【書籍化進行中】異世界で職業:ヒモとしてみんなにバフを撒いてたら完全に逃げられなくなっていた話   作:スーパー巨大特濃葛根湯

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隔日投稿たいへん楽。

感想、ここすき、お気に入り、全部とても励みになります。
ぜひどんどこお願いいたします。
特にここすきと感想は何度も見返して、みんながどんな話を求めてるかの参考にもしています。


【30】 ならず者の慕情

「へぇ、良い店知ってんじゃん」

「へへへ……まぁ、僕も飲み友達から教えてもらったんで、初めて来たんですけどね」

 

 サーシャ姐に教えてもらった『跳ねる大玉雛亭』にて、僕らは隣に並んで座っていた。

 雰囲気としては割と荒々しい場所で、既に騒がしいけど昼間だからまだこの程度で済んでるんだろうなって感じ。

 開け放たれた雨戸から入る日差しは、流石に店の奥までは届かないが。

 石積みの壁に取り付けられたランプを、昼間から飲みに来た客の魔法使いが店への厚意でもう点灯させているので、店内はかなり明るい。

 暖色に照らされる店内は、騒々しい客を店から叩き出せばシックで落ち着いた大人の店に思えるだろう。

 

 スゲー! ドラゴンズクラウンで見た店過ぎる! 君たちは冒険に行ってもいいし行かなくてもいいし、昼間から酒飲んで半分気を失ってもいいし失わなくてもいい! これこれこういうのだよ、中世ヨーロッパ風ファンタジーに求められる全てじゃん。安くなった中古か近所の兄ちゃんのお下がりでしか買わないからレトロゲーが好きな僕に、ハチャメチャにぶっ刺さる内装をしていた。

 ゴードンさんの酒場は全部木造だし、ちょっとポップ過ぎるんだよな。壁に娘さんが子供の頃に描いた絵とかそのまま残してあるから。それはそれで微笑ましくて良いんだけどね。

 

 

 奥のカウンターには件の魔法使いのお姉さんや、おっちゃんの二人組、荒れた若い男、よぼよぼなジイさんなどわりと年齢層豊かなならず者が揃っている。中央街は栄えてるからその分ちょっと治安悪いんスね。

 だーから「ウチ、もしくは頼れる仲間と行くように」っつわれたのかぁ。

 来たのが明星先輩とで良かった。鹿野ちゃんだと怯えちゃいかねない。たぶんあの子でも、この人らくらいなら素手で折り畳んじゃえるとは思うけど。

 

 頼んだ料理はここの名物であるソッシュのシュライロと他何品か。

 聞いただけじゃなんだぁ?てめェ……(純粋な疑問)って感じの名前だが、聞くところによるとソーセージの味濃いポトフみたいなもんらしい。そんなん一番うまいじゃんね。

 この世界はご飯ウマくていいよなぁ〜。

 日本食が恋しいかと言われりゃまぁ相応にそうではあるんだけど、でもべつに食べられたらそれで良いからなぁ。ただ委員長がなんとなく和食を恋しがってる感じがあるから、どうにか似た何かを用意できないか模索中である。

 

 料理が届く前にまずは酒からでしょってことで、僕らはとりあえずバーガルで乾杯し一気に喉へ流し込む。

 っカぁ~~~~、うめェ~~! よくわかんねー風味があってウマい! こんなにウマいと服破けちゃわないか!? 思わず自分の服を確認するも、中破絵みたいにはなってなくて一安心だ。

 一息で大きなカップの半分くらいを飲み干した僕は、思わずテーブルに勢い良くカップを降ろす。

 シックだったであろうダークな色調のテーブルは、今やナイフの切り傷やカップを叩きつける粗暴な酔っぱらいどものせいでデコボコだが、しかしそれがむしろこの店の雰囲気に合っていた。

 

