【書籍化進行中】異世界で職業:ヒモとしてみんなにバフを撒いてたら完全に逃げられなくなっていた話 作:スーパー巨大特濃葛根湯
感想、ここすき、お気に入り、全部とても励みになります。
ぜひどんどこお願いいたします。
特にここすきと感想は何度も見返して、みんながどんな話を求めてるかの参考にもしています。
その夜。
エルフさんたちからの饗応のお誘いをご遠慮し、部屋で夕食を頂いた僕らはつとめて明るい話題で盛り上がった。
まぁもともと素で陽気なタイプが多いんで、いつも食事の席は賑やかなもんだけどさ。
それでも、それぞれ思うところがあったのだろう。
エルフとハーフエルフの問題は、世界樹に起こっている異変よりよっぽど解決が難しい。
それを横からぽっと出の僕らなんかが、どうにかしようとすることそのものが傲慢なのかもしれなかった。
ま、今はそれより喫緊の問題に目を向けるべきだろう。
民族の対立より簡単でも、しかし命がけで立ち向かわなければならないことが、僕らの前に依然として立ちはだかっているのだから。
夜更けの林道を歩きながら、そんな風に僕は思考を無理矢理切り替える。
いやはや夜の森は怖いねぇ。得体のしれぬ鳥と虫と獣の鳴き声が奥から響いてんぞ。てかセミいない? 明らかに日本の夏もあるでしょここに、もう秋も半ばだぞ。
セミとスズムシとホエザルとケツァールの声が同時にしてんだよね。ジャングルと森林の概念みてーな植生だ。
アマゾンの奥地なんか行くより、この森で探した方がよっぽどUMAも見つかるだろうな。てか多分ツチノコもモケーレムベンベも普通に居るし。なんならティラノ見つけても不思議じゃない。
木陰から飛び出てきたチュパカブラにキャトルミューティレーションされかねねぇんで、とても僕一人じゃあこんな夜道を歩こうとは思わんだろうね。
カブトムシ採集に木々を分け入ってゆくなんてもっての他だぜ。
だからこそ、護衛を買って出てくれた相手にゃあ感謝の念が堪えない。
大人数で押しかけらんないし、そもそも大人数で頻繁に抜け出すのも不信を買いかねないからと、たった一人ついてきてくれた彼女には、感謝の言葉以外にも何かで報いたいところだ。
「あの美女、ホントに信用できるのであろうな?」
そんな事をぼーっと考えていたら、隣を歩く王城さんが訝しげにそう尋ねてきた。
そう、たった一人の同行者とは、彼女のことなのである。
「うん、それは大丈夫だと思うよ。そもそもココを教えてくれてる時点で、少なくとも信頼関係はある程度できてると言えるだろうし」
「ふぅむ、そうであろうか……それは確かなのだが、しかし、こうな。一度騙されておる故……」
「ま、それは間違いないんだけど。結局同じ国のお仲間だったワケだし、別に敵対的な行動を取っていたワケでも無いし、どうか一つこのクエストを乗り切る為ってことで大目に見てくんないかな……?」
僕も今回の事前調査で、少し考えさせられるところがあった。
僕らはどうも一つの集団であるという認識に欠けているというか、未だクランというよりも独立した二つのパーティが共同クエストを受けているのに近いところがある。
これは僕の集団行動経験値不足がもたらしたミスでもあって──けど現代日本でパーティ統合してクラン化するのに慣れてる人なんてMMO廃人以外居ないだろ、とも思うが──、それを改善するにはまず、双方が思惑と要求を分かち合う必要があるだろうと考えた。
考えたっつーか提案した。そう思ったなら、それを共有しなくちゃな。言い出しっぺの法則さ。
まず隗より始めよ、例え失敗するとしても走り始めなきゃ自転車にゃ乗れないんだ。乗れたらチャリンコ攻略wiki書くから参考にしてくれよ。
耳の痛い話になるが、僕らはちょっと……腹を割って話せていないのだ。
そんな簡単に本音を晒せないのは誰しも当たり前の事であるが、けれど冒険者パーティとは背中を預け生命を捧げあえるのを前提として組まれた、性善説に基づく相互扶助関係だ。
ま、根っからの善人である事を全員に期待するお花畑システムじゃあないけれど、裏切りも躊躇も簡単に死に直結するのはマジ。
