【書籍化進行中】異世界で職業:ヒモとしてみんなにバフを撒いてたら完全に逃げられなくなっていた話   作:スーパー巨大特濃葛根湯

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書籍化作業の為、次の投稿はたぶん二週間後の予定になります。

感想、ここすき、お気に入り、全部とても励みになります。
ぜひどんどこお願いいたします。
特にここすきと感想は何度も見返して、みんながどんな話を求めてるかの参考にもしています。


【130】 たった一つの冴えた仮説

「なっ……!? これは、一体……! 魔王の走狗は死んだというのに……!?」

 

 突然の世界樹の異変に驚きの声を上げる長老連を気にも止めず、委員長は名指しして呼び立てたイケオジ薬師さんに必要な素材などを伝えている。

 

「あの薬と、乾燥銀嶺茸、六角鹿の魔瞳……あと魔素を多く含んだ薬剤をあるだけ」

「いやいや、そんなモン工房の外で集めたら共鳴して爆発しちまうぞ」

「それはそれで魔素が高まり反応が促進されますので、爆発しても構いません」

 おおいに構うわ。

 すいませんが可能ならば周囲に被害が無い程度の安全運転でお願いできませんか……?

「でしたら人員を分けて順次搬送してください。私が手を加えた後なら、爆発させずに反応させられますから」

「……わかった。オイ、お前らちょっと手伝ってくれ! この嬢ちゃん、まだ世界樹なんとかしてくれるつもりだ!」

「ッ、こっちも人手を出す。手が足りんで間に合わずなどとなれば洒落にならん、若いのを十人ばかり走らせろ!」

 

 薬師さんが知り合い数人に声をかけて駆け出すのを追いかけて、ラナスティル叔父さんが里の若手に指示を飛ばす。

 

 場を慌ただしくさせた張本人は、それらの緊張感とは無縁な様子で手荷物袋から様々な器具を取り出してゆく。

 薬研、フラスコ類、乳鉢、種々の素材が入った広口試薬瓶、魔導コンロ、それらが載りきる折り畳みテーブル、工房にいつも置いてある大釜……は?

 物理的な容量をゆうに凌駕した大きさの物を次々と袋から取り出す彼女の姿に、僕は呆気にとられてしまった。

 ……え? さっき僕が(無意識に)やったタヌキ型ロボットのモノマネへのアンサー? そりゃ勝てねぇよ本物の四次元ポケット持ってこられたら。

 エルフさんの方からも困惑するようなどよめきが上がる。

 木のトンネル使ってファストトラベルとかやるエルフさんにしても、マジックストレージっぽい物は珍しいようやね。久々にビックリ人間一行になってしまったな。僕も鉄の剣とか飲み込むパフォーマンスした方がいい?

 

「お、正親さん? それ全部持ってきてたの? ……というかその袋って、そんな量が入る大きさしてる……? 疲れ目かしら……?」

「いえ、大半は錬金術師ギルドから割り当てられた工房に置いてきたものですし、常識的に考えてこの袋には入りきりません。先程青海君との繋がりが断たれて記憶を喪った後から、私の所有している物であれば『持ち物』として取り出せるようになっていただけです」

 

 生徒を疑う事を良しとせず、目頭を揉んで自身の視覚の方を疑っている先生に対し、眼鏡とデコを光らせた激カワ委員長は平然と激ヤバ新能力を開示する。いや「だけ」じゃねーのよ。

 先に折り畳みテーブルを出すべきだった事に気付いて、未だ「目的への到達方法」を考える力の不足を実感し、表情には出さないまま少し凹んでいる彼女を手伝い道具類をテーブルへ一つ一つ載せていきつつも、僕はその常識外れな力にビビり散らかした。なおその際手と手が触れ合い二人して頬を赤らめるのも忘れない。やれるイベントは全てやる。

 

 し、しかしいつの間にそんななろう系必修科目みたいな能力を……?

 じゃあこれからは補給とかもう要らなかったりしません?