 なんというか、引退した冒険者の店って感じなのだ。

 貯めた金で良い雰囲気の調度品を揃えたが、しかし来るのはなじみの冒険者ばかりなのですぐに荒れていく。

 でもそれこそが"らしさ"を作り出しているんだよね。こうでなきゃな、という思いが僕の中には既に醸成されていた。すっかり僕も冒険者ってワケ。まだなって二週間だけど。

 でもその日数の内、半分くらいは酒場通ってるからな……。

 いや違うんだよ、もらったお金をみんなに物品で還元する以外の使い道があんま無くてさァ。自然懐もあったけぇし、賭けに行けるのは時間的に余裕ある時だけだし、ついつい……。

 

 僕のヒモたるゆえんが思いがけぬ所からまろび出てしまったが、しかしこれがみんなの為になるという免罪符が僕を狂わせる。

 いやホントに狂ってきちゃってるよいろんな感覚が。

 このまま地球帰ったら相当にマズいんじゃないか?

 こんなノリのヤツが先生の親御さんにご挨拶……?

 お堅い公務員という職についた娘が連れてきた生徒が娘のヒモだったら、親はどういう顔をするんだろうか。

 脳内でスロットマシンのリールアニメーションが流れ、見事に令和桃鉄キングボンビーのような凶相が3つ揃うと下皿に山程の包丁が流れ出てくる。腹には広辞苑を仕込んでいくべきかも知れない。

 

 

「しかしなんつーか、意外だよな」

 おん、何がスか? 僕を眺めながら手の中でカップをもてあそぶ先輩の言葉に反応する。

 あ、僕が酒飲むことかな。

 いやこれは異世界にそういう法律が無いからで、けして日本にいた頃からこんな荒れた生活をしていたワケではなく……。

 なんで後ろめたい事も探られて痛い腹もないのに、僕が釈明するとこんなにも怪しくなってしまうのか。

 それはね、ヒモという生き物には負い目がいっぱいあるからだよ。助けてくれ。

 他のヒモはどうやって折り合いつけてるんだ? ぜひ他のヒモに会って聞いてみたいが、生まれてこの方自分以外でヒモを名乗る人に会ったことが無い。幸運な話だ。

 ウチの高校には「先輩の話を聞く会」で卒業生としてヒモがやってくる事はなかったからな……。進路としては激レアらしい。

 

 

「いんや、まぁそれもだが、違くてよ。お前がオレを誘った事だ。たいていのマジメなヤツは、ビビってオレに近寄ろうとなんかしねぇ。思えば初めからそうだ。朱の明星を前にして、お前はいつも自然体っていうか……」

 

 プレッシャーで1ターン行動不能にならない?

 身代わりメタルに休み耐性は必須スからねぇ。

 

「そういうトコだよ、そういうトコ。ナメてるワケじゃねぇのは分かるし、オメェはヤる時ゃヤるヤツだから別にいいが。地球の頃からそうだったのか?」

 

 いやー、実は全然そんな事なくて……。

 地球ではビビリな貧弱帰宅部でしたよ。こっちに来てからはなんつーか、肝が太くなったとこはありますね。

 ……地球にいた頃はずっと毎日の生活の事考えてて、放課後もバイト直行だったから、余裕が無かったのかもですね。

 それがなくなってなんか、変な話ですけど解放されたみたいな気持ちがあります。

 

「へー……まー、誰しもいろいろあっからなぁ。でもよ、ちょっとわかるぜそういうの。将来とか学校とか……キュークツな日常からさ、解き放たれたっつーの? 酒飲んでもタバコ吸っても文句言われねぇし、稼ぐのも自分の力でなんとでもなる。正直、生きやしーよココは」

 

 ……僕はその言葉に、曖昧な笑みを返すことしかできなかった。

 その通りだと言ってしまうと、僕を育てた人を裏切るような気がして。

 その通りだと思ってしまっている自分が、とても醜いニンゲンの様に感じてしまったから。

 

 

 

「オイオイ、シスター様がこんなとこ来て良いのかぁ? ガキ連れて酒場にくるたぁ、随分な破戒僧じゃねぇかよ」

 

 黙りこくってただ酒を飲む時間ができてしまった僕らの間に、不躾ないちゃもんが降ってくる。

 振り返ると、顔を赤くしたよっぱらいの若い男が僕らを睨みつけていた。

 