だから少なくとも、価値観だけはシェアしとかなきゃなんない。
どんな時に生命をかけれて、どんな物を死んでも求めているのか。
それがわからないと、相手のとっさの判断を予測できないから。
……とはいえ、人間そんなすぐに誰かと仲良しこよしにゃなれないもんだから、まずその第一歩としてお使いクエストはショウヨウとキングダムから一人ずつ人手を出す形にしたってワケ。
「いや、やはりもしもの場合は余が手ずから籠絡しなおす、というのはどうだ?」
深く考え込むように顎をさすりながら胡乱な事言わないでね。てか最初からそっちが目的でしょ。
逆の手でホントに描写できないくらい卑猥な動きしてるし。そんな指さばきを公道でやったら、何らかの罪に該当するだろ多分。
……え……? そ、そんな……そんなコトを、ホ、ホントに……? そ、それが正解なんですか……!? あ、あわわわわ……!!
ガラス細工の如き繊細さとアスリートのような大胆さ、そしてそれらとどうしてか共存する驚異的な淫靡さを併せ持つ指使いに、僕の中の初心なねんねメーターオフィシャルマスコットキャラクター『せいそくん』が、大急ぎで「見せられないよ!」と書かれたフリップで周囲からシャットアウトするに至った。18歳以下には見せられないらしいから僕も見ちゃダメです。
男子高校生ですらしりごむレベルの下ネタジェスチャーで、デリカシーのなさを遺憾なく発揮する王城さんを、僕は目を両手で隠しつつ指の間からガン見する。男の子の性や。基本的に女の子側がやる「あるある」じゃないか?
そんな反応を見て、彼女は楽しげに笑う。
その顔は先程の報告会とは打って変わって明るいものだ。こちらの世界での彼女の素の表情というか、本来の快活さが表れている。
思えば、あんまりこういう下世話な話を気軽にできる相手は、日本では言わずもがなこちらの世界でも、彼女の身近に居なかったのかもしれねぇな。
知名君は絶対軽蔑した目で見てくるだろうし、闇無君はモラルの高さ故そつなく受け流しつつ別の話へ転換するタイプだからなぁ。九分九厘がえっちな話をしたいハズの男子高校生の中で、見事に外れ値を二人引いている。
そう思うとちとかわいそうってもんだ。
せっかく最近知った趣味のホットな話題だってのに、話し相手がいないんじゃあ片手落ちだろう。
好きな物への取り組み方ってのは人それぞれだが、王城さんは一人で気ままにのんびりと没頭するより、誰か話のわかる相手との共有を楽しむタイプだ。
賑やかな時間が好きでしょ、僕も寂しがり屋なんで気持ちはよくわかるぜ。
ほんならまぁそのポジションには確かに、全然外れ値じゃなく人並みに思春期な僕が適任であるかも知れない。
しょうがないっつーか、それが自然なはずなのに言ってて情けないよ。上澄み二人と比べられたら沈殿物としちゃ分がわりぃや。
いやね、友人が素直な自分を解放できるなら望むところではあるんだけどさぁ、こんな思ったよりもレベルが高い内容に果たして僕がついていけるのかが問題だ。
むしろついてけて染まっちまうのもこえーよ。
ヤだぜ、異世界に来てジョブの進化先がエロ仙人になるの。尖鋭化し過ぎたらみんなに愛想尽かされちゃうって。
相手がいる以上、すべての行いはコミュニケーションである事を忘れたらおしまいだぞ。
「無論。余は独善的な暴君ではないのでな。むしろ相手をとことん悦ばせる方が好みである。王として人心掌握の術は熟知しておる故、独りよがりにはならん」
他人にどうたら言える程の人間じゃないのでなんも言わんが、なんだかすごくフラグな気がする発言だ。
オ、オホン……この話はまた機会を改め、深く討論するとして……。
もちろん、今から会う彼女は本職さんだから、僕なんかを騙すのは朝飯前だろうけどさ。
けれどそもそも利害が一致してる今、僕らを騙しても得がないんだよ。
むしろ便利な問題解決の道具としてなら、上手いこと利用しようとは考えてるかもだが、それならそれで構わねぇ。
目指す場所が同じなら、騎馬戦で担ぎ手になるくらいは仕事の内でしょ?