 となると同時に僕の存在意義も一つ減っちゃいますね。

 真なる無職の足音が聞こえてくる。僕は死ぬのか?

 

 『無限ストレージにホカホカお弁当を時間停止してしまっとけるので補給なんかもはや不要、働きもしない穀潰しはもう二度と外出不要ですと監禁されました』が始まっちまう……!

 追放とかはもうされないと思うだけの現状認識能力はあるのだが、その能力が算出した結論として、役割が無くなった場合行われるのはガチ監禁であろうと導き出されたのだ。

 それはそれでまた別の問題が出てきた感はありますね。軟禁で許して。

 

「……ッ! て事はこれから、旅の間もオヤツ食べホーダイってコトっすか……!?」

「いいえ、過渡な間食は体調不良の原因になりますので」

 

 天啓を得たのか、ピシャーンと雷を受けたように"閃いた"鹿野ちゃんへ、委員長は『できる』と『していい』の違いを教示する。

 まあ、そこは流石にね、虫歯や生活習慣病はレベルでどうにかできるかわかんないからねぇ。それにお楽しみは適度だからより嬉しいものなんだよ? 毎日大っきいケーキ食べてちゃ飽きちゃうからさ、ね?

 

「なにより、今実際に行って分かりましたが、取り出す度に魔力を消費しています。それほど多くの物は出せないでしょう。正直なところ、余力を考えれば今はこの程度が精一杯です……あと青海君の言っている内容は正確にわかりかねますが、時間停止機能もありません」

 

 ンエーと残念そうに鳴くちっちゃな後輩を慰めてナデナデする僕の逆の手を自身の頭の上へと掴んで移動させた委員長は、もう一つの理由を明かした。

 なるほど、流石に神から与えられた力とはいえ、無制限になんでもできるというワケではないらしい。

 薄れかけた存在意義がギュンと元の濃さに戻り、無職からヒモへと無事現状復帰した僕は喜びながらも一筋の涙を流す。

 ──結局ヒモは継続なんかい。その雫は、ひどく熱かった。

 

 

「あーーー……じゃあ私らはボスワームをちょいと捌いてきますんで。有用な素材は鮮度の良い内に取り出さなきゃですしぃ? ホラ行きますよ」

「いいの? なんか彼女、重要そうな事するっぽいけど」

「ああいうのは門外漢がいくら居ても役に立ちませんよぉ。それにね、こういう時はお決まりのパターンというのがあるもの。先手を打つのは商いの……というか、社会人の基本です」

 

 それまで凄まじい勢いで脳内にてソロバンを弾いていた山算金はそこで一気に興味を失ったらしく、暇そうだった闇無君を引っ張ってボスワームの素材採取へと向かって行った。

 そりゃ在庫をどこでも開ける貿易商って完全にチートだもんね。危うく商会の全ての倉庫が委員長名義になるとこだった。

 無限おやつ袋にしたり米転がししたりしない、モラルの超人である委員長にこの能力が発現したのは、流石は神の采配といったところだろうか。

 山算金も高い職業倫理は持っているんだけど、その倫理って「回り回って自分たちに害が及ばない」ようにするセーフティって向きが強いから……。

 

 

 

「い、一体何をお作りになるつもりなのですか……?」

 

 断りもなく荷物を広げて大掛かりな準備をし始めた委員長へ、『芽吹く種の里』のショタエルフ里長さんが思わずといった風に声をかけた。

 説明がまったくされてないので、なにをどうするつもりか分かんなくて不安なんだろう。

 安心して欲しいが僕らもどうなるかまったく分かってない。最低限、爆発はしないで済むハズではあるんだが……。

 

「これから、この木の枯死を止める為の薬を調合します。ダンジョンの中で繰り返し行った実験の結果から鑑みるに、『出来るのではないか』程度の可能性があります。放置して枯らすよりは、何事も試してみるべきかと」

 

