「俺はな!お父さんって呼ばれたいんだよ!」   作:フウカの父

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独自設定ありです。



前回、アビドスに建築資材を求めた二人。

それから、数年後のお話。


楽しいトリニティ建築

 

 

「アビドスの視察に行ってて忘れてたけど、建設中の学長室(私の家)がもう完成してる頃なんだよな 楽しみだ…」

 

確か計画書だと此処に・・

 

「ひどくこざっぱりしてるぅ~!」

 

件の場所には何も建っていなかった。

ならば、場所を間違えたのか?と思ったが、建設資材が置かれて既に基礎らしき物は出来上がっている。

つまり、場所は間違えていない可能性が高いのだ。

 

 

「ちょっと監督さん?学長室(私の家)全然出来てないような てゆーか全然出来てへんでおまんがな」

 

建設のリーダーに話しかけようと思ったが、名前を覚えていないので何となく“監督”と呼んだ。

 

「・・・計画通りですが?」

 

えぇ・・。

校舎しかできてないじゃん...。

 

「・・・あ、学長室(あなたの家)ならまだまだですよ。だって太子、校舎優先だって言ってたじゃないですか」

 

そんな事言っ・・・・たなぁ...。そういえば。

 

「まぁ、良いか。校舎が終われば、学長室(私の家)なんて一瞬で終わるでしょ?」

 

教育優先だもの。校舎優先だ。

 

「いいですけど、あと三十日はかかりますよ」

 

さ、三十日!?

 

「え~!困るよソレ!もう出来てると思って妹子に招待状出しちゃったよ!?」

 

 

 

 

 

____________

 

 

何と素晴らしい朝だろうか・・。

小鳥のさえずりで目覚めるという個人的にはかなり好きな状況で今日を始めることが出来た。

 

きっと今日は素晴らしい日に・・

 

「貴方ーーー!お手紙来てるわ!」

 

前言撤回。駄目だ、今年一の不幸がやってくるに違いない。

そんな予感がした。

 

そして差出人の名前は・・・

 

「ホゲェー!アホの太子からだ!何だろ一体」

 

というか。郵便ってないから、もしかして自分で届けに来たのかな?馬鹿かな?

 

アホの妹子へ 学園(私の家)が出来ましたー ざまーみろ

お土産を持って来い いいお土産を持って来い

聖徳太子

 

P.S タンスに小指をぶつけると痛い。」

 

太子の声で、脳内再生された・・。ムカつく。

 

「しかし、学校か…一応自分も関係者だから呼んだのかな。行ってちょっと見てすぐ帰って来よ。」

 

そう思い、出かける支度を始めた時。

足に誰かがぶつかってきた。

 

「「「お父さん!遊んでよ~!」」」

 

そうだ、このじゃじゃ馬達を寝かせてから行くか・・。

ちょっと遅めに行くくらいは大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

「とにかくもう簡易でいいから作るんだ!」

 

普段は体を動かさない太子までも、ヒイヒイ言いながら工事に参加していた。

 

「そんなのでいいんですか!?」

 

あの緻密な設計図を見ていた大工は驚く、このままでは耐震性などで致命的な欠陥を抱える可能性があるからだ。

 

「急げ!明日までに造るでおま!」

 

そんな気も知らずに急いで突貫工事を続ける。

 

(あぁ。・・どうなっても知らねえぞ)

 

 

 

 

 

 

________

 

2日後

 

 

あまり整備されていない道を歩いていると予想以上に疲労する足、それを感じる度に日頃のインフラ整備に感謝の気持ちを抱く。

というか、何かを忘れている様な・・

 

「太子に会うの久し振りだな~ あ、いけないお茶以外のお土産忘れた。

この辺に落ちてる銃でいいか。あと弾丸も少々・・・」

 

 

 

道をそのまま歩いていると、人の声が聞こえて来た。

 

また打たれてはかなわない。そっと、声の方向をそっと覗き込む。

 

 