なによりホラ、情報を引き出そうってんなら間違いなく適任じゃんね。
『鍛冶はドワーフに、失せ物探しはコボルトにさせよ』……日本で言うなれば、餅は餅屋さ。
僕はそう言いながら、胸元の巾着に入れた小さな石版の割符を取り出す。
えーっと、ここらへんで合ってたと思うんだけど……あぁ、あったあった。
記憶を頼りにやって来たのは、町はずれにある木をくり抜いて作られたケルセデク風の、何の変哲もない一軒家。
扉を開けばそこには、古びた家具が放置された単なる空き家が広がっていた。
更に奥へ進んで戸棚を開け、雑然と並べられた小物類をどかせば、最奥に押し込められていたゴブレットが顔を覗かせる。ハリポタ以外で見たことねーよゴブレットなんて。
根っからの屋敷しもべ妖精たる僕としちゃあ、この整理整頓のされてない部屋を片付けたくてしゃーないんだが、これもカモフラだと思うのでそこはグッと我慢だ。
ゴブレットをひっくり返すと、底の部分には僕の手に持った割符と全く同じ形に穴が開いているので、そこに持たされた欠片を嵌め込み元あった場所に戻す。
そして大股で二歩下がり、左の壁の木目の節を指で押すと……。
行き止まりだった部屋の壁が音も無く横にスライドし、更に先へと続く通路が出現するのである。
以上が他国へと潜入している帝国の諜報員のアジトへの入り方になります。
マジで手が込みすぎている。バイオハザードの洋館か?
流石に途中で石像動かしたりピアノ演奏させられたりはしないで助かったぜ。楽器は太鼓以外からきしなんだよ。コンガみてーな楽器に意外な才があり、酒場で叩くだけでウケた。
ギミック解いてる間ずーっと「ンなわけ無さすぎる」と思いながらやってるんだが、これどうやって他国の主要な里で施工したんだよ。大工さんもヒヤヒヤだったろうな。
僕も石板の割符持ってる時にEP(エルヴンポリス)から職質かけられたら、なんて答えればいいか考えるのに必死だったぞ。
こんなん持ってる時点で、身分証明書出す前に僕の正体がクリスかリンクの二択に絞られちまうからね。
無論その手に宿すは力、知恵、勇気の間の空白部分に存在する"扶養"のトライフォースである。当然逆位置である為、自然僕は被扶養者となるのだ。流石のガノンもコレは奪いに来なさそう。
話に聞く限り多分こういう仕掛け、皇帝様の趣味っぽいんすよね〜……。
良い趣味してるよ。もしかしたら今度行く春のお祭りで仲良くなれるかもしれねぇや。
僕だってやる度にスゲーテンション上がってるし、王城さんも大盛り上がりで指笛吹いてるくらいだ。工作員のアジトだっつってんだろ、やめてね。
けど当のスパイからしたら、この作りの複雑さに一言文句でも言いてぇところなんじゃねぇかなぁ……。
家帰る度にこれやらされてたら、僕なんかじゃいつかトイレに間に合わない日が来ると確信できる。
尊厳を賭けてまで国の為に滅私で奉公せねばならぬとは、スパイってのは大変なお仕事だなぁ。
「あ! ようやく来たわねアオ! こーまるのよ、急にあんなもん部屋の隅に放り込まれたら。トイレから帰ったらどう見ても死体袋が転がってて、アタシ腰抜かすかと思ったんだから! ……しかもアンタ女連れで来たの? もしかして、ウチのこと何してもいい場所だと思ってる?」
薄暗い廊下の先。
ぼんやりと明かりに照らされた室内にて、不機嫌そうに足を組んだ
おわ~、絵になるな~。お相手が女スパイのイデアみたいな人だと、指のさされ甲斐があるってもんだ。
「わかる……」
隣にわかってるヤツも居ます。
王城さんのこういうとこ悪王寺先輩とめちゃめちゃ気が合いそうなのに、同族嫌悪からかどことなく双方ともに呆れ返りバカにしあってんだよな。
外から見るとマジでどっちもどっちなんだが、そこは本人たちにしかわからない意識の差があるのかもね。