 極めて合理的で、そして無責任に希望を持たせるような事はしない誠実な彼女の言葉に、若い里長はなんとも返事ができず押し黙った。

 邪魔してはいけないと考えたのか、それともこれまで生きてきた永い年月でも計れない只人に言葉を失ったか。

 

 しかし、あぁ、そうだったのか。

 彼女が今回のダンジョンアタックで暇さえあればゴリゴリやっていたのは、世界樹が枯れるのをどうにかしようと常に考えていたからだったのだ。

 委員長は目的を前にすると他の何も目に入らなくなるタイプであるが……それが目的を達成するという事においては他の何物よりも頼りになる資質であるのは、これまでの旅路で幾度となく証明されていたことだった。

 

 障害やその場の空気などには目もくれず、目的地までの最短距離を走破した彼女だけが、今この時たった一つの解決策を手にしていた。

 

 

「ハァッ、ハァ……待たせた」

 

 木のトンネルからワープして現れたイケオジ薬師さんちが大急ぎで駆けて来て、それぞれ背負った背嚢からいくつもの瓶を彼女へ手渡していく。

 その中にはあの赤く明滅する例の薬の姿もあった。

 スーパー劇薬君!? つ、使うんだな!? 今、ここで!

 

「なるほど、思ったよりも色々と用意して下さったんですね。状態もこれ以上なく良い。後ほど味もみてみましょう」

「オオギ、他になにか手伝える事はありそうか? 我らエルフの名にかけて、どんな内容でもやってみせよう」

 

 瓶の蓋を開けてクンクンと形の良い鼻を動かす彼女へ、ラナスティルさんが縋るように尋ねる。

 なんでもやるから、どんな物でも用意してみせるから、だからどうか彼らの拠り所を助けてくれと、乞い願っている。

 

「いえ、これだけで結構です。後は私たちの仕事ですから」

「そうか……であれば、我らの世界樹を、この世界の未来を……どうかよろしく頼む」

 

 年端も行かぬ子供に頼らねばならない現状を歯噛みするように、それでも現実を受け入れて、叔父さんは沈痛な面持ちで彼女へと世界樹を託した。

 次代の里長が只人の幼子へ頭を下げるその姿に、エルフさんたちの間にざわめきが広がる。

 目の前で行われるその光景は、実感として彼らの意識を揺り動かす。

 自分たちのこれまでの凝り固まった考えでは測れぬ事もあるのだと、改めて現実が突き付けられる。

 

「さて、では始めます。青海君と明星先輩は手伝いをお願いします」

「……あァ? オレもなんかやンのか?」

 

 自分の出番は終わりとばかりに酔い醒ましの薬用タバコをフカしていた先輩が、唐突な指名に気の抜けた声を上げる。

 汗拭い係というヒモとして異色の経歴を持つ僕は言われずとも手伝うつもりだったが、しかし明星先輩もご指名だと……?

 

 

 「え、オレ何やんの?」「さぁ〜……?」と首を傾げて顔を見合わせる僕らに対して、委員長は腕まくりをしながら、これからこの場で行われる事の説明を始める。

 

「えぇ、仮説を試したいので。ギギルガム家の立食会で行ったディスカッションにて得た、一つの知見があります。それならば、この状況を覆せるかも知れません」

 

 

 その行いは神の御業へと手を伸ばす傲慢。

 数多の天才がどれほど試行を重ねても辿り着けなかったが故に、世界がそう定めたのだと、ソレは"不可能"として理解された。

 聖域の中に実る禁断の果実は人の身に余るからこそ下賜されないに違いないと、届かぬ葡萄の房に只人は諦念を見出してきた。

 

 しかしそれらの情緒的な葛藤を、彼女は一切忖度しない。

 論理の塔が天へと届く前に神の雷にて砕かれるならば──天国の方を引きずり落とせば良い。

 極めて論理的な彼女はシステマチックな思考の末、そのように結論づけていた。

 

 

 あるいはこれが成されたならば、世界樹を救うだけに留まらず、もしかすれば。

 この世界の薬学を数段飛ばしに発展させ、未来の数多の命を救う事になるやも知れぬ、世紀の大実験。

 

