「俺はな!お父さんって呼ばれたいんだよ!」   作:フウカの父

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ヒモなオリ主君とフウカの日常


日常

 

12月31日早朝、

ここに絶対に掃除をしたくない男が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ… 困ったなァ

掃除をする気が 無くなっちゃうなんてェ…

 

ゴミは捨てられるのを待ってくれてるみたいだから

急いで捨てたいけど

 

昨日飲みすぎちゃって 全然動けなくてェ…」

 

 

 

 

(눈_눈)

「はぁーーーーー..ふんっ(布団をひっくり返す音)」

 

 

 

ウワァ! びっくりしたァ

 

ボクが寝てるんだから

もっと優しく接してくれないか…」

 

またしても被害者ヅラしている男を前にため息をこぼす少女。

 

 

「・・・す、すまない。冗談だよ。自分で片づけるから」

 

そう言い部屋から出ていくようにジェスチャーする。

 

 

「ダメです。一人ではさせません。」

 

 

 

えぇ…。幼稚園児じゃないんだぞ…。

 

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

 

「じゃないです。第一、こんなに部屋が汚い人が部屋を掃除できるとは思えません」

 

きっぱりと断られてしまった。

 

 

しかし、妙だな。

「汚いかな……。この部屋」

 

純粋な疑問だったのだが

 

えぇ・・・・噓でしょ?」

 

 

そんなに汚いかな..

 

 

「うん、ごめんなさい。言い方が悪かった。汚れとかはそこまでたまってない」

 

 

 

「なんだよーもう。汚れてないじゃないか」

 

 

「物が多すぎ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、僕は死んだ。

 

 

 

 

 

 

「これも要らないよね。」

 

無慈悲に捨てられていく物たち。

 

「/ヤメロー! ステタクナーイ!\

 

 

「…。片方だけの穴あき靴下なんて使う用途が無いのでは・・・」

 

「穴が開いてるから履いててもきつくないんだ。別に片方だけでも履けるし

それに、アイマスクとしても使えるし…。

ほら、見てみ。アイマスク…

うわっ、臭!

 

靴下を顔に近づけた瞬間に叫んだ。夏に1週間放置した水筒みたいな匂いがする。持つのも嫌だ。

 

このストレイツォ容赦せん!!

 

「こんな奴こうしてやる!」

思い切り投げ捨てる。

そして、それは綺麗な放物線を描き……フウカの角に引っかかる。

 

すっかり呆れた顔でフウカは僕を見ていた。

 

 

 

 

 

洗面所から帰ってきたフウカはかなりげんなりした顔をしていた。

 

 

「…臭かった。何かカメムシみたいな匂いしたけど大丈夫ですか?この部屋」

 

「……」

答えられない。

 

 

その後も片づけは進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「これは何?」

 

「それは石だね。拾った」

 

「・・・なんで?」

 

「綺麗だろう?」

 

「はぁーーー..」

 

 

 

石を自宅の中庭にシュゥゥゥーッ!!

超!エキサイティン!!

 

 

 

 

「これは…プレナイト?」

 

小さな箱とそれ着いた名札を読み上げる。

 

「あぁ、それ宝石。」

 

ガチャでミスった奴だ..。オパールが欲しかったのに。

 

えぇ..さっきの石と同じ場所にありましたよ..。

 

それだけじゃないけど…黙っとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり部屋が綺麗になると気持ちいい…。」

 

窓から外を眺めているフウカが呟く。外の景色が綺麗だから気持ちいいんだよ、たく。

 

「・・・悪魔め…。奴らはすべてを奪っていきました。今や、僕には夢も希望もありません..ブツブツ」

 

父親をすみっコぐらしさせやがって、あいつらかわいく見えても隅っこで埃被ってんだよ(偏見)

 

「あれ、この手紙たちは?」

 

フウカが紙の束を指さす。

 

「それらはな、返事の必要が無い手紙なんだ(というかしたくない)」

 

あれは、呪いの手紙だよ。

文字は血で書いてあるし、変な毛が大量に挟まっているし…、この世界の人間終わってるだろ…(おまいう)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大晦日の買い物は大抵かなりの量を買うことになる。

訳あって…と、言えるほどの理由も無いが。僕はあまり都会でないところに住んでいる。

 

スーパーも無く、あるのは昔ながらの商店街だけだ。

この商店街、面倒なもので店の人と挨拶してしまったら、何か買わないといけないような強迫観念を植え付けて来る。

 

…だから、買い物はフウカに任せている。

 

昔、祖母から「嫌なことから逃げてばかりじゃダメだ」と言われたが、まるで成長していないな...

 

____________

心の中の安西先生

「最後まで…希望を捨てちゃいかん」

 

おっとそうだった。ありがとう安西先生。

________

 

 

 

 

 

家から歩いて15分ほどの場所に商店街はある。

 

というか、この街..坂多くないか(今更)あるのは自然だけかよ..。

そんな事思いつつフウカと二人で並んで歩く。

 

 

 

 

 

 

「あれ、フウカ。隣の人お父さん?」

突然、話しかけられる。…同級生っぽいな。

 

もし、男だったら卑劣な技を使う必要があったな…サスケェ!フウカはオレにとっての大事な娘だ!

