「俺はな!お父さんって呼ばれたいんだよ!」   作:フウカの父

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オリ主君の魚釣りに行くだけのお話。


ただ、釣りに行く話

 

〇月○○日

 

 

釣り。

人によっては様々な事を感じるだろう。某マイン〇ラフトでは魚だけでなく色々なものが釣れる。

 

 

「…あれ?釣りって楽しいんじゃないか…」

 

 

 

 

 

 

 

…なんてことをゲームから学んではいけない。

入れ食いも幸運も現実には無い、あんなに短時間で釣れません(一部除く)。

 

同じ場所で色んな魚が釣れるそんなことも無い。大抵似たようなものが釣れる。

 

 

 

竿さえあれば釣れると思ったら大間違いだ。

 

 

 

 

そんな甘い考えを持っている人は水〇館プロジェクトでもやってくるべきだ。

あれは極端な例かもしれないが、実際あれくらい釣れないし、時間もかかる。だからこそ、釣れた時は確変並みにウレシイのだが。

 

 

 

 

 

 

 

つまり、何が言いたいのかというと...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣りは釣れるまでクソつまらん。

…ということだ。

 

 

「待つのも楽しい」

…それは僕も分かる。実際その通りだろう。分かっているのだが…

 

・・・・何だか釣りに行きたくなった。

__________________

〇月○○日

 

 

 

僕は今日釣りをした。

 

 

 

こんな暑い日に。川で…。

 

 

オイカワの婚姻色を見たかった…ただそれだけの理由で。

 

 

 

 

 

日差しが川に降り注ぐ中

 

 

釣り糸を垂らし、スレ針の先についているサシ(ウジ虫)の事を考える。

 

必死に生きようとしているも、それが手遅れであると知っているこちらの気分は何だか申し訳なく思える。

が、所詮は餌。大した思い入れもない。

 

…餌をかわいそうだなんてな…

子供の頃は考えたことも無かった。

 

 

海釣りの時、僕はよくゴカイで遊んだりしていたなぁ。

 

 

 

…海釣り。そうだ、昔はよく家族で海釣りに行ったな…。

 

ルアー釣りにサビキ釣りそして泳がせ釣り、船釣りではなかったから大して大きい魚は釣れなかったけれど楽しかった。

 

海だけでなく、川釣りにもいった。ニジマス釣りなんかは楽しかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

家族か...。

会えなくなってこんなにも時間が経つというのに何故か色あせない。

僕にとっては一番大切な人たちだった。

 

 

 

 

…少しして、竿に感触があった。引き上げると

 

針には、あの日の様に美しいオイカワがかかっていた。

 

 

 

 

 

 

小さな支流で仲間もほとんどいないのに、オイカワは鮮やかな婚姻色を光らしている。

 

例え見ているものが居なくても、努力する。陰徳陽報か…

 

この魚はそこまで考えてはいないだろうが、良い気分になった。

 

針から放してやるとオイカワは素早く去っていった。すぐ足元にはイモリが1匹水面から顔を出していた。

 

 

 

そうして、家路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの老人から教えられたこの地域は自然豊かなとても良い所だ。

 

 

 

 

そして、僕は今どこか懐かしい日本家屋の様な家に一人で住んでいる。

小さな石の池がある庭を縁側から眺めていた。

 

もっとも、水の管理が面倒くさくて池に水は無いが…

 

 

それでも、美しい。…いや、懐かしいという感覚か。田舎の祖母の実家を思い出す。

 

あの家も池があった。もっとも水は無かったが。

 

実家の池は祖父が作ったものだったな…。

 

かなり昔に亡くなった祖父。花火の音で大砲を思い出して嫌な顔をしていた。

 

祖父が亡くなった後もあの人の好きだった信楽焼のタヌキはいつも玄関で迎えてくれた。

 

 

 

今となっては遠い昔。今になって思い出すそれらは記憶の美化を感させる。

でも、当時も同じくらい美しかったと僕は信じている。

 

親や兄弟とうまくいかなかった時期もあったけど、最後は仲直りができた。

 

そのおかげで僕は今、思い出を大切に出来ている。

 

 

 

仲直り…僕はまた逃げている。

 

地球でも逃げていた。大切な友人に最後まで謝れなかった。

 

それを悔いているのに、僕は同じことをした。

 

 

 

 

僕は...僕は…。

 

いったい何を大切に出来るのだろうか。

 

 

何も無い庭に散らかった部屋。それはまるで…。

 

 

 

_____________

 

無言で日記を閉じる。

 

 

 

日光を浴びずに鬱気味になっていた頃を思い出す。

本当に日光は浴びていないといけない…とロンドンに住んでいた親戚が言っていた。

 

まぁ、ロンドンは曇り多いもんね(2000年初頭)

 

それに思い返せば何か家族の事仲悪かったこと思い出してたけど、全然深刻な状況ではなかったし。

むしろ、こちらが一方的に嫌っていたんだよなぁ。

 

歪んでいたのは世界じゃなくて自分の考えと目だった。

劣等感なんて持ってるだけ無駄。

そもそも目標が高すぎて、溜まっていってるだけで向上心の塊だから。

それに気づいてからは仲直りだって出来た。

 

 

 

 

この頃の日記は負のオーラを放ってしまっているな..。

 

 

 

 

久しぶりにあの川に行きたくなった。

 

 

 

 

「…フウカ。散歩に行ってくる。」

 

返事を聞かずに家を出た。

 

 

懐かしい道を通り、川に行く。

 

 

 

水面を見ると、光るものがいくつも見えていた。

 

景色を見ながら思う。

 

どんなことも終わりがある。永遠は続かない。

悪いことに悩まされている時、これを忘れがちだ。

 

まるで、奈落に落ちたような気分になってしまうだろう。

 

 

…でも、それを一緒に乗り越えてくれる人が居れば意外と何とでもなるんじゃないかと思う。

 

人と人との繋がりの力を..信じて。

 

 

 

 

 

 

すぐ足元ではイモリが2匹水面から顔を出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

玄関を開ける。

 

「おかえりなさい」

 

 

その一言だけでも、誰かの気持ちを変えられる。

 

…今はそう実感している。




ストックが切れたので、ここからは不定期になります。

これからも続けていくので応援よろしくお願いします。
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