 

 ……ほーぉーんー……。

 なるほど、そうか。

 察する。

 

「あんだテメェ……? いや嬉しいぜ。このオレに喧嘩売ってくれるヤツなんて、地元じゃもう居なかったからよォ」

「あ、先輩先輩、ままま、抑えて抑えて……ココは僕に一つ任せてくださいよ」

「あん? なに言ってんだテメェ。だーってろよ、荒事なんてできねぇだろが」

 

 いやいや、荒事になんかしやしないさ。

 ここはせっかくサーシャ姐が紹介してくれた店なんだ。

 本人は気にしないだろうが、店を壊したり出禁くらったりしたら困っちまうからね。

 

 

「まぁまぁまぁまぁ、いいからいいから。なぁお兄さん、落ち着いて落ち着いて。この人怒らせると怖いんだから。あ、僕がね? なんか壊して弁償ってのもブルッちまう、そうでしょ。で、お兄さん、何があったのさ」

「ンだぁ、テメェ……何があったって、なんの話だよ」

 

 初めて飲みに行った店では、絡まれるのもたいして珍しい事でも無い。

 ニ度目はたいてい店主や一回目で友達になった人がとりなしてくれるが、初対面の僕は生意気に酒飲みに来たクソガキにしか見えやしないのだから。

 

 だから僕は二通りの処世術を身に着けた。

 宥めるか、有耶無耶にするかだ。実にヒモらしいスキルを覚えちまったもんだよ。MP消費も無いから便利ではあるんだがね。

 

「普段は気の良いお兄さんが、そんなに荒れてる理由の話さ。よければ僕に聞かせてよ。なにか力になれるかも知れない」

「な、なにがわかんだよ、初めて会ったお前に。俺は別に、普段からこうだっての」

 

 もっと噛み付くかと思っていた先輩が、意外にも素直にストンと座り直し僕の背を眺めはじめたのにホッとした。

 味方の方が止めるの大変そうってどういう事だよって感じだが、彼女は責任感が強いからね。

 戦えない同行人を護ってやらなきゃって意識があるんだ。

 優しい人だ。だからココは僕が守ってあげたい。守護るなんて本人に言ったら、9コマ同じ顔が並ぶかも知れないけどね。

 

「いやそりゃわかるよ〜、周囲の人の反応を見ればそれくらいはさぁ。

「周りの誰もお兄さんを『またやってるわ』って目で見てない。しょうがないよな、今日くらいはな、そういう顔だ。

「普段はこんな風に人に絡んだりしない気風の良いお兄さんが、顔も知らない生意気なガキと変なシスターに絡むなんてよっぽどの事があったと思うのが普通、だよね?

 

「ん? なんで知らねぇヤツに言わなきゃいけない? いやいや悩みなんてのはさ、案外そういうヤツ相手の方が気兼ねが無くていいもんなんだって。

「ダチには迷惑かけらんないし、知り合いには言い難い事もあらぁな。

「でも僕なんかは、何を言っても明日にはどっかで野垂れ死んでるかも知んないロクデナシ。壁に向かって話すのとそう変わらねぇ、なら口きく壁の方が話し甲斐もあるってもんだ。

 

「そうでしょ? 口に出すとなにか自分で思いつく事もあるかもさ。ささ、座って座って。ん……あぁ、あるね。あそこの店か。ちょっと酒は薄いがいいお店だ。……うん。あー、綺麗な人がいるね。見た事はあるよ。あ、なるほど、お兄さんが良い人なんだ。へぇ……? あの人がそんな事を、そりゃまた……。

 

「……なるほどねぇ。良い関係になってた踊り子に、金蔓みたいな言い草で手酷くなじられた……それはキツいよねぇ。いや知った風な口というより、当たり前にキツいじゃん。

「だってお兄さんは、それでもまだ彼女の事を想ってるんでしょ?