けれどえてしてそういう関係は、遠くないうちに蜜月へと至ってたりするもんだから、実はそんなに心配はしていない。
好きの反対が無関心であるように、嫌いの近くにゃ遊べば案外楽しい気の合うイイヤツが居たりするもんだと僕は思っている。
もうお分かりだと思うが、僕らがやって来たのは帝国の諜報員ネリッサさんたちのアジトである。
世界樹内部にて拉致した雪兎さんを
エコーをかけつつ力強く宣言する事で自身の行いを正しく見せかけるテクニックを用いたが、やってる事が事だけに焼け石に水感は否めねぇな。
バレなければ刑事告訴されないとはいえ、今回犯した罪だけでも懲役でいえば350年はくだらないだろう。エルフさんの判例は短命種には酷すぎますね。
みんなの分は僕に一括で加算しといてもらっていいから、なんとか端数はまかんないか?
流石にかなり無茶な能力の使い方だったっぽく、悪王寺先輩と目黒さんはガス欠になってしまい、今は里でのんびり過ごしてもらってる状態だ。
帰ったらお疲れ様のマッサージしなきゃね。
へへ、どうもどうも……夜分遅くにすいませんね、ネリッサさん。
女連れはともかく人間サイズの縛った布袋の放置は、たしかに言い訳のしようが無いっすね。僕だったら全然チビっちゃうし。
ただ、あの場での最適解がココだったのも事実でして……ちゃんと書き置きはしておけば、わかってくれるかなーって。
それにネリッサさんだって、欲しかったものが手に入ったハズ……ですよね?
僕の往生際の悪い釈明に、彼女はジト目で頬を膨らませながら、ちょいちょいと手招きしてくる。
あ、ハイハイ、なんですかね……イデッ。
「ナマイキ。『雪兎です。夜また来るので、それまで置いておかせてください』じゃないわよ。取れ過ぎた果物置いてくのとはわけが違うんだから、もっと詳細に書き記しておきなさい……ま、しょうがないから、これで許したげるわ」
デコピンされた鼻をさする僕に、彼女は呆れたようにため息をついて微笑んでくれた。
年上のしごできお姉さんに「お姉さんという概念から抽出されたエッセンス」じみた事をされて、完全に何かを捻じ曲げられた僕の脳内カレンダーに今日という日が「大モルマギア帝国スパイお姉さん記念日」として記録されてしまいはしたが、どうにか許して貰えたらしい。よかったよかった。
よかったじゃ済まない部分は自業自得なので観念する。
ネリッサさんはテーブルに置かれたカップに注がれた薬草茶を少し口に含むと、「エッグいけど美容って"こう"だから……」という雰囲気を放ちつつ飲み下す。
「……どうして自分で淹れると、アオが淹れたのと違ってこんなに苦いのかしらね。アンタ、ちょっと淹れなおしてくんない?」
あいあい、任せてくださいよ。
実はあの後、薬効を聞いた先生や悪王寺先輩に乞われて何杯か淹れてる内に、かなり飲みやすくなる淹れ方と希釈濃度を発見したので期待しておいてくださいね。
「あ、あれより更に!? アンタなんか魔法使ってる!?」
「へへへ、相手を思いやる心が何よりの魔法ですからねぇ〜!」
……ヒモなんてアホな職業やってるせいで、マジでその通りな可能性があるのが怖いとこだよな。
相手の舌に激ウマ味蕾開花バフかかってたら、いよいよ僕の能力に依存性が出かねないぞ。
そんな飯に薬物ブチ込むみたいな胃袋の掴み方ねぇだろ。
困っちゃうよ、これまで常習性の無いクリーンさを売りでやってきたってのに。
「言ってなさいな……確かに、アオの言うとおり収穫はあったわ。危うくエルフとの間に、要らない諍いの種がまかれるところだった。ハーフエルフ連続失踪事件の解決と、ケルセデクへの嫌疑の回避。間違いなく、クラン"ショウヨウ"のお手柄になるでしょうね」
えぇ?