 

「・・うんそうなんだ!」

 

嬉しそうに言うなぁ。フウカ..

 

「えーーっ!そっくりじゃん」

 

「そうでしょ」

何か嬉しそうだな本当。父親とは言ってないんだがなぁ..。

 

客観的な情報から見れば知らん年上男性と似ていると言われて喜ぶ女学生か…。

 

学費は出すから、パパ(意味深)とは仲良くならないでほしい。

 

『学費が無いからパパ(意味深)するJDが多い』って言ってたからなぁ(ソース不明)。

 

 

 

 

 

 

 

「厳しいって。この坂は…」

本当に坂の多い町だ..前世の故郷を含め坂はクソだな。東京とか北海道行って驚いたぞ。ほんと。

日本が平坦な事に驚いたもん。

 

買い物を終え

重い荷物にぐったりしていると、フウカが話しかけてきた。

 

「…、持ちま……プギャっ

 

おっとそれは助かる。ふーー肩の荷下りた。

 

「じゃあよろしく!ジャンプ買ってくる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーーー、行っちゃった。」

もう既にあの人の姿は見えなくなっていた。

 

 

 

 

 

同級生には、お父さんとかお母さんが居て..寂しい時もあったけど。今は幸せだ。

普段あの人と出歩くことはあまりないから..なんだか、今日は楽しかったな。

 

 

 

「えーーっ!そっくりじゃん」

先ほどの言葉がリフレインする。

 

 

「やっぱり、お父さんなのかな..」

本人は教えてくれないけど、なんとなくそんな気がする。

 

「いつか、ちゃんと教えてくれるよね..」

 

でも、最後まで…言ってくれないかもしれない。

結構頑固なところもあるし..。

 

「はぁ…、家に帰ろう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大晦日だから、家族連れが多いなぁ。酒を飲みながら思う。

 

「で、どうでしたか。新作ワイン」

 

バーテンダーみたいな奴から聞かれる。

 

「…苦いぶどうジュースかな」

 

「子供舌ですねえ」

 

うるさいなあ..。

 

「やっぱり、梅酒だな」

 

子供の時に親に飲まされた時に好きになった。

 

「…家に帰らないんですか?お子さん待ってるんでしょう」

 

またその話か…

 

「僕は父親じゃない..設定だ」

 

 

 

 

「それに、愛してる も言ったことがないんだ。たったそれだけなのに簡単には出てこなくてさ…」

 

「じゃあ、感謝とかでもいいんじゃないですか?」

 

うーん。難しい事考えていると酔いが醒めてくる。

 

「エスプレッソくれ」

 

「また、寝れなくなりますよ..」

 

あぁ、そういえばそうだった。おかげで生活リズムが狂ったんだよなぁ。

 

…じゃあ、帰るかな。

 

 

こんなに親しげに話しているが、名前も知らない。バーテンダーみたいな格好だからそう呼んでいる。

 

 

 

 

時刻は18時過ぎ

 

「ただいまー」

 

キッチンではフウカが料理をしていた。

流れるような作業。まさに熟練の技。

 

しかし、いつの間にこんなに調理器具が増えたんだ…。中華鍋とか使わないだろ…包丁も種類いっぱいあるし。

もうわけわかんねえな。

 

 

 

フウカは見ると、天ぷらを揚げていた。

 

えび天も自分であげるのか…。凝ってるな。

 

   「普通に食べたほうがおいしいのに…。」

なんて思ってはいけない。

 

 

今年の年越しそばも美味しそうだな…。

 

 

 

 

 

 

 

「そうですねぇ...やっぱり僕は王道を征く。えび天そばですか。」

 

「七味唐辛子もいり…」

 

「いりますねぇ!いりますいります」

 

食い気味に受け取る僕に若干引いているフウカから受け取る。

 

やっぱり、七味の事が好きだったんだよ!

汁の色が赤く染まるくらいが一番美味しいだよ。

 

「…うん、おいしい!」

 

辛い=おいしい

はっきりわかんだね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「9・8・7・6・5・4・3・2・1。ハッピーニューイヤー!」

・・・TVの人ら社畜だよね。こんな夜遅くまで仕事入ってるとか。

 

 

 

 

除夜の鐘が聞こえる。

煩悩ね・・・くっ、やめてくれそれは俺に効く。

 

 

「ということで今年もよろしく。フウカ・・・」

 

 

見ると、いつの間にかフウカは眠っていた。

 

 

 

 

「…しょうがねえなぁ。」

 

 

 

フウカを抱き上げベッドまで運んでいく。

 

頭をなでても特に反応もしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年こそ、上手く愛せるように...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




正月フウカ欲しかったなぁ...石が無かったから...

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