 

「そうじゃなきゃこんなに悩んだりしない、吹っ切れない想いがある。だから「どうして」、「何であんな事を」と考えて……裏切られたような気持ちで、つい酒に浸ってしまった。うん、そうだよね。

「そりゃ辛いよなぁ。わかる、わかるよ。そんなにも好きな、想っている相手に罵られたら、それこそ身を切るような思いだろうさ。

 

「……でもさ、兄さん。そんな時こそ男は、女に変わらない想いを伝えなきゃなんないんだ。たぶんその人は、今もお兄さんの事を待っている。

 

「いろんな事を経験して傷ついた女の人は、愛を告げてくる相手にすら不安を抱くんだ。目の前の男は本当に私を愛しているか。愛しているのなら、その愛はどれだけ深いのか……。自分を守る為に、ついその愛を試してしまう。それはまるで自傷行為さ。結局また自分に傷が増えるかも知れない。それでもやってしまうんだよ。かわいそうなもんじゃないか。涙だって流している事だろう。

 

「想い人が傷付きながら、自分を待ってるかも知れない。そう思うとすぐにでも会いに行きたくなるでしょう?

 

「……それにさ、そんな事は無いと思いたいけれど、もし万が一、その人が本当に悪人で今お兄さんを遊びで弄んでいたとしたら……それはむしろチャンスだ。昔から言われる『ネズミ族の商人こそ情に絆される』ってことわざは、あながちウソじゃあない。

「悪い人こそ、愛に飢えているんだよ。それも一途で純粋な愛ほど、そんな人には毒になる。ひたむきな熱意は、持たぬ人にとってあまりにも未知だから。

「すぐにとはいかないかも知れない。大きな苦労があるかも知れない。でも、その人が求めているのは、誰かの愛だとは思わない? 真摯に愛を向けているお兄さんこそ、あの人には必要なんじゃないかな……?

「これは僕の勘でしかないけど、たぶんそういう人って脆いよ。触れれば砕ける白磁の陶器だから、時に他人を傷付けちゃうのさ。で、そんな砕けちってしまいそうな夜に、お兄さんが手を握っていたら……相手はどう思うかな?

 

「……自分を手酷く振った相手に言い寄られる気持ちは、きっとこの世で比べようも無いものさ。

 

「……どう? 少しは参考になったかな。え? いやいや、良いよ良いよ。その一杯のお金で、花を買って行きなよ。その愛を伝えるんだ、もし今日駄目でも何度だって、めげることなく。

「でも、もし本当にお手上げだったら……また話を聞かせてよ。僕で良ければ、いつでも相談に乗るからさ」

 

 

 

 感謝の言葉もおざなりに、テーブルに代金を叩きつけた彼は、取るものも取らず店から出ていった。

 きっと、愛おしい彼女の元にむかうのだろう。

 その背に手を振りながら、僕はすっかり泡の抜けたバーガルで喉を潤す。

 彼らがうまく行くなら、それは素晴らしい事だ。誰かが幸せになることが、なぜか今の僕には喜ばしい。

 

 ホントは踊り子が所属する酒屋もよく知らないから適当に合わせただけだし、会った事もない女の人の事など分かろうはずもない。

 けど全くの当てずっぽうっつーワケでもない。

 

 果たして水商売の女性がわざわざ金蔓を悪し様に罵り突き放すだろうか。

 よっぽどしつこくつきまとう相手にならまだしも、彼はおとなしく引き下がりこんな所で飲んだくれていた。また、周囲の人間の表情も、彼が普段からそう疎まれていない事を示している。

 それに彼は体格も良い、おそらくは冒険者だ。激昂されれば殺されてもおかしくはない。

 そんな相手をわざわざ面罵する時、その女性はどういう気持ちでいるか。

 

 以上ゲスなシャーロック・ホームズの口からデマカセでしたとさ。初歩的な事だよ、酔っぱらい君。ホラってのはね、相手に騙されたと気付かせないのが一番上等なんだ。

 

 ま、女心はパルプンテだから運の部分も大きいが、とはいえ分の悪い賭けとは思わないかな。

 全くの嘘ってワケでもないし、経緯を聞くにあながち的外れじゃなさそうだ。

 