白い衣装を纏った二人組が、悪魔っこを虐めているようだった。

 

 

「私たちの様に。文明化できない野蛮な角付きは文明化してさしあげましょう・・・」

 

み、見下してやがる。えっ、というか文明化って何だよ。お前らも充分野蛮人だろうが。

 

 

静かに、忍び足でその場を去った。

 

 

・・こ、怖い物見たなぁ。あんな服装の奴ら初めて見たぞ・・・。

怖いし、寄り道せずに太子の所に向かうか…。

 

 

暫くすると、今までとは違う現代建築が見えて来た。

 

 

「地図だとこれだよな学校。これじゃないよなまさか。」

 

僕は小さな学校だって、聞いてたんだけどな・・。取り敢えず入ってみるか・・・。

 

中は懐かしい廊下が続いていた。その途中...。一つの教室から声が聞こえて来た。

 

「何か授業してるけど違うよな。これが学校だなんて僕は信じないぞ ここに太子がいたら信じるしかないけど。」

 

教室を廊下から覗いていると、教卓には何やらどこかで見たことがある様な・・・というか、太子じゃないか!

 

黒板書きながら何か言ってる、というか生徒誰も聞いてないじゃん。

 

「あ、妹子。よく来たな 待ってたぞ、授業しながら。」

 

外から覗いていただけなのに、瞬時に気づく太子。アンタ本当に人間かよ。

 

「へぇー、授業...。って、生徒聞いてなかったよ!?」

 

皆、タブレットみたいな奴を真剣に見てて誰も太子の事なんて見てなかったよね!

 

「その黒板意味あるんですか?」

 

「実は意味ないんだよ BDあるから」

 

BD・・・生徒たちが見ている機械の事だろうか?

 

 

 

彼の言っていることなど無視して、熱心にそのBDを見る生徒。

 

「それなのにそんなに誇らしげに授業してるの!?」

 

・・・何か見てるこっちまで恥ずかしくなってきたんだけど!

 

「チェッ うるさいなぁ全く・・・教師なんてやめてやるよ!」

 

チョークを窓の外に放り投げる太子。

 

「もうやめた!!」

 

 

「ああ、今日はもう自習で良いよ。」

 

「・・・・・・・」

 

「自習で良いよ・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「それよりも妹子着いてこい。見せたい物がある。」

 

えぇ、今完全に無視されてたよね。流せないって。

 

 

その後も、お互いに黙ったまま歩いた。

 

「さぁとにかく上がって上がって 出来たてホヤホヤの学長室(私の家)だよ ちょっと変なニオイするけど入って入って~ あ待った!お土産は持って来たろうな?」

 

うぉッ・・急に明るい声出されると何か気まずいな。

 

「やっぱいります?」

 

まずいなぁ・・・、適当に選んだ物しかないのに・・・。

 

「いりまくるよ!!タダで入ろうなんて図々しいにも程があるよ!片腹痛いわ!」

 

うん、そこまで求める太子が悪いんだ。僕は悪くありませんからね。

 

 

「じゃあどうぞ」

遠慮せずに押し付ける。

 

「こちとらこれだけが楽しみで・・・お前・・・」

見たこと無いくらい酷い顔だった。

思わず笑いそうになるくらいには...。

 

 

 

「謝りますから太子 そんなに落ち込まないでくださいよ」

この人、いつもどうでもいい事で不機嫌になってるよな...。

 

「銃ってお前・・・それの弾ってお前・・・」

流石にやり過ぎたか...。

それもそうか、せっかく海外旅行に行ったのにお土産でけん玉持って帰る様な物だものなぁ…。

取り敢えず、褒めて機嫌を直してもらうか・・・。

 

「それより太子、いい部屋ですね威厳があって」

 

「そんなにいい?」

 

「あ、機嫌直った」

 

「君、中々部屋を見る目あるなぁ妹子」

そんな所褒められてもなぁ。

 

機嫌を良くした太子は嬉しそうに、小さな冷蔵庫から物を取り出す。

良いなぁ…そういうの、カッコいい。

 