 

「ヒモによるバフと、聖女による祈祷の補助を受けた上位薬剤製薬の実証実験──題して『総括的ヒモ扶養時における聖女祈祷付加条件下高位薬剤錬成実験』を行います!」

 

 

 スライム地のピッチリした手袋をパチンと鳴らし、委員長はこの世の終わりのような実験の開始を満座の面々へと宣言した。

 

 

 

 

 

 

 その後、未曾有の公開処刑の開会宣言を受けバクチに負けた時のようなピエロ顔になった僕と、対照的に「なるほどそりゃ一理あンな」と納得顔で頷く先輩が助手となり、委員長の錬金術が始まろうとしていた。

 

「では、実験を開始します。まず──生活費」

 

 そして委員長が選択したのは、理外の初手課金……っ!

 彼女の言葉とともに当たり前のように左右から伸びてきた手に手の平を差し出すと、ぽとりとその上に落とされた金色の小さな貨幣は、しかしそのサイズに見合わぬズシリとした重みがあった。片腕にそれぞれ新卒の平均年収が乗っていると思えば、単純な重量じゃ語れねぇやな。

 一人の人間が二十云年生きた重み……っ! 血の通った金……っ!

 これをバクチで溶かしたらと思うと、無意識にごくりと喉が鳴った。

 ……なんか発想や感性がヒモに寄ってきてない?

 バフのかけ過ぎによる後遺症だろコレ。こえーよ、正気に戻れ。呑まれるな、己に課された呪われし宿命の性に。

 

 

 そんな光景を見たエルフやキングダムのメンツは、ギョッとした顔で僕ら三人の顔を順に三度見する。あんま見ないでよ、照れるじゃん。

 

 へへへ……震えるだろ……?

 この"覚悟"のキマり方はよォ~~……ッ!!

 

 なお本当にちょっと足は震えている。手元に剥き出しの大金があると怖いんだよ。さっさと懐へ仕舞いますね。

 

 事情を知らぬエルフさんたちからの「あの人は何をされてる方なの?」という視線が僕を貫いた。

 へへ、ヒモをやらせて頂いておりやして……。

 なお普通のヒモは異世界でバフを撒かない。じゃあ僕は一体なんなんだよ。私にもわからん、本当に申し訳ない。

 

 瞬く間に自身の総資産に六百万円が追加された僕は、はたしてケルセデク風精国において贈与税が存在しないのか事前に徴税請負人へ確認しておかなかった事を後悔する。

 もう驚かれるとか、ちょっと引くとか、そこら辺の反応は2000年くらい前に過ぎ去った後だからな。先進的な僕が気にするのは、体裁では無く追徴課税だけだ。価値基準を他者に委ねて臆する必要は無い。

 ……必要の有無と、した方が良いかどうかは別の話である。

 

 

「……余もそれくらい渡した方が、青海は嬉しいのか?」

 え、ううん、全然そんな事ないよ。こういうのって、嬉しいのは気持ちだからさ。

 シロツメクサの指輪だって、将来を約束するに足る誓いになるように。

 大切な人から心を込めて贈られたなら、それ以上のものは無い……でしょ?

 

 震える声で尋ねてくる王城さんに、勘違いされないようにしっかりと釘を刺しておく。

 お金がいっぱい欲しいんじゃなくて、みんなから何かを貰ったから嬉しいんだもん。

 手を繋ぐのも、一緒に歩くのも、同じくらい僕は嬉しい。

 なんでホントに無理して大金とか渡さないでね? たとえ必要に駆られてでも、課金は計画的にお願いします。

 

