人に隠れて、悪をkill!   作:Raitoning storm

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ブラックホールに消えたやつ


忍者と狐

「……」

 

「…はあ、逃げられちゃったわね。」

 

「…コク」

 

「はあ…」

 

ここはとあるビルの屋上。そこで一人の忍者とfox小隊が向かい合っていた。

 

「(これ以上はないほど申し訳なさそうな顔)」

 

忍者は彼女らに自分に落ち度があることを語り、自分のことをものすごく情けなく感じている。

 

「まあまあ、あいつを一人で相手できてる時点ですごいんだからさ」

 

「(それでも自責の念にかられているような顔)」

 

オトギがフォローを入れてくれるが、彼は目を伏せ明らかに落ち込んでいる。

 

なぜこんなことになったのか、遡ること3時間前…

 

 

 

「…カチャ」

 

「…あら」

 

忍者が『厄災の狐』、狐坂ワカモに刃を向けていた。

ワカモも同じようにその獲物の前の刃を彼に向け、

 

「こうして刃を交わすのも久しぶりですね。ご壮健なようで何よりです。」

 

ワカモは軽口を叩くが彼は表情一つ変えない。

 

「相変わらずつれないですね…。表情くらい変えていただいてもよろしいと思いますが!」

 

「!」

 

地面を蹴り、低い音を立てて飛びかかるワカモ、だが彼はそれを刀でいなしながら少しずつ距離をとっていく。

ついにワカモの銃を弾いて、大きく距離を取った。

 

「(ふぅ…)」

 

「?」

 

彼が一息ついたかと思うと、

 

「(成敗…)」

 

いきなりサムズダウンし、切りかかってきた。

 

「!」

 

キィンと高い音を立てながら、刃と刃の報酬を繰り広げる二人。だが剣の扱いについては、忍びと書いて刃の心というだけあって、少しずつ忍者の方が優勢になってきているように見える。

 

ワカモはこのままでは不味いと思ったのか、回し蹴りで彼を蹴り飛ばし、懐に控えていた手榴弾に手を伸ばした。少しよろめきながら立ち上がる彼に振りかぶってそれを投げたが、横から来た『何か』がそれに当たり、大きな爆発が起こった。

 

少しずつ煙が晴れていき、そのシルエットが明らかになってくる。

 

「…大丈夫だった?」

 

「ブンブンブンブン」

 

「あはは!首振りすぎだってば!」

 

「ごめんね。ちょっと他のとこで暴動があってさ。」

 

「そんなことはいいだろう。とにかく今は目の前のことに集中しろ。」

 

「コクコクコクコク」

 

まるでヘッドバンキングのように激しく首を振った忍者は、体勢を立て直し再び刀を縦に構えた。

 

「シュッ」

 

指に収まるギリギリの数までクナイを持った彼はアクロバティックな動きでワカモに近づき、少し蹴りも混ぜながら接近戦に持ち込んだ。手から足へと、足から手へと、クナイの数が減っては増えてを繰り返しながら、まるでピエロのように変幻自在に獲物を操っていた。

 

後ろの小隊の援護も受けながら、徐々にワカモとの距離を詰めていく彼。すると突然、すべてのクナイを地面に突き刺した。ワカモは思わず目線がそちらに誘導されるが、そのせいで後ろから来る大きな盾の存在に気づけなかった。

 

鈍い音を立てて後頭部に加わる衝撃に耐えきれず、その場に崩れ落ちかける彼女だったが、流石厄災の狐と呼ばれただけのことはあって、地面に手をつき顔を下に向けたまま足を振り抜いた。危うくぶつかりそうになるが間一髪彼が足を止めることで回避し、ついでにカウンターを浴びせることができた。

 

流石にこれは耐えられなかったのか。膝から崩れ落ちるワカモ。だが、最後の意地か、煙玉を取り出し周囲に煙幕をはってしまった。

 

彼は音から位置を察しようとするがもう遅く、厄災に逃げられてしまった。

 

 

こうして、今に至る。

 

 

忍者は体育座りになって、わかりやすく落ち込んでいる。

 

「しかたないよ。ほら、お稲荷さん食べて元気出して。」

 

「シュッ、パクッ」

 

「お腹、空いてたんだね。」

 

「コクコク」

 

「ゆっくり食べな。」

 

「コクコク」

 

「にしても、連携も取れるようになってきたねー。」

 

「うんうん。さっきのやつもすごかったよ。実は結構親和性あったり?」

 

「だといいがな。」

 

「じゃ、わたしは今日のこと報告してくるから。」

 

「コクコク」

 

「ビシッ!」

 

「うん。またね。」

 




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