「あ、クッキーあるぞ食べる?ちょっとカビが生えてるけど」

 

えぇ・・僕が知ってるクッキーと色が違うんだが・・・。その変な色カビだよね。

 

「いりませんよそんなの 」

そう言うと、悲しそうな顔をしながらクッキーを口に詰め込む太子。

 

「なんだよ美味しいのに~ムッシャムッシャまずっ!!」

 

「まずいの!?」

 

そう聞くと、顔を青くしながら太子が呟く。

 

「クッキーで喉から水分が無くなっちゃった・・マズイよ 飲み込めない 妹子、お茶入れて台所あるから」

 

「え~、僕客でしょ?太子が入れてくださいよ」

 

「ほざきやがれ!私は…すまん本当に助けて・・・。」

 

仕方ないぁ・・。

 

台所はこっちかなぁ...

 

至って普通の台所でお茶を入れて部屋に戻る途中、変な部屋を見つけた。

 

・・・風呂だ。

 

「あ、フロまである 何で台所とかフロがあるの どんなんだろ」

 

あの太子の事だ。どうせどでかい大浴場でも・・・。

 

白い司祭の様な奴が一人、本を見ながら俯いていた。

 

「理解・・・できぬ」

 

そっと、閉じる。

 

き、気のせいかな全身真っ白の人が居た様な・・。見間違いか?もう一回見てみるか。

ドアを開ける。

 

「「寝取るな——!!」」

 

ふ、増えてるよ・・・

 

 

「「「世界など滅ぼしてやる・・・まずは…」」」

 

あ、目が会った。

 

「太子っ太子―!おフロに変な人が!」

 

緊急事態だというのに、太子は落ち着いていた。

 

「あぁ無名の司祭さんだよ 無名の司祭さんは面白い人だから。妹子も話すと良いよ」

 

「殺気向けられましたよ僕!なにしたんですか?」

あのまま目を合わせたままだったら、殺されてたよ僕!

 

「何・・・あ、ごめーん 私が間違えてNTR本教えちゃったんだ。あの人純愛主義だから」

 

 

「何で間違えるの あり得ないでしょ!」

 

一番間違えちゃいけない奴じゃないか!

 

「同人誌の名前覚えにくいんだよ!!」

 

 

「覚えやすいよ!NTRには『あなた、ごめんなさい』とか分かりやすい単語が入るよ!」

 

そう言うと、太子は不貞腐れた様に投げやりな言動になった。

 

「じゃあ後で差し入れしとくよ

絵師を夢見て上京した幼馴染。都会の絵の具に染められて帰ってきました

とかそんなんでいいだろ」

 

「いいワケないだろ!!どう考えてもNTRじゃねえか!」

“染められた”とか絶対にダメだろう!

 

「あ~もううるさいな いいからお茶くれお茶!このお茶男!」

(誰がお茶男だ・・・クッソムカつく。というか、いつの間にかクッキーも食べ終わってるじゃないか)

 

嫌がらせだ。

 

「はい、お茶」

 

 

「猛烈に指入ってるぅ~!!」

 

 

「さすが私がアイボーに選んだ男・・・露骨に地味な嫌がらせしやがる・・・」

 

アツツ!指アッツ!・・ああ、もう帰りてぇ。

 

「じゃあ僕もう帰りますんで」

 

部屋から出ようとすると、太子に引き留められる。

 

「えっ、もう帰んの?泊まって行きんしゃ~い ちゃんと布団もあるぞ 暫く干してないけど」

 

布団をひらひらと動かす。ああ!かび臭い!干せよ!

 

「泊まりませんよ!太子みたいに、独り身じゃないんですから。」

 

しまった、言い過ぎた...。と思ったが、何故か太子はニヤニヤしている。

 

「妹子・・私ももう独り身じゃないのさ。子供もいるさ。」

 

えぇ!こんな人間に惚れる人が居たのか!

