてくれ、私が奴らを倒す」

彼女は一息置いた後に

「そして、みんなで焼肉でもしよう」

 

 彼女はそう言って、後ろを振り返らずに銃声の響く、彼女らとは真反対の方向へと向かって行った。

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと、早くない!?」

 

セリカが息を散らし、前の万丈を見て言う。

 

「ん、確かに早いし、速い」

 

「それたぶん、それ文章じゃないと伝わらないと思うよ、シロコちゃん」

 

シロコのちょっとしたダジャレに突っ込むホシノ。

二人はセリカとは違ってそこまで息を切らしているわけではなかったが、万丈が圧倒的なスピードで前へと突き進むと同時に敵をなぎ倒しているのは確かだった。

 

「本当に早いですね、万丈先生は」

 

「こちらから見える距離から計算してみると。あー、時速72キロ出てるみたいですね、ハハ......」

 

 万丈の出す速度を計算し、それにアカネが苦笑する。

 

「先生って、自動車なの?」

 

「これが筋肉の力......」

 

「絶対違うけど、万丈先生なら、うん」

 

 万丈に対してあれこれ言っているうちに、敵も減って万丈の元へと追いつく。

 

「はぁ、万丈先生。いくら何でも早すぎじゃないですか?」

 

 セリカが一番に口を開く。

 

「ん、そうか?早めにバンバン敵倒していったほうがいいかと思ってたんだが」

 

 万丈の周りには戦闘不能となり、ヘルメット団員が気絶し倒れていた。

 

「ここまでくると怖いねー」

 

 そんなヘルメット団員の様子を見てホシノが言った。

 

「ま、これもおr」

 

「待て!!」

 

 奥から一人の声がする。

 

「もう終わったような反応をされては困るな」

 

 アビドスを襲った時に、指揮官としての役割を果たしていた赤のヘルメットの彼女が現れる。

 

「今の状況でも戦うって、どれだけ執念深いのよ」

 

「今すぐ逃げれば、追いはしない」

 

 セリカの言葉に合わせて、シロコが警告する。

 

「お前たちを倒せば、アビドスさえ潰れれば、私たちはこんな不良崩れの集団から抜け出せるんだ。だから逃げるなんてことはしない」

 

 彼女は覚悟を決め、ポケットから取り出したメモリのボタンを押す。

 

"Dragon(ドラゴン)"

 

 まがまがしい声が彼女の持つ怪しい小箱から鳴る。そして、彼女はその小箱を自身の腕に刻まれている刺青に差し込む。

 

「うぐぅ、ぐぇああああああ」

 

 おおよそまともな人間から発せられるとは思えないような声があたり一帯に響く。

 

「なにこれ、万丈先生何か知ってないの!」

 

「お、おれにもわかんねぇ。ボトルで変身するスマッシュってやつはわかるが、なんな骨みたいなのが付いた棒で変身する奴なんて知らねぇ!」

 

 セリカの問いに、万丈が答える。メモリを差し込んだ彼女は原型すらなく、竜のような体になって叫び、炎を吐き出す。

 

「あぶねぇ!!」

 

「みんな下がって!!」

 

 万丈が全員を後ろに下がらせると同時に、ホシノが盾を横にして先頭に立ち、吐き出される炎を盾で受ける。

 

「大丈夫か、ホシノ」

 

「おじさんは平気。ほかのみんなは?」

 

「お前の盾のおかげで、みんな無事だ」

 

 幸いにも、炎は盾によって防がれ、その炎を受けたホシノも無事だった。

 

「ドラゴンって、本当にいたんですね」

 

「新たな発見!」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!」

 

 ノノミとシロコが目の前で炎を吐き出したドラゴンに対して感心している様子に、セリカがツッコミを入れる。

 

「とりあえずここは一旦引かないと」

 

ホシノが冷静にそう判断し、一度撤退しようとする。だが、それは容易にはいかない。

 

"ニガサナイ"

 

 彼女は尻尾を用いて周囲の建物を崩し、その残骸を万丈たちの退路へと向けて飛ばす。そして、その残骸の一部がセリカに迫る。

 

「あぶねぇ!!」

 

 戦車から放たれた戦車砲よりも重く、鈍い痛みが体に響く。アドレナリンが分泌されているとはいえども、万丈も少し顔を歪める。

 

「先生、大丈夫!?」

 

「なんともねぇ、大丈夫だ」

 

 万丈の体のおおよそ3倍とも思えるコンクリートの破片に、当身もせずにあたった。彼がそれでも声を上げずに、「大丈夫」だと言えたのはエボルトとの決戦やハザードレベル7という要因があった。それでも、ギリギリ耐えられるほどのダメージで、立っているのもやっとといえるほどだった。

 

(状況がさらに悪化した。本当なら、万丈先生と私でこのドラゴンを引き付けて、その間にセリカちゃんたちを逃がそうと思ってたのに!)

 

ホシノは自身の中で考えていた作戦が崩れ、額から汗を流す。

 

(万丈先生は平気なふりしてるけど、あれ以上無理したらやばいかも。じゃあ、私一人で......今はそれしかない。私がみんなを守らなきゃいけないから)

 

彼女の中で覚悟を決める。

 

「みんな、万丈先生を連れて」

 

 そう言いかけると、一つのバイクに乗った男が現れる。その男は、靴は左右色の異なった色に、ベージュ色のロングコートのように見える服を着ていた。

 

「な、戦兎!?」

 

「全く、何やってんだよ。やせ我慢しやがって」

 

「やせ我慢なんてしてねぇって。戦兎こそ何やってんだよ」

 

「それは後でまとめて説明してやる。今は目の前のこれだ」

 

 突然現れた戦兎に驚く一同。

 

「万丈先生、あれが例の?」

 

「万丈先生とは全然違いますね」

 

(万丈と違って馬鹿じゃなさそう)

 

(あの人が戦兎先生......)

 

「ひとまず、味方ということでよろしいでしょうか」

 

 万丈に例の戦兎先生か聞くセリカとノノミ、いつも通りのシロコとホシノに、味方か確認するアヤネの三つに分かれ、場は混沌をきわめていた。

 

「ああ、味方だそう思ってもらっていい。」

 

 戦兎はアヤネの質問に答えて、ビルドドライバーを装着する。手に握ったオレンジのボトルグレーのボトルを振るってドライバーに装着する。

 

 

"タカ!ガトリング!ベストマッチ!"

 

 

「変身!!」

 

 

"天空の暴れん坊!ホークガトリング!Year!"

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

*1
仮面ライダークローズチャージが使用する可変武器。手に持ってナックルの様な刺突武器として用いたり、銃として使用することができる。

*2
ツインブレイカーに取り付けられたレイジングパイルという真鍮色の杭のような物を突き刺すようにして戦うモード




投稿約一か月ほど開けてしまってすみません。
プライベートの事情で投稿できない期間が続いてしまい、ここまで期間が空きました。
本当に申し訳ないのですが、しばらくは投稿ペースが落ちてしまいます。

書いているうちに、原作からかなり逸脱するオリジナル展開になってましたのでタグを新たに追加しました。



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