 てかバフの強度はともかく嬉しい嬉しくないで言ったら、悪いが心苦しいが勝つよここまでくると。

 お年玉に小切手貰ったらほとんどの子供は困惑しちゃうんだって。

 ……なおそれは額面に限った話であり、この手の中に収まってるのは金額以上の気持ちが乗っかった600万なので、もちろんワンパンで僕が膝を着く程の威力があるんだがね。

 みんなから貰うならサンドイッチとかで十分嬉しいのに、毎回満漢全席を出されているようなものだ。

 僕がパンパンに膨らんで破裂する日は近い。その際は周りに迷惑かけないよう、界王様んとこにワープしてから爆発しよう。

 

 

 もはや「どんな生活してたらこんな額を生活費として扱うんだよ」と思ってしまうような桁の金銭の授受により、僕らの絆は深度を深めてゆく。

 僕も頑張って出さないようにはしているのだが、この域まで強まると漏れでる輝きを完璧には抑えられない。

 溢れる黄金色のオーラに囲まれた彼女の即席工房にて、委員長は調合を開始した。

 

 そも錬金術とは、ファジーながらもある程度の再現性が担保された、この世界における『科学』だ。

 解明された原理や既知の法則に従い、物質や触媒の反応によって異なる性質のモノへと作り変える、学問であり技術である。

 均一に整えられた大釜と薬研とフラスコが、正しい手順で入れられた魔物の素材と魔素に満ちた薬剤を適量飲み込んで、計算式の答えとして望まれた薬効のポーションが作り上げられる。

 今目の前で彼女がどんな事をしているのか、僕には詳しくわからないが、それでもまるでレシピを知っている料理でもしているかのように、委員長は迷い無くそれぞれの素材を摺ったり刻んだりひと煮立ちさせたり混交させたりしている。

 時折混ぜた薬品が虹色に光ったり、混ぜ合わせた粘体がブルブルと震えたりはするが、それらも織り込み済みの予定調和でしかなく、全てがたった一つの答えへと収束してゆく。

 そこには僕らが知らないだけの自然的な理屈がひしめきあっており、だからこそもしかすれば……それは地球でも起こり得る"何か"なのかもしれなかった。

 

 その性質故に、錬金術は正道ととても相性が良い。

 理屈に支配された世界で、彼女は一直線に答えを導き出す。

 今まで誰一人試そうとも思わなかった奇手すらも、彼女にしてみれば目の前に並ぶ方法の一つに過ぎなかった。

 委員長が片手を上げて、明星先輩へと合図を送る。

 

「さーて、そんじゃちぃっとやってやっか」

 

 追加のバフも乗って魔力枯渇も治ったらしい先輩は、軽い調子でそう言うと両手を組んで静かに目を瞑った。

 この場合どんな内容で祈るのかとさっき聞いたら、彼女は少しの間だけ視線を上に向けて……『望みを叶えてやるだけさ』と笑っていた。

 信仰を便利に使っているみたいに見えるかもだが、けれど先輩はいつも真剣に祈っている。その度に脳裏に誰かを思い描いて、その人が幸せになるように祈りを捧げてきた。

 

 どこまでも相手を真摯に想う気持ちが、だからこそ今回も変わることなく結実する。

 

 淡い光が辺りに満ちる。

 僕と委員長をやわらかな布で包むように神の加護が一撫でし、世界へと慈愛の祝福がもたらされた。

 吹き抜けた大いなる神々しい風は、そして最後には釜へと注ぎ込まれてゆく。

 

 そ、そんな聖なるパワーを煮立つ釜へぶち込んで良いのか……?

 しかし僕の素朴な疑問は、素人は黙っとれと言わんばかりの眩い発光で打ち払われた。

 なんかわかんねーけどOKらしい、神様Sideが文句無いなら言うこと無いや。

 そうしてタイムリミットが迫る中、焦り一つ見せない委員長は錬成を進めてゆくのだった。

 

 

 

 なお最初にお金を貰った時点で仕事の終わった僕は、神から不相応な加護を頂き無駄に漲りながら二人の汗を拭うのであった。時折「先生愛してゆ」と言うのも忘れないぜ。

「汗」

 ハイ。

「違う、アオの汗」

 センパイ、人前で顔を舐めるのは……また魔力枯渇してません?

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