 

「彼女には、僕の血筋が高貴で・・穢れ無き清らかな血・・・“ロイヤルブラッド”である事を伝えたのさ。」

 

穢れなき清らかな血・・・童貞の血(ロイヤルブラッド)か・・・。笑えるw

 

「でも、そんな人いませんけど?」

 

たちまち太子の顔が暗くなった。しまった、こっちが地雷だったか・・・。

 

「ああ、・・・それを伝えたら居なくなったんだ。」

 

あぁ...。そう言う事・・。

 

 

 

 

「話は変わるけど、枕投げを楽しみにしてたんだぞ 頼むよ一生のお願い」

 

こ、断れない・・。

 

「・・・分かりました じゃあその枕、ちょっと貸してください 行きますよ はい」

 

かといって、全力では投げられない。軽く枕を投げ、早足で逃げる。

 

「じゃ、そういうことで、お邪魔しました」

 

「待ぁてぇ~!!何処の世界にこんな悲しい枕投げがあるんだ!ワンスローのみってお前・・・!こちとら一生のお願い使っとんじゃコラァ~!もっと本気でバンバン来んかい!!」

 

困ったな...。

 

「でも太子、バンバンは痛いですよ」

 

うん。本当に痛いぞ。

 

「見くびるな!枕だろうが銃だろうが華麗に避けたるわい!!」

妹「そうですか。じゃあ遠慮なく」ババババババッ!

 

太「ポピー!!」

 

(今日のポピー)

 

「直撃じゃないですか太子 避けて下さいよ」

蜂の巣にしてしまった太子に声を掛ける。

 

「銃はやめろ・・・乱射は・・・」

 

蚊の鳴くような声で呟く。

 

「だって避けるって言うから」

 

でも、やり過ぎたな...。

「分かったよ・・・何でもありのルールでいいんだな 知らんぞお前・・・」

 

な、何でもって・・怖いな。帰りたい。

 

「もう帰っていいですか?」

 

「それならこっちにも考えがあるんだぞコラァ!思い知れ!人形マッスルアタック!!」

 

急に飛んできたものを反射的に避ける。

「危なっ」

 

ふわふわの人形からは何故か重い音がした。何かがおかしい・・。

 

「よそ見したなっ!!食らいやがれ 超必殺・飛鳥文化アタック!!仏教文化の重みを知れーっ!あ、避けられた」

 

などという技は、意外に遅かったので避ける事が出来た。後ろでは壁にぶつかった太子が悶えている。

 

「背中痛-っ!」

 

太子は置いておいて、先ほどの人形に触れる。

 

・・・・やはり、何かが入っている・・。

腹を切り裂くとそこにはタイマーが・・爆弾があった。

 

「太子!これ爆弾ですよ!すぐに部屋から出てください!」

 

残り15秒。これなら間に合う。

 

「しまった、崩れるぞ!妹子、この部屋だけじゃない。この建物から出るんだ!」

 

「崩れるの!?」

 

「実はこの学長室、急いで適当に作ったから柱とか結構ユルユルなんだよ。弱い爆弾でも木っ端みじんだよ!」

 

「ユルユルなの!?」

「チクショー!こんなことなら拾った人形なんか投げなきゃよかった!」

「そんなことより太子早くここから逃げ・・・」

「まひるっ」

 

ボガァァァァァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、酷い目にあった。

 

「壊れちゃいましたね。太子。」

 

一足先に瓦礫から脱出していた太子は空を見上げながら呟いた。

 

「私は・・・諦めないぞ妹子。頑張って教師、続けてみるよ」

 

 

 

 






生徒
「何ですか・・・?明日何かあるんですか?」


太子
「何言ってんだよ!明日は尊敬する人にチョコを渡す日だろうが!そんな事も知らんのかッ!」

生徒
「へぇ・・。」

________

翌日

「は、はい…。妹子さん・・・///」

「何でだーーー!?」




ギャグ回のストックはこれでお終インザミラー!!
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