 それによしんばその人がどうしようもない悪女で、何度もアプローチしたがもう無理つってへこんで帰ってきたら、その時は悪口を聞きながら一緒に吹き上がってあげればいい。

 その頃にはもう彼は彼女から吹っ切れて、僕は共に悪口を言う仲間になっている事だろうさ。

 

 

 誰も傷つかず、そして店に迷惑をかけないで、なおかつ店主から……ほら。

「アイツ元気づけてやってくれてありがとよ。これ食ってきな」

「おや、ありがとう! サーシャ姐から聞いてきてさ、ここのソッシュのシュライロ楽しみにしてたんだ」

「何だサーシャの知り合いかよ。それ先に言ってくれりゃ、アイツだって止めたのに」

「なーに、良いじゃん。僕だって彼の恋が実って欲しかったからね。できそうなことをやっただけ」

 

 僕らはなにがしかの恩恵に与れる。三方得ってヤツだ。もはや絡まれるのもそれを収めるのも造作も無い事である。いや別に好き好んで絡まれてるワケじゃないんだが。

 やっぱどうも僕には覇気ってのが足りないんだろうね、体の一部が黒くなったりしないし。実際たぶん彼とも喧嘩をしたら負けちゃうだろうからなぁ。

 

 だから今回みたいなのは良いけど、話も通じないレベルの酔っ払いや悪漢相手だと、さらに酒飲ませて沈めるか尻尾巻いて逃げるしか方法が無いんだよな。

 しかし逃げるのは悪手だぜ。他のヤツらからもナメられちゃうからね。

 弱いのは良い、だらしないのも別に構わない。でもナメられると……良くない。

 アイツは何かあっても一人でなんとかする奴だと思われていないと、行動が著しく制限される。

 逆に実力も無いくせにその場を収めちまう奴は、言いしれぬスゴ味を感じさせられる。やるといったらやるヤツみてーにさ。

 

 演出みたいなもんだ、ギャップがあるほど相手は勝手に好感情を抱きやすい。

 なんとなくそんな気がして、自然とそう動くようになっていた。

 

 

「戦闘ん時も思ったけどさ、オメェ、結構やるよな」

 

 喧嘩を売られたにも関わらず、事の推移を黙って見守ってくれていた先輩が口を開く。

 いやいや、こっちこそすいませんね。先輩には我慢してもらっちゃって。

 

「そうでもねぇよ。いつの間にやら、こんな風になっちまってからさ……どいつもこいつも、オレになんとかしてくれって頼み込んでくる。頼られるのは気分が良かったけどよ、それって便利な道具とどう違うんだ? そんなオレを守ろうとしてくれたヤツなんて、お前が初めてだった。正攻法とは言えねぇけどさ、オレとアイツの間に割って入ったの、カッコ良かったぜ、青海」

 

 え~、いや、そんな……えへへ……。

 

 ガラにもない褒められ方をして完全に照れた僕は、照れ隠しに店主が出してくれた焼きたての丸い芋にかぶりつき。

 その熱さにめちゃめちゃ火傷をするのだった。アッッッツッッッ!!!

 

 

 そんなイイ話にオチまで付け、僕の顔にフォーカスしてアイリスアウトしかけたところで、先輩はガシッと肩を組んで顔を近付けてくる。

 

 おわわわわわ! な、なに、なんすか!?

 相変わらず身体的接触に弱過ぎる。weakに当たり一回行動不能で総攻撃をくらいボコボコにされちまう。休み耐性の前にこっちの耐性つけたいんすけど、一体何のアクセサリで上がります?

 

「んで! あんな女を落とす手練手管みてぇなのは、一体どこで覚えたんだ、えぇ? オラ、キリキリ吐けや!」

「あ、姐御! シュライロ来ましたよ、いやー美味そうっすねぇ!! ほらほら取り分けますからねぇ〜!」

 

 「レベル上がってスキルポイント振ると覚えられるんすよ」と言うとぶん殴られると敏感に察した僕は、露骨に話を逸し無事小突かれた。

 トホホ〜! 先輩との呑みは全然コリゴリじゃないからまた行きましょうね〜!

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