いやぁ、でも情報を手に入れたのはネリッサさんですし。
それを貰うのは、少しばかり気が引けるっていうか。
「……ふぅん? ま、理由は知らないけど流石に私のポケットにしまい込むには、今回の件はデカ過ぎるわよ。報告誤魔化すにも大掛かりになっちゃうから無理。おとなしく評価されなさい」
こっちの意図は当然のようにバレてら。
ハーイ、わかりましたぁ。
雪兎を捕まえた功績を引き取ってもらえたりしないかな~、という雰囲気をチラ見せしたがあえなく却下されたので、素直に引き下がっておく。
あんまお手柄とか立てすぎるのも困りものなんだよな、みんなが評価されて誇らしい気持ちとの間で揺れるジレンマだ。
いやweb小説あるあるの目立ちたくないのに目立つアレをやりたいのではなく、単に行き過ぎて国の雇われになっちゃうと、地球に帰るという真の目的を果たしにくくなりかねないからなんよね。
これは一応クラン全員の同意が取れています。どうせ帰る異世界で偉くなってもしゃーないもんな。
魔王を討伐してこいと指名されるのも困るし、魔王の走狗とかと関係無い争いとかに駆り出されてもよくない。
じゃあおとなしくしとけって話かもしんないが、今んとこ全部の問題が向こうからやってきてんだから、そこは不可抗力なので切り替えていく。
そうでなくとも出る杭が打たれるのは世の常だし、他の冒険者からの嫉妬とかも怖いもんねぇ。
なんにもできない僕だから、そういった気持ちは痛いほどわかるぜ。
自身の頭上を追い越してゆく一等星の箒星を目にすると、多くの人間が仄かに胸に種火をくゆらせ、一握りがこらえきれず舌端火を吐いて、一摘まみが大火に身を焼かれる……眩しいものを貶めたいと願うのは、人が知性を持つが故だ。
理性を欲望が上回る日なんて、生きていればどうしたって巡りくるものだろう。
良い悪いだけで全ての判断を御せるのならば、人はとっくに地上に楽園を作り上げている。
けれど今んとこ出会う人全員から、僕らのハチャメチャ快進撃を悪く思われてないようなのは……おそらく日頃のみんなの人徳によるものだろう。
善性の人間が世間に疎ましく思われない様は、それでも人の心に宿る尊さを感じられる素晴らしい光景だ。
「で、なにがどうしたら雪兎をスマキにしてウチへ放り出してく事になったワケ? てかアンタこんな短期間で私も入れて二人も縄でぐるぐる巻きとか、その年で良くないわよそういう趣味は。彼女にバレたらフラレるから隠し通しなさいね」
いや違う違う、誤解ですってネリッサさん。
僕全然そういうのは趣味じゃないっていうか、求められれば頑張るけど自主的にはちょっと。
むしろ自分がみんなによる将来設計で雁字搦めに縛られてるくらいなんですから。
「その上でやってんなら、むしろ印象は悪化するんだけど……ホラ、いいから事の顛末をキリキリ話しなさいな」
はいはい、わかりましたわかりました。
いったいどういう経緯があって、雪兎さんがココへ放り込まれたのか、仔細説明させて頂きますよ。
まぁ話すと長くなるんですけど……。